私はこれまで自然災害や犯罪について特別な危機意識をもつことなく人生をすごしてきました。 その私がこうした活動をしているのは大きなきっかけがあったからです。 防災については阪神淡路大震災によって巨大地震がもたらす被害に衝撃を受けました。 一時的な感情に終わることなく継続して防災対策を考えてきたのは 「これから私たちを襲う地震が何もしないで生き残れるほど甘くない」 ことを知っているとともに、自分の命に代えても守りたい存在があったからだと思います。 大切な人を失って後悔する前にできるだけのことはしたい、 そんな思いから女性として、 母としての視点で家庭を守るための防災対策を考えてきました。 防犯ではじぶんの子どもと変わらない年齢の子どもが狙われるといった大きな事件がきっかけでした。 身近な危険から子どもを守るために不審者対策にも研究の幅を広げ、 さらには子どもをとりまく環境についての研究も深め、広く「いのちをまもる」ための活動に取り組んでいます。 1997年 阪神淡路大震災のような自然災害から小さな子どもを守るための研究を始める。 2001年 災害救援ボランティア推進委員会のセイフティリーダーになる。 「地震からわが子を守る防災の本」リベルタ出版 「青少年等に向けた防災教育プログラム策定委員会」委員 (内閣府より委託を受け学校教育の中に防災教育を取り入れるプログラムを策定する) 信濃毎日新聞「我が家の防災対策」連載 2003年 こどもの連れ去り、不審者対策の研究、防犯プログラム策定。
次の自然災害が起こるたびに、あらためて防災の大切さを感じる一方、「何をどう備えたらいいのか分からない」という声も多い。 そこで、危機管理アドバイザーとして活躍し、3児の母として「家族と子どものいのちを守る」という視点から防災対策を伝えてきた国崎信江さんに、日常的に取り入れられる防災の工夫を伺った。 国崎さんは、以前から日常生活に取り入れられる防災の工夫を提案していらっしゃいますね。 国崎信江(以下、国崎) 私は、いかに防災を日ごろの生活に定着させるかをテーマにしてみなさんに伝えてきました。 災害が起きると一時的に防災意識が上がるのですが、時間がたつとまた下がってしまうんですよね。 でも、災害はいつ起きるのか分からないもの。 防災を特別なものではなく、「生活習慣」にしていくことが必要だと思っています。 (『東京くらし防災』/東京都から) 女性視点の防災ブック『東京くらし防災』(東京都)では、すぐに始められる防災のコツなどを紹介している(写真=豊島正直) 国崎 防災についてアンケート調査をしたときに印象的だったのが、「不安はあるけど、何をしたらいいか分からない」という声が多いことでした。 どこまで備えたらいいのだろう、何をしたらいいのだろう、と思っている人がたくさんいます。 でも、防災とは特別な備えをすることだけではありません。 わが家には、包丁を使ったらすぐに洗って片付けるというルールがあります。 地震の揺れで包丁が飛んでくると大けがにつながるからです。 それから、冷凍庫の自動製氷機の水タンクは、災害時の飲み水になることを考えて、いつも満タンにしておくように確認しています。 キッチンにはものを出しておかない。 とくに包丁はすぐしまう(写真=株式会社潮出版社) そういう、ちょっとした意識をふだんからしているかどうかが、災害のときに大きな違いを生みます。 無料で配付されていて、自治体のホームページからも見ることができます。 浸水エリアでも、床上浸水なのか、水没してしまうのかなど、地域によってレベルが違います。 2階に逃げれば大丈夫なのか、避難所へ行ったほうがいいのか、ハザードマップをもとに避難のタイミングやルートなどを想定しておいてほしいのです。 休日に、子どもと一緒に遊びに行きます。 東京だと、「そなエリア東京」(江東区)、「池袋防災館」(豊島区)、「立川防災館」(立川市)、「本所防災館」(墨田区)の4カ所にあり、それぞれ体験できる内容が違います。 首都圏だけでなく全国にありますので、お近くの施設を調べてみてください。 わが家では、家族旅行のときも近くの防災体験学習施設に行くんですよ(笑)。 国崎 たとえば、本所防災館では、水圧でドアが開かないという体験ができます。 子どもだと水深30㎝で、もうドアが開けられません。 50㎝だと男性でもビクとも動かせない。 災害時には、「まだ大丈夫」と思っているうちに逃げられなくなることもあるので、疑似体験しておくことはとても大事です。 防災体験学習施設で、災害の疑似体験をしてみては。 2019年現在「本所防災館」では水深10、20、30cmの水圧を体験できる(写真=本所防災館) もしハザードマップで、お住まいの地域が震度6弱の地震に見舞われる可能性があると分かったら、その揺れを体感しておくといいと思います。 まず住んでいる地域のハザードマップを確認して、それから防災体験学習施設でリアルに災害を感じてみる。 そうすると、いざというとき「早く逃げよう」という意識が高まるはずです。 国崎 本当にそうなんです。 親から子どもに「防災対策」を教えようとしても、なかなか聞いてくれませんよね(笑)。 それより、一緒に行って体験して学ぶほうが頭に入ってくると思います。 部屋の中でもいいので、テントを張って寝袋で眠り、電気や水道などのライフラインを使わずに一日を過ごしてみてください。 家にあるものだけでやりくりしてみることで、どんな防災グッズが必要なのかが分かりますよね。 防災グッズの使い方を練習しておけば、いざというときに慌てることもありません。 国崎 とくにテントや寝袋は持っておくといいですよ。 余震で天井から埃などが落ちてくると落ち着いて食事もできないので、部屋にテントを張れば中で食事をすることができますし、部屋の暖房が使えなくて寒いときもテントの中にいたほうが暖かいです。 また災害時に家族が集まってひと部屋で過ごすときには寝袋があると便利です。 そもそも都心は人口が多くて避難所のスペースが足りていない地域もあります。 もちろん自宅に倒壊や水没の危険があるときは避難所に行ったほうがいいですが、実際には災害時に自宅で過ごすケースが多いのです。 持ち出し袋を用意するのであれば、家族やご自身の体力にあわせて大きさや重さを選んでください。 緊急時には重い袋を持って逃げる余裕がないかもしれないからです。 自宅には何をどのくらい用意しておけばいいのでしょうか? 非常食をいろいろ用意しても、気づいたら賞味期限が切れてしまっていたということもあります。 国崎 わが家には約1か月分の食品備蓄がありますが、少なくとも食品や調味料は10日分、日用品は1か月分ほど用意してほしいと思います。 最近では、1週間分の食品では足りないこともあると言われています。 日用品も備蓄して使い回すのがおすすめ(写真=株式会社潮出版社) 防災についての講演で「今、家に10日分の食品備蓄がありますか?」とお聞きすると、最初は多くの人が「ありません」と言います。 でも、冷凍庫には冷凍食品があり、冷蔵庫には野菜、卵、納豆、ヨーグルト、さつま揚げ……と意外といろいろな食品がありますよね。 「全部を食べつくしたら3日分はあるという人は?」と聞くと、多くの人が手を挙げます。 さらに、お米、そばやパスタ、シリアル、パンケーキの粉、缶詰などの常温食品も考えていくと、「実は、あわせてみたら10日分あった」という人は多いですよ。 食品も日用品も、なくなる前に買ってストック(備蓄)し、古いものからどんどん使っていきます。 先ほどのような、パスタとかそば、冷蔵庫内の食品など、ふだんから食べているものが災害時の食べ物になるんです。 食べ慣れたものを少し多めに買って使い回す、が「家庭内流通備蓄」(写真=株式会社潮出版社) 飲料水については、1日3リットルの備えが必要だと言われていますが、それは乾パンのような水分の少ない非常食を取っている場合です。 ふだんの食事と同じなら、そこから水分も取れますし、わが家では水分を含んだ果物を欠かさないようにしています。 冷蔵庫にある牛乳、子どものジュース、製氷機の氷や水も含めて、ふだんどれくらいの水分が家にあるのかを考えてみてください。 ふだんからできる工夫は、ほかにもありますか? 国崎 たとえば多くの時間を過ごす寝室やリビングなどには、なるべく家具を置かず、インテリア雑貨も減らしています。 家具を固定している人は多いと思いますが、わが家の場合はTVも壁に固定しました。 落ちてくるものを少なくすることで、ふだん過ごす部屋が「安全な場所」になります。 また、吊り下げ式の照明や掛け時計などは、落ちてきたときのリスクを減らすために軽い紙製のものを選ぶなど、固定できない生活雑貨は軽くてやわらかい素材のものを選ぶようにしています。 そうやって「防災目線」で生活を見直してみると、いろいろできることがあると気づくはずです。 掛け時計も紙製などの軽いものにすると、落下したときの被害を防げる(写真=豊島正直) 災害に対して漠然とした不安を抱えている人が多いという話を紹介しましたが、不安は行動することでしか解消できないものです。 防災は特別なことではありません。 無理なくできることから始めて、ぜひ防災を生活習慣にしていってほしいと思います。
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防災危機管理者の資格取得の流れ 学習教材 I 本学習教材 インターネット講義(PC・スマホ・タブレット)・参考テキスト3冊 II 「」-災害はいつでも起きる- 冊子1冊 「防災危機管理者」養成講座の受講料 2020年6月は「複合災害 防災月間」として、今回お申込みの方は認定社団法人の助成支援を得て総合講座受講料58,800円となります。 教材強化費用・スマホ対応費用等値上げを控えております。 総合講座受講料:58,800円 学生の方は学生割引を適用し 56,800円 になります。 講座終了後の年会費、更新料は発生しません。 2020年6月度限定「特別認定講座」新設定 総合講座受講料は58,800円となり、「特別認定講座」受講料は48,800円となります。 詳しくはをご確認ください。 パソコン学習に必要となるインターネット接続費用は、個人負担です。 受講料の支払方法 原則的には一括でのお振込みとなります。 お支払い方法につきましては、お送りする無料資料に詳しく記載しております。 不明点がありましたら企画運営機関にお問い合わせ下さい。
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