毎年、冬になるとスーパーの野菜売り場に並ぶ 生とんぶり。 プリプリ、プチプチした食感がキャビアに似ていることから「畑のキャビア」とも呼ばれています。 ホウキギはその名のとおり、昔は箒(ほうき)を作るのに使われていました。 細い茎が枝分かれした先に、小さな実がたくさんつきます。 強い風が吹くとポロポロと実が落ちてしまうため、あまり風のない場所でしか育てることができません。 さらに、加工するときにたくさん水を使うので、水道が普及していない時代には湧き水に恵まれた土地でしかとんぶりを作ることができませんでした。 そのような、とんぶりを栽培・加工するのにぴったりの気候風土だったのが、大館市の山あいに位置する比内地区です。 農林水産省では、 その土地の気候風土特有の農林水産物や、 伝統技術を生かした加工食品を 産地ブランドとして登録する「地理的表示(GI)保護制度」を設けています。 大館市比内地区の特産物であるとんぶりは、2017年に「 大館とんぶり」としてGI登録されました。 市場には中国産のとんぶりも流通していますが、「大館とんぶり」として売られているものは紛れもなく国産のとんぶりです。 今回は、三代目とんぶり農家で、農業法人を立ち上げた羽賀一雄(はが いちお)さんに「大館とんぶり」の魅力について教えていただきました。 とんぶりを作り続けて100年 羽賀さんは、2013年に定年退職したのを機に農業生産法人「株式会社秋田ハガイチオ」を立ち上げました。 羽賀さんのお祖父さんの代から約100年間、比内地区の日詰集落で箒ととんぶりを作り続けてきた農家で、今は300アールの畑でとんぶりを生産しています。 日詰集落を流れる炭谷川 山に囲まれ豊富な湧き水に恵まれた日詰集落では、古くからとんぶり作りが盛んでした。 集落の人たちにとってとんぶりはとても身近な食材で、精進料理の一品としても食べられていました。 羽賀さんが子供の頃は収穫や加工の全ての工程が手作業で行われていて、逆さにした臼(うす)の底にホウキギを叩いて実を落とし、実は加工してとんぶりに、茎は箒にして売っていたそうです。 羽賀さんの作業場で使っている手作りの箒。 今は箒の需要が少ないため、茎は土に返しています(有機栽培)。 栽培戸数が多かった当時は、手作業のため1戸当たりのとんぶりの生産量は少なかったそうです。 昭和54年になって日詰集落に「とんぶり加工所」が完成し、機械を使って作業をするようになってから一気に生産量が増加しました。 とんぶりができるまで それでは、とんぶり農家の一年間をご紹介します! <春>5月にホウキギの種を撒きます。 <夏>6月、ほ場(畑)に苗を定植します。 7月、追肥、土寄せ(雑草対策)、芯止めを行います。 <秋>9~10月ごろになるとホウキギは100〜150センチほどの高さになります。 葉が色づき、実が成熟した頃が収穫の適期です。 収穫した実をその日のうちに乾燥機に入れ、水分が抜けるまで乾燥を繰り返してから保存します。 10月からとんぶりの加工作業を開始し、JAあきた北に出荷します。 とんぶりの収穫 作業場の2階で乾燥させているホウキギの実 <冬>11月から1月にかけて、とんぶりの加工作業がピークを迎えます。 加工は在庫が無くなるまで通年ベースで行います。 【加工作業】 1. 乾燥したホウキギの実を煮る。 煮た実をぬるま湯につける。 外皮を取り除く。 (伝統技術です!) 4. むいた皮をきれいに取り除く。 (水洗い) 5. 脱水する。 仕上げ作業を行い、「とんぶり」の完成! 寒い冬の時期に冷たい水でひたすらとんぶりを洗う作業は、とても大変なものです。 スーパーフードとしておなじみのキヌアと同じアカザ科植物の仲間で、生活習慣病の予防などに良いといわれています。 ホウキギの実を乾燥したものは古来から生薬として使われており、古代中国の薬学専門書『神農本草経』にも「地膚子(じふし)」として載っています。 今でも地膚子は漢方薬として使われています。 とんぶりの栄養成分(ゆでたもの)100グラム中に含まれる栄養成分 出典:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)より 自然食品であるとんぶりは、精進料理の一品としても全国から需要があります。 ヘルシーで食感が良くどんな食べ物にも合わせやすく、特に納豆や長芋、山の芋などネバネバ食材との相性はバツグン! とんぶり、山の芋、卵黄(比内地鶏の卵)、オクラ、大葉を乗せた「比内ちから丼」(レシピ&写真提供:羽賀一雄さん) 「大館とんぶり」生産の今後の課題 全国のみならず海外からも需要があり、国内生産のほとんどが大館産であるとんぶり。 大館ブランドとしての地位を確立しましたが、現在、生産者不足という深刻な状況を抱えています。 最盛期の1990年には138戸だった生産農家が、2018年には10戸まで減少してしまいました。 生産者の高齢化と後継者不足、気候変動により収穫量が大きく影響を受けること、加工作業の負担が大きいことなど、生産者減少の背景にはたくさんの課題があります。 せっかくGI登録され、産地ブランドとして認められた「大館とんぶり」なので、全国の方に食べてもらいたい・・・ もっと販路を拡大し、高品質を維持しつつ生産量を増やしたい・・・ 生産者の所得を増やしたい・・・ そのような思いで、JAあきた北大館とんぶり生産組合の皆さんは、課題解決に向けた方策を検討しています。 国際的な衛生管理基準であるHACCP(ハサップ)の義務化に向けて、JAあきた北では今、とんぶり加工施設を基準に対応させていく準備を始めました。 さらに、ホウキギ栽培ととんぶりの加工作業を生産者とJAで分担することで、生産者の負担を軽減しつつ栽培面積を拡大していく取り組みや、新規生産者の確保についても協議しています。 集落の人たちが古くから誇りを持って作り続けてきたとんぶり。 時代の流れで生産は難しくなってきましたが、一方で需要は拡大しています。 今の時代に合わせた生産方法を見つけて、産地ブランドである「大館とんぶり」を守り未来へつなげていくため、JAと生産組合のたゆまぬ努力が続きます。
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『とんぶり』って? 「とんぶり」とは、お掃除に使うホウキの材料となる、「ホウキ草」の種子を乾燥させ蒸したものです。 黒に近い深緑で、プチプチ、プリプリとした食感が、世界三大珍味の高級品、チョウザメの卵「キャビア」に似てることから、「畑のキャビア」と呼ばれてきました。 海外では「マウンテンキャビア」と呼ばれているそうです。 原産地は中央アジアや西アジアで、中国を経て日本に伝わったそうです。 毎年、10月上旬頃から出回るそうです。 残念なことに、農家の高齢化と後継者不足により、栽培面積と生産量は少しずつ減少してしまっているそうなのです。 収穫後すぐには食べられず、手間暇かけて作業を行います。 乾燥させ、皮をむき、繰り返し洗浄し、いくつもの工程を経て、ようやく食べられる状態になるそうです。 『とんぶり』の栄養と効能 とんぶりは、漢方にもある! とんぶりは、漢方においては「地膚子(ぢふし)」と呼ばれます。 中国では約3000年前から使わており、利尿作用があり、泌尿器系の改善に使用されます。 また腎炎の予防や、腹水による病気治療にも、効果があるとされています。 眼精疲労の改善、肝臓の炎症を抑えるともいわれています。 養生食として使われることもあるそうですよ。 ビタミン、ミネラルが豊富 とんぶりは様々な栄養素が含まれています ビタミンとミネラルがバランスよく含まれています。 ビタミンAが多く含まれていているので、抗酸化作用や免疫活性作用があります。 また、 ビタミンEも野菜類の中では多く含む方なのです。 ビタミンEにも 活性酸素を除去して、 細胞膜の脂質の過酸化を抑制する抗酸化作用があるため、 アンチエイジングの効果もあります。 さらに、 骨形成に必要なビタミンKも多く含まれます。 ゴボウより多いと言われる食物繊維 とんぶりは、食物繊維が非常に豊富なのも特徴的です。 食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。 とんぶりには、 不溶性食物繊維の比率が多く、大腸でしっかりと水分を吸収し、便のかさを増やし、腸壁を刺激、蠕動運動を促してくれるので、便秘改善の効果が期待できます。 便が腸内の有害物質を排出する働きがあるので、 大腸がんの予防に有効です。 糖尿病予防にも! とんぶりは、サポニンも多く含みます。 サポニンには、体内での脂質の代謝を促進する効果があり、血糖値の上昇を抑制してくれます。 そのため、 糖尿病の予防と改善に効果があるそうです。 さらに、 アルコールの吸収を抑える効果もあるので、悪酔いを防いでくれます。 お酒の好きなな方は、おつまみに打ってつけですね。 美味しい食べ方 とんぶり自体には、それほど主張する味はありません。 味よりも、食感を楽しむ感じでしょうか。 私がよく作る、超簡単レシピをご紹介します。 とんぶりと長芋の和え物 作り方 長芋…半分位 とんぶり…1パック位 ポン酢…大さじ1 ごま油…小さじ1 のり…適量 1、長芋を細めのスティック状に切ります。 2、とんぶり、ポン酢、ごま油と和えます。 3、海苔をちぎってかければ完成! 簡単で、とっても美味しいです。 納豆やとろろと和えて、ご飯に乗せるのも人気の食べ方ですね。 ドレッシングともよく合い、レタスやキュウリや大根などと合わせ、サラダにして食べることも多いです。 また、クラッカーにのせて、本物のキャビアみたいに食べる方もいるようです。 アボカドとマヨネーズ、ツナなどとも相性がいいので、オリジナルの食べ方を探すのも楽しいですね。 栄養たっぷりで美味しいとんぶり、プチプチ食感がクセになります。 秋田のとんぶり栽培、後継者不足などが解消して、受け継がれていくことを願ってます。 今まで食べたことない方も、お店で見かけることがあったら、試してみてくださいね!.
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とんぶりはアカザ科ホウキギ属の一年草、「ホウキギ」の成熟した実を加工したものです。 実の大きさは直径2mm程度で、色は濃い深緑で光沢があります。 歯ざわりはプチプチしており、チョウザメの卵「キャビア」に色も大きさも食感も似ていることで「畑のキャビア」とか「和製キャビア」、「陸のかずこの」などと呼ばれることがあります。 又、見方によってはインコやジュウシマツの餌に見えないこともありません。 「ホウキギ」とは ヒユ科バッシア属の一年草です。 昔は茎を乾燥させて箒(ほうき)を作ったことからか、「ホウキグサ(箒草)」とも呼ばれます。 とんぶりの産地 秋田県北部の人たちが飢餓に喘いでなんとか食用に工夫したのが始まりだそうです。 そのためか、今でも秋田県が産地となっています。 食品としての「とんぶり」の由来は、箒の材料とするためにホウキギを広く民間で栽培していた近世の日本にて、飢饉に瀕した出羽国の米代川流域(現・秋田県北部)に暮らす民がその果実をなんとか工夫して食べることに迫られ、加工したのが始まりとされる。 飲用元: とんぶりの選び方 実が小さくそろっているもの。 粒にはりがあるもの。 実の色が青みがかかった深い色をしていること。 とんぶりの食べ方・料理 山芋のすりおろしに乗せて「とんぶりとろろ」にして良く食べます。 酢の物、和え物、料理の添え物に使われたしますが、工夫次第で様々なアレンジ料理に加えることができます。 とんぶりに含まれる栄養成分 可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。 スポンサーリンク とんぶりの効能 意外に多いのが食物繊維です。 食物繊維は便秘予防や便秘の改善、老廃物の排出、腸内細菌の改善、コレステロールの改善、等、腸の働きを促すことで生活習慣病の予防に有効です。 漢方では「地膚子(ぢぶし、じふし)」といい利尿薬や強壮薬で使われてきたそうです。 とんぶりの旬と保存方法• 食べると良い時期(旬)・・・9月• 理想的な保存方法・・・通常真空パックのものと瓶詰めにされた加工品が流通しています。 常温保存もできますが、開封後は冷凍保存が理想です。 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・賞味期限はパッケージに記載されています。 関連記事• 栄養は出来る限り自然な食材から取りたい できれば普段の栄養は サプリなどに頼らず、自然な食材から摂りたいものです。 しかし、現代人の生活において、必要な栄養素を全て自然な食材から過不足なく摂ることは現実的ではないことも否めません。 地方在住の方なら道の駅で地元産の新鮮かつ安全なおいしい野菜を手に入れることも容易ですが、都会暮らしでは難しいと言わざるを得ません。 みずみずしく美味しい旬の野菜を選ぶにも目利きが必要ですし、忙しい方は買い物に行くのも大変でしょう。 そこで一度、本当に新鮮でみずみずしい旬の野菜を食べてみて、ご自身の目利きの力を養ってみるのはいかがでしょうか? Oisix(オイシックス)では、 送料無料で様々な野菜がたっぷり入ったお試しセットを購入することができます。 おいしくなければ 全額返金対応です。 まずは一度、本当の野菜を知ってみることをおすすめします。 きっと今後の野菜選びに役に立ちます。 スポンサードリンク.
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