文鳥の性別は、おとなになっても外見だけで明確に判断出来ません。 まして、 ヒナ段階の外見で雌雄を判断するのは無謀です。 ほぼ確実にオスとメスを分けるには、さえずり(同じ節回しの連続した鳴き声。 文鳥の場合オスによる求愛の歌でもある)の有無を確認しなければなりませんが、オスがさえずりの練習(ぐぜり)を本格的に始めるのは、生後3ヶ月近くになってからです。 当然ながら奥手な個体もいますから、 生後3ヶ月以上経過してさえずらなくともメスと断定はできないので、 生後半年くらいまで100パーセント確実な雌雄判断は難しいと理解しなければなりません。 性別判別できるまで、一般家庭で手乗りとして育てた文鳥は、その家で家族同然になっていますから、初めから将来的に「里子」に出すことを前提にしていなければ、なかなか 他人(特に初心者)に手渡したいとは思えないはずです。 従って、何らかの原因で飼育困難になってしまった場合以外では、 一般家庭で毎日カゴから出して飼い主と遊んで育てた文鳥を、性別がわかってから譲り受けるのはかなり難しいと考えた方が良いかもしれません。 つまり、性別がわかった手乗り文鳥を手に入れたい場合、差し餌終了後(ひとりエサ)人間と遊ぶことなく性別がわかるまで成長したいわゆる「手乗りくずれ」を、自分の家で時間をかけて自分の手でふたたび「手乗りに戻す」のが、最も現実的なように思われます。 文鳥は個体により性格もいろいろなので、時間がかかり、初めは怖がられることくらいは覚悟しなければならないでしょう。 1羽だけで人間と一緒に生活をしてきた手のりの文鳥は、 一緒に遊んでくれる飼い主と自分が同じ生き物だと思っています。 当然、見たことも無い文鳥という生き物を飼い主が「仲良くしようね」と連れてきても、今までの平和な生活を邪魔する異生物の襲来として攻撃する方が、1羽で育った手のり文鳥の行動として自然です。 飼い主は文鳥を自分とは違う生き物として愛するのが普通ですが、 文鳥は飼い主を自分と同じ生き物として愛しています。 つまり、求愛行動をするのは、飼い主を恋愛対象としているからで、そこに飼い主とは外見的に似ても似つかない生き物を、「お嫁さんだよ」「お婿さんだよ」「お友だちだよ」と言われても、迷惑でしかないことが多いのです(少し奇妙な気もするでしょうが、その文鳥君の立場で考えてくださいね)。 それでも時間が経てば見慣れてもきますし、人間よりも身近に存在すれば仲間意識も生まれてきて、だんだんと仲良くなる可能性は大きいです。 時間がかかると考え、もしその途中でケンカばかりしていても( 文鳥は「ケンカ上等!」の生き物です。 放鳥中や広いケージの中でケガしない程度のいがみ合いなら黙認しましょう)、飼い主が精神的にくたびれないように、事前に心構えをしておきましょう。 通常、同じ色柄の個体同士を掛け合わせて同じ色柄の子供が得られ、同一系統内で繁殖、個体の選択をして統一した色柄を保つようにし、その系統が分岐し個体数がある程度増えて初めて固定品種と呼べます。 文鳥の場合、一般に流通するほど個体数のある品種は4種類です。 ノーマルは本来、昔は並文鳥と呼ばれた野生種から繁殖した系統を表現する言葉ですが、異種間交雑により、 姿が原種的な濃い色合いで生まれた個体を「ノーマル」 「並文鳥」と表現する場合があります。 姿はノーマルと同じですが、遺伝子的にはまったく違う雑種(ミックス)なので、繁殖に用いる場合は注意が必要です(知識がない場合はミックスを繁殖に用いない方が良いでしょう)。 白文鳥 日本で江戸時代から繁殖飼育されていた原種(ノーマル)の色合いの文鳥から、おそらく明治の初め頃、愛知県弥富地方において突然変異で生まれた品種です。 メラニン色素の欠損によるアルビノではないため、目は赤くありません。 外見は同じ白文鳥でも、遺伝子的には少なくとも2系統(白文鳥同士からでも桜文鳥が生まれる系統【弥富系】・白文鳥同士からは白文鳥しか生まれない系統【台湾系など】)存在しています。 日本の白文鳥は桜文鳥の遺伝子を持っていたり、近い祖先に桜文鳥がいることが多いため、 ヒナの時には背中などに灰色の羽毛が存在します。 一方台湾産はヒナの頃から真っ白です。 弥富系の白文鳥は、遺伝子的に25%の確率で中止卵を引き起こすようですが、基本的には丈夫な品種です。 桜文鳥 並文鳥(原種・ノーマル)と白文鳥との交雑によって生じた品種です。 桜文鳥同士を掛け合わせていくと白い差し毛が少なくなり、原種とほとんど同じ容姿となります。 白い差し毛が半分程度に達するごま塩柄の文鳥は、白文鳥との間のミックスと考えられ、本来「桜文鳥」と呼ぶべきではありませんが、悪しき伝統と白い羽の多い桜文鳥との線引きが難しいためあいまいになっています。 原種の姿を止め、雑種的な要素もあり、もっとも丈夫な品種と言えそうです。 毛並みが悪く人馴れしていないため、国内で繁殖された文鳥に比べ劣っている並品という意味で「並」とされました。 現在では野生種の捕獲や輸入はない と言って良いので並文鳥は存在しません(現地での生息数が激減している)。 外見が原種(ノーマル)に近い文鳥を「並文鳥」と表現されることがありますが、これは誤りです。 桜文鳥の系統から生まれたのなら、ノーマルな色合いでも品種としては「桜文鳥」 としなければなりません。 一方、シナモン文鳥と他品種との交雑などにより、外見がノーマルのヒナが生まれたら、それは「ミックス」とすべきでしょう。 シナモン文鳥 メラニン色素の一部を欠く個体を、1970年代にヨーロッパで固定した品種です。 他の品種と掛け合わせると、シナモンの色は子に現れず隠れてしまいます(この現象を「スプリット」と表現する人もいます)。 本来的に色素を欠くため瞳(虹彩)が赤く、色素による緩和がないため光刺激に弱いと考えられます(明るい日差しの中でサングラスをしていないようなもの)。 したがって、直射日光に長時間当てるようなことは避けたほうが良いでしょう。 シルバー文鳥 メラニン色素の一部を欠く個体を、1970年代にヨーロッパで固定した品種です。 より淡い系統をライトシルバーと呼ぶなど、プロの繁殖家レベルでは品種内で細かく分けられているようですが、一般の少数飼育者がペットショップで買い求める流通形態を持つ日本では、色の濃淡は無視される傾向が強いです。 その他 クリーム・・・シナモンを淡くしたような色彩の系統で、品種となりつつある段階にあります。 ただ個体数が少ないこともあり、比較的に虚弱の傾向が現れやすいので、少し注意が必要です。 アルビノ・・・メラニン色素を欠くため全身が白く目(虹彩)が赤い系統です。 先天的疾患が現れやすく、総じて虚弱となりやすいので、初心者は避けたほうが良いでしょう。 イノ・・・虹彩が赤いシルバーの系統をこのように呼ぶ場合があります。 アルビノ同様に総じて虚弱となりやすいので、初心者は避けたほうが良いでしょう。 アゲイト・・・アゲイトは宝石の瑪瑙(めのう)のことですが、胴体がノーマル的な色合いで頭と尾羽がシナモン的な色合いの個体のことです。 絶対的な個体数が少なく、系統と言える程の遺伝子的安定性があるのかも不明な段階なので、専門的な人以外は避けたほうが良いでしょう。 ブルー・・・ノーマルのお腹の色が濃いヨーロッパからの輸入系統を呼ぶ場合と、シルバーの青みが強く空色に近い個体を呼ぶ場合があり、混乱しているように思われます。 空色に近い方が「ブルー」のイメージに合致しますが、系統となっているのかもよくわかりません。 並文鳥・・・現地で捕獲され輸入販売されていた野生の文鳥のこと。 現在は流通していません。 誤解が起きるので以下『チモール』)。 『チモール』は現在野生での個体数が少なく、捕獲され輸入されることも無いはずなので、現在日本で飼育される方がいるとしたら、以前に輸入された野生『チモール』の個体から(一昔前はペットショップで売っていました)、大変な努力をされて自家繁殖をして、代を重ね、個体数を増やされたものと思われます(お店では見かけなくなって久しいので、ブリーディング個体の増加は 順調ではないのかもしれません)。 同一の遺伝子的特質を持つ個体を増やす必要があるので、ペアリングの相手が近親になっている可能性が比較的大きくなります(珍しい色柄のグループほどその可能性が増していく)。 近親間の交配を続けると、「近交弱勢」と呼ばれる遺伝学的現象が起き、軽度な虚弱体質から重度な奇形などさまざまな先天的疾患の可能性が高まり、 特に問題がなさそうでも不妊性(子孫を残す能力を持たない。 つまり産むのは無精卵のみ)であることも多くなります。 当然、白文鳥や桜文鳥の両親でお互いに血縁関係がなくても、子供に先天的な疾患や障害が現れる可能性はありますが、近親ではその可能性が高まるのです。 手のりにして一緒に遊ぶ点に文鳥の魅力を最も感じる場合は、 健康を一番に考えて、変わった色柄は避けるのが無難です。
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文鳥の魅力 文鳥の最大の魅力は、何と言ってもその愛らしい姿です。 個体差はありますが、文鳥の体長はハトより小さく、スズメより大きい、約14cm。 女性の手にもすっぽり収まってしまうくらいの小さなカラダでひょこひょこと歩く様子を見て、「何時間見ても飽きない」と思う飼い主も多いようです。 とくに、飼い主の心をわしづかみにしているのが、通称「もち」と呼ばれる姿。 脚をカラダの中に隠すようにして座り、ゆったりと過ごしている姿がまるで鏡餅のように見えるため、こう呼ばれています。 ただでさえ小さくて愛らしい文鳥が、さらに愛らしくまんまるになっている姿に、とりこになる飼い主が後を絶ちません。 「もち」は文鳥がリラックスしている時にしか見せない姿です。 もち姿を見せてくれるということは、文鳥が飼い主のことを信頼しているサインといえるかもしれません。 com 文鳥の魅力はほかにもまだまだあります。 代表的なものをまとめてみました。 鳴き声でおしゃべりをする 文鳥はインコやオウムのようにおしゃべりをすることはありませんが、鳴き声で喜怒哀楽を伝えてくれます。 飼い主を呼ぶときは「チッ! チッ! チッ!」、存在を示すときは「ピッ」、驚いて警戒するときは「ゲゲゲッ!」など、様々な鳴き方をして気持ちを表現します。 飼い主が文鳥の鳴き声を真似して応えると、文鳥は「気持ちが伝わった!」と喜ぶはずです。 このようにコミュニケーションを図れるのも、文鳥の魅力の一つです。 名前を呼ぶと飛んで来る 日常的に文鳥の名前を呼んでコミュニケーションをとっていると、そのうちに自分の名前の音を聞き分けて、声のする方を見たり、飼い主のところへ飛んで来たりするようになります。 時には、返事の代わりに歌を歌ってくれることもあるようです。 手乗り文鳥になることも! 文鳥が手に乗っている姿は、とても魅力的で可愛らしいものです。 「手に乗る」という行為は、文鳥が飼い主をパートナーと認めた証拠。 文鳥の大きな魅力といえます。 ただし、手乗り文鳥に育てるには、基本的にはヒナの時からお世話をする必要があります。 また、性格的に手乗りを嫌がる個体もいるため、全ての文鳥が手乗りになるわけではないことを覚えておきましょう。 文鳥の種類 その美しくなめらかな羽毛も、文鳥の魅力の一つです。 文鳥は、羽毛の色の違いによって、いくつかの種類に分かれており、それは飼いやすさとも大きく関わっています。 代表的な文鳥の種類を、それぞれの飼いやすさとともに紹介します。 カラダが丈夫で、初心者でも飼いやすい品種の一つです。 見た目が美しいため人気が高いですが、ほかの品種に比べて虚弱で短命な傾向がみられます。 その名の通り、深い赤色の目をした品種です。 頭がシナモン、カラダがグレーの羽彩をしています。 文鳥の選び方 初めて文鳥を飼う人は、サクラや白といった育てやすい種類の文鳥を選びましょう。 シルバーやシナモンなど、色素が抜けた色変わり種は、体調面で弱いことが多いため、飼育には充分な知識と経験が必要になります。 また、初心者の場合は飼育が難しいヒナではなく、成鳥を迎えるのがよいでしょう。 文鳥の成鳥を迎える際には、以下のポイントをチェックしておくことをおすすめします。
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スポンサーリンク 白文鳥 出典: 羽毛は白一色か、背中にグレーの色素が残っているものもいます。 成長していくと、換羽で真っ白に生え変わります。 ノーマル文鳥の突然変異で生まれました。 目が黒で羽毛が真っ白のものを白文鳥といいますが、よく似た種類で、目が赤で同じ様に羽毛が真っ白ののものはアルビノといいます。 全身と目のメラニン色素が抜けているので、そういった色合いになるようです。 一般的にアルビノの体は弱いと言われますが、白文鳥は目が黒く、色素を持っているので丈夫です。 白文鳥は体のみ突然変異で白の羽毛ですが、本来の色素は持っている為、ノーマル文鳥と並んで体の丈夫さについては定評があります。 艶やかでマットな質感の真っ白な体は、しゃがんだ姿がまるで大福のようにもっちりとしており、印象的です。 愛知県弥富町が発祥の地とされており、現地では電話ボックスに白文鳥のオブジェがついているものもあるなど、有名な話のようです。 明治時代に人気を博し、夏目漱石の短編小説にも登場しました。 販売価格は約2500円〜3500円で購入できます。 桜文鳥 出典: ノーマル文鳥に白いぼかし模様が入っているものや、桜の花びらのようにまだら模様があるものを、桜文鳥と呼びます。 一般的に飼われている文鳥の種類としては、桜文鳥が一番多くポピュラーとして扱われています。 定義が曖昧な部分がありますが、白の部分が多く、灰色の部分がまだらになっているものをゴマ塩文鳥と呼ばれることもあります。 約2500円〜3500円で購入できます。 スポンサーリンク シナモン文鳥 出典:ひなたまいの世界 桜文鳥の黒い部分をブラウン系のグラデーションにしたような色合いです。 1970年代にオランダで作られた種類で、フォーンと呼ばれることもあります。 シナモン文鳥の中でも暗い色合いのものは、モカブラウン文鳥と分類されることもあります。 本来の色素を一部失って固定化された種類なので、目が赤っぽいことも特徴です。 その為、長時間の日光浴で体調を崩してしまうこともあり、注意が必要です。 普段は直射日光を避け、1日に数十分の日光浴に留めましょう。 珍しい色合いなので、 約5000円〜8000円と少し値段があがります。 シルバー文鳥 出典: 全体的に銀白色の羽毛をしています。 シナモン文鳥と同じように、色素を一部欠くので紫外線に弱い傾向にあります。 長時間の日光浴は避けましょう。 シルバー文鳥の中でも特に色合いが薄いものを、ライトシルバー文鳥として区別されていますが、国内では滅多に出会うことはありません。 1980年代にヨーロッパで固定化された種類で、淡いグレーのグラデーションと渋い色合いが根強い人気です。 約5000円〜8000円と、こちらも少し高くなります。 文鳥の飼い方!餌、水のあげ方、ケージを選ぶ5つのポイント! クリーム文鳥 出典: ベージュ寄りのクリーム色の羽毛をした文鳥です。 シナモン文鳥よりも、白の色合いが強く、比率が高いものに区別されます。 複数の種類を掛け合わせて作られた種類で、黄色みは薄く、茶色を白っぽくした色合いの落ち着いた色彩です。 1990年代にイギリスで誕生した、比較的新しい種類です。 珍しさから約10000円〜と高めです。 パイド文鳥 出典: 全体的に白っぽい羽毛に、グレーのパイド まだら模様 が入る文鳥です。 ノーマル文鳥や桜文鳥、白文鳥などの交配でも生まれる事があります。 値段は1500円〜3500円と、お店によって開きがあります。 アゲイト文鳥 出典:JEMTC Web かなり珍しい色合いで、クリーム系の色とグレー系の色が同時に現れた文鳥です。 遺伝子的に不安定な為に体も弱く、とても珍しいので、なかなか出会うことはありません。 購入金額は色合いによっても左右されるようで、 約10000円〜となります。 頰黒文鳥 出典:JEMTC Web ほぼ全ての文鳥は、目の下の部分に白い模様があるのですが、頰黒文鳥はその部分が真っ黒の羽毛が生えています。 要するに、頭部が全部真っ黒で、首から下がノーマル文鳥の色合いになっているのです。 遺伝子的に固定された種類ではなく、突然変異のように一代だけに現れる種類なので、お値段は 約20000円〜30000円と高くなるようです。 性格やなつき方、さえずり方などは種類では左右されません。 容姿以外には大きな差がなく、飼育の仕方も同じで、人馴れや様々なことを覚えるかどうかは、個体差と言わざるを得ません。 ただ、アルビノ種や本来の色素を欠いたシナモン文鳥、シルバー文鳥などについては、失病や紫外線に弱く、体の丈夫さについてはやや劣ります。 また、細かく分類すれば更に多くの色味の文鳥が存在します。 しかし、珍しい姿を何代にも渡って固定化するには親近交配が行われている可能性が高いのです。 健康面に問題があったり、繁殖で奇形の雛が生まれることも多く、あまりお勧めしません。
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