関連記事: 収入総額は209,198円 収入に関しては、年金収入が大半で、191,880円。 他に、年金以外の収入4232円、勤め先収入4045円、その他9041円を合わせて、収入の総額が 209,198円となっています。 それでは今度は上の図の下の部分、支出の方を見てみましょう。 金融庁の報告書内訳 生活費の各項目です。 食費 6万4444円 住居費 1万3656円 光熱費 1万9267円 家具・家事用品 9405円 医療・保険 1万5512円 交通・通信 2万7576円 教養・娯楽 2万5077円 その他の消費支出 6万9946円 非消費支出(税金や社会保障費) 2万8240円 合計 26万3718円 食費が6万円超は多すぎる ここでもっとも疑問が湧くのが、夫婦二人の食費で6万4444万円というところです。 「家計調査の平均」となっていますが、総務庁の調査は比較的裕福な家庭を対象としたと言われており、外食の費用が含まれているというのが、高額になった理由であるようです。 疑問な住居費 それに対して、住居費は1万円超と、あまりに少額なのです。 これは持ち家にしても、マンションなら、月々の管理費、戸建てなら新しければローン、古ければ修理費など、確実に上回ります。 賃貸であれば、マンションどころか、アパートにも住めない金額です。 車の運転は80歳でもする? 交通・通信には、車の費用が含まれるとのこと。 ガソリ代の他、車のメンテナンス費用などですね。 ただし、高齢者ですので、70歳代を越えたら、車を手離すことも考えてもいい。 80歳代となれば運転している人は車を所持する人もかなり減るのではないでしょうか。 タクシー代など 交通費は削れないとしても、車検などのメンテナンスや維持費、駐車場代などはかからなくなります。 「その他の消費支出」とは あと、多すぎるとしたら、教養娯楽のあたり。 旅行などに行ったとしても、月々2万5千円きっちりかかるというものでもなさそうです。 それと、問題は「その他の消費支出」。 「その他の消費支出」とは「諸雑費、こづかい、交際費、仕送り金」のことで、「非消費支出」とは税・社会保険料・借金の利息など。 税金など後者はやむを得ないとして、前者は定年前の生活を維持しようとするとかかる費用だということです。 しかし、月に7万円はどう見ても多過ぎます。 少なくても、この半額くらいに抑えられないでしょうか。 「2千万円」はクリアできる! そのように考えてみると、金融庁が差額として提示している、マイナス5万円の集積した、老後30年間に必要な金額「2千万円」というのは、何とかクリアできそうな気がします。 そもそも、子どもが巣立ったあとの、夫婦二人の生活として考えた時に、現役世代だとしても、生活費が26万円もかかっているでしょうか。 地価と住居費が高い、都市部の家はともかく、地方ではそういう家は少ないと思われます。 もし、現時点で、生活費が26万円かかっているというのなら、現時点での家計の見直しが必要だと思われます。 家は、賃貸ならお金がかかります。 古屋なら修理やりフォームの費用も必要です。 ローンが終わっているかどうかでも違いが出ます。 住居費については急には対処ができないので、早めに準備をする必要がありますね。 特に住宅ローンの支払いが定年後も終わっていない場合は、借り替えがおすすめできます。
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そして仮に、自らの金融資産を相続させたいということであれば、金融資産はさらに必要になってくる 敢えて解説はしたくありませんが、生活費補填に2千万円、リフォームもして、ハイクラスの老人施設を利用して子どもに介護の負担をかけず、なお、子どもにもお金を残さなくてはならない、という内容です。 これが金融庁の考える「平均値」ということらしいのですが、この試案の中で、年金額の減少の見込みと共に、自分でも老後に備える「自助」が大切と訴えたために、皆が不安に駆られることとなったのです。 老後の生活費は月26. 4万円? 細かい生活費の内訳はというと、審議書の資産では、 老後の生活費は、年金と社会保険などで20. 9万円。 それに対して、支出は、食費は、税金、光熱費などを合わせた額が、26. 4万円。 マイナス分が、5. 5万円、これが月々の赤字となってしまいます。 その年数分を計算したものが、20年で1300万円、30年で2000万円になる、なので、老後は2000万円の資産が必要という計算です。 そしてこのままだと、次の参議院選挙に影響するとして、政府側はそれに反論、麻生太郎金融担当相が、上の報告書を「受け取らない」と述べるに至りました。 老後不足分は7700万円との試算も この問題を受けて、朝日新聞は他の試算を記事にしました。 ニッセイ基礎研究所が試算 ニッセイ基礎研究所研究所に試算してもらうと、65歳まで働いたサラリーマンと専業主婦の2人世帯の場合、 現役時代と同じ生活水準を保とうとすれば、年収300万円未満の世帯で1800万円、1200万円以上の世帯で7700万円など、年収が増えるごとに必要額も大きく膨らむ。 山形県のFPの試算では不足額は2500万円 さらに、山形県のファイナンシャルプランナー林正夫さん(57)は、大企業に勤めた人が多い都市部と違い、県内の年金額は1万数千円少ない可能性が高くなるといいます。 その金額で計算した場合は、毎月の赤字は7万円、20年で約1700万円、30年で約2500万円足りない計算になるとしました。 こちらも朝日新聞記事が掲載しています。 「公的年金だけで食べられる」東洋経済誌 これに対して、東洋経済の経済コラムニスト、大江英樹氏は、審議書の数字は、「今までも一般的にいわれてきたことであり、とくに目新しいことは何も言っていません」として、いまさら不安になるようなことではないと警鐘を鳴らします。 () 要約すると、 ・老後2000万円というのは、あくまでも平均値なので、人それぞれ ・食べていくだけなら公的年金だけでも可能。 つまり、年金が賄うのは、あくまで生活のベースのところであり、それ以上の「余剰」の部分は、自信の貯えによるべき」という意見でした。 終りに 老後に2000万円必要だとしても、退職間近だったり、既に退職をしていれば資産を増やす方法とてありませんので、今となってはあるだけの金額で暮らすほかはありません。 また、政治の問題はともかくとして、金融資産の問題は個人差があります。 いったいどれだけのお金があれば老後が安泰なのかを知るのには、平均値だけに頼らずに、まずは今、どれだけの生活費で暮らしているのか、老後は老後で生活費はいくらぐらいになりそうか、そこを考えることから始まります。 一度自分自身でも、調べてみる必要があると思います。
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「人生100年設定の画期的計算」と豪語していた麻生氏 今回の問題をざっとおさらいしておこう。 金融庁の報告書「高齢社会における資産形成・管理」は、長寿化に伴って預貯金などの経済的な蓄えである「資産寿命」も延ばす必要があると、国民に呼びかける内容だ。 麻生太郎・金融担当相が諮問機関の「金融審議会」に諮り、2019年6月3日にまとまった。 夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職夫婦のケースを総務省の家計調査から計算した結果、月々の年金などの収入から生活費を差し引くと毎月5万円の不足(赤字)が生じる。 今後20~30年で1300万円~2000万円の資金が必要になるというものだった。 各紙報道によると、発表当時の3日、麻生氏は「人生設計を考える時に、100まで生きる前提で退職金(をどう使うか)って計算してみたことある? ふつうの人、俺はないと思うね。 自分なりにいろんなことを考えないとダメだ」と報告書の内容に胸を張っていた。 ところが11日に一転、「これまでの政府のスタンスと異なる。 正式の報告書として受け取らない」と前代未聞の不受理劇を演じた。 チャブ台返しどころか、蹴飛ばしてしまった形だ。 この内容のどこが問題なのか。 産経新聞が指摘する。 「『もう少し言葉の選び方を慎重にすべきだった』。 金融庁幹部は肩を落とす。 金融庁が本来伝えたかったメッセージと違うところで議論が紛糾してしまった。 『人生100年時代』では。 これまでより長く生きる以上、多くのお金が必要になる。 保有資産の運用など、自助の取り組みの重要性を指摘した。 しかし、現状説明で『不足額が2000万円』などと記したことが失点だった。 実際は退職金や預貯金もあるため『不足額』との表現は言い過ぎであるうえ、支出水準が世帯によって異なるため、平均値では誤解を招きかねない。 金融庁の別の幹部も『単純化しすぎて、返って混乱を招いた』と話す」 政府与党があわてて火消しに走ったのは、参院選を控えているからだ。 各紙とも2007年参院選で、「消えた年金問題」が足を引っ張って大敗、その後の政権交代につながったトラウマを指摘する。 「与党の議員や幹部たちは『金融庁は野党の味方か』『なんであんなもんを選挙前のタイミングで出してきたのか』と憤りをあらわにした」(毎日新聞) 「パンツはいてません」と正直にいい過ぎた金融庁 しかし、「金融庁は悪くない。 精一杯の正直さがあだになった」と、お笑い芸人の非常にわかりやすいたとえで擁護したのが、毎日新聞のコラム「水説」の福本容子論説委員だ。 「『安心してください、はいてますよ』。 そんなお笑いネタがあった。 パンツ一丁でたくみにポーズをとり、まるで素っ裸であるように見せてハッとさせる。 でも、もし本当にパンツをはいていなかったら......。 金融庁の報告書が波紋を広げている。 『安心してください』と言っていたのに、自力で2000万円用意しろって詐欺だ! 批判が噴出した。 だが、報告書は『あの人、パンツはいてませんよ』と正直に書いたに過ぎない。 公的年金だけで老後もそこそこの生活基準をキープするのは一般的に無理。 これが現実=『裸』だ。 政府も公的年金だけで100年安心と言ってはいない。 2004年にできた制度は、平均的な現役会社員が受け取る収入の最低50%を公的年金でカバー、がそもそもの目標だ。 当初から残りはご自分で、が前提なのだ。 」 2000万円どころか7000万円足りない試算も そもそも「老後の生活費は2000万円でも不足かもしれない」と、さまざまなエコノミストの調査レポートを紹介しているのが朝日新聞だ。 「第一生命研究所の永浜利広氏が(金融庁報告書と)同じ条件で試算すると、必要額が1500万円に減った。 一方、2000万円では足りないという試算がある。 ニッセイ基礎研究所は、サラリーマンと専業主婦の2人世帯で収入が公的年金のみのケースを想定して試算した。 現役時代と同じ生活水準を保とうとすれば、(現役時代の)年収300万円未満の世帯で1800万円、年収750~1000万円未満で3650万円、年収1200万円以上で7700万円など、年収が増えるごとに必要額も大きく膨らんだ」 さまざまな年収や資産の人を分けて分析しないと、本当に必要な老後の資金はわからないというわけだ。 ともあれ、政府与党は報告書を「なかったこと」(自民党・森山裕国会対策委員長)にする構えだ。 それと同時に、5年に1度行なわれる公的年金財政検証の公表の先送りを図っている。 公的年金財政検証とは、100年というスパンで保険料収入や年金給付費の見通しなどを分析。 長期の公的年金財政の収支バランスを検証して、将来の公的年金の給付水準を示すものだ。 だから「公的年金の定期検診」と呼ばれる。 今回は6月初旬にも結果が公表される見通しだったが、発表が遅れている。 その理由を朝日新聞はこう説明する。 「野党は、2007年に年金記録問題を追及し、参院選で大勝した成功体験がある。 検証結果が(年金だけでは暮らせないという)新たな政権追及の材料になるのは必至だ。 政権幹部は『公表時期が政治マターになった。 官邸の考え次第で、参院選後に先送りするかが決まる』との見方を示す」 毎日新聞も、 「政府与党内には『今出せば火に油を注ぐだけ』との見方が支配的だ」 として参院選後に先送りの方向だ、と報じている。 「なかったこと」にされた審議会メンバーの恨み節 こうした大事な公的年金問題を政争の具にしていいのだろうか。 野党も選挙目当てに国民の不安をあおっていないか、と批判するのは産経新聞の主張(社説)だ。 「野党は報告書について『100年安心』は嘘だったのかと、揚げ足取りに終始している。 だが公的年金が元来、老後資金の全てを賄う設計になっていない。 この大原則は民主党政権時も同様で、知らないはずはない。 老後に必要な資金額を紹介し、自助努力を促すことは本来、当然のことである。 それだけに野党は、公的年金に対する無用の不信を広げる言動は慎むべきだ。 政府与党も報告書の撤回でお茶を濁し、少子高齢化で迎える厳しい現実から目を背けてはならない。 与野党で真摯な議論を進めるべきである」 さて、「(報告書は)極めてずさんで、まともな政治議論に供するものではない(自民党・岸田文雄政調会長)」(読売新聞)とまで酷評された金融審議会のメンバーの無念はいかばかりだろうか。 上柳敏郎弁護士は、毎日新聞にこう語っている。 「自動的に抑制するルールで年金が減るのは前提条件で、備えの手段をどうするかが焦点だった。 関係省庁も入って真剣に議論してきたのに一体何だったのか。 理解できない。 選挙前という事情があるのかもしれないが、問題を直視して政治の場で議論をしてほしい」 みずほ総合研究所の高田創氏も朝日新聞で、 「資産形成を前向きに考えてほしいというのが報告書の趣旨だったが、議論の前提の『2000万円』に関心が集まってしまった。 今回のことで思考停止になってしまうとすれば残念だ」 と訴えている。 (福田和郎).
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