バランス スコア カード と は。 Error 403 (Forbidden)|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

フレームワーク思考 その6(4P、バランススコアカード)

バランス スコア カード と は

バランススコアカードとは、企業や事業、などの業績を4つの視点から総合的に評価する手法。 1992年にロバート・カプラン(Robert S. Kaplan)氏とデービッド・ノートン(David P. Norton)氏が考案した。 従来の業績評価は数値で表しやすい売上や利益といった財務的な指標に偏っていたが、バランススコアカードでは財務の他に「顧客」「業務」「学習と成長」の3つの側面を加え、それぞれについて数個の指標(通常は5〜6個程度)を選択して総合的に評価する。 バランススコアカードでは組織や事業のビジョンや戦略が策定されていることを前提に、これを各側面における具体的な目標(:Key Goal Indicator)に落とし込む。 各KGIを達成するための鍵となる要因(:Critical Success Factor)を見極め、そのそれぞれについて進捗の指標となる尺度(:Key Performance Indicator)を選択する。 カードの構成が決まったら行動計画の策定と実行に移り、一定の期間や節目ごとに評価やを実施、場合によっては戦略や計画、カード構成の修正を行う。 他の辞典による解説 (外部サイト)• 〜 『 ウィキペディア』 による解説• 〜 『 野村総合研究所 用語解説』 による解説• 〜 『 日経 xTECH ITレポート キーワード3分間講座 』 による解説• 〜 『 日経 xTECH ものづくり用語』 による解説• 〜 『 ITmedia エンタープライズ 情報システム用語事典』 による解説• 〜 『 ASCII. jpデジタル用語辞典』 による解説• 〜 『 ミツエーリンクス Web「経営革新ツール」用語集』 による解説• 〜 『 iTiDコンサルティング 用語集』 による解説• 〜 『 日本の人事部 人事辞典』 による解説• 〜 『 ITパスポート用語辞典』 による解説 当サイト「IT用語辞典 e-Words」 アイティーようごじてん イーワーズ はIT Information Technology:情報技術 用語のオンライン辞典です。 コンピュータ・情報・通信などを中心とする各分野の用語について、キーワード検索や五十音索引から調べることができます。 用語の意味や定義、概要や要約、略語や別表記、英語表記や綴り、フルスペル、読み方や発音、仕組みや役割、歴史や由来、語源、構造や構成、要素、特徴、機能や性能、諸元、規格や仕様、標準、原因や要因、手法や方法、方式、種類や分類、利点やメリット、欠点やデメリット、問題点、対義語や類義語との違い、用例や事例、具体例、画像や図表、関連用語、外部資料や別の辞典による解説へのリンクなどを掲載しています。 株 インセプトが制作・運営しています。 お問い合わせは まで。

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バランス・スコアカードとは

バランス スコア カード と は

バランス・スコア・カードとは? バランス・スコア・カード(BSC)とは、従来企業の経営や業績の評価に用いられる 財務の視点に加え、績に反映されやすい 顧客、内部プロセス、成長・学習という新たな視点を取り入れた、企業のビジョンに基づいた経営を行うための 業績評価(マネジメント)システムです。 「バランススコアカード」「バランスト・スコア・カード」と表記される場合もあります。 1992年、米ハーバード・ビジネス・スクールのロバート・S・キャプラン教授と経営コンサルタントのデビッド・P・ノートン博士が、「ハーバード・ビジネス・レビュー」で発表した研究結果が始まりとされています。 バランス・スコア・カードのメリットとしては、以下の3点が挙げられます。 経営陣が考えるビジョンや戦略を明確にし、社員に浸透させることができる• 業績評価指標を可視化し、適切に社内のPDCAをまわしていくことができる• 社員のモチベーション向上、業績プロセスの見直しなどにも効果的 このような理由から、近年では 戦略を遂行するためのマネジメント・システムやフレームワークとしての有益性も高まっています。 バランス・スコア・カードが注目される背景 近年、技術の発達によりビジネス課題が高度化・複雑化し、「一つの事業や部門に経営資源を集約・集中することはリスクである」と考えられ、事業の多角化を目指す企業が増えました。 事業毎にビジョンや戦略を明確にする バランス感覚の優れた経営のニーズが高まったと考えられます。 また電力事業など、長らく独占市場として参入が難しかった分野の規制が緩和され、市場が活性化されています。 既存企業は従来のピラミッド型経営からミッション共有型経営に移行する必要性に迫られ、更なるコストダウンや経営資源の有効活用が課題として認識されるようになりました。 そのため、バランス・スコア・カードを採用したスコアカード経営に注目が集まっていると考えられます。 バランス・スコア・カードの4つの視点 【出典】 バランス・スコア・カードの一番の特徴は、財務的業績評価指標を基にした「財務の視点」と非財務的業績評価指標を基にした「顧客の視点」、「内部プロセスの視点」、「成長・学習の視点」の4つで戦略を遂行していくことにあります。 それぞれについて、詳しく解説していきます。 財務の視点…株主に対してどう行動するか 「財務の視点」は、財務業績での成功を目的にした、 株主を含むステークホルダー(利害関係者)に対する行動の可視化を指します。 具体的な指標としては、純売上高、営業利益、株主資本利益率(ROE)、キャッシュフロー、投資収益率(ROI)などが挙げられます。 顧客の視点…顧客に対してどう行動するか 「顧客の視点」は、顧客が商品・サービスを継続的に利用してもらうための視点であり、 顧客に対する行動の可視化を指します。 この顧客の視点は、顧客の立場(顧客志向指標)と企業の立場(顧客収益性指標)の2つに分類できます。 顧客の立場から見る顧客の視点 自社製品・サービスの機能や価格、ブランドイメージ、顧客満足度の向上 など -企業の立場から見る顧客の視点 会社の収益性を重視し、財務指標を基に顧客収益性を向上させるためのマーケティングプランを検討します。 内部プロセスの視点…どのようなビジネスプロセスが重要か 「内部プロセスの視点」は、ビジョン達成を目的とした 企業の経済活動基盤、顧客対応能力、競合他社より優れたプロセスなどの向上を目指した行動の可視化を指します。 この内部プロセスの視点は、主に以下の3つのプロセスを重視します。 市場・顧客ニーズに合致した製品・サービス開発プロセスである「 イノベーション・プロセス」• 製品・サービスの充足を目的とした「 オペレーション・プロセス」• 製品・サービス提供後のアフターフォローである「 アフターサービス」 学習・成長の視点…組織や従業員をどのように成長させるか 「学習・成長の視点」は、組織の活性化や人材育成など 中長期的な視点での企業の変革・学習能力の向上を目指した行動の可視化を指します。 労働環境やモラル対策を目的とした「社員の意識改革」、社員能力の向上を目的とした「人材・能力開発」、生産性向上を目的とした知識や経験を共有・結合する「ナレッジマネジメント」などに有効です。 バランス・スコア・カードの構築へのステップ バランス・スコア・カードは、以下のステップを踏むと適切に運用することができます。 経営理念と企業ビジョンの決定 企業の経済活動の根底を支えるものこそが経営理念と企業ビジョンです。 この2つなくして、最適な経営戦略の立案は不可能と言っても過言ではありません。 経営理念は会社が将来どのようになりたいのか、企業の存在意義・存在目的は何かを決定する基盤にもなります。 また、企業ビジョンは会社が目指すべき到達点や理想像などの将来像を形作るためのものです。 経営理念、企業ビジョンを決定、再認識することで、 成長のための中期経営計画や経営戦略が策定しやすくなります。 【関連】 【関連】 戦略目標と戦略マップの作成 バランス・スコア・カードの中核となるステップが、この「戦略目標と戦略マップの作成」です。 戦略マップを作成前に、SWOT分析で自社の置かれている環境を整理しましょう。 「SWOT分析」とは、社内外の強みや弱み、機会や脅威を分析できるフレームワークです。 ビジネスを構成するファクターを、自社の内部環境である「強み(Strengths)」と「弱み(Weaknesses)」、そして自社を取り巻く外部環境である「機会(Opportunities)」と「脅威(Threats)」、以上4つのカテゴリーに大別して整理します。 SWOT分析の詳しいやり方は、こちらの記事をご覧ください。 決定・再認識した経営理念や企業ビジョンを具体化するプロセスでもあります。 戦略マップとは、 4つの視点毎に設定された業績評価指標・基準値の関係性を図にしたものです。 具体的な戦略を可視化することができ、それらを現場社員に浸透させるコミュニケーションツールとしても活用できます。 また、経営課題を立体的に把握しやすいメリットもあります。 【事例】経済産業省「産学連携による共同研究強化のためのガイドライン概要」の要素を盛り込んだ仮想事例の戦略マップ 【出典】 重要成功要因(KSF・CSF)の設定 戦略目標や戦略マップを基に、 どういった活動が重要な成功要因となるかを分析・深堀りしていきます。 この重要成功要因の設定は、現場での具体的アクションプランにもなるため、とても大切なプロセスです。 4つの視点において、自社が持つ強みは競合他社と比べて、どの部分で優れている必要があるのか、自社にとって補完すべき弱みは何かを分析することが可能です。 この作業こそが、経営の健全化や業務改革にもつながる重要なステップなのです。 重要成功要因(KSF)の見つけ方は、こちらの記事で詳しく解説しています。 【関連】 業績評価指標(KPI)の設定 業績評価指標(KPI)は目標達成度を測るための評価尺度を指します。 この非財務的業績評価をどのように設定するかを検討し、具体化することで、バランス・スコア・カード導入の目的とする業績向上のための経営戦略と行動計画を策定できます。 戦略目標と戦略マップ、重要成功要因があったとしても測定方法がしっかりしていなければ、目標実現は難しいといえます。 それぞれの視点で特徴的な業績評価指標(KPI)は以下が挙げられます。 KPIの一例 財務の視点 固定比率/負債資本比率/純資産利益率/純利益率/経済付加価値/純売上高/営業利益/総原価/当座比率/投資収益率 など 顧客の視点 信頼度/製品イメージ/リピート購買率/顧客ロイヤリティー指標/顧客訪問回数/マーケティング費用/平均取引高/顧客評価点/接客当たりの契約数 など 内部プロセスの視点 インターネット顧客率/電話アクセス数/生産リードタイム/発生エラー数/IT経費率/棚卸資産回転率/品切れ率/新製品シェア率/生産性向上率 など 成長・学習の視点 リーダーシップ率/従業員数/資格取得率/平均欠勤率/女性管理職数/エンパワーメント係数/従業員満足度/能力向上率/社内改革提案件数/入社希望者数/従業員一人あたりの研修費用 など 【関連】 スコアカードの作成 ここでは、目標実現を判断するための数値目標の作成とスコアカードの活用を実施します。 目標値は会社が掲げる 経営計画とリンクするように、予算を反映させながら設定しましょう。 この時点でスコアカードを作成しておくことで、後に作成した戦略の評価や見直しが行ないやすくなります。 スコアカードは 企業の現状や従業員の役割を可視化するための有効手段でもあります。 経営陣と現場の社員のコミュニケーションツールとしても役立てることも可能です。 行動計画の作成 経営陣や現場社員が取り組むべき 具体的な行動計画を作成します。 既に作成しているスコアカードや経営戦略を基に、目的、目標、方法、責任者、期日、場所、経費に基づいて、作成していきます。 行動をPDCAサイクルで管理 ここまで作成した 行動計画を実行に移していきます。 行動計画の実行においては、PDCAサイクルによる実績管理が望ましいです。 作成した業績評価指標を基にアクションに対する評価を行い、必要に応じて、修正や見直しを行います。 バランス・スコア・カードのテンプレート 独立行政法人中小企業基盤整備機構が、支援ツールとして「バランス・スコア・カード」の各ステップの分析などに使えるテンプレートを公開しています。 ぜひ、参考にしてください。 【参考】 バランス・スコア・カードを学べる書籍のご紹介 バランス・スコア・カードを最適化するには実際の現場に導入し、実践を通して、学ぶことが効果的です。 しかし、基本的な知識をインプットするには書籍がおすすめです。 バランス・スコア・カードを学べる、おすすめの書籍をご紹介いたします。 戦略経営の概念や原点を学びたい経営者や経営陣向けの書籍です。 海外の優良企業の業績評価システムやコスト・マネジメント・システム設計、組織の再構築に長けた両者の考え方を学べる良書でもあります。 【参考】 キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード 同じく、ロバート・S・キャプラン教授とデビッド・P・ノートン博士が執筆した書籍です。 バランス・スコア・カードによる成功事例も収録されており、具体的かつわかりやすい文章構成になっているのも特徴的です。 経営幹部候補や管理職、中堅社員向けの書籍です。 原書を翻訳しているため、著者であるロバート・S・キャプラン教授とデビッド・P・ノートン博士の考えに触れることができます。 バランス・スコア・カードの理解を深めたい方向けの補完資料としておすすめです。 【参考】 戦略マップ [復刻版]: バランスト・スコアカードによる戦略策定・実行フレームワーク バランス・スコア・カード策定のための重要なプロセスである、戦略マップに特化した書籍です。 経営革新や内部監査の改善、経営品質向上などに効果が高い戦略マップに焦点を合わすことで、優れた戦略の策定に活用できます。 2005年に発刊された「戦略マップ」の翻訳を全面的に見直しているため、訳注も大幅に追加されており、読みやすく仕上がっています。 戦略マップの策定に関わる経営企画部・経営管理部の担当者や経営者を含む経営陣におすすめの書籍です。 【参考】 まとめ• バランス・スコア・カードを導入することにより、経営が活性化するだけでなく、顧客満足度や生産性の向上、また人材育成も可能となりバランスのとれた経営を実現できる• バランス・スコア・カードを導入する際、特に「戦略マップ」の作成が重要であり、これは経営課題を立体的に把握し、社員にもそれを浸透させやすいという特徴がある• 最終的にKPIや目標値を設定し、行動計画などによって従業員の役割を可視化。 それを、PDCAサイクルで管理することにより、適正なバランス・スコア・カードに近づける.

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バランス・スコアカードとは?~いま改めて考えるBSCの有用性

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みなさんは、バランススコアカード(BSC)をご存知でしょうか? 少し古いですが、1992年にバランススコアカード(BSC)は、キャプランとノートンが開発した、企業の経営戦略を展開する道具として、4つの視点に分け、モニタリングするツールです。 さらに、KFSを定量的な数値目標(KPI: Key Performance Indicator:重要業績指標) に落とし込み、KPIの進捗を管理・フォローアップします。 このバランススコアカード(BSC)を知った当時、中小企業診断士の資格取得の勉強をしていました。 私にとって、4つの視点という網羅性と、それが具体的な行動に落とし込まれていく様は、まさに中小企業診断士2次試験科目(財務、マーケティング、生産管理、組織)とも重なり、考慮モレやダブりのない、万能なツールに思えたのを記憶しています。 でも、実際は万能なツールなんてありません。 では、バランススコアカード(BSC)の落とし穴はどこなのか、私自身の経験や他のコンサルタントの話を踏まえて、説明して参りたいと思います。 全社でバランススコアカード(BSC)導入が決定した当初、私はある法人顧客相手のシステム営業部署で主任をしていました。 ちょうど経営の勉強でツールかぶれしていた私は、意気揚々とバランススコアカード(BSC)を作成し、自身およびチームのマネージメントに活用し始めました。 KPIが守れたか、週次で部下とフォローアップミーティングも行い、これを続けてみました。 しかし、やればやるほど、空回りしてピンボケな活動になり、顧客の心に響かず結果に繋がりませんでした。 それどころか、KPIが重荷になり、やらないといけない他の活動との両立に苦しみ、私も部員も疲弊する一方でした。 そしていつしか、実務でのバランススコアカード(BSC)を使った活動を諦め、バランススコアカード(BSC)は会社に戦略を報告する「ただの報告フォーマット」と化したのです。 一体何が起こったのか、具体的にイメージしやすいように下の戦略マップを使って説明します。 ところが、今期も中頃に差し迫ったころ、私と懇意にして頂いている顧客から、かなり困った様子で、「業績悪化に伴い既に導入している弊社システムの維持費用を値下げしてほしい」という要求があったのです。 これに対応するには、度重なる社内調整をせざるを得ず、大いに時間が割かれるのが想像できました。 またそれは、当初計画した顧客KPIの達成ができないことも意味しました。 もちろん値下げは売上を下げる行為です。 これを受ければ、財務KPIも守れなくなります。 当初は、バランススコアカード(BSC)と顧客要求の対応を両立しようと、部下や周りを巻き込んでもがきました。 しかし、どちらもうまく進まず疲弊する一方でした。 「この状態が続くと共倒れになる、どちらかに集中すべきだ。 」こう思った私は、本来の姿としてどうあるべきかに立ち返り、検討しました。 熟慮した結果、懇意にしてくれている顧客の困っている様子が頭から離れず、KPIより優先すべき事項のように感じた私は、当時の課長と相談してバランススコアカード(BSC)の進捗管理を諦め、顧客要求(値下げ)を優先させたのです。 結果、そのシステムの売上は若干落ちました。 しかし、実は競合他社が業績悪化に苦しむ顧客上層部に仕掛けていた値引き攻勢を凌ぐことができ、失注という大きな痛手は被らずに済んだのです。 また、顧客上層部にも感謝され、そのシステムの機能拡張(エンハンス)案件の引き合いを頂き、受注につなげる事ができました。 結果、売上が上がり、なんとか財務KPIを守る事ができました。 もう一つ、事例を挙げておきましょう。 バランススコアカード(BSC)導入コンサルティングを担当することになった私は、全社的な観点で導入を進めていました。 最初に、教科書通り経営幹部と全社の財務KPI(売上と利益率)を決めて、それに沿ってバランススコアカード(BSC)作成ガイダンスを各部門の導入責任者に行いました。 全社のKPIを起点に、ロジカルに各々の活動計画につながるよう、指導しました。 しかし、各々の作成経過の報告と相談を受けていた私は、あるおかしな点に気づきました。 しかし書かれていた内容は、経費削減に関わるペーパレス化や、社宅制度の廃止など、ビジョンや戦略性のかけらも無いものが並んでいました。 もちろんムダな経費節減は大事なのですが、本来はこの総務部門が掲げるビジョン「従業員が希望を持ち安心して働ける仕組を提供する」に沿った、従業員のモチベーション向上策や、評価制度整備や給与制度改革など、になるべきです。 しかし、「全社の財務KPIにつなげないといけない」という制約が、本来この部門に期待したい戦略と違う戦略を導き出してしまったのです。 それどころか、従業員に評判が良く、従業員定着率に寄与していたいくつかの福利厚生制度の廃止(社宅制度の廃止等)など「今まで作り上げた経営安定の仕組み」の有効性を検討せずにコスト視点のみでメスを入れる案になっていました。 このような傾向は、他の部門、特に間接部門に多く見られ、大いに私の頭を悩ませました。 さて、ケース1、ケース2でご紹介した通り、 BSCには「特有の使いにくさ」 があります。 では「使いにくさ」の正体は何なのでしょう。 振り返って考えてみると、入社当初からこのビジョンを徹底的に刷り込まれてきたA氏は、BSCの財務視点でリンケージされた顧客KPIと、会社のビジョンとのギャップに違和感を覚え、BSCの戦略を捨てることにしたのです。 「財務の視点」である売上や利益、コスト削減に繋がる活動計画をつくり、実行するBSCのロジックは、パッと見ると非常に合理的に見えます。 しかし、財務の視点を起点に考え出された行動計画では、理念やビジョンの実現、経営の基本方針は意識されず、時に相反する関係にもなり得るのです。 例えば、企業は様々なステークホルダーに支えられて成り立っています。 そのステークホルダーの期待に応えるために、時には売上に繋がらない社会貢献活動なども行います。 これは、企業理念やビジョンの実現のために行われます。 もちろんみなさんは、この社会貢献活動が企業価値やブランド力を高めたという話は、よくご存知だと思います。 そもそも、バランススコアカード(BSC)も理念やビジョンを中心に4つの視点でバランス良く戦略を考え実行するツールです。 ただ使いにくいのは、バランススコアカード(BSC)はビジョンにつながるようなフォーマットになっておらず、ビジョンは暗黙の了解として常に意識して戦略を考える必要があるのです。 しかも、一方で 財務KPIとの因果関係(リンケージ)を強烈に意識しながら作らなければならないとなると、これは扱いづらいツールだと言わざるを得ません。 もう一つの罠は、成長志向、利益拡大志向に偏った戦略をとってしまうことです。 企業活動において、予算編成では売上、利益共に右肩上がりの計画を立てるのが常識となっています。 バランススコアカード(BSC)はまず戦略マップを作成していきますが、財務の視点では売上・利益のアップというのが多く見られます。 バランススコアカード(BSC)のスコアカードにおける財務KPIにおいても例外ではなく、当然予算を意識して作成されることになります。 つまり、すでにトップから(または予算編成によって)与えられた右肩あがりの必達数値に沿ってバランススコアカード(BSC)を作るので、出来上がったバランススコアカード(BSC)は、当然成長を前提としたものに仕上がります。 しかし実態は、ケース1のように、市場(お客様)が低迷している場合も当然あります。 事例のように市場が成長していない状況で、新分野に投資を促すような提案をガンガンしても、なかなか受け入れられません。 またケース2のように、成長のために何としても利益を出さなければいけないという偏った視点に陥ると、特に 間接部門の場合などは、本来の部門の役割でもある経営安定化の視点を見失う危険性があるのです。 ですので、バランススコアカード(BSC)作成時にそういった「成長志向の罠」を念頭におき、 戦略構築の段階から経営の「安定化」に目を配っておかなければならなくなります。 このようにバランススコアカード(BSC)には、その特徴が故の「特有の使いにくさ」があります。 一方で、非常にロジカルであり、うまく使えれば優れたツールに変身します。 バランススコアカード(BSC)は古いから使えないのではなくて、「使いこなし方」が難しかったとも言えます。 「戦略マップ」と「スコアカード」という簡単で使いやすそうに見えた、バランススコアカード(BSC)は、深く考えれば考えるほど使いこなしにくい道具なのかも知れません。 ビジョンに沿ってバランスよく網羅的な視点で会社の戦略と行動計画を整備したい、バランススコアカード(BSC)を作成してみたけど、どうもうまくいかない、などお悩みの方がいらっしゃれば、ご相談ください。

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