形状は人によって違うのですが、多くの場合キラキラと輝くギザギザの幾何学模様が視界に現れます。 幾何学模様は回転するなどして動き、ひどいときには視界を覆うほどにもなります。 この視覚障害を閃輝暗点といいます。 閃輝暗点が治まると、激しい頭痛が起こります。 頭痛は数時間続きますが、ひどい吐き気や嘔吐(おうと)を伴うことが多いのです。 この閃輝暗点は「目」自体が悪くなったのではありません。 閃輝暗点および片頭痛については現在も研究が続けられていますが、その発生の仕組みについては明確には分かっていません。 これまでは、閃輝暗点は「脳の視覚野の血管が収縮することによって引き起こされる」と考えられていたのですが、現在では、 「大脳皮質神経細胞の活動性異常によって引き起こされるもの」 という説が有力です。 ただし、脳の血流が低下しているときにも片頭痛発作が見られることから、これまでの「何らかの原因で血管が収縮して、それが拡張するときに頭痛が発生する」という説では、その仕組みを説明できません。 脳の血管拡張のみが頭痛の原因とはいえないわけです。 ただ、閃輝暗点のような視覚異常の前兆を伴う片頭痛の場合には、一様に「脳の血流低下」が見られることから、これが何らかのキーファクターになっていることは確かです。 ですので、閃輝暗点を治療するには脳の血流の低下を元に戻すことが大事で、脳の血流を低下させないことが予防になります。 しかし、閃輝暗点は片頭痛の前兆として現れることが多いですから、片頭痛の治療の一環として行うことが求められます。 閃輝暗点が現れたときには、.
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目がチカチカする原因は網膜はく離? 眼に光が当たっていないのに、眼を動かしたときに視野の周辺に一瞬あるいは数秒間光が走る、チカチカした光が見える症状を光視症と言います。 この光視症が起こる原因は、眼球内の硝子体の動きにより、網膜が刺激を受けることで発生する症状です。 この光視症を自覚する人の一部に、網膜に亀裂 裂孔 が生じていることがあります。 網膜剥離は、眼球の内側にある網膜という膜が剥がれて視力が低下する病気です。 網膜は、カメラで例えるとフィルムの働きをする組織です。 眼の中に入ってきた光を刺激として受け取り、脳の視神経へ伝達することで目が見えています。 網膜剥離の前兆として、光視症や飛蚊症があらわれることがあります。 画像引用: ja. wikipedia. org 網膜剥離はどんな症状が起きる? では症状を確認してみましょう! ・眼がチカチカする 光があたっていないのにキラキラ・チカチカした光の点滅を感じたり、暗い所で突然稲妻のような光が見える光視症の症状です。 ・フワフワしたゴミか蚊のような影が見える 明るいところで読書をしたり、青空や白い壁などを見た時に視野の中にフワフワしたゴミのような浮遊物や蚊が飛んでいるように見える飛蚊症の症状です。 ・物がぼやけてみえたり、ゆがんでみえる 上部の網膜が剥離すると下の方の視野が暗くなり、下部が剥離すると上の方の視野が欠損します。 また黄斑が剥離するとものがゆがんで見えます。 ・部分的に見えなくなる、メガネを変えても視力が回復しない 網膜隔離の位置や大きさなどで、視野欠損や視力低下の程度や進行は異なり、メガネを変えても視力回復はしません。 ・視野全体にススが掛かったように見える 網膜裂孔が生じて出血することがあります。 硝子体中に出血が広がると、視野全体が暗くなったり、飛蚊症の影が増えたり、ススがかかったように見える場合があります。 どんな人がなりやすい? 網膜剥離の患者に多いのは、20代の若者と50代以上の高齢者です。 しかし、どんな年代の人にも起きる可能性があります。 高齢になると眼球内の硝子体と呼ばれる透明なゲル状組織が加齢により液状化して、眼底の網膜から剥がれて行きます。 特に気を付けた方がいい人は、以下の方になります。 ・強度の近視眼 ・片方の目が網膜剥離を起こしたことがある ・家族に網膜剥離にかかった人がいる ・眼球を強くぶつけたり、叩かれて怪我をした後 ・アトピー性皮膚炎で、とくに目のまわりの皮膚炎が重症な人 ・白内障手術などの眼内手術を受けた人 似ている病気は他にある? <閃輝性暗点> 脳血管の収縮により血流が一時的に悪くなる事が原因の、閃輝性暗点は、 季節の変わり目など急激な温度変化やホルモンバランスの崩れ・ストレスなどで「チカチカする光が見える」「ギザギザ稲妻のような光が見える」「キラキラするものが見える」などという症状を引き起こす事があります。 <眼精疲労> 長時間目を酷使した事による疲れ、いわゆる眼精疲労でも目がチカチカするような、まぶしい感じがすると訴える人もいます。 <起立性低血圧> 横になっていたり座った状態から急に立ちあがったり体を動かしたりした時に、立ちくらみ・めまいなどの症状やチカチカした症状が起きます。 病院に行ったほうがいい? 網膜剥離は、放っておくと失明する恐ろしい病気です。 チカチカ光りが見える症状は、網膜剥離の始まりの光視症の可能性もあります。 繰り返して起きるような場合は、必ず病院に受診してください。 まとめ 眼がチカチカするというだけでもいろいろな原因が考えられますが、網膜剥離の可能性のある光視症が原因のチカチカには気をつけるようにしなければなりません。
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喜多村 私たちの目は、ちょうどカメラのような構造で、さまざまなものの色や形を光の情報として取り入れます。 その情報が視神経を通じて脳に伝達され、映像として認識されます。 視覚情報を認識しているのは、脳の後ろのほうの後頭葉にある視覚野です。 脳の中にはたくさんの血管が通っていますが、血管の収縮に深くかかわっているのが、「セロトニン」という神経伝達物質です。 脳がなんらかの刺激を受けたさい、血液中にセロトニンが大量に放出され、血管を急激に収縮させます。 後頭葉の血管が収縮して血液量が減ると、視覚野の働きにも支障が生じて、閃輝暗点の症状が引き起こされるというわけです。 なぜセロトニンの急激な放出が起こるのかはまだ解明されていませんが、ストレスやホルモンバランスの変化が関与していると考えられています。 そして、セロトニンが分解されてくると、収縮していた血管が今度は急激に広がりますが、そのさい、ただ元に戻るのでは済まずに、反動で血管が広がり過ぎてしまうことがあります。 すると周囲に炎症が起こり、三叉神経というものを刺激します。 三叉神経が刺激されると、片頭痛の症状が起こります。 閃輝暗点は、後ほど紹介する例外的なものを除けば、このようなメカニズムで片頭痛の前触れとして起こることが多いものです。 片頭痛に悩まされている人の3割くらいが、片頭痛が起こる前触れとして閃輝暗点の症状を経験します。 喜多村 慢性的に起こる頭痛の中で最も多いのは、首・肩のこりや目の疲れなどからくる「緊張型頭痛」です。 このタイプの頭痛持ちは2500万人ほどもいるといわれています。 一方、片頭痛は840万人ほどといわれていますが、男性より女性に圧倒的に多く、8割は女性です。 年齢層は比較的若い世代に発症しやすい傾向があり、20代~40代に多く、小児や10代から症状が始まることも珍しくありません。 体質的に遺伝する傾向があり、親に片頭痛がある場合は、子も片頭痛が起こりやすいといわれています。 よく一般には「頭の片側がズキズキと痛むのが片頭痛」と言われますが、痛む箇所や痛み方だけでは片頭痛かどうかは判断できません。 「頭全体がギューッと締め付けられるように痛む」とか「頭が破裂しそうになる」と感じる人もいるのです。 片頭痛であるかどうかは、主に次のような特徴から判断します。 ところが、片頭痛では首や頭を下げる程度の動作でも症状が悪化するのです。 炎症で三叉神経が刺激されると、この嘔吐中枢に刺激が伝わり、胃腸の不調がなくとも吐き気をもよおしてしまいます。 また逆に、強い日差しが目に入ったり、大音量が耳に入ったりすると、片頭痛の発作が誘発されてしまうこともあります。 気圧が急に下がったときにも、片頭痛が起こりやすいことが知られています。 頭痛の発作が起こるので、天候の変化が予測できるという患者さんもいるほどです。 また、緊張が解けて、リラックスしたときに起こりやすいという、やっかいな面もあります。 週末に普段より長く寝たりすると、片頭痛が起こってしまうことがあるのです。 これは内臓や血管の働きを調整する自律神経の働きが関係していて、リラックス時に優位になる副交感神経に血管を広げる働きがあるからです。 喜多村 いずれにせよ、脳神経外科や神経内科などの専門医を受診していただきたいのですが、ここで注意しておきたいのは、 閃輝暗点に片頭痛が伴わないケースでは、他の重篤な病気が隠れていることがある点です。 片頭痛がある人の3割程度に、前触れとして閃輝暗点が起こると述べました。 つまり、閃輝暗点が起こらない片頭痛患者さんも多いわけです。 それとは反対に、閃輝暗点の症状が起こるけれど、片頭痛はないという人もいらっしゃいます。 閃輝暗点は後頭部の血流障害が起こす症状ですが、先ほど説明した「血管の急激な収縮」とは異なる原因で、血流障害が起こることもあります。 可能性として考えられるのは、脳梗塞や、脳腫瘍による血管の圧迫です。 特に、中高年から閃輝暗点だけが起こるようになったという人は、脳梗塞の前触れである恐れがありますから、一度は脳の精密検査を受けられたほうがいいでしょう。 脳の血管の様子を見ることができるMRA(磁気共鳴血管造影)検査を受診するのがお勧めです。 目に栄養を送る血管は、脳の中を通る動脈から枝分かれしたものです。 ですから、脳の血管に障害が起こると、目の症状として現れることも少なくありません。 脳梗塞の前触れとして、「ものが二重に見える(複視)」「突然、片目だけが黒いカーテンがかかったように見えなくなる(一過性黒内障)」といった目の症状が起こることがあります。 余談ですが、MRAのような機器ができる以前は、私たち脳神経外科医は眼底の血管を見て、脳の血管の状態を推測していたものです。 閃輝暗点があって脳の検査を受け、特に異常が見つからなければ、片頭痛に伴うのと同様の血管の収縮によるものと考えられます。 命にかかわる心配はないと考えていいでしょう。 ただし、閃輝暗点の起こる頻度が高かったり、症状が治まるまでの時間が長かったりして、生活に支障が生じるような場合には、血管拡張剤などの薬を用いたほうがいいかもしれません。 また、若い人で片頭痛を伴う典型的な閃輝暗点であれば、そんなに心配はいりません。 むしろ、閃輝暗点よりも片頭痛の症状のほうがつらいでしょうから、専門医に治療を受けられるのがいいでしょう。 片頭痛の治療法は薬物療法が中心となり、頭痛発作を起こりにくくするための予防薬と、発作が起こってすぐに服用する急性期治療薬との2種類に大別されます。 なお、閃輝暗点と似た症状の起こる目の病気に「光視症」があります。 光視症では、暗い部屋で急に雷のような光が見えたり、目に光が当たっていないにもかかわらず、チカチカと点滅を感じたりします。 網膜剥離や硝子体剥離という目の障害が原因で、眼科の扱う病気になります。 ですから、チカチカした光が見える症状が気になったら、眼科と脳神経外科、あるいは神経内科を受診するのがいちばんいいでしょう。
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