Q1:休職の期間はどうやって決まるの? A.休職の期間は就業規則に定められた期間になります。 休職制度については必ず定めなければならないと法律で決められているものではありませんので、職場ごとに上限が設定されています。 割合的に、就業年数によって休職期間に差を設けている企業が多いようですが、 中には休職制度がない職場や、試用期間や勤続が1年未満の社員は休職制度の対象外の職場もあります。 また、休職期間は症状が 軽度であれば1か月程度 、症状が 重い場合には3か月~半年間が一般的 といわれています。 Q2:休職期間は延長できるの? A.状況と照らし合わせ、延長することも可能。 多くの場合、主治医の診断書等で必要とされた期間を休職期間とするのですが、復職までにもう少し療養が必要ということがわかれば、 就業規則の上限までは延長できる仕組みになっています。 休職から復職までのステップはサンポナビの関連記事「 」の記事で詳しく説明しています。 Q3:休職期間が満了になったら退職になるの? A.これも就業規則の定めによります。 業務上の傷病とは異なり、私的な病気やケガを理由とする休職の場合には、法的な雇用保障はありません。 休職期間が満了しても復職できないときは、退職とする場合と解雇になる場合があります。 Q4:休職したら会社から手当が出るの? 休職期間中、給与が一定期間支給される会社もありますが、多くの場合無給となっています。 A. 給与が支給されない場合は、加入している健康保険から「傷病手当金」を申請すれば支給されます。 傷病手当金は、以下の条件をすべて満たすときに支給されます。 業務外の病気やケガのための休業であること• 療養のための仕事に就くことができないこと• 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと• 休業した期間に給与の支払いがないこと Q5:休職中の給与(給料)はどうなるの? A.休職した場合の給与については、これも就業規則にどのように定められているかによって変わってきます。 一切支給されない会社もありますし、一定期間(1ヶ月〜半年くらい)は満額支払われ、その後徐々に減っていき、最終的に無給になるという会社もあります。 自社の就業規則を確認しておきましょう。 Q6:休職に入るときの手続きは? A.まずは、医師からの診断書をもらうことからはじまります。 休職に入るときの手続きは、多くの会社で、• 「私傷病により、本人が申出」• 「欠勤が〇日以上継続」• 「医師の診断書で休職の必要性あり」 を条件にしています。 中には、本人が体調不良があきらかであるにも関わらず休職を拒む場合に、休職を命ずることができるようにしている会社もあります。 具体的な手続きとしては、以下のようなステップになります。 Q7:休職と「欠勤」の違いは? A. 休職は、私傷病により一定の期間仕事を休んで療養が必要な場合に、その会社が労働義務を免除するしくみです。 休職となっている理由が消滅すれば、復帰することが前提です。 欠勤は私傷病が原因のこともありますが、労働義務がある日に仕事に就かなかったことを表しており、労働義務が免除されてはいません。 欠勤が一定期間連続した場合に休職に入る仕組みになっている会社が多いので、混乱しやすい点です。 Q8:休職中の社員と会社の連絡方法は? A.手段の定めは無いが、休職に入る前に、連絡方法について必ず話し合っておくこと。 休職中の社員との連絡方法は、電話、メール、手紙、など、どのようなものでも構いませんが、「必要な時に必ず連絡がつく」「比較的負担が少ない」方法を休職に入る前に話し合って決めておくことをおすすめします。 特に一人暮らしの社員の場合は実家で療養することもありますので、その場合の連絡先も確保しておきましょう。 また、会社の携帯やパソコンも休職期間中には使えないようにしたほうが仕事から離れてしっかり療養できますので、その場合は個人のメールアドレスや携帯番号を確認しておく必要があります。 Q9:休職中の社会保険の扱いはどうなるの? A. 休職中も社会保険料は免除にはなりません。 復職できる可能性があるからこその休職制度ですので、休職中も社会保険(健康保険、厚生年金)の被保険者資格は継続し、保険料も発生します。 会社も、社員もそれぞれの負担分を納付する必要があります。 社員の社会保険料は、ほとんどの場合には月々の給与から控除して徴収されます。 しかし、休職中に給与が支給されなかった場合、会社は社員の給与から天引きできないため、直接社員から保険料を徴収する必要があります。 Q10:休職から復帰する際の手続きは? A.医師からの意見をもらうことが第一。 休職制度は、休職の事由が消滅すれば復帰することが前提の制度です。 私傷病の療養のための休職の場合、仕事ができる状態になれば休職の事由が消滅し、職場復帰することになります。 休職の事由が消滅したかどうかは、本人が主治医の診断書などを提出するほか、産業医や会社の指定する医師の面談で会社が判断します。 復職が可能と判断された場合は、一定期間勤務時間を短縮する時短勤務や残業の制限などの就業制限を実施しながら少しずつ職場に慣れていくようにする職場が一般的です。 ・ ・ ・ 以上、休職にまつわる「よくある10の疑問」についてお答えしました。 いざ休職者が発生したときに慌てないように、まずは、休職・復職に関する就業規則、ルールを確認し、もし整備されていない場合は、すぐに取り掛かりましょう。 記事の監修: 舘野 聡子(たての・さとこ) 株式会社ISOCIA 代表取締役/特定社会保険労務士/シニア産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/メンタルヘルス法務主任者 民間企業に勤務後、社労士事務所に勤務。 その後「ハラスメント対策」中心のコンサル会社にて電話相談および問題解決のためのコンサルティング、研修業務に従事。 産業医業務を行う企業で、予防のためのメンタルヘルス対策とメンタル疾患の人へのカウンセリングに従事。 2015年に社労士として独立開業、株式会社エムステージでは産業医紹介事業の立ち上げにかかわる。
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第26回 15年06月更新 休職中の社会保険料の取扱いと休職規定サンプル 近年、会社を休職する社員が増加傾向にあります。 会社は、社員が私傷病での休職をしないように健康管理を行っていく必要がありますが、社員が休職せざるを得ないときには、社会保険料をどのように徴収するかなどの問題が発生します。 今回は、休職に関する実務的な取扱いについてみていきましょう。 <休職について> 社員が、病気や怪我などで長期にわたって会社を休む場合、その社員を「休職」という扱いにする会社が多いようです。 休職は、労働基準法などの法律に基づく制度ではないので、会社は就業規則や給与規程などで、休職の期間や復職に際してのルール、休職期間中の給与などについて明確に定めておく必要があります。 どのような場合に休職にするか、休職することができる従業員の範囲はどこまでか、休職する場合はどのくらいの期間にするのか、などの内容については、会社が独自に決めることができます。 ただし、ここでいう病気や怪我に「労働災害」や「通勤災害」によるものは含まれません。 労働災害や通勤災害で仕事を休む場合の取扱いは、「労働基準法」や「労働者災害補償保険法」の定めにしたがうことになります。 まず、給与については休職中を「有給」にするか「無給」にするかを明確にしなければなりません。 一般的には、休職期間は無給としている会社が多いようです。 これは「ノーワーク・ノーペイ」の原則に沿ったものなので、無給であっても法的な問題はありません。 給与は無給であっても、私傷病により休職している社員本人には、医師の証明を受けて、給与のおよそ3分の2に当たる額が健康保険から「傷病手当金」として支給されます。 もちろん、「有給」であれば、この傷病手当金の支給を受けることはできません。 <社会保険料の取り扱い> 休職中の給与の取り扱いで最も注意をしなければならないのは、毎月給与から控除するものをどのように扱うかという点です。 給与が支給されていれば、社会保険料やその他親睦会費なども控除することができますが、無給にする場合には、当然に給与から控除できません。 とくに社会保険料(健康保険・厚生年金保険・介護保険)は、休職で給与の支給がなかったとしても毎月納付しなければなりません。 ご存知の通り、これらの社会保険料は、会社と社員本人が折半で負担しています。 社員本人負担分は給与から控除して、会社負担分と一緒に行政機関や健康保険組合へ納付します。 ほとんどの会社は口座振替を利用しており、その月の全社員分の保険料がまとめて引き落とされます。 そのため、休職者1人の自己負担分を徴収していなくても、会社がその分も負担した形のまま、気づかずに何か月も経ってしまうこともあるようです。 1か月分なら大してことがなくても、積み重なると本人負担分の合計額も相当になります。 休職期間中は、休職する社員の収入も少なくなるので、会社で立て替えておくこともありますが、休職期間が長引くと会社の負担も大きくなりますし、何より後でまとめて返済する社員が大変になります。 休職が長引きそうであれば、できれば毎月、長くても3か月や半年ごとに、休職中の社員から振込や現金で会社に支払ってもらったほうがお互いに良いようです。 なお、就業規則や給与規程に休職時の給与の取扱いについて記載がない場合は、原則として過去の同じような事例に沿った扱いをしなければなりません。 過去の事例がない場合は、ノーワーク・ノーペイの原則に従って休んでいる期間の給与について支払う必要はありませんが、社会保険料の徴収をはじめ、さまざまな扱いについては、基本的に本人との話し合いにより進めて行くことになります。 取扱いを明確にして、公平に運用するためには、給与規程等で休職中の社会保険料の本人負担分を、どのタイミングで本人から会社に支払ってもらうか定めておき、休職する社員に理解してもらえるようにしておきましょう。 <就業規則の休職規定例> (休職) 従業員が次の事由に該当するときは、所定の期間休職とする。 1 私傷病による欠勤が継続・断続を問わず、1ヶ月を超え、なお療養を継続する必要があると認められたとき(療養休職) 3ヶ月 2 私傷病により完全に業務の遂行ができず、その回復に相当の時間を要すると認められるとき 3ヶ月 3 前各号の他、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき 必要と認めた期間 (休職期間中の取り扱い) 1. 休職期間中は原則として無給とする。 休職により、給与がマイナスになった場合は、翌月10日までに不足額を精算しなければならない。 従業員は、療養休職の場合は、健康保険の傷病手当金を受けるものとする。 傷病による休職者は、療養に専念し、定期的に会社の認める、あるいは指定する医師の診断を受け、その経過を1ヶ月ごとに会社に報告しなければならない。 休職期間は、勤続年数に含めない。 (復職の取り扱い) 1. 休職期間満了前に、休職事由が消滅した場合で、会社が復職可能と認めた場合は復職させる。 療養休職の者が、休職期間満了前に復職を申し出たときは、会社が指定する医師の診断をもとに、復職の当否を会社が決定する。 会社は、休職前に従事していた業務以外の業務への復職を命ずることがある。 休職者が復職した月の給与は、復職日から日割計算で支給する。 (休職期間の通算) 復職の取り扱いの定めに従い復職した場合で、復職後12ヶ月以内に同一または関連する傷病あるいは類似の症状により休職をする場合は、前後の休職期間を通算する。 (休職事由が消滅しない場合の取り扱い) 休職期間満了までに休職事由が消滅しない場合は、休職期間満了をもって自然退職とする。 次のコラム:• 前のコラム:.
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うつ病による休職とは? うつ病をはじめとした精神疾患を発症した場合には、その原因が業務にあるのか、業務外にあるのかはさておくとして、これ以上労働を継続することは難しく、休職せざるを得ないケースが、少なくありません。 「うつ病」だけでなく、心療内科・精神科では、「抑うつ症」、「うつ状態」、「適応障害」といった診断名もよく出されます。 休職とは、労働者の労働義務を免除するための会社の命令ですが、まずは治療に専念すべきではあるものの、労働者として一番気になるのは、「賃金が支払われるのか?」、「(支払われないとすれば)有給休暇は使えるのか?」といった点ではないでしょうか。 今回解説していきますとおり、休職の原因が業務にある場合には、「業務上災害」として「労災」になるケースも多いわけですが、会社が「労災」を認めてくれない場合には、まずは休職することとなることが多いのではないでしょうか。 参考URL• 労働法に根拠はない 「休職」ということば自体は有名で、うつ病などの精神疾患ではたらけない状態に追い込まれてしまうと、「休職」が頭に浮かぶ労働者の方が多いのではないでしょうか。 しかし、「休職」は、労働基準法(労基法)をはじめとした法律には、その根拠があるわけではありません。 つまり、労働法には、「からだを壊したときには、労働者は休職をすることができる。 」という記載はなく、「休職」は、次に解説するとおり、あくまでも契約上の制度なのです。 「休職」の契約上の根拠がある? さきほど解説しましたとおり、「休職」の労働法における根拠はないため、「休職」をすることができるかどうかは、はたらいている会社において、「休職」をすることのできる契約上の根拠があるかどうかによってきます。 「休職」についての根拠を定める契約上の重要な書面が、「就業規則」と「雇用契約書」です。 常時10人以上の労働者のはたらく事業場では、「就業規則」に統一的なルールを整備しなければならないことが労基法に定められていることから、ある程度以上の規模の会社では、「休職」は就業規則に定められています。 「休職」の意味は? 以上のように、労働法ではなく、契約上に根拠のある「休職」ですが、契約で決まっているものであるため、会社の定め方によって、「休職」の意味はさまざまです。 例えば、「休職」の中には、うつ病のときに活用されるような、いわゆる「私傷病休職」以外にも、次のような多くの種類の休職があります。 私的な(プライベートの)病気、事故のケースの私傷病休職• 刑事事件によって起訴されたときの起訴休職• 選挙で議員などの公職に選ばれたときの休職 この中でも、私的な病気、事故ではたらけなくなってしまったときに用いられる私傷病休職は、「解雇の猶予」という意味があります。 つまり、本来であれば、労働できなくなってしまった場合には「解雇」となってしまうものの、それまでの功績を考えて「休職」にするというわけです。 このように考えると、やはり、業務上の理由によってうつ病となった場合には「休職」ではなく「労災」を申請すべきであることが理解いただけるのではないでしょうか。 参考URL• うつ病で休職したら、給料は払われる? さて、うつ病にかかってしまい、ここまでの解説で「休職」はできそうだ、という方にとって、次に気になるはやはり、うつ病での休職期間中の、生活の保障ではないでしょうか。 というのも、休職の根拠は就業規則などによって定められているところ、休職理由、休職の種類にもよりますが、私傷病休職は、「無給」と定められていることが多いためです。 「私傷病休職」は、労働者側の事情による休職というわけですから、会社が給料を支払わなければならないという労働法のルールはなく、したがって給料を支払うかどうかは、会社にまかされています。 そのため、多くの会社では、休職中は賃金、手当を支払わないとしていることがほとんどですが、まずは就業規則を確認してみるところからはじめましょう。 「就業規則」のイチオシ解説はコチラ!• 休職中に有給休暇はとれる? はたらいている会社の就業規則を見ていただき、「休職期間中は無給とする。 」と記載があると、うつ病で休職してしまったときの生活が不安となることでしょう。 給与をもらいながら休む方法に、「有給休暇(年休・年次有給休暇)」がありますが、休職期間中に、有給休暇を取得すれば、給料をもらいながらうつ病で休むことが可能なのでしょうか。 しかし、この点について、行政通達では、有給休暇は、あくまでも労働義務のある日に取得する休暇であって、労働義務の発生しない私傷病休職期間中には、たとえうつ病であっても、有給休暇を取得することはできないとされています。 つまり、有給休暇によって、うつ病による休職期間中の給与を確保することはできないわけです。 行政通達は、次の通りです。 昭和31年2月13日 基収第489号 「休職発令により、従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務を免除されたことになる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働の義務がない日について、年次有給休暇を請求する余地のないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請求権を行使できない」 参考URL• 会社の責任を追及する 最後に、業務による「うつ病」であると考えられるにもかかわらず、会社の対応があまりにも不誠実な場合には、会社の責任を追及するという手も検討すべきでしょう。 会社は、労働者を、安全で健康な状態ではたらかせる義務(安全配慮義務・職場環境配慮義務)があり、「うつ病」などの精神疾患にかかってしまうような職場は、会社がこの義務に違反していると言わざるを得ないからです。 したがって、業務上の理由によってうつ病などの精神疾患にかかったと考える場合には、会社に対する慰謝料請求によって、今後の生活において費消する金銭を、少しでもまかなうことを検討しましょう。 まとめ 今回は、うつ病などの精神疾患によって、休職せざるをえなくなってしまった労働者の方に向けて、休職期間中に賃金(給与)が支払われるのかどうかを中心に、弁護士が解説しました。 また、賃金が支払われない(無給)と就業規則に定められていたとしても、うつ病による休職期間中の生活を、少しでも安定させるための、労働者の対応策も紹介しました。 残念ながらうつ病にり患してはたらけなくなってしまった労働者の方は、生活の安定と、場合によっては会社に対する責任追及などを検討するため、労働問題に強い弁護士に、お気軽に法律相談ください。
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