音楽業界に関わる全ての方へ 今回は ラウドネスノーマライゼーションについて解説します。 先にそちらを読んでください。 今回の記事は前回の内容を理解されているという前提で書かれています。 --- ・ 自動音量調節の正体 前回、一部のストリーミングサービス等において 全ての曲が同じ 音量に聞こえるように 音量を自動で揃えてくれる機能が備わっていることを伝えました。 この機能を「 ラウドネスノーマライゼーション」といいます。 人間は聴覚の特性上、音域によって聴こえる音の大きさが変わります。 それを「 ラウドネス」といいます。 要するに ラウドネスノーマライゼーションとは 文字通り、 ラウドネスを基準とした音量調節なのです。 音圧戦争で聴覚上大きな音に聞こえるようにと 音圧を出せば出すほど ラウドネスノーマライゼーション後の 音量は小さくなります。 随分と小さくなっちゃったね、威勢の良さはブラフだったのかい? ラウドネスノーマライゼーションという 絶対基準を前に 音圧上げというハッタリは通用しないのだ。 これらのサービスはそれぞれ独自の ラウドネスの基準を持っており その 基準に従って音量を調節します。 さて、 それぞれのサービスが採用している 基準について詳しく見ていく前に 少し専門的な話をさせてもらいます。 --- ・ 音量を表す 単位と 音圧戦争 音量を表す 単位を dB デジベル といいます。 これと同じように ラウドネスの音量を表す 単位を LUFSといいます。 察しの良い方ならお気づきでしょう。 音圧上げをすればするほど dBは 最大値固定のままで LUFSが上がるのです。 音圧戦争とは 曲の dBは 最大値の状態で LUFSをどれだけ上げられるかの 競争だったのです。 そして ラウドネスノーマライゼーションは まさに LUFSを基準に音量を調節しているのです。 これが 音圧上げをすればするほど 音量が小さくなる仕組みの正体なのです。 --- ・各サービスが採用している ラウドネスの基準値 我々日本人にとって、各サービスの中で 特に重要で関心が高いのはとの2つでしょう。 この2つのサービスが採用している 基準を解説します。 「YouTubeは約 -13 LUFS 」 この基準値よりも LUFSが小さい曲の音量はそのままで LUFSが大きい曲のみ音量が小さくなる調整が入ります。 どれくらい 音量が小さくされているのかは 動画を右クリックした後 詳細統計情報をチェックすることで調べることができます。 現在は-14LUFSになっています。 「Spotifyは約 -14 LUFS」 この基準値よりも LUFSが小さい曲は音量が大きくなる調整が入り LUFSが大きい曲は音量が小さくなる調整が入ります。 また、 LUFSが小さすぎて調整後の音量が0dB(最大音量)を超える曲は 内部でリミッターがかかり若干の音質変化が起きます。 Spotifyは WaveGainと同じアルゴリズムを使っている可能性があります。 --- ・ ラウドネスノーマライゼーション後の 音量を調べる方法 とても便利なwebサービスサイトがあります。 調べたい曲のwavかmp3を投げると 曲を解析して各サービスの ラウドネスノーマライゼーション後の おおよその 音量を表示してくれます。 --- ・結局どれくらいの 音量が適切なのか? これからの時代、 音量や 音圧はどうすればいいのか? その答えは、 どこのサービスを主体に曲を発信するかによって変わります。 ラウドネスノーマライゼーションを採用していない ニコニコ動画 や や 物理CD の世界では 音圧を上げれば上げるほど良い曲のように錯覚させることができます。 しかし、 音圧を上げに上げた曲をやで聞くと 上げた分だけ 音量が小さくなりショボく聞こえるようになります。 対して既にが主流となっている海外のデータは で聞いたときにベターな 音質になるように 調整されているものが多いと感じます。 ちなみに私が配信しているほぼ全ての曲データは どちらの環境で聞いてもある程度ベターになる 基準値で調整しています。 ニコニコ動画 や でマウントを取りたい場合は マキシマイザーなどを使って -9LUFS以上に ガンガンに 音圧を上げるといいかもしれません。 実際、現時点での日本の曲の多くは 音圧戦争大賛成な 音圧マシマシなものばかりです。 対してやでベターな音を聞かせたい場合は -14LUFS~やや大きいあたりの 音量で調整するといいと思います。 --- ・おわりに 基本的に 音量が小さければ小さいほど 音質を良くできます。 音量には 最大値が決まっています。 最大値は 0dBです。 音量が小さければ小さいほど表現できる音の幅が広がるのです。 音圧マシマシにした結果 メリハリが無くなり音が拉げてしまっている曲をたくさん耳にします。 そういった曲を聴く度に私はとても残念な気持ちになります。 本来もっと良い音のはずなのに、もったいない。 音圧を取るか、 音質を取るか それはエンジニアの裁量に任せられる難しい問題なのかもしれません。 ラウドネスノーマライゼーションやそれと類似した仕組みが 今後より世界に浸透して より良い音質で音楽を楽しめる時代が当たり前になってくれると 嬉しいなと私は思います。 今後、日本の曲の 音圧処理がどう変化していくのか あるいは変化しないのか、これからも注視していきたいと思います。
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Contents• ラウドネスノーマライゼーション完全準拠YouTuberとは? YouTubeのラウドネスノーマライゼーション仕様を理解し、 うまく利用しているYouTuberのことです。 ラウドネスノーマライゼーションとは? YouTubeが自動的に動画間の音量を揃える機能です。 この値は、YouTubeがラウドネスノーマライゼーションを行うときに基準にする値です。 マイナスだと音量はそのままです。 音に関する2つの事実 ラウドネスノーマライゼーションをうまく利用するには、以下の2つの事実が重要です。 音圧と音質はトレードオフの関係にある B. 音量が大きいほど良い音に聴こえる ラウドネスノーマライゼーションをうまく利用する方法 YouTubeでは、ラウドネスノーマライゼーションがはたらくので、 音圧をあげても音量が上がらなくなるポイントがあります。 どの動画も0dB付近にあると思います。 0dB つまり、はるあんの動画は、YouTubeにおいて 音圧と音質を最大限両立しているということです。 意図せずこうなることは珍しいので、意図して行っているかもしれません。 5dB 最近、ラウドネスノーマライゼーションに対応したのかもしれません。 まとめ YouTuber「 はるあん」が ラウドネスノーマライゼーションに完全準拠しているかもしれない、という記事でした。 YouTuber用途やニュース用途であれば、YouTubeのラウドネスノーマライゼーション基準は十分低いので、今後、 SEOのように対応するのが当たり前になるかもしれません。
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ラウドネスノーマライゼーションって何? ラウドネスノーマライゼーション、ラウドネス正規化とも言いますが、こちらはざっくり言えば音圧に関わる話題です。 デジタル配信プラットフォームにおいて、プラットフォーム側で音圧が自動調整される機能のことを指しています。 ラウドネス(音圧)ノーマライゼーション(正規化)ということですね。 2020年に入ってニコニコ動画でラウドネスノーマライゼーションが導入された事が DTM 界隈で話題になっていたと記憶していますが、ニコニコ動画以外にも、Youtube や Spotify、Amazon Music など主要なプラットフォームではラウドネスノーマライゼーションが導入されています。 音圧が自動調整されると何が起こるのか ラウドネスノーマライゼーションによって音圧が自動調整される事の意味を、少しだけ噛み砕いてみたいと思います。 各プラットフォームで再生される際に、音圧が高すぎる音源はボリュームを下げられ、低すぎる音源は上げられるという事は一体どういうことでしょうか。 まず第一に、リスナーにとっては各音源を一定の聴感音量で聴くことが出来るというメリットがあり、曲ごとにボリュームを調整したりする必要がなくなります。 これはサービスを快適に使用できるようになるため、良い事ですよね。 では製作者、音源を納品する側にとってはどういう事でしょう。 以下、イメージを掲載します。 画像の上が音圧が高い波形、下が音圧が低い波形ですが、、 これらにラウドネスノーマライゼーションを適用すると、以下のような感じになります。 …はい、もうおわかりでしょうか。 音圧が低いものを上げられることに関してはそこまで問題はないかと思いますが、 音圧を爆上げした海苔波形については、海苔の形のままボリュームを下げられる羽目になってしまうんですよね。。 DTMer 的に覚えておきたい最も重要なポイントはここかなと思っています。 ではどうすれば良いのか 上記のイメージで概ね伝わったのではないかと思っていますが、これはつまりどうすれば良いという事になるのでしょうか。 我々 DTMer が配信用の曲を仕上げる際に、ラウドネスノーマライゼーションについて気をつけたいポイントは、つまるところ以下の1点です。 それは、 無理に音圧を上げないことです。 音圧を上げても、海苔波形のまま小さくされてしまう訳ですからね。 だったら無理に音圧を上げずに、トランジェントや奥行きが失われていない状態のトラックを納品した方が良いですよね。 一応、ニコニコ動画なら -15LUFS、Spotify なら -14LUFS など、プラットフォーム毎に基準となるラウドネス値があって、出来ればこれに合わせてマスタリングをすればベストですが、どうせ自動調整されるのでそこまで気にしなくても良いのかな、とも思います。 その曲ごとに、良いと思ったバランス感で納品すれば良いのではないでしょうか。 レアケースかも知れませんが、過度なリミッティングによって音を潰すことを敢えて表現として用いる場合もあると思います。 そういう場合も含めて良いと思ったバランス感で曲を仕上げていきたいですね。 サクッと調整する方法 好きなバランス感で納品すれば良いと思う、と言いましたが、、とはいえ、「ラウドネスノーマライゼーション対応仕様」のような形で概ね音圧感を合わせておきたい場合もあると思います。 そんな時に便利なのが、やっぱり iZotope の Ozone ですねー。 Ozone 9 からは、Master Assistant 機能を「Streaming」設定で通すと、自動で -14LUFS 付近に仕上げてくれるようになりました。 自分で -14LUFS 付近に調整するのってちょっと面倒な部分もあるのでとても助かります。 なので Ozone を持っている方はサクッと Master Assistant を通してしまっても良いと思います。 以下余談ですが、個人的に、必要以上に音圧を上げて、その曲にとってベストとは言えない仕上がりになっている音源はどうしても好きになれません。 もともと圧感があったほうが良いメタルのような音楽なら全然良いんですが、例えばバラードのような、本来静かだったり、聴かせるべき隙間があるはずの楽曲で音圧がブチ上がっていると、聴いていて疲れてしまうんですよね。 なので、必要以上に音圧を上げない流れが出来るという意味でもラウドネスノーマラーゼーションという仕組みは良いなと思っています。 ストリーミングが一般化してきていますから、この流れは加速していき、音圧戦争なんていう言葉もそのうち聞かれなくなってくるかも知れませんね。 合わせてどうぞ.
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