3種の道路が「織り込まれた」街づくり 実証都市の概要は20年1月7日、アメリカ・ラスベガスで行われた見本市「CES 2020」で発表された。 自動運転や人工知能(AI)などの技術を用いた都市は「Woven City」(ウーブン・シティ)と名付けられ、初期はトヨタ従業員や関係者ら2000人程度の住民から暮らし始める想定だという。 敷地内には、3種の道路がひかれる。 完全自動運転かつゼロエミッション(排出物がないこと)の乗り物が高速走行する道と、歩行者とスピードの遅い乗り物が共存する道、そして歩行者専用の道。 これらが網目のように織り込まれる(英語でwoven)ことから名付けられた。 都市設計は、建築家のビャルケ・インゲルス氏が担当。 米グーグルの新社屋を手掛けるなど、気鋭のクリエイターだ。 イメージ画像や動画を見ると、絵にかいたような21世紀の生活空間といった印象を受ける。 実際、豊田章男社長もCESでのスピーチで「未来の実証都市」と表現していた。 Woven Cityが開発されるのは、東富士工場(静岡県裾野市御宿)の跡地だ。 同工場は1967年に完成し、「センチュリー」などを生産してきた。 しかし、2020年末までに撤退し、東北の生産拠点へ集約されると発表されている。 それでは、実際に生活するとなると、どんな環境になるのだろうか。 将来的には東京ドーム15個分の街に まずは交通アクセスから見ると、東名高速道路の裾野IC(インターチェンジ)から至近にあり、JR御殿場線の岩波駅へも徒歩十数分だ。 トヨタ関係者であれば、基本的に自動車移動が中心だろうが、鉄道も使えるのは心強い。 羽田空港までは、100キロちょっと。 東名で行けば、あっという間だろう。 Woven Cityは、将来的に約70. 8万平方メートルの街となる計画だ。 東京ドーム15個分の敷地内には、おそらく商業施設ができるはず。 ただ、普段使いできるお店があるかどうかは気になる。 近隣を調べてみると、工場から数百メートルの距離に、地場のスーパーマーケットがあった。 車を十数キロ走らせれば、御殿場プレミアム・アウトレットに足を延ばせる。 大きな買い物は、そちらを使うのも手だろう。 新たな街づくりには、地元自治体も歓迎ムードだ。 CESでの発表を受けて、高村謙二・裾野市長が出したコメントでは、プロジェクトを市発展の「大きな契機」にすると意気込んでいる。 工場閉鎖で約1100人の配置転換が報じられているが、Woven Cityに2000人入居すれば、差し引きプラス900人。 裾野市の人口は、1月1日時点で約5万1000人なので、全人口が2%増えることになる。 街ではなく、隔絶された「箱庭」にしないためには、トヨタ単体ではなく、自治体や地場産業も巻き込むことが重要になってくるだろう。 (J-CASTニュース編集部 城戸譲).
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豊田章男社長は記者会見で、「東富士に未来都市を造る。 研究者やエンジニア、科学者は様々な技術を自由に試すことができ、ゼロから街全体を造るのは千載一遇のチャンス」と訴えた。 AI(人工知能)などの最先端技術を活用し、あらゆるモノやサービスをインターネットでつなげる都市づくりだ。 道を完全自動運転の車向け、歩行者とスピードの遅い移動手段向けなど三つに分け、編み目のように配置する。 人々の生活の中で、最適な移動手段を提示するサービス「MaaS(マース)」、住宅用ロボットなどを実証する。 燃料電池や太陽光発電の活用で、温室効果ガス排出を徹底的に抑える。 東富士工場は、トヨタ自動車東日本が生産拠点を東北地方へ集約するため、2020年末で閉鎖予定だ。 従業員は約1100人で大半が東北に異動する。 生産開始から50年以上、市や周辺自治体の経済を支えていただけに、閉鎖の影響をどう抑えるかが課題だった。 市は19年度に、「次世代型近未来都市構想」の策定作業を進めていた。 少子高齢化や人口減少に伴う地方都市の課題をAI、ロボット、自動運転などを駆使して解決する構想だ。 交通弱者対策、介護や農業の自動化といった研究開発を担う企業の誘致を目指そうとしていた。 こうした中でのトヨタの発表は、市にとって願ってもないことだった。 住人は、トヨタやパートナー企業の従業員たち約2000人を想定しており、人口増による地域の活性化も見込める。 高村謙二市長は7日、「世界でも類をみない計画は意義深い。 トヨタの実証都市と連携しながら、成果を市全域に波及させ、発展のきっかけにしたい」と、強い期待感を示した。 トヨタは世界中の様々な企業や研究者に実証への参加を呼びかけている。 世界最先端の企業が進出すれば、産業へのプラス効果は県内全域に及ぶ可能性がある。 川勝知事は、記者団に「新年早々、お年玉をいただいた気分だ」と喜びを語った。
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「コネクティッド・シティ」プロジェクトは、人々が生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、モビリティ・アズ・ア・サービス MaaS 、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能 AI 技術などを導入・検証できる実証都市を新たに作る。 人々の暮らしを支えるあらゆるモノ、サービスが情報でつながっていく時代を見据え、この街で技術やサービスの開発と実証のサイクルを素早く回すことで、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けることが狙い。 網の目のように道が織り込まれ合う街の姿から、この街を「Woven City」 ウーブン・シティ と命名。 初期は、トヨタ従業員やプロジェクトの関係者をはじめ、2000名程度の住民が暮らすことを想定するが、街作りを進めていくうえで、それぞれ独自プロジェクト実証の活用も含め、世界中の様々な企業や研究者などに対し参画を募る。 Woven Cityイメージビデオ【TOYOTA】 トヨタ 豊田 章男 社長のコメント 「ゼロから街を作り上げることは、たとえ今回のような小さな規模であったとしても、街のインフラの根幹となるデジタルオペレーティングシステムも含めた将来技術の開発に向けて、非常にユニークな機会となります。 バーチャルとリアルの世界の両方でAIなどの将来技術を実証することで、街に住む人々、建物、車などモノとサービスが情報でつながることによるポテンシャルを最大化できると考えています。 このプロジェクトでは、将来の暮らしをより良くしたいと考えている方、このユニークな機会を研究に活用したい方、もっといい暮らしとMobility for Allを私たちと一緒に追求していきたい方すべての参画を歓迎します」 「コネクティッド・シティ」プロジェクトでは、デンマーク出身の著名な建築家でビャルケ・インゲルス・グループ BIG でCEOを務めるビャルケ・インゲルス氏が都市設計などを担当。 BIGは、ニューヨークの新たな第2ワールドトレードセンターやGoogleの新しい本社屋など、これまで数多くの著名なプロジェクトを手掛ける。 BIGの創業者でクリエイティブ・ディレクターでもあるインゲルス氏は、「様々なテクノロジーにより、私たちが住む街のあり方は大きく変わり始めています。 コネクティッド、自動運転、シェアリングのモビリティサービスは、現代の新しい暮らしの可能性を拡げるでしょう。 Woven Cityは、トヨタのエコシステムによって幅広いテクノロジーや業界と協業することができ、その他の街も後に続くような新しい都市のあり方を模索するユニークな機会だと考えています」とコメントした。
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