6118 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について [平成31年4月1日現在法令等] 1 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準 電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が国内の事業者・消費者に対して行われるものについては、国内、国外いずれから行われるものも国内取引として消費税が課税されることとされています。 2 リバースチャージ方式等 国外事業者が行う電気通信利用役務の提供については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とそれ以外のものとに区分されます。 消費税法においては、課税資産の譲渡等を行った事業者が、当該課税資産の譲渡等に係る申告・納税を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、国外事業者から当該役務の提供を受けた国内事業者が、「特定課税仕入れ」として、申告・納税を行います(注)。 注 平成28年4月1日以後に国外事業者が国内で行う「特定役務の提供 国外事業者が国内で行う芸能・スポーツ等の役務の提供 」については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」と同様に、当該役務の提供を受けた事業者が「特定課税仕入れ」としてリバースチャージ方式による申告・納税義務が課されています。 3 国外事業者から受けた消費者向け電気通信利用役務の提供に係る仕入税額控除の制限 電気通信利用役務の提供のうち、事業者向け電気通信利用役務の提供以外のもの ここでは、便宜的に「消費者向け電気通信利用役務の提供」といいます。 については、当該役務の提供を行った事業者が申告・納税を行うこととなりますが、国内事業者が国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合、当分の間、当該役務の提供に係る仕入税額控除を制限することとされています。 4 登録国外事業者制度の創設 3のとおり、国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は、当該役務の提供に係る仕入税額控除が制限されますが、国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から受ける消費者向け電気通信利用役務の提供については、その仕入税額控除を行うことができることとされています。 現在登録されている登録国外事業者については、をご覧ください。 5 主な経過措置等 1 リバースチャージ方式に関する経過措置 「事業者向け電気通信利用役務の提供」等の特定課税仕入れを行った国内事業者は、当該特定課税仕入れについて、申告・納税の義務が課されるとともに、当該特定課税仕入れについて、仕入税額控除の対象とすることができますが、一般課税で申告を行う事業者においては、当該課税期間における課税売上割合が95%以上である事業者、当該課税期間について簡易課税制度が適用される事業者については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされます。 したがって、これら事業者は、特定課税仕入れを行ったとしても、その課税期間の消費税の確定申告については、特定課税仕入れについて申告等に含める必要はありません。 2 これら事業者は特定課税仕入れがなかったものとされますので、特定課税仕入れに係る申告納税義務もありません。 また、仕入税額控除のみ行うこともできません。 3 免税事業者は、消費税の確定申告等を行う必要がありませんので、特定課税仕入れを行ったとしても申告等を行う必要はありません。 2 継続的電気通信利用役務の提供を行っていた場合の経過措置 国外事業者が平成27年3月31日までに締結した電気通信利用役務の提供で、平成27年10月1日前から同日以後引き続き行う電気通信利用役務の提供については、改正前の消費税法が適用されます。 また、この経過措置が適用される事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は「特定課税仕入れ」として、リバースチャージ方式による申告・納税を行う必要はありません。 例えば、データ保存等を行うクラウドサービスについて、平成27年3月31日までに、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの1年間の利用契約を締結していた場合などは、改正前の内外判定基準等が適用されます。 なお、契約内容等の変更が行われた場合には、経過措置は適用されません。 3 事業者免税点制度に関する経過措置 平成27年10月1日を含む課税期間 改正前の法律に基づき計算した課税売上高により事業者免税点制度の適用がある課税期間に限ります。 及び、同日の翌日以後に開始する課税期間における基準期間又は特定期間の課税売上高の計算に当たっては、既に当該改正による内外判定基準の見直しが行われていたものとして計算することとされています。 例えば、平成27年10月1日前に国外事業者が国外から国内の消費者に販売した電子書籍の売上等は国外取引として不課税でしたが、基準期間にこのような取引が含まれている場合には、新しい内外判定基準を適用して基準期間の課税売上高を計算することとなります。 すなわち、このような売上を課税売上高に含めて1,000万円を超えるかどうかの計算を行うこととなります。 電気通信利用役務の提供を行っていた事業者であって、基準期間又は特定期間の初日が平成27年9月30日以前である場合で、例えば、日本の居住者に対する販売金額を区分していなかったなど、その基準期間等における課税売上高を計算することにつき困難な事情がある場合には、平成27年4月1日から同年6月30日までの期間における課税売上高に、4を乗じた金額を基準期間における課税売上高とし、2を乗じた金額を特定期間における課税売上高とすることができることとされています。 「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係」の詳細については、特設ページ「」をご参照ください。
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電気通信利用役務の提供の整理 平成27年度税制改正では、電気通信利用役務の提供について 次の二つに区分して申告・納税の仕組みを整理しました。 このうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」については リバースチャージ方式が導入されることになりました。 <通常の役務の提供> <事業者向け電気通信利用役務の提供> 「事業者向け電気通信利用役務の提供」について 意義 事業者向け電気通信利用役務の提供とは、国外事業者が行う 電気通信利用役務の提供のうち、役務の性質又は当該役務の 提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が 通常事業者に限られるものが該当することとされています。 該当するかどうかの判断 取引条件等から事業者向け電気通信利用役務の提供に該当するものは、 取引に関与している当事者間で契約書等により事業者向け電気通信利用 役務の提供に該当しているかどうか明確になることから、これら契約書 や契約過程の連絡文書等により確認することとなります。 役務提供者に課される義務 国内において事業者向け電気通信利用役務の提供を行う国外事業者は、 当該役務の提供に際し、あらかじめ、当該役務の提供に係る特定課税 仕入れを行う事業者が消費税を納める義務がある旨を表示しなければ なりません。 表示方法としては、インターネット等において提供内容等を 紹介している場合には価格表示されている場所等に、 カタログ等を発行している場合にはそのカタログなどの その相手方が容易に認識できる場所に、「日本の消費税は役務の 提供を受けた貴社が納税することとなります」や「日本の消費税の リバースチャージ方式の対象取引です」という表示をすることとなります。 <例> ただし、国外事業者がその取引について特定課税仕入れとして 消費税を納める義務がある旨の表示を行っていないとしても、 当該表示の有無は仕入れた業者における納税義務の成立に 影響を及ぼすものではありません。 つまり、表示がないことを理由に仕入れた業者側が納税義務の 存在を否定することはできないことになっています。 また、この場合には、当然のことながら、その仕入税額控除についても 控除することはできないこととなります。 ただし、当課税期間の課税売上高が5億円超となった場合における 仕入税額控除は個別対応方式又は一括比例配分方式により 計算することとなりますが、課税売上割合が95%以上の場合には、 リバースチャージ方式の適用がないことに留意しなければなりません。 その他の用語の意義 特定資産の譲渡等 特定資産の譲渡等とは、事業者向け電気通信利用役務の提供及び 特定役務の提供のことをいいます。 特定役務の提供 資産の譲渡等のうち、国外事業者が行う映画もしくは演劇の俳優、 音楽家その他の芸能人又は職業運動家(プロスポーツ選手)の 役務の提供を主たる内容とする事業として行う役務の提供のうち、 国外事業者方の事業者に対して行う役務の提供をいいます。 「特定仕入れ」の意義 特定仕入れとは、事業として他の者から受けた特定資産の 譲渡等のことをいい、事業者向け電気通信利用役務の提供 及び特定役務の提供を受けた(仕入れた)場合における 仕入れのことをいいます。 「特定課税仕入れ」の意義 特定課税仕入れとは、課税仕入れのうち国内において行った 特定仕入れに該当するものをいいます。 リバースチャージ方式により特定課税仕入れを行った事業者に 消費税の納税義務が課されることとなります。 消費者向け電気通信利用役務の提供については、 特定課税仕入れに該当しません。 最後に 用語解説等にかなり分量を割いてしまいました。 経理処理などはまた次回にお伝えします。 <関連記事> ============================== 【編集後記】 健康診断の結果が送られてきました。 それほど悪くはないものの、いくつかの 数値によくない流れが生じています。 2016年は生活改善を意識する必要がありそうです。 【昨日の一日一新】 神戸TAC姫路会 ==============================.
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国境を越えた役務の提供に係る消費税の見直し 電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」とし、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準(内外判定基準)が、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から「役務の提供を受ける者の住所等」 1に改正されました。 この改正により、国内に住所等を有する者に提供する電子通信利用役務の提供については、国内・国外いずれから提供を行っても、国内取引として取り扱われるものとされました。 平成27年10月1日以後行う課税資産の譲渡等及び課税仕入れから適用されています。 リバースチャージ方式の導入 消費税法においては、課税資産の譲渡等を行った事業者が、当該課税資産の譲渡等に係る申告・納税を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、国外事業者から当該役務の提供を受けた国内事業者が申告・納税を行う仕組みが新たに採用されました。 「リバースチャージ方式」といいます。 すなわち、事業者が平成27年10月1日以後に国内において行った課税仕入れのうち、国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、その役務の提供を受けた国内事業者が、その「事業者向け電気通信利用役務の提供」に係る支払対価の額を課税標準として、消費税及び地方消費税の申告・納税を行います(消法5条1項、28条2項、45条1項1号)。 また、「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合も、他の課税仕入れと同様に、役務の提供を受けた事業者において仕入税額控除の対象となります(消法30条1項)。 なお、輸入者が行う輸入貨物に係る消費税については、輸入者が課税貨物に係る消費税額等を輸入時に納税するとともに、輸入時に納税した消費税額について、確定申告の際に仕入税額控除を行います。 リバースチャージ方式は、この輸入時の納税を確定申告の際に行っているのと実質同じです。 その取引によって課される消費税が、納税と控除の両面で出てくることになります。 リバースチャージ方式に係る会計処理 課税売上割合が95%以上であれば特定課税仕入れ 2はないものとして取り扱われますから、課税売上割合が95%以上となる大部分の事業者において、特段特定課税仕入れに係る消費税等を仕訳において認識しないと一見思われます。 3 課税取引、非課税取引および不課税取引について、一定のコードを入力し、それに応じた計算がされています。 特定課税仕入れについても、コードを追加して入力することで識別することが考えられます。 また、帳簿上「特定」と付記して、後日わかるようにマークすることも考えられます。 「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱い(平成元年3月1日直法2-1(個別通達)」に5の2が新設されました。 「消費税法5条1項に規定する特定課税仕入れの取引については,取引時において消費税等の額に相当する金銭の受払いがないのであるから、その取引の都度行う経理処理において当該特定課税仕入れの取引の対価の額と区分すべき消費税等の額はないことに留意する。 」として、税抜経理を採用している法人であっても基本的には取引仕訳において特定課税仕入れに係る仮払消費税等の計上が行われることはないことが確認されています。 ただし、特定課税仕入れに係る納税義務が生じることを考慮すると、取引の段階で特定課税仕入れに係る消費税等の額を仕訳で表現することも考えられます。 そこで、同通達5-2ただし書きにより、「ただし、法人が当該特定課税仕入れの取引の対価の額に対して消費税等が課せられるものとした場合の消費税等の額に相当する額を、例えば、仮受金及び仮払金等としてそれぞれ計上するなど仮勘定を用いて経理処理することとしても差し支えない。 」とされています。 以下、二つの方法を具体的な仕訳で説明します。 支払時に消費税を認識しない方法(個別通達5-2本文) 国内事業者(課税売上割合90%)がデータベース利用料300,000円を国外事業者に支払ったものとします。
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