ビジネスシーンでは、敬語で会話をするのが一般的です。 気心の知れた相手であれば、多少の敬語の間違いなども気になりませんが、相手が上司や取引先の人といった目上の人物となると、話は別です。 正しく丁寧な言葉で話せないと、「社会人としての基本ができていない」と思われ、評価や契約などに悪影響を及ぼす可能性があります。 さまざまな種類や使い方がある敬語の中でも、特に間違って使いやすいのが、「その通り 」という言葉です。 相手の意見が的を得ている際などに使いがちですが、目上の人に対して使う敬語としては、どうなのでしょうか?また、「その通り」の読み方も、間違っている方が多いのだとか。 そこで今回は、「その通り」の読み方や、敬語としての正しい使い方について考えていきたいと思います。 上記でご紹介した「おっしゃる通り」に言い換えるだけでも、「その通り」と話すよりはとても丁寧な印象を相手に与えられますが、更に丁寧で相手を敬っている言い方もあります。 「おっしゃる通りでございます」と言い換えると、「おっしゃる通りです」よりも更に丁寧な敬語を使えますよ。 とは言え、「おっしゃる通りでございます」は、少々硬すぎると感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。 取引先の相手などには良いかもしれませんが、同じ部署の上司などに対しては、過剰に気を遣い過ぎている印象を受けます。 「おっしゃる通りです」よりは丁寧に、しかし「おっしゃる通りでございます」よりは大袈裟にならない言い方としては、「おっしゃる通りです。 申し訳ありませんでした」などのように、もう1文付け足してみることをおすすめします。
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公開日: 2018. 11 更新日: 2018. 11 「考慮」の意味と使い方、敬語、類語「配慮」との違い 「考慮」という言葉をご存知でしょうか。 「考慮する」「ご考慮」といったようにビジネスシーンにおいてもよく使用される言葉です。 普段何気なく使うことの多い「考慮」ですが、意味をしっかりと理解しているでしょうか。 また、「配慮」や「勘案」などと似た言葉が多々ありますが、きちんと使い分けできているでしょうか。 意味と使い方をしっかり把握しておけば、きれいな日本語を話せます。 そこで今回は「考慮」の意味や使い方、敬語表現、類語との違いについて解説していきます。 例えば、「相手の事情を考慮する」といった場合は「相手の事情という要素を含めてよく考える」という意味になります。 このように、よく考えることを「考慮」と言います。 「考慮」の使い方としては、 ・考慮する ・考慮を要する ・考慮に入れる ・考慮に値する ・考慮の余地がない などとなります。 「考慮に入れる」はよく使う表現です。 これは「多くのアイデアを考える上で、その考えも1つの要素として十分に考える」という意味で用います。 「考慮の余地がない」は「アイデアの1つとして取り入れることができない」というマイナスな意味で使います。 例文 ・相手の事情を考慮して、予定を組む。 ・本人の希望を考慮した上で、正式に決定する。 ・あなたの意見を考慮する必要はない! ・この問題は考慮する価値がある。 ・一人一人の能力を考慮した上で、メンバーを集める。 ・今回は体調面を考慮して、休みを取ることにした。 ・相手の都合を考慮する余地がない。 ・これらの事柄も十分考慮する必要がある。 ・様々な意見を考慮して、日程を決定する。 ・リーダーは準備が必要になるので、社員の通勤時間を考慮して誰にするかを決める。 ・何故か自分の意見を全く考慮してもらえなかった。 ・たくさんの意見を考慮した結果、自分の案が採用された。 「考慮」の敬語表現 「考慮」を敬語の尊敬語にするときは、尊敬を表す接頭語「ご」を付けて、 「ご考慮」とします。 「ご配慮いただき」「ご考慮ください」などと使うことができます。 「考慮」を謙譲語にするときは 「考慮いたす」「考慮させていただく」などです。 ・勝手なお願いで誠に恐縮ではございますが、ご考慮いただければ幸いです。 ・誠に申し訳ありませんが、ご考慮いただけますか。 ・皆様の希望を配慮いたしました上で、日程を決定したいと思います。 「考慮」と「配慮」の違い 「配慮」は <はいりょ>と読みます。 「配慮」の意味は 「心をくばること。 心づかい」です。 「配」は「注意を行き届かせる」、「慮」は「あれこれと思いめぐらす。 思い」を意味します。 例えば、「配慮が足りない」といった場合は「気配りが足りない」という意味になります。 「配慮」は「相手をよく思いやること」、「考慮」は「よく考えること」となります。 「配慮」は他人や他のことに対して言葉や行動で示すことを表しているのに対して、「考慮」は言葉や行動を起こす前によく考え判断するということを表します。 「配慮」と「考慮」は似ていますが、意味は異なるので間違えないようにしましょう。 例文 ・当人の気持ちを配慮して、今回の会は中止することにした。 ・この間泊まったホテルは隅々にまで配慮が行き届いており、とても気分がよかった。 ・配慮に欠ける処置を行ってしまったことを反省する。 「考慮」と「勘案」の違い 「勘案」は <かんあん>と読みます。 「勘案」の意味は 「あれこれと考え合わせること」です。 「勘」は「考え合わせる。 つき合わせて調べる」、「案」は「調べる。 調べる事柄」を意味します。 日常的には使いませんが、企業や公的機関が発表するスピーチなどで堅い言い回しを必要とする場面では多く使われます。 ですので、「お役所言葉」「ビジネス言葉」と言われています。 「考慮」は一つの考えだけでなく複数の事柄を考え合わせる場合にも使いますが、「勘案」は複数の事柄を考え合わせる場合にしか使いません。 また、「考慮」の方が一般的に使われることが多く、「勘案」を使用することはそんなに多くありません。 例文 ・いろいろと勘案して、一番良い方法を探る。 ・諸事情を勘案して、議論を進めていく必要がある。 ・たくさんの条件を勘案した上で、我々は判断をしなければならない。 「考慮」の類語 思慮<しりょ> (意味:注意深く心を働かせて考えること。 また、その考え) 「随分と思慮に欠ける行動である」 考察 (意味:物事を明らかにするために、よく調べて考えをめぐらすこと) 「アンケートをもとにして、現代の若者文化について考察する」 熟考<じゅっこう> (意味:念を入れてよく考えること。 熟慮) 「熟考を重ねた上で、行動をする」 慮る<おもんぱかる> (意味:周囲の状況などをよくよく考える。 思いめぐらす) 「彼の事情を慮って休むことを提案する」 斟酌<しんしゃく> (意味:相手の事情や心情をくみとること) 「何十回目かの再試験なので、採点に斟酌を加える」 見込み (意味:先行きの予想。 あて) 「今日は晴れる見込みです」 先読み (意味:これから起こるであろうことを予測すること) 「相手の動向を先読みしておく」 加味 (意味:あるものに、別の要素を付け加えること) 「他の人の意見を加味して、予定を決める」 気兼ね (意味:他人の思わくなどに気をつかうこと) 「あの人一緒だとどうしても気兼ねしてしまう」 遠慮 (意味:人に対して、言葉や行動を慎み控えること) 「タバコはご遠慮ください」.
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敬語はとにかく丁寧であればいい、だからたくさん丁寧な要素を入れればいい。 そう考えているなら、おそらくあなたの敬語はだいたいが間違っています。 中でも代表的な間違いは「させていただく」「よろしかったでしょうか」「お帰りになられる(二重敬語)」でしょう。 本日司会を務め させていただきます、〇〇と申します。 お手元の資料について、ご説明 させていただきます。 添付の書類について、ご紹介 させていただきます。 追加させていただく資料などが発生いたしましたら、座席後方にて配布 させていただきますので、ぜひ、お声かけいただけますよう、ご案内申し上げさせていただきます。 聞いている私がハラハラしましたが、本人は全く気にしていない様子。 おそらく、「させていただく」と言っておくだけで、彼女なりに何かをクリアしている心境なのでしょう。 この「させていただく」について、文化庁の見解があります。 相手側、または第三者の許可を受けて行う場合• そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合 この2つの条件がある場合だけ「させていただく」が適切だとしています。 文化庁 文化審議会答申より 「させていただく」が適切だとする例として、例えば、相手が持っている資料のコピーを取らせてほしいと、許可を求める場合です。 その資料、コピーを取ら せていただけますか? これはOKです。 これはしっかりと納得できますよね。 では冒頭に書いた、そしてみなさんが本当によく使うこの言い回しはどうでしょう?• 本日司会を務めさせていただきます、〇〇と申します。 あまりによく耳にするフレーズなので、聞き流してしまうほど。 しかし、この言い方、実はやや冗長な言い方なのです。 この言い方の場合 1 相手側、または第三者の許可を受けて行う場合 2 そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合 の条件で考えると、1については、「あなたが司会を務めてよろしい」と誰かが許可を下したことを臭わせています。 確かに、立候補したのでなければ、当然、誰かが許可か推薦をしたのでしょう。 しかし、この司会業がどんなに大役でも、許可か申請をしたのは、所詮「身内」です。 そして2については、大役であればあるほど、それこそ「恩恵を受ける」のは司会をするあなたであり、そんなことは聞き手が知らなくても良い情報です。 ですから、このような場合は、 シンプルに 本日司会を務めます、〇〇と申します。 で十分なのです。 逆に、1と2の条件が分かるように、思い切り言葉で臭わせて、会場の同情を得るような、例えば、大物芸能人同士の結婚式の司会をする場合などは、この言い方でも良いかも知れませんね。 他にも「本日休業させていただきます」や「私は〇〇会社に勤めさせていただいております」もこのルールで「言い過ぎた敬語」であることが分かると思います。 「誰かが許可をした」ということを強調したい場合にだけ、適していると考えれば良いのですね。 この方向でまとめて、よろしかったでしょうか。 私どもの方でご用意する形でよろしかったでしょうか。 ご注文は、〇〇でよろしかったでしょうか。 この「よろしかったでしょうか」は、相手に配慮をし、自分の行動が正しいかどうか再確認する意味があります。 そして、適切に使えば「誤用」とは言えません。 ただし、いわゆる「バイト敬語」とされているきらいがあり、日常で敬語を使う機会もなく社会人になり、便利なので、そのままこのフレーズだけを型にはめて使っている人が多いようです。 「よろしかった」かどうか伺うということは、再確認の意味がありますので、あまりに多用すると 「聞いていなかったの?」 と思われても仕方がないのです。 このような場合は、思い切って言いきるのが良いでしょう。 この方向でまとめて、よろしいでしょうか。 私どもの方でご用意する形でよろしいでしょうか。 ご注文は、〇〇でよろしいでしょうか。 ちっとも、違和感がありませんよね。 むしろ、聞いている方の不安感が綺麗に消えます。 つまり、「よろしかった」という過去形の言い方を「よろしい」に直せば良いのです。 敬語表現をしたつもりが、不安になっては元も子もありませんよね。 ここでも シンプルが一番です。 ついついたくさん使いがちな「二重敬語」は整理して 次に、不安で不安で敬語を重ねてしまい、結果的におかしな言い方になっている例です。 〇〇様は、お帰りになられました。 〇〇様が、このようにおっしゃられています。 〇時に、伺わせていただきます。 これらのフレーズも、日常でよく耳にします。 「お~になる」+「~になられる」 「おっしゃる(言うの敬語)」+「られる」 「伺う(行くの敬語)」+「~いただく」 と、敬語表現が二重になっている為、文法的にも誤りとされている言い方です。 しかし、こちらの二重敬語では、あまりに使われすぎて、文法的には間違っているけれど、認められつつある言い方もあります。 お召し上がりになる もその一つです。 本来は「召し上がる」+「お~になる」という二重敬語なのです。 そうなると、どれが良くてどれが悪いのか、不安になると思いますが、ここでも シンプルイズベストのルールが適用されます。 〇〇様は、お帰りになりました。 〇〇様が、このようにおっしゃっています。 〇時に、伺います。 しっかりした日本語ですし、聞いていて潔い、自信にあふれた感じがしますよね。 心もとない言葉を何で補う? それでも、私の敬語は足りないのではないか?と不安に思う人もいるでしょう。 その場合は、敬語表現を付け足して「盛る」のではなく、尊敬の念を持った態度で話すと良いでしょう。 例に挙げた• 本日司会を務めます、〇〇と申します。 これで「敬意が足りているかどうか不安」なのであれば、言葉を付け足して盛るのではなく、しっかりした 相手を尊敬する態度を付け足せば良いのです。 皆さんのために、自分の役目を堂々と果たすつもりだと背筋を伸ばして、しっかり頭を下げて、堂々と挨拶をすれば、もう言葉は不要ですよね。
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