ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)の株価が暴落しています。 投資業に変貌したソフトバンクGは、特に個人投資家の人気を集める企業ですが、今回の新型コロナウィルスによる全世界的な株価下落は、ソフトバンクGにも大きな影響を及ぼしているようです。 ソフトバンク Gは大丈夫なのでしょうか。 投資会社であるが故に、世界的な株価の下落では非常に大きな影響を受けているのではないでしょうか。 今回はソフトバンクGの現状について確認してみましょう。 現状の概要 まずは現状を確認しましょう。 ソフトバンクGの株価について概要がまとまっている日経新聞の記事を引用します。 「ビジョン・ファンド」を通じ世界の有力スタートアップ企業に投資してきたが、新型コロナウイルスの感染が広がり株安が加速。 出資先企業の価値も下がると、警戒されている。 売買代金は連日で2000億円を超えた。 ファンドの投資先は「ユニコーン」と呼ばれる未上場の巨大企業が中心。 「実態が外部から見えないために、金融市場が混乱する中では株式市場の不安が増幅されやすい」(国内運用会社) SBG株は一般の個人投資家にも人気がある。 こうした個人は逆張りの買いを入れる傾向が強く「2019年の下落局面では積極的に信用買いを入れていたが、足元では急落に耐えきれず投げ売りを迫られている」(岡三証券の小川佳紀日本株式戦略グループ長)。 株安によってクレジット市場にも動揺が広がる。 企業の信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ市場で、SBGの保証料率は上昇している。 QUICK・CDS平均(5年物)でみると、19日時点で5. 85ポイント上昇して 約10年半ぶりの高さとなった。 SBGは、純有利子負債を保有株価値で割った「負債カバー率(LTV)」を財務の物差しとしている。 SBGが保有する株式の価値も27兆円を超えるが、株安がどこまで進むか分からないことが市場の懸念につながっている。 (以下略) これがソフトバンクGの株価に関する記事です。 では、ソフトバンクGについてもう少し詳しく見ていくことにしましょう。 株価の状況 2020年3月19日のソフトバンクGの株価は急落しました。 (出所 Yahooファイナンス) この暴落により時価総額は5兆6,153億円(参照Yahooファイナンス)となりました。 尚、連結子会社のソフトバンク(携帯電話会社)の株価は、終値1,463. すなわち、携帯電話会社のソフトバンクを支配する親会社であるソフトバンクGの時価総額が、子会社のソフトバンクの時価総額を下回る事態となりました。 では、ソフトバンクGの株価下落の要因は何なのでしょうか。 投資先の株価下落等で大きな損失が見込まれているのでしょうか。 ソフトバンクGが保有する株式の状況 ソフトバンクGは、自社の株主価値が2020年3月19日時点で一株当たり10,249円であると主張しています。 これは同日時点の株価の3. 8倍にあたります。 そして、純粋な負債は保有株式価値の2割弱でしかないとし、安全性に問題ないとしています。 <ソフトバンクGのWebサイトからの抜粋>• 株主価値10,249 円/株=保有株式13,162 円/株ー純負債2,913 円/株• 当社株価2,687 円• 純負債/保有株式率(LTV)18 % ソフトバンクGが保有する株式は多岐に渡りますが、特に重要な株式はアリババ、ソフトバンク(携帯会社)、 スプリント(米携帯電話会社)です。 これは規模が大きいという点もありますが、何よりも上場しているため時価がはっきりしているからです。 以下はソフトバンクGが毎日公開しているソフトバンクG株式一株当たりに計算しなおした保有株式の価値です。 <2020年3月19日時点の保有株式>• アリババ(日次更新)6,284 円/株• ソフトバンク(株)(日次更新)2,249 円/株• スプリント(日次更新)1,341 円/株• Arm 1,274 円/株• ソフトバンク・ビジョン・ファンド(四半期更新)1,485 円/株• その他(四半期更新)529 円/株 (出所 ソフトバンクグループWebsite/) 上記を単純に合算すると13,162円となり、ソフトバンクGの株主は一株当たり13,162円の価値があるアリババ等の株式を保有していることになります。 一方で、同日時点のソフトバンクの株価(一株当たり)は2,687円でしかないのです。 ソフトバンクGの株価はいくらが適正か では、ソフトバンクGの株価は売り込まれすぎているのでしょうか。 安すぎるのでしょうか。 ソフトバンクGが保有する株式において、明確に時価があるもので主なものは以下です。 アリババ 6,284 円/株• ソフトバンク(株) 2,249 円/株• スプリント 1,341 円/株 この合計である9,874円/株は、少なくとも時価として計算できる数字です。 単純に言えば、他の全ての資産に価値が無かったとしても、(ソフトバンクGの主張にかなり寄り添うと)ソフトバンクGの株式は9,874円/株の価値はあるということになります。 但し、ソフトバンクGの主張(計算)には一定の根拠がありますが、留意点もあります。 上記のソフトバンクGの株主価値(10,249円/株)というのは、ソフトバンクGが保有する株式から「純負債(2,913円/株)」を控除したものとしています。 すなわち、子会社の有利子負債は除かれているのです。 これが意味するところは、金融機関等から子会社が借入を行っても「親会社であるソフトバンクGは面倒を見ない(困った時に助けない)」ということが前提です。 違う表現をすれば、「ソフトバンクGはいつでも子会社を外部に売却する」と言っているに等しいことにあります。 ソフトバンクGが本当に投資会社であるならば、この考え方には何ら違和感はありません。 しかし、WeWorkへの支援(その後撤回との報道もありましたが)のような動き等を見ると完全に投資会社と言えるのかは微妙なところがあるように筆者は考えています。 要は、株式保有先(子会社)が何らかの形で資金を必要とし、その際に単独では調達できない時に、ソフトバンクGは資金支援を迫られるのではないかということです。 そうであるならば、有利子負債から子会社の有利子負債を除くのは正しいのか疑問となります。 また、ハイブリッド債を有利子負債から50%控除する処理しています。 ソフトバンクGのハイブリット債は1兆3,210億円の残高があり、更に米ドル建て劣後特約付社債の4,500万米ドル(4,950億円@1ドル110円換算)もありますので、合計1兆8,160億円の半分である9,080億円を有利子負債としてカウントせずに、株主価値を算出しています。 ハイブリッド債は確かに資本性の資金(ソフトバンクGの場合は50%資本性評価を得ているのでしょう)ではありますが、通常はノンコール期間到来後はリファイナンス(借換)にて対応します。 間違いではありませんし、考えもおかしくはありませんが、ハイブリッド債を有利子負債から50%控除するのは少しソフトバンクGに都合が良いようには感じます(ハイブリッド債でリファイナンスが出来ずそのまま期限まで償還しない対応をした場合、恐らく二度とハイブリッド債は発行出来ないでしょう)。 金融全般について考察するブログです。 自分が新入行員だった頃に、銀行じゃ習わないけど必要な知識等を解説してくれるサイトが欲しかったので、そんなサイトを目指してブログを開設しました。 是非とも読者登録もお願い致します。 筆者:旦 直土(だん なおと)。 ブログ開設当初は二口 直土(ふたくち なおと)として活動。 銀行で主に法人営業担当および人事関係の業務に携わる。 2017年より「銀行員のための教科書」と題するブログを立ち上げ、銀行に関する情報のみならず、経済・労働問題について情報発信するようになる。 自身が若手の頃に本当に学びたかったことが銀行の研修資料やマニュアル等には説明されていなかったことを思い出したことがきっかけ。 以降、若手銀行員や他業界の方に対して発信を行うようになる。
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6 7,049. 3 0. 1 7,636. 3 0. 2 7,633. 4 0. 1 7,967. 1 1. 2 7,715. 2 0. 96 情報提供 株価予想 業績予想.
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ソフトバンクグループが過去最大となる1兆3646億円の巨額赤字を計上した。 同社は資産売却などを進め、財務体質の改善を進めるとしている。 一部からは今後を不安視する声も聞こえてくるが、経営が破綻する可能性は極めて低い。 その理由は、同社はすでに事業会社ではなく投資会社に近い事業形態になっているからである。 投資会社は良くも悪くもコアとなる事業がないため、投資に失敗すれば、ポートフォリオが歯抜けになっていくだけである。 幸い、同社には通信というコア事業が残っており、一定のキャッシュフローを確保できている。 資産売却などによって得た資金と、通信子会社が稼ぐ資金を使って、どこまでポートフォリオの解体を止められるのかが今後の焦点となるだろう。 〔PHOTO〕Gettyimages ソフトバンクはもはや投資会社 ソフトバンクグループは2020年5月18日、2020年3月期の決算を発表した。 売上高は前期比1. 5%増の6兆1850億円だったが、営業損益は1兆3646億円の赤字、最終損益も9615億円の赤字に転落した。 2兆円の営業利益だった前期から一転し、過去最大の赤字決算である。 冒頭で説明したように、同社には通信事業というコア事業が存在しているものの、限りなく投資ファンドに近い事業形態となっている。 今回、計上した損失についてもほとんどが投資事業の評価損といってよい。 具体的にはソフトバンク・ビジョン・ファンド(いわゆる10兆円ファンド)が保有する、ウーバー(ライドシェア)、ウィーワーク(シェアオフィス)といった企業である。 一方で、同社は年間約1. 1兆円の営業キャッシュフローを確保しているが、この大半は通信子会社であるソフトバンクが稼ぎ出したものである。 投資先の評価損というのはキャッシュが流出したものではないので、同社がすぐに資金繰りに窮することはない。 一般的な事業会社の業績が悪化する時には、本業の事業がダメになり、赤字が発生してキャッシュが流出。 資金を手当てできない場合には、資金繰りに詰まって倒産に至る。 赤字そのもので倒産することはなく、企業が倒産する理由のほとんどが資金繰りである。 ところが投資事業が主体の場合、事業の構造がまるで異なっている。 コロナ危機のような事態が発生し、投資した企業の業績が悪化すると、投資先企業の資金繰りは厳しくなるが、投資した側は株価が下落して評価損が発生するだけで、資金面における直接的な影響はない。 投資した企業の株式を担保に借入れを行い、さらに追加投資を行っている場合にのみ、一定水準以下に株価が下落すると破綻に至る。 ソフトバンクグループも多額の借入れを行っているが、利益を出している通信事業やアリババ集団といった優良な資産を保有しているので、これらの事業には十分な担保価値がある。 2019年12月末時点において、同社が保有している株式の価値は29兆円となっており、純有利子負債は6兆円なので、すべての企業が一斉にダメにならない限り、同社が破綻するといった事態は考えにくい。 〔PHOTO〕Gettyimages 株を売って資金を捻出 だが、破綻する可能性が極めて低いからといって、今回の事態が、同社にとって軽微なのかというとそうではない。 投資先企業の時価総額が減った分、他の投資先など価値が残っている資産を売却し、財務上、その穴埋めをしなければならない。 実際、同社は今回の巨額赤字を受けて、虎の子であるアリババ集団の一部株式を売却し(実際には先渡し契約)、1兆2500億円の現金を確保したほか、通信子会社であるソフトバンクの株式5%を売却し3300億円を調達している。 孫正義社長は、投資先企業について「15社が倒産し、15社がコロナの谷を飛んでいって成功する。 残りの60社弱はまあまあの状況になるのではないか」と説明している。 筆者はかつてベンチャーキャピタル・ファンドの運用に従事したことがあるが、孫氏の見通しはベンチャー投資としてはごく平均的な水準であり、取り立てて大きな問題があるわけではない。 だが、孫氏の見立てを現実が大きく下回り、投資先企業の破綻が増加すれば、そのたびに財務上の穴埋めが求められる。 最悪のシナリオとしては、投資ポートフォリオが解体されてしまう可能性はゼロではない。 すでに投資してしまった企業については、今からは対策の打ちようがないので、市場の推移を見守るしかないだろう。 〔PHOTO〕iStock 冒頭でソフトバンクグループは限りなく投資会社に近づいていると述べたが、それでも同社には国内通信会社であるソフトバンクというキャッシュを稼げるコア事業が残っている。 また、2020年4月には長年の懸案事項だった米通信会社スプリントとTモバイルUSの合併が完了し、いよいよ上位2社であるベライゾン、AT&Tと互角に戦える環境が整った。 スプリントとTモバイルUSは通信会社なので、日米という市場の違いはあるものの、国内通信会社であるソフトバンクと同業ということになる。 両者を単なる投資先と見るか、ソフトバンクのコア事業のひとつとして見るのかについては見解が分かれるだろうが、少なくともソフトバンク・ビジョンファンドが投資しているシェアリング・エコノミー企業とは性格が異なるのは間違いないだろう。 最悪、投資ファンドの事業がうまくいかなくなっても、コア事業である通信事業を守ることができれば、事業会社としての存続が可能である。 ジャック・マー氏退任の意味 孫氏は当初、通信事業を核に資金調達を進め、ビジョンファンドなどを通じて、シェアリング・エコノミー企業への投資を加速させ、次世代のネット・ビジネスにおける覇権を握るというシナリオを描いていた。 こうした次世代ネット・ビジネスの中核となる企業は、ウーバーとアリババだったが、アリババについては今後、どれほどのシナジー効果を得られるのか微妙な状況となってきた。 その理由はアリババの創業者であるジャック・マー氏がソフトバンクグループの社外取締役から退くからである。 ジャック・マー氏〔PHOTO〕Gettyimages マー氏はアリババの創業者であり、同社が創業間もない時から孫氏が目をかけ、資金を投じて育成してきた。 アリババが中国を代表するネット企業に成長したことで、ソフトバンクグループには巨額の含み益が転がり込み、これが同社の投資事業を支えてきた。 つまりマーと孫氏は戦友ということになる。 だがマー氏は昨年、55歳の誕生日を期に第一線から退くことを表明した。 教師出身のマー氏は「教育事業を手がけたい」と引退の理由を語っているが、額面通りに受け取る人はいない。 中国共産党の権力闘争に巻き込まれたとの見方が有力であり、アリババが今後、どのような事業展開を見せるのか不透明な状況になっている。 またアリババも広範囲な投資を行っており、一部の事業ではソフトバンクグループと競合していることから、両社がタッグを組んで、共同でネット・ビジネスを展開するという状況にはなっていない。 マー氏が引退宣言を行い、事業における利益相反も発生しているという現状を考えると、マー氏が社外役員を退くのは自然な流れといってよいだろう。 結果としてアリババは、ソフトバンクグループにとって単なる投資先であり、事業のパートナーではなくなることを意味している。 今後はウーバーを核に、次世代のネット戦略をどう描くのかが注目される。 外部サイト.
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