肺マスクをしていると加湿効果があります。 呼吸困難時に加湿効果が必要ではなく、感染予防に必要なのだと思います。 たとえば。 MRSAの患者さんがレントゲン検査に呼ばれたので、マスクを着けてもらってレントゲン室まで行きました。 途中で呼吸困難感を訴えたのでマスクをとって呼吸を整えてもらいました。 まあ、非常に極端な例ですが。 これがだめなのはわかりますよね。 肺がんで化学療法をしている患者さん。 感染予防のためサージカルマスクを着用してもらっています。 その患者さんがレントゲン検査に呼ばれ、レントゲン室まで行ってもらうことになりました。 あなたは付き添い歩行することにしました。 廊下の途中で呼吸が荒くなったので、あなたは患者さんにサージカルマスクを外してもらいました。 患者さんは深呼吸や口すぼめ呼吸を一生懸命しています。 廊下では子供が咳をしながら走り回っています。 これではどうでしょうか。 SPO2低下時の医師の指示は確認しましたか? それに引っかかるのであればそもそも歩行時に酸素を投与しないことがおかしいのであって、マスク以前の問題となるかと。 もし指示のSPO2の値は保持できているとすれば、まあ問題ないということですよね。 マスクをしていても呼吸を整えれば戻るのですから。 しかし、万が一感染したら患者さんはどうなるでしょうか。 天秤にかけて、どちらが大切なことだと思いますか? がんの患者さんですよね。 なぜ感染予防が必要ですか? 現在どのような治療をしていますか? どのような薬を飲んでいますか? 化学療法などの治療はしていませんか? いつ治療をしましたか? 現時点での血液検査の数値はどうでしょうか? もう一度そのあたりから考えてみてはいかがでしょうか。 苦痛とういう観点で考えると苦痛の緩和として外すもありだと思います。 お茶が飲めるなら私なら、うがいを勧めます。 ただ腹式呼吸と口すぼめ呼吸に関しては意識的に指導をしなければ 患者さんはどうでしょう? 呼吸が苦しいのでより多く酸素をと希望して呼気を行う事をせず吸気を行おうとしますよね。 指導は必要です。 あくまでも自然加湿なので人工的に加湿をしなくて良いですよと言う話です。 では加湿が無ければ何がおきますか? 乾燥ですよね・・ 空気が乾燥をするということは 結構口腔内に負担が来ると思います。 また、この季節乾燥から何が伝染しやすいですか? 空気感染として・・ なら自己防衛力の手助けと手洗いもするけど マスクの着用を勧めるのではないでしょうか? ADLの状態で今何が必要なのか どの方向を決めるか必要があると思いますがいかがでしょうか?.
次の呼吸困難の患者からの訴え• 「息苦しいです」• 「頑張らないと息ができません」 〈呼吸困難に関連する症状〉 〈目次〉• 10.• 11.• 12. 呼吸困難って何ですか? がしづらい、息が苦しい、空気を吸い込めないといった、呼吸に関して苦痛を伴う症状を呼吸困難といいます。 努力しないと呼吸ができない状態です。 呼吸困難が起こるメカニズムは? まずは、正常時の呼吸について考えてみましょう。 ヒトは意識しなくても、安静時には1分間に15回程度の呼吸運動をしています。 これは、幹にある呼吸中枢と呼ばれる部分が、絶えず呼吸運動が十分かどうかをモニターし、身体の要求する量に見合った呼吸運動が行われるように、コントロールしているからです。 走ったり、激しい運動をした時などに酸素が足りなくなると、呼吸中枢は胸郭(きょうかく)運動を促すように命令を出します。 その結果、息を深く吸い込むようになって吸気量、呼吸回数が増え、取り込む酸素の量が通常よりも多くなるのです。 ところが、何らかの異常がある場合には、呼吸中枢が「呼吸運動をさせなさい」という命令を出しているにもかかわらず、「呼吸が十分ではありません」という情報が呼吸中枢に伝わることになってしまいます。 この食い違いが、呼吸困難として感じられるのです。 これらに障害があると、呼吸運動を行っているにもかかわらず、中の酸素が不足して呼吸困難を感じます。 図1 呼吸困難は、「急に起きる場合」と「徐々に起きる場合」の2つに分けられます。 それぞれ、背景にある疾患が異なります。 呼吸困難の多くは、呼吸器系に原因がありますが、特に、急性呼吸困難は生死にかかわる場合が多く、早急に原因をつきとめて対処することが必要です。 気道に原因がある急性の呼吸困難にはどんなものがあるの? 気道に原因がある急性の呼吸困難として、代表的な疾患は、(ぜんそく)です。 発作が起こると、気管支のまわりに浮腫が起こり、さらに気管支平滑筋が収縮して気管支の内腔が狭くなります。 同時に、過剰に産生された粘液が詰まって気道をふさぎます。 この状態では、入ってくる空気が減るだけでなく、肺胞内の空気が出て行きにくくなります。 酸素が減るとともに、二酸化炭素が溜まり、呼吸が苦しくなるわけです。 また、異物が誤って気道に入ることによる窒息も、急性の呼吸困難を招きます。 そのほかにはどんな呼吸器の異常で呼吸困難が起こるの? 肺塞栓(そくせん)症が代表的です。 長時間の座位や臥床によって下肢の静脈内で形成された大きな血栓が遊離して、肺動脈の太い枝に詰まり、肺にが行かなくなるために呼吸困難を招きます。 このほか、肺に穴が空く(ききょう)や、肺水腫などでも呼吸困難が生じます。 精神的な原因で起こる呼吸困難に、があります。 呼吸器に原因がある慢性の呼吸困難にはどんなものがあるの? 徐々に息苦しさが増していくのが、慢性の呼吸困難です。 原因となる疾患の代表は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)で、なかでも多いのがです。 図2COPD(慢性閉塞性肺疾患) 健康な肺胞には、風船のような弾性があります。 ところが、タバコなどの有害な粒子やガスを吸い込み続けると、肺に炎症が起きた状態が続きます。 その結果、肺胞の壁が次第に壊れて弾性がなくなり、空気の出し入れをしにくくなり、息苦しさが増していきます。 肺胞の弾力性の低下は加齢によっても起こり、老人性肺気腫を引き起こします。 このほか、慢性気管支炎や間質性肺炎でも慢性の呼吸器困難がみられます。 COLUMN在宅酸素療法(HOT:HomeOxygenTherapy) 街の中で、を付けて酸素ボンベを引いている人を見かけたことはありませんか。 COPDをはじめとする慢性呼吸不全の患者は、次第に呼吸機能が低下します。 これまでは、入院して酸素吸入を受けなければなりませんでした。 しかし現在では、空気中の酸素を濃縮できる酸素濃縮器を使用し、状態が安定していれば、自宅で酸素吸入を行いながら、ほとんど普段と変わらない生活を送れるようになりました。 携帯型の酸素ボンベを使えば、外出も可能です。 このように慢性呼吸不全患者のQOLは、によって大きく改善されました。 図3 呼吸器以外の原因で起こる慢性の呼吸困難にはどんなものがあるの? では、肺に血液を送る右心の働きが悪くなり、肺に十分な血液を送ることができなくなります。 すると、血液中の酸素量が低下し、息苦しさを感じるようになります。 このほか、やなどによっても呼吸困難が生じます。 呼吸困難はどうアセスメントするの? 何が原因で呼吸困難が起きているのかを判断するために必要な情報を集めることが、大切です。 や観察により、呼吸困難の程度や発生状況を把握し、早急な対応が必要かどうかを見極めます。 呼吸を観察する時のポイントは、「深さ」(深いか浅いか)、「回数」(増えているのか、減っているのか)、「リズム」(乱れはないか)の3つです。 訴えがなくても、患者が「起座呼吸」の姿勢を取っている時は、呼吸困難を起こしている可能性があります。 図4 呼吸音を聞くことも重要です。 連続しているのか、断続的なのか、どんな種類の音か、音の高低はどうか、こすれ合うような音はないか、などについて判断します。 肺の解剖と照らし合わせて、どの部位で異常な呼吸音が聞こえるのかについても記録してください。 また、気胸の場合は、胸腔に貯留した空気によって、気管の位置が偏位したり、息を吸うと胸郭がパンパンに貼ります。 このため気管の位置や胸郭の動きも観察するようにします。 呼吸困難では、呼吸以外には何を観察するの? ・痰、発熱(参照)、浮腫(参照)の有無をチェックします。 うっ血性心不全の時は、浮腫がみられます。 また、酸素不足が長く続くと、になることもあります。 また、結膜や爪の色を見て貧血の有無も確認します。 呼吸困難の強さを示す指標はあるの? 患者の自覚症状を客観的にとらえる指標に、Borgscale(ボルグスケール)があります。 Borgscaleは、患者に運動負荷を与え、どの程度の強度がかかると呼吸困難が現れるかを調べるものですが、呼吸困難を訴える患者にも適用することができます。 呼吸困難の時はどんな検査をするの? 肺での血液酸素化能力をみるために、動脈血ガス測定を行い、「(PaO 2 )」、「動脈血二酸化炭素分圧()」を測定します。 血液中の酸素と二酸化炭素の量がわかり、呼吸困難の原因をある程度、推測できます。 COPDや喘息では、酸素分圧が低くなると同時に、二酸化炭素分圧も高くなります。 一方、でガス交換そのものが障害されている時には、酸素分圧、二酸化炭素分圧とも下がります。 また、を使い、血液ののを測る方法も、簡便でよく使われています。 呼吸困難のケアはどうするの? 息苦しさを訴える患者には、安静にして酸素消費量を減らし、起座位をとらせたり、で枕を抱かせるなど、楽な姿勢を保つようにアドバイスします。 呼吸困難が強い場合は、酸素吸入を行うことがあります。 ただし、COPDの患者に高濃度の酸素を与えすぎると、二酸化炭素も蓄積してしまい、「」(参照)に陥ることがあるので要注意です。 呼吸器の装着が必要になる場合もあります。 この時は、呼吸器の設定が適切かどうかを常に観察し、自分で痰を出せないので、定期的に吸引を行います。 また、をはじめ、家庭の生活環境、職場環境などを改善し、呼吸困難を悪化させるような要因を除くようにすることも大切です。 用語解説CO 2ナルコーシス 血液中のCO 2 が高くなりすぎる(通常80mmHg以上)と、CO 2が中枢神経に対して麻酔効果を現します。 そのために呼吸が抑制された状態を、CO 2ナルコーシスといいます。 COPDの患者は、呼気が障害されて残気量が増加しているので、もともと血液中のCO 2は増加する傾向にあります。 それに加え、低酸素を補うためにを行っています。 このような場合に、安易に酸素を投与して動脈血中の酸素分圧を上げすぎると、身体はもう努力して呼吸をする必要がないと判断し、換気を低下させてしまいます。 すると、ますますCO 2が蓄積し、CO 2ナルコーシスを起こして呼吸抑制をきたすことがあります。 COPDの患者には、CO 2ナルコーシスを起こさず、かつ必要とする酸素が摂取できるように、酸素投与量を設定することが重要になります。 [出典] (監修)岡田忍/2016年3月刊行/.
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はじめに 挿管困難は気管挿管により気道管理を行う上でひとつの大きな問題である.ここでは声門よりも口側になんらかの問題があり気道管理上問題となるような症例に対する対応について述べる. 1. 挿管困難の予測 [図1] 各種疾患に伴う小顎症 挿管困難の可能性を前もって予想することは,挿管困難症例に対応する第1歩である.肥満,猪首,頚部運動制限 ハローベスト装着患者,熱傷後瘢痕,脊椎症など ,開口制限、小下顎症 Treacher-Cholins症候群,Goldenhar症候群,Pierre-Robin症候群 ,巨舌症,歯牙変形,門歯突出,口腔内腫瘍,甲状腺腫瘍,喉頭狭窄は挿管困難の危険因子とされている.特にTreacher-Cholins症候群には注意が必要である. 図1は各種疾患による小顎症患者の写真である. b , c はGolderhar症候群の患者である.いずれもマスク保持が難しかった. c はBullard型喉頭鏡で挿管できた. d はPierre-Robin症候群の患者である. [図2] 慢性関節リウマチでC0-2が固定されている患者 慢性関節リウマチで図2のように頚椎が固定されている患者の挿管は非常に困難である.この状態では下顎挙上が行えず,ファイバースコープ(FOB)ガイド下挿管をトライしても喉頭蓋が咽頭後壁に接していて持ち上がらず,声門を直視できないことが多い.このような症例は座位で挿管を試みるか,もしくは言うエアウェイを用いるのが良い. 挿管困難症例における気道管理 1. 気管挿管は必要か? まず第1に該当の手術が気管挿管による気道管理が必要かどうかという点である.当然のことながら避けられる場合にはそういった麻酔管理 例えばブロックなどの自発呼吸下での管理 を選択する方法もある.ただしこの場合注意すべきは,こういった方法を選択したもののその方法では不十分であったり、手術の都合により途中から気管挿管が必要になる場合もあることである.そのような場合には最初から気管挿管による気道管理をする場合よりも管理上種々の制約が生じていることも多く管理方法の選択には十分な検討が必要である. 気道確保の方法としてフェイスマスクやラリンゲルマスクなどによる方法も考慮にいれてよい. 2. Oral or Nasal airway• Jackson式噴霧器(喉頭,咽頭および気管内の表面麻酔用)• 各種ビデオ喉頭鏡;Airway Scope,McGRATH,C-Macなど• Gum Elastic Bougie GEB , [Eschmann Tube Introducer]• High Frequency Jet Ventilator HFJV• ラリンゲルマスク (ILMを含む)• 緊急気管切開用セット(注)CIVI時には気管切開は時間的に間に合わない.輪状甲状靱帯穿刺もしくは切開を行うこと• 硬膜外麻酔セット(逆行性挿管用)• トラキライト(現在では入手不能)• Bullard型喉頭鏡,GlideScopeなど挿管困難対応用喉頭鏡 3. 挿管困難症における鎮静・鎮痛について 挿管困難症例における鎮静・麻酔は原則的には必要最小限に留めなければならない.鎮静薬や麻酔薬の過量は患者の呼吸を停止させ患者を危地に追いやることになるからである.使用する場合にはごく少量ずつを時間をかけながら投与する.一方,患者の苦痛を軽減するためにしっかりと表面麻酔を行なうことが大切である.表面麻酔の効果が良好である場合,鎮静薬はほとんど不用となり安全性も向上する. 挿管困難が予想された症例における鎮静方法に関しては参考文献1を参照して頂きたい. 4. 我々は挿管困難が予想された場合でも特別な理由がない限り,意識消失を得た後に挿管するようにしている.これはASAのDifficult Airwayアルゴリズムからは外れているが,これが唯一のものである訳ではなく適切と考えられる戦略はいくつもある.持っている技術と道具によって戦略が異なるのは当然のことである.従来,意識下挿管すべきと言われているその理由は「意識を残すこと」にあるのではなく「自発呼吸を残すこと」にある.現在使用されているプロポフォールやセボフルランなどの全身麻酔は意識消失が得られる濃度やそれを超える濃度でも単独で使用した場合には自発呼吸は残存する.急速に投与した場合には一時的に呼吸停止を来すこともあるが,ちょっとした刺激で自発呼吸は再開される.プロポフォールの場合TCIポンプを用いて徐々に濃度を上げれば意識消失後も自発呼吸は残存する.注意すべきは舌根沈下に伴う上気道閉塞であり,これに対しては経口エアウェイや経鼻エアウェイを用いれば対処可能である. エアウェイの重要性を認識して頂きたい.フェイスマスクによる補助呼吸を試みて,可能であれば調節呼吸への移行を試みる.• 調節呼吸に移行できればビデオ喉頭鏡を使用した経口挿管もしくはFOBガイド下挿管を試みる.我々は調節呼吸に移行できた段階でロクロニウム0. 4-0. FOBを用いた気管挿管法 FOBガイド下の気管挿管でのFOBの操作法の詳細に関してはを参照して頂きたい. 5-1. 意識下 自発呼吸下 に行う場合 マスク換気が困難な症例や開口が全くできない症例では,FOBをガイドとした方法が第1選択となる.まず適度にさせた後,を行う. 次に,FOBによる誘導方法であるが2通りの方法がある.• 気管内チューブを先に鼻から通して咽頭腔まで先端を持っていっておき,そこからFOBを気管内まで導く.最後に気管内チューブを気管内まで進める.• FOBを気管チューブに通しておきFOBのみを鼻から挿入して気管内まで導きその後気管内チューブを鼻から気管内まで進める. 1. の方法の利点はオリエンテーションがつけ易いことである.成人の場合15cm程度のところまで挿入しておくとよい.深く入れすぎてしまうと逆にオリエンテーションが付けにくくなる.欠点は気管内チューブ挿入時に鼻出血させる危険があり,この場合気管内への誘導が難しくなってしまう. 2. の方法では鼻出血は起こらないがFOBが気管内まで誘導できても気管内チューブが鼻腔を通らない危険性がある.どちらも一長一短はあるが我々は通常1. の方法を取っている. 3-2. 調節呼吸下に行う方法 不幸にして全身麻酔の導入の導入後に挿管困難が発覚した場合にはそのままでFOBガイド下に挿管操作を行う場合もある.FOBの操作に熟練していれば20-30秒程度で挿管することも可能であるが,熟練していない場合にはエンドスコピックマスクなどの特殊な用具を用いて介助者にマスク換気を行いながらFOBを操作することになる.ここで有用な呼吸補助手段として以下の方法がある.患者の口ともう一方の鼻孔を押さえながら,気管チューブにスワイベルアダプターを付ければ補助呼吸もしくは調節呼吸下にFOBの操作を行うことができる.チューブがエアウェイの役割を果たし舌根を支えるためほとんど症例で容易に換気が行える.換気を行いながらFOBの操作が行えるため時間の制約がなく落ち着いてFOBの操作が行える. こういった症例では開口が全く不能であることはまず考えられない(そのような場合には挿管困難であることは導入前から明白である).我々は現在ではこのような症例にはすべて経口のFOBガイド下挿管を行っている. 6. 各種ビデオ喉頭鏡の使用 エアウェイスコープやMcGRATH,C-Macなどのビデオ喉頭鏡が普及している今日では,予期しない挿管困難のほとんどはこれで解決できると思われる.かつてのようにFOBガイド下挿管を要する確率は非常に低くなっていると言える.しかしながら当初から挿管困難が予測されていた症例ではこれらのビデオ喉頭鏡では対処できないことも多い.何故ならこれらのビデオ喉頭鏡は通常の気管挿管をより簡単に誰にでも行えることを目的に作られているからである. 7. その他の方法について 我々が通常行なっている上記の方法以外にも以下に示す方法がある.前述のごとく,どの方法を採用するかは,各個人の手技の熟達度を考慮するとよい. 近年はビデオ喉頭鏡が普及し予期しない挿管困難のの大部分は対処できるようになっているが,小顎症などで気道のワーキングスペースが狭い場合には上手く挿管できないこともある.このような場合に最も有用な方法は経鼻挿管である.Cormack IIIまでなら喉頭鏡(McGRATHなでも可)で喉頭蓋を確認しながら気管チューブを喉頭蓋の下に持って行き,喉頭蓋に沿うように抵抗のないところへ進めれば多くの場合チューブは気管に入る.マギル鉗子で誘導しても良い.盲目的な挿管を行なった場合には呼気CO 2で正しく気管に入ったかどうかを確認することが大切である.• Eschmann tube introducerを使用する方法:英国ではこの方法は予期せぬ挿管困難症対策のfirst choiceに挙げられている.喉頭鏡での喉頭展開を試みても喉頭蓋しか見えない状態 Cormack III の時にはかなり有用な方法である.ただし喉頭蓋が咽頭後壁から持ち上がってこないような場合 Cormack IIIb では難しいことも多い.tube introducerを半盲目的に気管内に挿入し,これをガイドとしてチューブを進めるという方法であるが,気管内にintorducerがうまく入ったかどうかの判断はintroducerを進めていく時の手応えで行う.introducer先端が気管軟骨を擦っていく感触 hunping and dumping が感じられればまず間違いなく気管内にうまく入っている.非常にシンプルな道具であるが,なかなか有用な道具であると考えている.• ラリンゲルマスクを使用する方法:あらかじめスリットを切除したラリンゲルマスクを挿入し,気管支ファイバースコープのガイド下にチューブチェンジャーを気管に挿入する.ラリンゲルマスクを抜去してチューブチェンジャにチューブガイドを通し、これをガイドとして気管内チューブを挿管する.ただしこの方法はある調節呼吸まで行なえる開口可能な症例に限定される.AirQやILM intubating lanyngeal mask を使用する方法もある.• 半盲目的経鼻挿管法:喉頭蓋がかろうじて見えるかどうかの患者ではマッキントッシュ型喉頭鏡で手ごたえを頼りに経口挿管を試みる方法やマギル鉗子で半盲目的に経鼻挿管する方法がある.• トラキライトを使用する方法:トラキライトはライト付きのスタイレットであり,声帯を直接観察せずに皮膚を通して見える光の方向をたよりに挿管を行う道具である.残念ながらこの器具は現在入手不能になっている.• ファイバースタイレットを使用する方法:基本的にはファイバースコープに近いものである.吸引ができないのが難点である.• 気道確保において注意すべき病態 気管までの気道の中で狭い部位は声門と咽頭である.声門に病変がある場合には挿管以前にマスク換気が困難になることもあり,注意が必要である.特に喉頭浮腫には注意しておく必要がある.図2に正常の喉頭 a および軽度の喉頭浮腫 b ,高度の喉頭浮腫 c の像を示す.この写真の光景をよく覚えておいて頂きたい.喉頭浮腫では仮声帯に浮腫が生じて声帯を隠すのである.知っていなければ喉頭展開できても声門の位置がわからず挿管できないという事態が生じる.声帯そのものは見えなくても浮腫が生じているだけで場所さえ分かっていれば気管チューブを挿入することは可能である.もちろんFOBも挿入できる.声門がある場所にFOBを進めればやがて気管内に入ると気管軟骨輪が確認できる. [図4] 喉頭浮腫の像 もう1つは舌扁桃肥大である.残念ながら舌扁桃肥大は術前に把握することが難しい.舌扁桃肥大があると喉頭蓋が咽頭後壁に押し付けられて翻転せず,FOBガイド下挿管を困難にする.経験的には関節リュウマチ患者に多い印象がある.下顎挙上が可能である場合にはこれによって喉頭蓋をいくらか持ち上げることが可能であるが,後屈困難などで下顎挙上が行えない場合には挿管に難渋する.このような場合にはFOBガイド下挿管の項で解説したなどの器具を用いるのが良いと筆者は考えている. [図5] 舌扁桃肥大• 萩平 哲.意識下挿管に有用な鎮静法.LiSA, 2007;13 2• 谷上 博信,井浦 晃.舌癌:開口障害,後屈困難の気道確保にはVFNI法を.LiSA 2012;19 3 :306-11• 中江 文,萩平 哲,高階 雅紀,真下 節.経口ファイバースコープガイド下挿管のトレーニング方法について.麻酔,2007; 56 6 :728-31. 萩平 哲.気道の確保と挿管困難症 1 気道確保に必要な解剖.日臨麻会誌 2014;43 3 :433-8.
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