厚生年金基金の役職員はみなし公務員 厚生年金基金は公的年金である厚生年金の一部を代行して給付することから、厚生年金基金の業務には公益性・公共性があり、厚生年金基金の役職員は刑法等の適用について公務員として扱いを受ける(みなし公務員)という特徴があります。 一方で、企業年金基金の役職員はみなし公務員ではありません。 企業年金基金では厚生年金の代行は行っていないことから、役職員はみなし公務員とは扱われません。 厚生年金基金の新規設立は認められない 厚生年金基金は、厚生年金の一部の代行給付を行っていますが、資産運用の失敗から、厚生年金基金が代行給付のための最低責任準備金を満たすだけの資産を保有できない代行割れが相次ぎ、厚生年金の代行を行う厚生年金基金の制度が問題視されることとなり、2014年4月以降、新規設立は認められなくなりました。 企業年金基金は企業型確定給付企業年金ですが、新規設立が認められています。 厚生年金基金は廃止の方向で動いている 厚生年金基金は、資産運用の失敗によって資産が減少し、代行割れが相次いだことから、代行返上や解散が促されることになっていて、厚生年金基金は減少傾向にあります。 資産の状況が健全な厚生年金基金は存続する可能性もありますが、厚生年金基金は他の企業年金制度への移行が求められる方向になるとみられます。 企業年金基金は、厚生年金基金の移行の受け皿とされる制度で、厚生年金基金から企業年金基金へと移行する例が多くみられます。 厚生年金基金の掛金拠出は社会保険料控除 厚生年金基金に対する加入員の掛金は社会保険料控除になります。 一方で、企業年金基金では生命保険料控除になります。 ただし給付を受ける際に、企業年金基金では加入員拠出を控除することになります。 まとめ• 厚生年金基金と企業年金基金は企業年金の一種であることや公的年金に上乗せ給付を行うこと、母体となる企業等から独立した別の法人であることは共通しています。 一方で、厚生年金基金は厚生年金の一部の代行給付を行い、企業年金基金は行わないということが最大の違いです。
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日本の年金制度の体系 日本の年金制度は、全国民に共通した「基礎年金」を基礎に、「被用者年金」、「企業年金」の3階建ての体系となっている。 3階部分 【企業年金】 確定給付企業年金 企業が従業員と給付の内容を約束し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができる確定給付型の企業年金制度であり、企業等が厚生労働大臣の認可を受けて法人(企業年金基金)を設立する「基金型」と、労使合意の年金規約を企業等が作成し、厚生労働大臣の承認を受けて実施する「規約型」がある。 基金型は企業年金基金が、規約型は企業等が、年金資産を管理・運用して年金給付を行う。 厚生年金基金 企業が従業員と給付の内容を約束し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができる確定給付型の企業年金制度の一つ。 企業や業界団体等が厚生労働大臣の認可を受けて設立する法人である厚生年金基金が、年金資産を管理・運用して年金給付を行う。 国の年金給付のうち老齢厚生年金の一部を代行するとともに、厚生年金基金独自の上乗せ(プラスアルファ)を行うもの。 企業型 確定拠出年金(注) 企業が拠出した掛金は個人ごとに明確に区分され、掛金と個人の運用指図による運用収益との合計額が給付額となる企業年金制度であり、従業員のために企業等が規約を作成し、厚生労働大臣の承認を受けて実施する。 2階部分 【被用者年金】 厚生年金保険 民間企業で働く従業員、公務員および私立学校の教職員で70歳未満の者が対象であり、基礎年金の上乗せとして報酬比例年金を支給する。 1階部分 【基礎年金】 国民年金 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての者が対象。 被保険者の種類によって第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類に区別される。 注: 確定拠出年金にはこのほかに、60歳未満の公的年金の加入者が国民年金基金連合会の委託を受けた運営管理機関(金融機関)に申し込むことで、加入者となり、自らが掛金を拠出していく「個人型」がある。 愛称はiDeCo(イデコ)。 このほか、自営業者や農業者には、基礎年金を補完し上乗せ給付を行う制度として、iDeCoのほか、国民年金の付加年金や国民年金基金、農業者年金等がある。 注1: 被用者年金制度の一元化に伴い、平成27年10月1日から公務員および私学教職員も厚生年金保険に加入。 また、共済年金の職域加算部分は廃止され、新たに退職等年金給付が創設。 ただし、平成27年9月30日までの共済年金に加入していた期間分については、平成27年10月以後においても、加入期間に応じた職域加算部分を支給。 注2: 国民年金の第2号被保険者等とは、厚生年金被保険者をいう(国民年金の第2号被保険者のほか、65歳以上で老齢または退職を支給事由とする年金給付の受給権を有する者を含む)。 注3: 第1号被保険者には、任意加入被保険者を含む。 資料: 国民年金(基礎年金)被保険者数および厚生年金被保険者数は厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」、付加年金保険料納付被保険者数は厚生労働省「事業月報 厚生年金保険・国民年金事業状況 平成31年3月」、国民年金基金加入員数は国民年金基金連合会ウェブサイト、厚生年金基金加入員数および確定給付企業年金加入者数は一般社団法人生命保険協会・一般社団法人信託協会・全国共済農業協同組合連合会「企業年金の受託概況(平成31年3月末現在)」、確定拠出年金(企業型・個人型)加入者数は厚生労働省「確定拠出年金の施行状況」 日本の企業年金制度の体系 わが国における退職給付制度の源流は、江戸時代の商家で使用人の独立時などに行われた「のれん分け」にあるといわれている。 明治期以降、熟練労働者の足止め策の一つとして定年退職時に一時金を支給する退職一時金制度が普及・慣行化していった。 しかし、戦後の高度経済成長に伴い退職者数・退職金額が急速に増加したことにより、退職金の支払負担を平準化することが企業経営上の課題として注目されるようになった。 このような状況を背景に、昭和37年に法人税法および所得税法に基づく適格退職年金制度が、昭和40年に厚生年金保険法に基づく厚生年金基金制度が創設された。 これらの制度が中心となり、従業員の老後の所得保障に大きな役割を果たしてきたが、少子高齢化の進展および経済運用環境の低迷等、わが国の企業年金を取り巻く情勢が大きく変動し、適格退職年金については、受給権保護等の仕組みの確立した安定かつ信頼のある制度に整備することが急務となった。 また、中小零細企業への制度の普及、産業構造および雇用形態の流動化等にも対応を迫られていた。 そこで、確定給付企業年金法および確定拠出年金法の2法が平成13年にそれぞれ制定され、企業年金制度の選択肢を広げる一方で、適格退職年金制度は平成24年3月末で廃止された。 また、厚生年金基金制度においては、代行部分が母体企業の決算上の負債に計上されるようになったこともあり、平成14年4月の確定給付企業年金制度の創設時に合わせて代行部分の返上が認められたことによって、単独型・連合型の厚生年金基金の多くが確定給付企業年金へ移行した。 こうしたなかで、平成16年法改正によって厚生年金基金の財政運営の抜本改正が行われ、代行部分に係る財政の中立化が実施された。 その後、経済運用環境が再び低迷するなかで、AIJ投資顧問による多額の年金資産消失事件を機に、厚生年金基金の代行割れ(保有資産が最低責任準備金に満たない状況)が社会問題となり、平成25年法改正によって、厚生年金基金は新設が認められなくなり、健全な基金は厚生年金基金としての存続が認められているものの、解散または他の企業年金制度等への移行を促されることとなった。 この他、独自の退職給付制度として自社年金を実施している企業も存在する。 出典:企業年金連合会「企業年金に関する基礎資料 令和元年度版」.
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