単心室循環症候群とは、体循環と肺循環の双方を、機能的に一つの心室のみに依存する血行動態を有する疾患群の総称である。 全て、先天性であり、後天性の疾患は存在しない。 なお、単心室症とは、形態的に心室が一つのみ存在することを意味するものではない。 単心室循環症候群では、重度の慢性低酸素血症、多呼吸、易疲労感などの心不全症状を呈する。 肺血流は増加、減少の双方が存在し、心室レベルで血液が右—左短絡するため、酸素投与に反応しない低酸素血症を生じる。 肺高血圧、肺血管低形成を合併することも多い。 手術を含め、根治的治療法はない。 労作時の易疲労のため、就業な困難な場合が多い。 重度の慢性低酸素血症やフォンタン型手術後の循環破綻によって死亡することが多い。 2.原因 先天性である。 原始心筒の心ループ成熟において、房室弁と洞部中隔が心房中隔と整列する過程の異常等、幾つかの心ループ成熟過程異常が考えられている、しかし、その心臓発生異常の起因となる原因は不明である。 1) 心不全に由来する症状 乳児期の哺乳不良、体重増加不良など、成人期の易疲労、動悸、食思不振など 2) 低酸素血症に由来する症状・合併症 乳児期の多呼吸、チアノーゼ、バチ状指等、成人期の易疲労、過粘稠度症候群、チアノーゼ性腎症等 3) 右左短絡による合併症 脳梗塞、脳膿瘍 4) フォンタン循環破綻に由来する症状・合併症 心不全、低酸素血症、房室弁逆流、蛋白漏出性胃腸症、鋳型気管支炎(plastic bronchitis)、肝腫大、肺高血圧など 4.治療法 厳密な適応基準を満たせばフォンタン型手術(図1:上下大静脈からの静脈血が心室を介さず肺動脈に直接還流するように血行動態を修正する手術)を施行する。 ただ、順調なフォンタン循環であっても通常の慢性うっ血性心不全状態であるため、いつかは破綻していくこととなる。 フォンタン型手術は根治的手術ではない。 また、フォンタン型手術適応外となった群には、効果的な薬物治療はなく、ACE阻害薬、利尿薬の効果は限定的であり、対症療法のみとなる。 5.予後 フォンタン型手術を行った患者の20年生存率は手術成績の良好な施設で69%との報告がある。 単心室症全体で手術未実施なら、10年生存率は約40%である。 20歳以上で心原性の慢性低酸素血症の予後は非常に悪い。 50歳以上生存することは困難である。 ) 2. 発病の機構 不明 3. 効果的な治療方法 未確立(手術療法を含め根治療法は確立していない。 ) 4. 長期の療養 必要(フォンタン術後も心不全状態が継続する。 ) 5. 診断基準 あり(日本小児循環器学会作成の診断基準あり。 ) 6. 重症度分類 NYHA心機能分類II度以上の場合を対象とする。 各疾患と診断された場合を対象とする。 1.単心室症 単心室症では、大循環と肺循環を維持する心室を主心室、小さく残存して、ほとんど機能していない心室を痕跡的心室と呼称する。 〈診断〉 心臓超音波検査又はMRIで、一つの心室(主心室)に両房室弁若しくは共通房室弁が挿入している場合(房室弁の全てが一つの心室に挿入している)、房室弁が2つある場合は、1つの房室弁は全て主心室に挿入し、他方の房室弁が痕跡的心室に騎乗していても、その程度が50%未満のみ挿入していることが判明すれば、単心室症と診断する。 主心室の構造と瘢痕的心室の位置関係をみることにより、左室性か右室性かを診断する。 2.左心低形成症候群 心臓超音波検査にて、下記の2つの特徴を有する場合に診断する。 大動脈弁及び僧帽弁は閉鎖又は狭窄している。 左室は左後方に存在するが低形成で心尖部に到達しない。 卵円孔又は心房中隔欠損があることが必須で、左房から右房への短絡が確認される。 大血管は正常連結のものと大血管転位のものに分けられる。 基本は心臓超音波検査で診断されるが、心臓カテーテル検査、心臓MRI又はCTでも可能である。 多くは、右室は低形成であり、肺循環を維持することが不可能である。 <重症度基準> NYHA心機能分類II度以上 NYHA 分類 I度 心疾患はあるが身体活動に制限はない。 日常的な身体活動では疲労、動悸、呼吸困難、失神あるいは 狭心痛(胸痛)を生じない。 II度 軽度から中等度の身体活動の制限がある。 安静時又は軽労作時には無症状。 日常労作のうち、比較的強い労作(例えば、階段上昇、坂道歩行など)で疲労、動悸、呼吸困難、失神あるいは狭心痛(胸痛)を生ずる。 III度 高度の身体活動の制限がある。 安静時には無症状。 日常労作のうち、軽労作(例えば、平地歩行など)で疲労、動悸、呼吸困難、失神あるいは狭心痛(胸痛)を生ずる。 IV度 心疾患のためいかなる身体活動も制限される。 心不全症状や狭心痛(胸痛)が安静時にも存在する。 わずかな身体活動でこれらが増悪する。 NYHA: New York Heart Association NYHA 分類については、以下の指標を参考に判断することとする。 NYHA分類 身体活動能力 (Specific Activity Scale; SAS) 最大酸素摂取量 (peakVO 2) I 6METs以上 基準値の80%以上 II 3. 5~5. 9 METs 基準値の60~80% III 2~3. 4 METs 基準値の40~60% IV 1~1. 5METs、ラジオ体操・ストレッチ体操4METs、速歩5~6METs、階段6~7METs」をおおよその目安として分類した。 2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。 3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。
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近年の欧米の報告では、心不全入院後30日の死亡率は1993年と2005年の比較で12. しかしながら、予後の改善は入院死亡率の低下にとどまっている、あるいは心不全の一部にすぎないとも考えられており、未解決の問題が多数残っています。 これまで多数の予測因子が報告されています。 現在では、複数の予測因子を組み合わせた多因子によるリスクスコアが予後予測のために用いられるようになっています。 J Am Coll Cardiol 2013;62:e147。 心不全は高齢者に多い疾患であるため、超高齢国家であるわが国では将来、心不全患者の著明な増加が予想されています。 近年にいたるまで、「心機能」の指標としてEFが広く使われ、EFが低いほど予後が不良であるという考え方が一般的でした。 EFは収縮性の指標ではなく、心室容積・前負荷・後負荷・心拍数・弁機能などに大きく影響を受けており心拍出量と同じではありません。 New Engl J Med 2006;355:251。 HFpEFとは、収縮機能はほぼ正常であるが拡張機能の障害が主要な病態となっている状態とされています。 そのうえで、ここに示したような多くの因子を組み合わせて、総合的に予後を判定していくことが重要となります。 (2014年10月公開).
次のうっ血性心不全の症状 うっ血性心不全の初期症状は疲労感・息切れ・浮腫といったものになります。 この症状は突発的にでてくることは稀で、たいていの場合は 数ヶ月から長いときは数年かけてゆっくりとでてくるようになります。 この病気の怖いところはいくつかありますが、このように知らない間にゆっくりと進行しているところもポイントとなるでしょう。 初期症状として一番知られているのが疲労感と息切れになりますが、 うっ血によって体液量が増加してしまい尿素が減ってしまって体重が急激に増加して下肢に浮腫が生じるようにもなります。 ある程度症状が進むと運動時にしか起きなかった 息切れが頻繁に生じるようになり、日常生活中にもでてくるようになります。 そして肺の病気である 肺水腫になってしまって呼吸困難を引き起こしたり、就寝時に息苦しくなる 夜間発作性呼吸困難になることもあるでしょう。 その他にも咳が出るようになって、ピンク色の痰が出るようになり、冠動脈循環不全による頻脈・不整脈の症状も出るようにもなるでしょう。 浮腫みに関しましては次のページを参考にしてください。 原因について まず心不全とは心臓のポンプ機能が何らかの原因によって損なわれることを意味しております。 うっ血性心不全は心機能障害のひとつで心臓病の最終病態ともいわれており原因は様々なのです。 こうしてみると非常に多岐にわたっていることが分かると思いますが、 これらの原因の根本には高血圧・肥満・運動不足の他にも高脂血症や糖尿病があるため、生活習慣病とも結びついてくることが分かっております。 高血圧に関しましては次のページを参考にしてください。 診断方法について うっ血性心不全の初期症状である疲労感や息切れを病気と感じることは非常に少なく、浮腫といった症状が出て初めて自分は何らかの病気になっていると自覚することが多いのが現状です。 実際にこの病気を診断するときは、病院に行って フラミンガム研究の「うっ血性心不全診断基準」をもとにした問診と診察の結果をもって確認します。 それ以外にも家族の病歴や患者の病歴及び生活習慣も確認されることになるでしょう。 これらの診断をもって判断されることも多いですが、再度の確認として別の検査と併用されることもあります。 その際に多いのは 胸部X線検査・胸部レントゲン検査・心電図・心エコー検査といったもので、これを行うことでより正確に病状を確認することができます。 胸部X線検査では肺のうっ血や水の貯まりの有無と心臓が大きくなってないかを確認することでうっ血性心不全の存在を確認し、心エコー検査では心臓の動きと排出量などからうっ血性心不全の存在を確認します。 これ以外にも心臓から分泌されるホルモンであるBNPとNT-proBNPという物質を測定するために血液検査を行うこともあるでしょう。 糖尿病に関する内容につきましては次のページを参考にしてください。 治療方法について 呼吸困難の症状がひどかったり血圧や意識の低下を伴うようになった場合は入院することになり、手術を行うこともあります。 症状の重さにより治療方法は変わりますが、一時的に機械による人工呼吸を行うこともあるでしょう。 同時に血圧や心電図の検査や心臓カテーテル検査を行って患者の容態の確認をして心臓のポンプを強める強心薬や利尿薬を用いたりもします。 症状がそこまで重くないなら、内服治療が中心になります。 投与される薬は心臓の働きを補助する「ジギタリス剤」、心臓への負担を軽減する「血管拡張剤」、体内の余剰水分を吐き出す「利尿剤」などになります。 この投薬による治療を進めるにあたって、心臓の働きを低下させた原因をはっきりさせて、そちらの治療も並行して行われることになります。 そうしないと症状が改善したとしても再発する可能性がいつまでも残り続けてしまうためです。 また、内服治療中、ある程度重い場合は運動制限がされるので、その場合は心臓に負担がかかることはしないようにしてくださいね。 逆にある程度症状が回復したなら運動を促されることになります。 Sponsored Link もし運動制限が長い期間に及んでいた場合、筋力低下や体力低下が発生して日常生活に支障が出てしまうためです。 運動療法は息切れなどの症状が軽くなるため必ず取り入れられるプログラムの一つとなっています。 心筋梗塞の内容につきましては次のページを参考にしてください。 食事について うっ血性心不全の人には食事制限もついてきます。 まず必ず行われるのが 塩分制限、これは 食塩の摂取量が多いと体内の水分が増えて浮腫がでやすくなってしまうからです。 具体的な数値は 1日の塩分量は6g以下と言われており、かなり厳しい数値となっています。 そのため塩分以外の調味料を使うようにしたり、汁物は具を多めにするなどの工夫をして塩分を減らす努力をする必要がるでしょう。 それ以外の制限として 水分制限があります。 心不全では体の中に水が貯まり過ぎている状態になってしまうため水分摂取量も制限されてしまうのです。 具体的には 一日の総量で、1000mL~1200mL程度になります。 これには水分の多い果物・味噌汁・かき氷などの水分を摂取できるものすべてが含まれているため飲み物のみで考えないようにしてくださいね。 癌の内容につきましては次のページを参考にしてください。 予後・余命について うっ血性心不全は生活習慣の改善を行わないと再発する危険性が伴うため、予後の過ごし方が大切になります。 必ず食生活や塩分摂取量に気を付けて、運動を行う習慣を身に付けましょう。 特に注意が必要なのは高齢者の方々で、このうっ血性心不全によって 運動が禁止になると筋力が一気に低下して寝たきりになってしまう可能性があります。 そのため必ず 早めの症状改善と運動療法を取り入れる必要があるのです。 しかしその余命も治療によって引き延ばすことができるので早めの発見と正しい治療法を行うことが大切になるのです。 その他、心不全に関しましては次のページを参考にしてください。 左心不全と右心不全について 心不全にも実は種類があり、左心不全と右心不全というものが存在します。 しかも右と左では症状が異なるのです。 まず、左心不全になると 肺水腫になってしまう可能性もありますし、喘息状態のようにゼーゼーというようになり、頻脈になって尿量が低下するようになったりします。 左心の機能低下によって左心の排出量低下や肺うっ血が発症するため、このような症状が出るようになるのです。 最悪の場合意識障害となるでしょう。 右心の機能低下によって引き起こされる右心不全は右心の排出量の低下と体静脈うっ血状態になってしまう状態で、体静脈うっ血を引き起こし、 全身の静脈圧が上昇するようになってしまいます。 左心の症状と比べるとわかりにくいですが、 食欲不振や腹水や胸水、悪心や便秘などいろんな症状が出てしまうようになります。 うっ血性心不全につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。 ツカザキ病院 最後に 以上、いかがでしたか? 今回はうっ血性心不全の症状や原因・治療についてご記載してきました。 この心不全について知らない方もいるかもしれませんが、アメリカでは毎年約50万人が発症、約30万人が死亡していると言われていて非常に危険な病気となっているのです。 しかも症状が気が付かないうちに進行するものであるため、気が付いたら症状が重くなっていたということもあるので生活習慣および生活習慣病にはくれぐれも気を付けてくださいね。
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