ことばの使い方(社会言語学・敬語) 分類:謙譲語(伺う) 「伺う」と「参る」はどう違う? 「伺う」も「参る」も、自分あるいは自分の側に属する人の行為を謙っていう場合に用いるという点では同じです。 したがって、自分がどこかに「行く」という場面では、「伺う」を用いても「参る」を用いてもかまわないといえます。 ところが、次のような場面では、「伺う」を用いることが難しいように思われます。 天気もいいし、散歩にでも参りましょう。 連休を利用して仙台に参りました。 「参る」と違って、「伺う」は「行く」先に敬意を払うべき相手がいなければ用いることができません。 言い換えると、「参る」は聞き手に対する配慮から自らの行為をへりくだるものであるのに対して、「伺う」は行為の相手に対する配慮から自らの行為をへりくだるものであるという違いがあります。 したがって、次の例に見られるように、「行く」先に相手がいても、その相手が身内など敬意を払うべき相手でなければ、「伺う」の使用が不自然なものとなります。 日曜日、久しぶりに兄の家に伺いました。 日曜日、久しぶりに兄の家に参りました。 ご質問の場合は、敬意を払うべき行為の相手である聞き手に対する発話です。 「参る」が間違いであるとはいえませんが、「伺う」を用いれば「行く」先に敬意を払うべき相手(すなわち聞き手)のあることが明示されることになります。
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今回は「上がる」「挙がる」「揚がる」の3つの言葉について学んでみましょう。 どの 「あがる」も普段何となく目にする機会がある言葉ですが、言葉の明確な意味の違いはご存知でしょうか。 もしくは、同じ意味として使用されている言葉でしょうか。 詳しく解説します。 「上がる」の意味 まず初めに「上がる」の意味を説明します。 「上がる」とは「上に移る」という物理的に物や人が下・低い場所などから上に移動することを指す他、のぼせる、金銭が納められる、 犯人などが つかまる、 京都でのみ 北に行く、物事が高まる、良い状態になるなど、様々な用途で使われています。 また、「食う・飲む・吸う」の尊敬語としても使用されます。 「挙がる」の意味 次に 「挙がる」とは「 利益・証拠などが 示される」という意味があります。 客観的な何か、人ではない物などを示される場合に使われています。 「揚がる」の意味 最後に「揚がる」の意味について説明します。 「揚がる」とは「ふわっとあがる、高まる。 熱い油の中で熱せられ、食べられる状態になる」との意味があります。 主に物に対して使用されている言葉です。 スポンサーリンク この場合はどの「あう」?具体的な使用例を紹介! ・坂道を下ると自転車のスピードは「あがる」 この場合は 「上がる」が正解です。 坂道で加速がつき、スピードが速くなるという意味で使用されていますので、「上がる」が正しい使い方になります。 ・連続コンビニ強盗犯が警察によって「あがる」 この場合は 「挙がる」が最も正しい使い方になります。 犯罪の証拠が示され、犯人が逮捕されたことを指していますので「挙がる」が正解です。 ですが、「上がる」も同じ意味として使用できますので、「上がる」でも間違いではありません。 ・亀が産卵のため砂浜に「あがる」 この場合は 「揚がる」が正解です。 水面から陸にあがる場合「揚がる」を使用することもあります。 元々は「揚がる」が主流でしたが、こちらも「上がる」に代用できるため、最近では「上がる」と表記される場合も増えています。 「上がる」「挙がる」「揚がる」の意味の違いとは?まとめ 今回ご紹介した同訓異字はいかがでしたか。 3つの「あがる」について説明しましたが、 実は迷った場合は「上がる」を使用すれば間違いではありません。 「挙がる」は証拠などが示される、「揚がる」は高まる、いわゆる揚げ物をあげる場合に特に使用されていますが、全て「上がる」でも間違った表記ではありません。 元々は分けられて使われていたこのような言葉も、年月が経つにつれ、同じ意味・用途として使用されることもあります。 この他にも同じような使われ方をしている同訓異字はあるのでしょうか。 これから一緒に学んでいきましょう。
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社会に出て仕事をした経験がある方なら、「お願いにあがる」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。 ビジネスの世界では、電話やメールにて多用される一般的な敬語です。 今回は、この「お願いにあがる」という敬語の意味、使い方や類似表現について解説します。 敬語「お願いにあがる」を間違えずに使えますか? 「お願いにあがる」という敬語をあなたはきちんと理解できているでしょうか。 敬語は、使い間違えると信用を失ったり、恥をかいたりする可能性があります。 少しでも不安に感じる方は、この記事で意味や使い方についてしっかりと確認しておくことをお勧めします。 特に営業職のように、お客や得意先の元へ訪問する機会が多い方にとっては、必修の敬語といっても過言ではありません。 適切なタイミングで自然に「お願いにあがる」が使えるようにしておきましょう。 敬語「お願いにあがる」の意味を一言で言うと? 「お願いにあがる」という言葉の意味は、「お願いをするために訪ねる」「依頼するために会いに行く」という意味です。 「お願い」に、謙譲語の「あがる」が結びついた敬語です。 この場合のお願いとは、「何らかの依頼」という意味です。 「あがる」という敬語は、「行く」「訪ねる」の謙譲語として用いられます。 「お願いに行く」という表現が、謙譲語表現として「お願いにあがる」という表現に変換されています。 「あがる」と似た敬語に、「参る」「伺う」という表現がありますが、それらと厳密には意味が異なります。 「あがる」は、特に相手方の自宅や、職場などに訪問する際に使用する表現です。 お願い事で自宅や職場に訪問する場合は、「参る」「伺う」という言葉よりも、「お願いにあがる」という表現を用いた方が無難でしょう。 敬語「お願いにあがる」の使い方 敬語の種類 「お願いにあがる」とは敬語のひとつですが、そもそも敬語にはどのような種類があるのかご説明します。 敬語は大きく分けて、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」に分けられます。 「お願いにあがる」とは、このうち、「謙譲語」に該当します。 それぞれ詳しく説明します。 すでにご存知の方は復習としてお読みになってください。 尊敬語とは? 尊敬語とは、相手方や、相手方の行動を敬って使う表現です。 自分ではなく、相手が主体になる際に用います。 例えば、「行く」の尊敬語は「いらっしゃる」です。 「先生がいらっしゃる」というように用います。 相手や相手の行動に対して用いますので、「私がいらっしゃる」という表現は誤りです。 謙譲語とは? 謙譲語とは、自分や自分の行動をへりくだって用いる表現です。 相手ではなく、自分や自分の行動に対して用います。 「行く」を謙譲語にすると、「伺う」になります。 例えば、「3時に伺います。 」というように用います。 「先生が伺います」という使い方は誤りです。 丁寧語とは? 丁寧語とは、聞き手に敬意を表す敬語です。 「お客様」「お車」のように、人や物の頭に「お」をつけたり、文末を「です」「ます」にしたりする表現が丁寧語です。 尊敬語や謙譲語とは違い、立場の上下は関係ありません。 「お願いにあがる」はどんな時に使うのがぴったり? さて、敬語の種類についておさらいしたところで、「お願いにあがる」の使い方について見ていきましょう。 「お願いにあがる」とは、「お願いに(会いに)行く」の謙譲語表現ですので、自分が相手のもとに訪ねる場合に使います。 特に、相手方の自宅に訪問する意味合いが強い表現です。 ですから、アポイントを取って、相手の自宅や事務所に訪問する際などに用いるのが適切です。 自分をへりくだって言う時に用いますので、相手はお客や上司などである場合に用いることが多いです。 「会いに行く」「訪ねる」という意味合いが含まれています。 そのため、相手と自分が関係ない場所に行く際に用いる場合は、「あがる」という言葉は不適当です。 例えば、「午後に公園に行ってきます」と相手がいない場所に行くことを伝える時は、「あがる」ではなく、他の表現を用いた方が適切でしょう。 敬語「お願いにあがる」の例文 ここまでの説明で、「お願いにあがる」の意味や使い方については理解できたのではないでしょうか。 実際に使えるようになるために、いくつか例文を紹介させていただきます。 それでは、26日の午後1時にご自宅へお願いにあがります。 」 これは、電話やメールで、相手へのアポイントが取れた際に用いる表現です。 自分が相手の自宅に、お願いのために訪問するので、「お願いにあがる」という表現を用いています。 」 メールや手紙で、なんらかのお願いをした際に用います。 なんらかのお願いをする際は直接訪問した方が丁寧ではありますが、その余裕がなく、メールや手紙で完結させる際に用います。 」 なんらかの言いにくいお願いをするために、相手の自宅や事務所などに訪問した際に用います。 「お願いにあがる」を別の敬語で表現することもできます。 「あがる」は「行く」「訪ねる」の謙譲語なので、「行く」「訪ねる」を意味する他の謙譲語で代替できます。 「あがる」の別の敬語表現「参る」「伺う」 「行く」「訪ねる」を意味する謙譲語としては、他に「参る」「伺う」があります。 これらを用いて「お願いにあがります」を言い換えると次の例文のようになります。 ・「お願いに参ります」 ・「お願いに伺います」 どちらもほぼ同じ意味ですが、実は、「参る」と「伺う」は厳密には意味が異なります。 そのため、使用の際は注意が必要です。 「参る」の使い方 「参る」は、自分や自分側の人物や物などの行動を下にみて、話す相手(読み手)に敬意を示すために使う言葉です。 そのため、「参る」先にいるのが人や物の場合でも使うことができます。 ・「明日、御社に田中が参ります」 ・「兄の自宅に参ります」 「御社」は敬意を払う対象ですが、「兄」は身内なので敬意を払う対象ではありません。 「参る」はこのどちらのケースでも使用することができます。 「伺う」の使い方 逆に、「伺う」は、「伺う」先の対象を敬っていう言葉です。 そのため、「伺う」先にいるのが、身内や物などの敬意を払う対象ではない場合は、使用することができません。 ・「明日、御社に田中が伺います」 ・「兄の自宅に伺います」 「伺う」は行く先の対象に敬意を払う言葉です。 つまり、行く先に敬意を表す対象がいないと使うことができません。 先ほど「参る」の例で説明したとおり、御社は敬意を払う対象ですが、兄はそうではありません。 そのため、「兄の自宅に伺います」という表現は誤りとなります。 「お願いにあがる」という言葉を他の敬語表現に帰るときは、「参る」「伺う」の意味や使い方の違いに注意しましょう。 正しい敬語を使いこなして信頼されるビジネスマンに.
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