僕はよく記憶が飛ぶ。 だからだろうか。 いつまでたっても記憶から消えない彼女は余計、気になった。 彼女とは廊下ですれ違ったきりだ。 なのにこんなにも覚えている。 あの長い髪も。 赤みがかった毛先も。 丸い桃色の瞳も覚えている。 こんなことは僕にしてはとても珍しいことだ。 彼女、なんて名前なんだろう そう考えていると突然捕まった。 僕を捕まえた男はボサボサの髪の毛に竹刀とホイッスルを持っている。 服装からして教員だろう。 名前は思い出せない。 すごい剣幕で見つめてくる。 「校則違反だ、髪の長さが。 そんなに長いならせめて結べ」 「はぁい、竹刀先生。 」 「・・・冨岡だ。 竹刀が本体ではない」 (知ってる) 「・・・お前、時透か。 」 「はあ」 「・・・竈門とは会ったか?」 「竈門?」 「お前のひとつ上の先輩だ。 」 「知らないけど」 (知ってる気がする) 「じゃあいい」 「まって!」 気づいたら富中先生の腕を引っ張っていた。 「富中先生!その人の名前教えて!」 「・・・冨岡だ。 竈門炭治郎だよたしか妹のねずこがお前の横のクラスだな」 (炭治郎・・・ねずこ・・・懐かしい響き) 「ありがとう冨山先生!」 「冨岡だ。 」 [newpage] 「すみません・・・」 「わーあっ!?えっ誰?CoCo三年だよ??何か用??ってわーぁっ!?霞柱じゃん!?じゃあ炭治郎だろ?オーイ炭治郎~!」 (さわがしいせんぱいだ。 それに霞柱?) 「なんだよ善逸・・・って時透くん!?」 この人は僕を知ってるみたいだ。 「あの・・・っ、富沢先生から竈門先輩を訪ねればいいみたいな感じで聞いたから・・・」 「富沢・・・?義勇さんか!うんうん。 ってことは?戻ってないか・・・いやそうだよね。 戻ってたらさっきの善逸に『うるさいよ。 静かに呼べないの?』位はいいそうだからってことは戻ってないか!うーん残念!」 「もどる?戻らない?」 「記憶だよ!」 記憶・・・僕は小さい頃からたまに泣きたくなることがあった。 それは決まって夏の夜で窓を明けているときだった。 もしかしたらその『記憶』と関係してるのかもしれない。 「それ、詳しく教えて」 [newpage] 「大正時代・・・鬼狩り、鬼殺隊・・・霞柱・・・」 僕は忘れないようとっておいたメモを眺める。 そしてその端にボールペンで竈門ねずこ・炭治郎とかきたす。 それから横にせんを引いて我妻善逸反対にも線を引いて嘴平伊之助とかく。 『富沢・・・義勇さんか!』 それを思いだし端に義勇とかく。 霞柱から線を引き柱に繋げる。 柱から義勇に線を繋ぎ水柱と補足する。 鬼から線をねずこに繋ぐ。 そして鬼からもう一度線を出しその先に自然と鬼舞辻無惨とかく。 「鬼舞辻・・・?知らないけどきっと関係があるはずだ」 その日の夜はねむらなかった [newpage] 次の日早く続きが聞きたくて炭治郎の家まで迎えにいったらねずこと思われる人とあった。 あの子だ。 ねずこは僕を見ると口枷のようにつけていたパンをはずして 「無一郎、くん?」 といった。 僕は何故か「むいちろうでいい」と言った。 ねずこが仕切り直しのように「むいちろう?」と聞く。 それが懐かしく思えた。 「時透くんは覚えてなくても時透くんだよね」 「そう?僕はあまり覚えていないから。 炭治郎。 ねえ、・・・僕は前で死んだの?」 炭治郎が固くなる。 それだけで十分だった。 「そっか」 ねずこも苦しげな顔をするから、頭を撫でてしまった。 怒られるかと思ったけど嬉しそうに堪能されたので驚いた。 「なでられるの、すきなの?」 「むいちろは、特別」 特別がなんだか素敵な言葉に聞こえた。 「・・・ねェ炭治郎!?これどういうことぉおおお!!!」 「おはよう善逸!」 「おはよぉおおお!」 「おはようえっと鷲岳先輩」 「おはよぉおおお!誰だよわしおかってぇえええ!我妻だよぉおおお」 「おはようございます我妻先輩」 「おはよぉおおお!できれば善逸さんって読んでほしいなぁああああああってそうじゃねぇんだよ炭治郎ぉおおぉおおおおお」 「えっと鷲妻先輩うるさい」 「きゃぃー!ごめんなさいねェええ我妻だけどねぇえええええ!!!」 「善逸はなしは聞くから落ち着け」 「胡蝶先輩がさぁあああ年上の男と付き合ってんだってよぉおお」 「お前ねずこに好き好き言いながらなんだそれは!!! 」 「違うよぉおおおそれでさぁあああ!なんでかみんな俺に相手を調べてくれって言ってくんのぉおお!」 「ふらいべーとだろう?」 「だから断るとさぁあああ!!! めっちゃ俺の陰口叩くのぉおおおお」 「気にするな!」 「うっぐ、えぐ、うぉおあああああ」 「・・・ねずこ、先にいこう」 「わかった!無一郎」 「いってらーほら善逸落ち着け」結局炭治郎から聞けなかったからねずこに聞く。 「そうだなー、私は無一郎の事、好きだったよ。 」 「! 」 「・・・今でも、ね」 「・・・僕はその言葉を聞くために産まれてきたのかもね」 「どういうこと?」 「思い出した・・・僕も好きだよってこと。 」 自然に顔がほころぶ。 仕方ない。 だって好きだったんだし、今も好きだから。
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僕はよく記憶が飛ぶ。 だからだろうか。 いつまでたっても記憶から消えない彼女は余計、気になった。 彼女とは廊下ですれ違ったきりだ。 なのにこんなにも覚えている。 あの長い髪も。 赤みがかった毛先も。 丸い桃色の瞳も覚えている。 こんなことは僕にしてはとても珍しいことだ。 彼女、なんて名前なんだろう そう考えていると突然捕まった。 僕を捕まえた男はボサボサの髪の毛に竹刀とホイッスルを持っている。 服装からして教員だろう。 名前は思い出せない。 すごい剣幕で見つめてくる。 「校則違反だ、髪の長さが。 そんなに長いならせめて結べ」 「はぁい、竹刀先生。 」 「・・・冨岡だ。 竹刀が本体ではない」 (知ってる) 「・・・お前、時透か。 」 「はあ」 「・・・竈門とは会ったか?」 「竈門?」 「お前のひとつ上の先輩だ。 」 「知らないけど」 (知ってる気がする) 「じゃあいい」 「まって!」 気づいたら富中先生の腕を引っ張っていた。 「富中先生!その人の名前教えて!」 「・・・冨岡だ。 竈門炭治郎だよたしか妹のねずこがお前の横のクラスだな」 (炭治郎・・・ねずこ・・・懐かしい響き) 「ありがとう冨山先生!」 「冨岡だ。 」 [newpage] 「すみません・・・」 「わーあっ!?えっ誰?CoCo三年だよ??何か用??ってわーぁっ!?霞柱じゃん!?じゃあ炭治郎だろ?オーイ炭治郎~!」 (さわがしいせんぱいだ。 それに霞柱?) 「なんだよ善逸・・・って時透くん!?」 この人は僕を知ってるみたいだ。 「あの・・・っ、富沢先生から竈門先輩を訪ねればいいみたいな感じで聞いたから・・・」 「富沢・・・?義勇さんか!うんうん。 ってことは?戻ってないか・・・いやそうだよね。 戻ってたらさっきの善逸に『うるさいよ。 静かに呼べないの?』位はいいそうだからってことは戻ってないか!うーん残念!」 「もどる?戻らない?」 「記憶だよ!」 記憶・・・僕は小さい頃からたまに泣きたくなることがあった。 それは決まって夏の夜で窓を明けているときだった。 もしかしたらその『記憶』と関係してるのかもしれない。 「それ、詳しく教えて」 [newpage] 「大正時代・・・鬼狩り、鬼殺隊・・・霞柱・・・」 僕は忘れないようとっておいたメモを眺める。 そしてその端にボールペンで竈門ねずこ・炭治郎とかきたす。 それから横にせんを引いて我妻善逸反対にも線を引いて嘴平伊之助とかく。 『富沢・・・義勇さんか!』 それを思いだし端に義勇とかく。 霞柱から線を引き柱に繋げる。 柱から義勇に線を繋ぎ水柱と補足する。 鬼から線をねずこに繋ぐ。 そして鬼からもう一度線を出しその先に自然と鬼舞辻無惨とかく。 「鬼舞辻・・・?知らないけどきっと関係があるはずだ」 その日の夜はねむらなかった [newpage] 次の日早く続きが聞きたくて炭治郎の家まで迎えにいったらねずこと思われる人とあった。 あの子だ。 ねずこは僕を見ると口枷のようにつけていたパンをはずして 「無一郎、くん?」 といった。 僕は何故か「むいちろうでいい」と言った。 ねずこが仕切り直しのように「むいちろう?」と聞く。 それが懐かしく思えた。 「時透くんは覚えてなくても時透くんだよね」 「そう?僕はあまり覚えていないから。 炭治郎。 ねえ、・・・僕は前で死んだの?」 炭治郎が固くなる。 それだけで十分だった。 「そっか」 ねずこも苦しげな顔をするから、頭を撫でてしまった。 怒られるかと思ったけど嬉しそうに堪能されたので驚いた。 「なでられるの、すきなの?」 「むいちろは、特別」 特別がなんだか素敵な言葉に聞こえた。 「・・・ねェ炭治郎!?これどういうことぉおおお!!!」 「おはよう善逸!」 「おはよぉおおお!」 「おはようえっと鷲岳先輩」 「おはよぉおおお!誰だよわしおかってぇえええ!我妻だよぉおおお」 「おはようございます我妻先輩」 「おはよぉおおお!できれば善逸さんって読んでほしいなぁああああああってそうじゃねぇんだよ炭治郎ぉおおぉおおおおお」 「えっと鷲妻先輩うるさい」 「きゃぃー!ごめんなさいねェええ我妻だけどねぇえええええ!!!」 「善逸はなしは聞くから落ち着け」 「胡蝶先輩がさぁあああ年上の男と付き合ってんだってよぉおお」 「お前ねずこに好き好き言いながらなんだそれは!!! 」 「違うよぉおおおそれでさぁあああ!なんでかみんな俺に相手を調べてくれって言ってくんのぉおお!」 「ふらいべーとだろう?」 「だから断るとさぁあああ!!! めっちゃ俺の陰口叩くのぉおおおお」 「気にするな!」 「うっぐ、えぐ、うぉおあああああ」 「・・・ねずこ、先にいこう」 「わかった!無一郎」 「いってらーほら善逸落ち着け」結局炭治郎から聞けなかったからねずこに聞く。 「そうだなー、私は無一郎の事、好きだったよ。 」 「! 」 「・・・今でも、ね」 「・・・僕はその言葉を聞くために産まれてきたのかもね」 「どういうこと?」 「思い出した・・・僕も好きだよってこと。 」 自然に顔がほころぶ。 仕方ない。 だって好きだったんだし、今も好きだから。
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