十訓抄 大江山の歌。 大江山・十訓抄 現代語訳・品詞分解・原文

「十訓抄:大江山」3分で理解できる予習用要点整理

十訓抄 大江山の歌

十訓抄「大江山」の現代語訳・原文です。 動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の活用形・活用の種類・意味も掲載しています。 和泉式部、保昌が妻にて、丹後に下りけるほどに、 和泉式部が、保昌の妻として、丹後の国に下った頃に、 ・ 下り … ラ行四段活用の動詞「下る」の連用形 ・ ける … 過去の助動詞「けり」の連体形 京に歌合ありけるに、小式部内侍、歌詠みにとられて、 京で歌合があったときに、小式部内待が、歌合の詠み手として選ばれて、 ・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の連用形 ・ ける … 過去の助動詞「けり」の連体形 ・ とら … ラ行四段活用の動詞「とる」の未然形 ・ れ … 受身の助動詞「る」の連用形 詠みけるを、定頼中納言たはぶれて、小式部内侍ありけるに、 詠んだところ、定頼中納言がふざけて、小式部内侍がいたときに、 ・ 詠み … マ行四段活用の動詞「よむ」の連用形 ・ ける … 過去の助動詞「けり」の連体形 ・ たはぶれ … ラ行下二段活用の動詞「たはぶる」の連用形 ・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の連用形 ・ ける … 過去の助動詞「けり」の連体形 「丹後へ遣はしける人は参りたりや。 「丹後へ使いに出した人は戻って参りましたか。 ・ 遣はし … サ行四段活用の動詞「遣はす」の連用形 ・ ける … 過去の助動詞「けり」の連体形 ・ 参り … ラ行四段活用の動詞「参る」の連用形 ・ たり … 完了の助動詞「たり」の終止形 いかに心もとなくおぼすらむ。 」と言ひて、 どれほど待ち遠しく思っておられましょう。 」と言って、 ・ 心もとなく … ク活用の形容詞「心もとなし」の連用形 ・ おぼす … サ行四段活用の動詞「おぼす」の終止形 ・ らむ … 現在推量の助動詞「らむ」の連体形 ・ 言ひ … ラ行下二段活用の動詞「言ふ」の連用形 局の前を過ぎられけるを、御簾より半らばかり出でて、 部屋の前を通り過ぎられたところ、御簾から半分ほどのり出して、 ・ 過ぎ … ガ行上二段活用の動詞「過ぐ」の未然形 ・ られ … 尊敬の助動詞「らる」の連用形 ・ ける … 過去の助動詞「けり」の連体形 ・ 出で … ダ行下二段活用の動詞「出づ」の連用形 わづかに直衣の袖をひかへて、 ほんの少し直衣の袖を引き止めて、 ・ わづかに … ナリ活用の形容動詞「わづかなり」の連用形 ・ ひかへ … ハ行下二段活用の動詞「ひかふ」の連用形 大江山いくのの道の遠ければ 大江山から生野を通って行く道が遠いので、 ・ 遠けれ … ク活用の形容詞「遠し」の已然形 まだふみもみず天の橋立 まだ天の橋立を訪れていないし、母からの便りも見ていません。 ・ ふみ … マ行四段活用の助動詞「ふむ」の連用形 ・ み … マ行上一段活用の助動詞「みる」の未然形 ・ ず … 打消の助動詞「ず」の終止形 と詠みかけけり。 と歌を詠んだ。 ・ 詠みかけ … カ行下二段活用の助動詞「詠みかく」の連用形 ・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形 思はずに、あさましくて、「こはいかに。 思いがけず、驚きあきれて、「これはどうしたことだ。 ・ 思はずに … ナリ活用の形容動詞「思はずなり」の連用形 ・ あさましく … シク活用の形容詞「あさまし」の連用形 かかるやうやはある。 」とばかり言ひて、 こんなことがあるだろうか。 」とだけ言って、 ・ かかる … ラ行変格活用の動詞「かかり」の連体形 ・ ある … ラ行変格活用の動詞「あり」の連体形 ・ 言ひ … ハ行四段活用の助動詞「言ふ」の連用形 返歌にも及ばず、袖を引き放ちて、逃げられけり。 返歌することもできず、袖を振り払って、お逃げになった。 ・ 及ば … バ行四段活用の助動詞「及ぶ」の連用形 ・ ず … 打消の助動詞「ず」の連用形 ・ 引き放ち … タ行四段活用の動詞「引き放つ」の連用形 ・ 逃げ … ガ行下二段活用の動詞「逃ぐ」の未然形 ・ られ … 尊敬の助動詞「らる」の連用形 ・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形 小式部、これより歌詠みの世に覚え出で来にけり。 小式部は、この時から歌人としての世の評判が出て来るようになった。 ・ 出で来 … カ行変格活用の動詞「出で来」の連用形 ・ に … 完了の助動詞「ぬ」の連用形 ・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形 これはうちまかせての理運のことなれども、 このことは、そうなって当然のことなのだが、 ・ うちまかせ … サ行下二段活用の動詞「うちまかす」の連用形 ・ なれ … 断定の助動詞「なり」の已然形 かの卿の心には、これほどの歌、 あの卿の心の中では、これほどの歌を、 ただいま詠み出だすべしとは、知られざりけるにや。 すぐさま詠み出だすことができるとは、お思いにならなかったのだろうか。 ・ 詠み出だす … サ行四段活用の動詞「詠み出だす」の未然形 ・ べし … 可能の助動詞「べし」の終止形 ・ 知ら … ラ行四段活用の動詞「知る」の未然形 ・ れ … 尊敬の助動詞「る」の未然形 ・ ざり … 打消の助動詞「ず」の連用形 ・ ける … 過去の助動詞「けり」の連体形 ・ に … 断定の助動詞「なり」の連用形.

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大江山・十訓抄 現代語訳・品詞分解・原文

十訓抄 大江山の歌

「十訓抄:大江山」の現代語訳 和泉式部、保昌が妻 めにて、丹後 たんごに下りけるほどに、京に歌合 うたあはせありけるに、小式部内侍、歌詠みにとられて、詠みけるを、 和泉式部が、保昌の妻として、丹後に下った頃に、京で歌合せがあったところ、小式部内侍が、歌詠みに選ばれて、(歌を)詠んだのを、 定頼中納言戯 たはぶれて、小式部内侍ありけるに、「丹後へ遣はしける人は参りたりや。 いかに心もとなく思 おぼすらむ。 」と言ひて、 定頼中納言がふざけて、小式部内侍が(局に)いた時に、「丹後(の母のもと)へおやりになった人は(帰って)参りましたか。 どんなにか待ち遠しくお思いのことでしょう。 」と言って、 局 つぼねの前を過ぎられけるを、御簾 みすより半 なからばかり出 いでて、わづかに直衣 なほしの袖をひかへて、 局の前を通り過ぎられたのを、御簾から半分ばかり(身を)乗り出して、ほんの少し直衣の袖を引っ張って、 大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天の橋立 大江山を越え、生野を通って行く道のりが(京から)遠いので、(母がいる丹後の)天の橋立はまだ踏んでみたことはありませんし、(母からの)手紙もまだ見ていません。 と詠みかけけり。 と(歌を)詠みかけた。 思はずに、あさましくて、「こはいかに。 かかるやうやはある。 」とばかり言ひて、返歌にも及ばず、袖を引き放ちて、逃げられけり。 (定頼は)思いもかけぬことに、驚いて、「これはまあなんとしたことだ。 こんな(=当意即妙に歌を詠む)ことがあろうか、いや、あるはずがない。 」とだけ言って、返事もできず、(引っ張られている直衣の)袖を引き払って、お逃げになった。 小式部、これより歌詠みの世に覚え出で来にけり。 小式部(内侍)は、この時から歌詠みの世界に名声が広まったということだ。 これはうちまかせての理運のことなれども、かの卿 きやうの心には、これほどの歌、ただいま詠み出だすべしとは、知られざりけるにや。 こうしたことは(小式部内侍にとっては)ごく普通の当然のことであったけれど、あの(定頼中納言)卿の心の中には、これほどの歌を、すぐに詠み出すことができるとは、おわかりにならなかったのであろうか。 (十訓抄) 脚注• 和泉式部 生没年未詳。 平安時代中期の名高い歌人。 歌合 歌人が左右二組に分かれ、歌の優劣を競う催し。 直衣 男性貴族の平服 出典 十訓抄 参考 「国語総合(古典編)」三省堂 「教科書ガイド国語総合(古典編)三省堂版」文研出版.

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大江山・十訓抄 現代語訳・品詞分解・原文

十訓抄 大江山の歌

〈本文〉 和泉式部(いづみしきぶ)、保昌(やすまさ)が妻(め)にて、丹後に下りけるほどに、京に歌合(うたあはせ)ありけるに、小式部内侍(こしきぶのないし)、歌よみにとられて、歌をよみけるを、定頼中納言(さだよりのちゅうなごん)、たはぶれて、小式部内侍、局(つぼね)にありけるに、「丹後へ遣はしける人は参りたりや。 いかに心もとなくおぼすらん。 」と言ひて、局の前を過ぎられけるを、御簾(みす)より半(なか)らばかり出でて、わづかに直衣(なほし)の袖をひかえて、 大江山(おほえやま)いくのの道の遠ければまだふみもみず天の橋立(あまのはしだて) とよみかけけり。 思はずにあさましくて、「こはいかに、かかるやうやはある。 」とばかり言ひて、返歌にも及ばず、袖を引き放ちて逃げられけり。 小式部、これより、歌よみの世におぼえ出できにけり。 これはうちまかせて、理運のことなれども、かの卿(きゃう)の心には、これほどの歌、ただいまよみ出だすべしとは。 知られざりけるにや。 〈juppo〉暑くてダラダラしている間に、あっという間にオリンピックも終わり、夏休みも終わったり終わりつつあったりしていますね。 皆さん夏休みの宿題の進行状況はいかがでしょうか。 毎年、夏休みの宿題に追われる子供たちを見る度に、大人になって良かったなぁあ、と心からの喜びに浸るすっかり大人な私です。 皆さんもしばし我慢して、早く無責任な大人になってくださいね。 さて今回は、また『十訓抄』の作品です。 和泉式部は『和泉式部日記』を書いた人で、小式部内侍はその娘ですが、お父さんは保昌ではありません。 和泉式部の人生はハリウッドのセレブ並みにいろいろあった模様です。 お母さんが歌人で有名な和泉式部なので、その娘に対して定頼が「お母さんに歌のアドバイスを求めて手紙を書いたんじゃないの〜?その返事はもう来たの〜?」と、からかっているのです。 ところがすぐさま小式部がそれに答える完璧な歌を詠んだので、歌を詠まれたら返歌をするのが礼儀であるにもかかわらず、定頼はそれも出来ずにすたこら逃げ去った、という話です。 大江山・・の歌は、百人一首に入っている歌でもあります。 「いくの」が「行く」と「生野」に、「ふみ」が「文」と「踏み」にかかる掛詞になっています。 相手が小娘だからといって(小娘でなくても)侮ってはいけないよ、という教訓になっているのだそうです。 なるほど。

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