日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。 現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。 妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 妊娠20週前後になると現れる「胎動」。 お腹の赤ちゃんの存在を実感できるとうれしくなりますが、「胎動で性別がわかる」や「胎動が激しいとダウン症や障害があるかもしれない」といったウワサを耳にして気になっている人もいるかもしれません。 胎動にまつわるジンクスは本当なのでしょうか?今回は胎動でダウン症などの染色体異常や障害、性別などがわかるのか、本当のところをご説明します。 そもそも、胎動はどうして起こる? 胎動の迷信を検証する前に、まず胎動がどういうものなのかをおさらいしましょう。 胎動とは、お腹の赤ちゃんが頭や手足を動かしたときに子宮の壁にぶつかるときの動きを指します。 赤ちゃんが大きくなって体の動きがダイナミックになってくると、子宮壁に触れて胎動が現れます。 「胃や腸で、空気がコポコポと動いている感じ」「お腹がピクピクして痙攣したと思った」など、胎動の感じ方は人それぞれ。 最初のうちは赤ちゃんの動きも小さく、力も弱いので、胎動に気づけないことも。 ドラマなどで「わぁ!初めて赤ちゃんが蹴ったわ!」というシーンを見かけますが、実際には最初の胎動はほとんど感じられず、何度目かの胎動で気がつく人が多いようです。 はじめのうちは胎動があまり感じられていなくても、赤ちゃんが成長するにつれてはっきりと感じられますよ。 関連記事 胎動でダウン症がわかる?胎動が多いと障害があるの? 胎動にまつわるウワサで、「胎動が弱いとダウン症の可能性がある」というものを聞いたことがあるかもしれません。 これは、ダウン症のある子供に「筋力が弱い」という特徴があることから、「ママのお腹の中でも子宮壁にぶつかる力が強くないので、胎動も弱くなるだろう」という発想で生まれたと考えられます。 しかし、これは医学的根拠のない迷信です。 ダウン症は、染色体異常によって起こる先天的な病気の一つですが、胎動の強さと染色体異常との関連性は医学的に証明されていません。 つまり、胎動が弱ければダウン症の可能性がある、とはいえませんし、逆に胎動が激しければダウン症がない、ともいえません。 また、「胎動が多いと、多動などの発達障害があるかもしれない」というウワサも耳にしたことがあるかもしれませんが、これも根拠はありません。 なお、ダウン症などの染色体異常があるかどうかについて出生前診断である程度調べることはできますが、それでも生まれるまで100%わかるものではない、ということは覚えておいてくださいね。 関連記事 胎動で性別がわかるって、本当なの? 胎動には様々な迷信がありますが、特に性別や性格に関するものは多くあります。 ただし、どれも医学的な根拠はありません。 赤ちゃんは、お腹の中でぐるぐる回転しながら手足を動かします。 そのため、赤ちゃんの姿勢によって胎動を感じる位置も変わりますし、どこがぶつかるかで感じる強さにも違いがあります。 また、激しく動く子もいれば控えめな子もいて様々なのです。 胎動の位置や感じ方は個人差が大きいものなので、強弱だけでどんな子なのかを判断することはできません。 他のママから聞いた胎動の感じ方と違っても、「普通じゃないのかも?」と不安になる必要はありませんよ。 それを踏まえたうえで、胎動にまつわる迷信をいくつかご紹介します。 どれも医学的な根拠はありませんが、あくまでも家族や妊婦さん同士の話のネタとして読んでみてくださいね。 胎動が激しいと男の子、弱いと女の子? 女の子は胎動が控えめで、男の子は激しいなど、胎動の強さで性別がわかるという迷信もあります。 「女の子を妊娠するとママのお腹周りに脂肪がつく」という迷信と関係していて、お腹周りに脂肪が増えると胎動を感じにくくなるので、胎動が控えめなのは女の子…という発想から生まれた説かもしれません。 「男の子は元気で、女の子はおとなしい」というのも、昔ながらのステレオタイプで、おとなしい男の子もいれば、やんちゃな女の子もいます。 その性格は性別によるものではなく個性の一つで、一概に言えないのは当たり前ですね。 ちなみに、「胎動が激しい赤ちゃんは、生まれてからも元気な性格になる」と考える人もいますが、胎動と性格が一致するわけではありませんよ。 妊娠週数が早いうちに胎動があれば男の子、遅いと女の子? 胎動を感じる時期で性別を判断できるという迷信もあります。 しかし、胎動をいつ感じるかはタイミングや運も関係しているので、これも信憑性はありません。 また、胎動を感じる時期は、赤ちゃんだけではなくママ側の環境も影響します。 たとえば、日中働いていて動き回っている人なら胎動があっても感じにくくなりますし、静かに過ごしていれば弱い胎動でも感じることがあります。 胎動を左で感じれば男の子、右で感じれば女の子? 胎動の位置で性別がわかるといわれることもありますが、これも医学的な根拠はありません。 そもそも胎動は、赤ちゃんの頭や手足がぶつかったときに感じるものなので、男の子だから左側、女の子だから右側になるということは考えられません。 左で胎動を感じるという人は、赤ちゃんの手足や頭が左側に向いていることが多いからかもしれませんね。 関連記事 臨月に胎動を感じなくなるとお産が近いって本当? 昔から、「臨月になって胎動を感じなくなったらお産が近い」といわれてきましたが、これも医学的な根拠はありません。 しかし、胎動をまったく感じなくなるということはなく、お産直前でも胎動はあります。 安静にしていてもしばらく胎動がないなど何か違和感があれば、念のため産婦人科を受診しましょう。 落ち着いて胎動を感じるために、「胎動カウント」をしてみるのもおすすめですよ。
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胎動の感じ方にも個人差があり、痛いくらいに感じた、という人もいれば、腸が動いたのかな?と勘違いするくらいしか動かず、なかなか胎動だと気づかなかったという妊婦さんもいます。 月齢別の胎動が弱い・感じない時の原因についてまとめてみました。 【5、6ヶ月】ママの体型や赤ちゃんの向きで個人差が出やすい時期 妊娠5~6ヶ月頃になると、妊婦さんはつわりも終わり、体調も安定してきます。 赤ちゃんはお腹の中で手足が伸びてきて動きが活発になってくる時期なので、人によっては胎動を感じますが、ママや赤ちゃんによって個人差が大きく出ます。 赤ちゃんの成長や態勢によるもの 赤ちゃんの大きさ、赤ちゃんの向きなどには個人差があるので、胎動の強さも人によって異なります。 胎動はママの子宮の壁に赤ちゃんがぶつかって感じるものなので、大きい赤ちゃんの方が胎動は感じやすくなります。 また、赤ちゃんが子宮の壁に近いところにいれば、胎動は感じやすくなります。 ママの体形によるもの また、ママの体型によっても変わると言われています。 痩せている人の方が、脂肪の壁が薄いので、太っている人より胎動を感じやすいということです。 この時期に胎動が弱い・少ないと感じても、個人差が大きな原因なので、そこまで心配する必要はありません。 【7、8ヶ月】赤ちゃんが眠っていたり、細かい動きで気づきにくい時期 赤ちゃんはだいぶ大きくなってきて、ほとんどの妊婦さんが胎動を日々感じる時期です。 赤ちゃんもいろいろな動きをするようになり、そのために胎動を弱いと思うことが出てきます。 赤ちゃんは眠っていると動かない 妊娠7~8ヶ月頃の胎児は、一日中お腹の中で眠ったり起きたりを繰り返しているので、眠っているときはほとんど胎動を感じません。 細かい動きが増えるので気づかない この頃になると手足の動きだけでなく、しゃっくりをしたり、羊水を飲んだり、目や口を動かしたりと、小さく細かい動きが増えてきます。 細かい動きなので胎動が弱いと感じてしまいますが、少しでも感じるのであれば問題ありません。 【9ヶ月~臨月】赤ちゃんがお腹の外に出る準備を始めている時期 妊娠9ヶ月~臨月になると、赤ちゃんはお腹の外に出る準備を始めます。 そのため、赤ちゃんは頭を下にして、どんどん下に降りてきます。 そして、骨盤に頭をはめ、ほとんど身動きが取れなくなるので、胎動が少なくなるのです。 不安なママには胎動カウントがおすすめ 胎動が不安なママは、「胎動カウント」という方法でお腹の中の赤ちゃんが元気か、チェックすることができます。 精神的な不安はママ自身の体にも、赤ちゃんにも悪影響となります。 「胎動カウント」で安心感を得ることをおすすめします。 胎動カウントの方法 胎動カウントは「10カウント法」とも言い、胎動を10回感じるまでにかかる時間を計ります。 ストップウォッチなど、時間を計れるものを用意してください。 体を横にしたり、ママが楽な姿勢でリラックスします。 胎動を1回感じたらストップウォッチをスタート!時間を計測していきます。 胎動を10回感じたらストップウォッチを止めます。 これをまずは1週間繰り返し、平均時間を算出してみます。 胎動を10回感じるまでにかかる時間が平均で10~20分程度であれば、問題ありません。 20分以上かかる場合は眠っているか、落ち着いているか、元気がない、ということです。 20分以上かかった場合は、少し時間を空けてから再度計測してみましょう。 もし10回胎動を感じるのに1時間以上かかったり、2回計ってみて2回とも30分以上かかったりした時は、赤ちゃんに何かトラブルが発生したのかもしれません。 念のため受診をおすすめします。 胎動カウントを指導してくれる病院も 妊娠後期になると、早産予防のために胎動カウントを指導してくれる病院もあるようです。 その際には胎動チェックカードを使用する病院もあります。 チェックカードの内容は病院によって変わってきますが、基本的には• どのような状況で計測したか• 10回胎動を感じるのにかかった時間 を書き込み、複数日計測をします。 複数日計測することで、赤ちゃんの生活リズムが大体つかめてきて、胎動が起こる時間帯が把握できるようになります。 といっても、赤ちゃんはよく動く日もあれば、よく眠る日もあるので、赤ちゃんがあまり動かないからといって落ち込みすぎないようにしましょう。 胎動カウントに便利なアプリ! 最近では胎動カウントに便利なアプリも登場しています。 おすすめのアプリを3つ紹介します。 たまひよの胎動・陣痛カウンター・たまカウンタ 妊娠・出産・育児でおなじみの雑誌「たまひよ」が作ったアプリです。 胎動を感じたらスマホの画面に出ているボタンをタップ!胎動を10回感じるまでの時間を計ってくれます。 ちなみに陣痛の間隔を計測してくれる陣痛カウンターも一緒についているので、出産間際まで使えそうなアプリです。 胎動カウンター(無料) マルチ言語モードで世界中の妊婦さんが使えるように作られたAndroidアプリ。 赤ちゃんの胎動をチェックして、毎日の変化を記録できます。 カウンターをスタートさせると、止めない限り電話してもメールしてもカウントを続けます。 作りがシンプルで使いやすいと評判です。 胎動10COUNT iPhoneのアプリです。 こちらもシンプルな作りで、10回カウントすると自動的にタイマーがストップします。 とても人気なアプリですでに20,000ダウンロードされているそうです。 胎動カウントのメリットとは! 赤ちゃんの異常に気付くことができるのが、胎動カウントの一番のメリットです。 胎動によって赤ちゃんが元気か、元気じゃないかを知ることができます。 また、ゆっくり安静にして、赤ちゃんの動きを感じることで、赤ちゃんのことだけを考える時間ができます。 動いているときは胎動を感じにくくなるので、体を横にしてみたり、ゆったりと座ってみたりして、リラックスしてみましょう。 リラックスすることで、ママ自身も胎動に集中でき、感じやすくなると思います。 リラックスという点で、お風呂に入るのもおすすめです。 ゆっくりした動作をしてみる 赤ちゃんがママの動きに合わせて動くこともあります。 なので、横になった状態から寝返りを打ったり、体を起こしたりすることで、赤ちゃんが反応し、動きを活発にすることもあるのです。 ただし、あまり激しく動くと、母体にもよくありませんし、赤ちゃんもびっくりしてしまいます。 あくまでもゆっくりと動いて、体に負担をかけないように気をつけましょう。 お腹をさすったり、軽くトントンしてみる お腹の中の赤ちゃん5ヶ月頃になると聴覚が発達してきているので、お腹の外の声が聞こえているとされています。 なので、お腹を優しくさすったり、軽くトントンとしてみたりすると反応してくれることがあります。 お腹をさすりながら、「こんにちは」「元気ですか」などと声をかけてあげるのもいいですね。 パパと一緒にやってみると、もしかしたらパパも胎動を感じられるかもしれません。 胎児機能不全とは、胎児に何らかの問題が起こって酸素供給量が減り、赤ちゃんが低酸素状態になって弱ってしまう状態を言います。 出産時にお産が長引いて赤ちゃんが産道で圧迫され、低酸素状態になって発生することもあります。 妊娠中の胎児機能不全は、様々な原因で起こります。 妊娠高血圧症や過期妊娠(出産予定日を過ぎても赤ちゃんが出てこないこと)による胎盤の異常• 臍帯巻絡(へその緒が赤ちゃんの首に巻き付いてしまう)などの異常• ママの心臓病や糖尿病などの持病による合併症による異常• 胎児機能不全は、一秒でも早くお医者さんの処置を必要とする状態です。 胎動を感じず、おかしいと思ったら急いで病院で受診しましょう! 心配しすぎは逆に良くない!リラックスして胎動を感じよう 胎動の強さ・弱さや、胎動が始まる時期にはかなり個人差があるので、定期的な妊婦健診で特に問題がないと言われていれば、そこまで神経質に考えすぎない方が良いでしょう。
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胎動が激しいと「赤ちゃんに何か問題があるのでは?」と気になりますよね。 でも、 胎動が激しい分には何の問題もありません。 決して苦しくてじたばた暴れているわけではなく、むしろ赤ちゃんが元気に育っている証拠なので安心してください。 一般的に、赤ちゃんが成長するにともない胎動は強くなる傾向にあります。 これは、骨や筋肉、心臓などが発達すると、赤ちゃんがより活発に動けるようになるためです。 胎動が激しい=赤ちゃんが元気という裏付けになりますね。 また、成長とともに多様な動きも可能になってきます。 手を伸ばす、足で蹴る、体を回すなど、大きな動きができるようになると、胎動も激しくなるものです。 このように、胎動が激しいことは医学的には何の問題もありませんが、激しすぎるとママが痛いことも。 赤ちゃんの体が大きくなり、子宮内がせまくて動きづらくなると胎動も弱まる傾向にありますが、それまでは残念ながら耐えるしかないと言うよりほかありません。 痛みを緩和させる方法はいくつかあるので、これらを試しながら頑張って乗り越えましょう。 胎動カウントには、一定の時間内に赤ちゃんが何回動いたかをチェックする方法と、胎動を10回感じるまでにどれぐらいの時間を要したかを見る方法があります。 ここでは、家で手軽に行うのに適した、10回感じるまでの時間をチェックする方法をご紹介します。 かかる時間は長くて30分くらいなので、少ない負担でできるのがメリットです。 横になり安静にします。 胎動を10回感じる(赤ちゃんが10回動く)までの時間を測ります。 このとき、一連の動作は1回としてカウントしてください。 たとえば、「ぽこぽこぽこ」と連続して3回お腹を蹴るときは1回のカウント。 「ぽこ…ぽこ…ぽこ…」と間が開いたときは3回のカウントという感じです。 胎動カウントは何かをしながらではなく、じっとして胎動に集中できるときに行いましょう。 座ったり寝そべるなど、胎動を感じやすいリラックスした体勢で行うことも大切です。 また、赤ちゃんは20~30分間隔で活動と睡眠を繰り返しているので、赤ちゃんが眠っているときは胎動が少なくなったように感じるかもしれません。 一時中断して動き始めてからカウントを再開しましょう。 前でも説明しましたが、胎動カウントは赤ちゃんの普段の様子を観察することが目的であり、決して診断ではありません。 なんだかおかしいかも?ということに早めに気づくためのひとつの方法なので、元気度の参考程度にとらえ、あまり神経質に行うことはありません。 時間があるときに、赤ちゃんとのコミュニケーションの一環として気軽にやってみてください。 以下のようなことがあったら、すぐにかかりつけ医に連絡し相談しましょう。 ・普段より極端に動きが少ない・弱いなど、いつもとまったく違う感じがする。 ・胎動をまったく感じない時間が1時間以上続く。
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