鬼怒川では過去にも数年~数十年おきに洪水を経験している。 1723年(享保8年) - 五十里大洪水 1885年(明治18年) - 洪水 1889年(明治22年) - 洪水 1890年(明治23年) - 洪水 1896年(明治29年) - 洪水 1902年(明治35年) - 洪水 1910年(明治43年) - 洪水 1914年(大正3年) - 洪水 1935年(昭和10年)9月 - 台風に伴う温暖前線の活発化による豪雨で洪水 1938年(昭和13年)9月 - 台風による豪雨で洪水 1947年(昭和22年)9月 - カスリーン台風による豪雨で洪水 1949年(昭和24年)8月 - キティ台風による豪雨で洪水 1982年(昭和57年)9月 - 台風に伴う秋雨前線の活発化による豪雨で洪水 2002年(平成14年)7月 - 台風6号による豪雨で洪水 つまりここ最近の異常気象による洪水ではなく、鬼怒川流域は「線状降水帯」の発生によって大雨が継続して降りやすい地形なのである。 2.100年に一度の大雨に耐える堤防ではなかったのか 洪水を防ぐための計画を作成するとき、被害を発生させずに安全に流すことのできる洪水の大きさ(対策の目標となる洪水の規模)のことを計画規模という。 一般に大雨が発生する確率(確率年)で表現する。 利根川は200年に1回の確率で生ずる大雨を,利根川の支流である鬼怒川は100年に1回の確率の大雨を計画の基準にしている。 ここで、100年に一度ということばを使うと、次に大雨が来るのは100年後というように感じる。 99となる。 99 の20乗となり0. 逆に今後20年間に1度でも降雨がある確率は 1-0. 今回の降水量は鬼怒川流域の今市で24時間雨量541㎜を記録している。 鬼怒川ではこれまでの記録の残っている24時間最大雨量は289㎜であったため、今回の雨量は想定を大きく超えていたことになる。 では300年に1度の洪水にも耐えるようにすればいいのでは、という議論もでるだろうが、税金には限りがあるので、むやみにお金をかけられない。 また、工事のときは、お金だけでなく、土地を買ったり、家を移動してもらわないといけないことがある。 例えば堤防を2mかさ上げしようとすると、堤防の外側に4mの土地が新たに必要になる。 一人の反対があっても、なかなか工事が進まない。 3.堤防が弱かったのか 堤防が決壊する理由は次の4つである。 いわゆる「越水破堤」である。 4.上流のダムが機能しなかったのか 鬼怒川には、川俣ダム、川治ダム、湯西川ダム、五十里ダム、4つの洪水調整を目的としたダムがある。 9月10日から11日にかけて、上流から流入してきた水量を、4ダムが連携して絞って下流に放流する操作をし続けた。 4ダムの放流記録によると、堤防が決壊した9月10日には4大ダムへ合計毎秒約3000トンの水が流れ込んでいるが、下流への放流量の合計は毎秒約1000トン。 つまり1秒に約2000トンの水をダムに貯めて下流の被害の軽減につとめていた。 ちなみにダムの放流量調整は高い技術と豊富な経験が必要だ。 放流量を少なくし過ぎるとダムが満水になりその後の降雨による流入量をそのまま放流せざると得なくなり洪水調整できなくなる。 一方放流量を多くすると下流に大量の水が流れてしまう。 結果として堤防が決壊したのでダムが洪水を防いだとは言えないが、水量の抑制には十分に機能したといえる。 日本列島と北の千島列島、そして南の南西諸島の長さ約2000㎞の形は、ヒマラヤ山脈と東のインドシナの山脈、そして西のヒンズークシ山脈の長さ約2000㎞の形と相似している。 太平洋と日本海の海水を取り除き、横断図を描くと、日本列島と、ヒマラヤ山脈が相似形であることに気づく。 つまり、太平洋の海底、幅500㎞の日本列島、そして日本海の海底面への続く最大標高差1万m以上の横断図の形は、インドのデカン高原、ガンジス川がつくるヒンドスタン平野、幅500㎞のヒマラヤ山脈、そしてチベット高原へと続く最大標高差8000mの横断図の形と似ている。 このことから、日本列島はヒマラヤ山脈以上のまさに世界一標高差のある急崖であることがわかる。 いわば日本人は、ヒマラヤ山脈の8〜9合目あたりの急崖にへばりついて住んでいるようなもの。 同時に日本の川は、世界の屋根であるヒマラヤから急降下する、まさに滝そのものということになる。 こうした日本のこの急峻な地形のため、降った雨が急速に下流に流れ河川の水位が急激に上がってしまう。 近年は特に林業が衰退しているため、荒れた山地が多く、とりわけ多量の土砂が川に流れ込む。 その土砂は川底にたまるので、年々川底は高くなってしまう。 堤防の標高は変わらないので、水が流れる面積が年々小さくなっているこということだ。 そこで、山地からの土砂が川に流れ込まないように「砂防ダム」を造っている。 通常のダムは水をためるのが目的だが、砂防ダムは水をためず、土砂をためる。 近年では流入土砂が増えているため、場所によっては数年で砂防ダムが埋まってしまうことも多い。 鬼怒川上流域では脆弱な地質と急峻な地形から、豪雨時には山腹崩壊や土石流が頻発している。 このため、過去、たびたび土砂災害が発生してきた。 鬼怒川の川底はかなり上昇し、実際に水が流れる面積が小さくなっていたことが予想される。 しかし洪水対策を行う治水事業費は、平成9年2. 3兆円に対して、平成24年にはその33. 8兆円、平成27年には37. 今回決壊した付近は、国土交通省のシミュレーションでは10年に1度の大雨に対しても危険だと言われ改修計画が立てられていた。 関西で同様の洪水が淀川、大和川で発生すると被害規模10兆円と言われている。 関東でも、標高の低い荒川流域にて大洪水が発生する危険性が指摘されている。 今回の災害を教訓に、洪水の危険性を認識し、早期に対策を実施する必要がある。 現在は、全国の現場指導、コンサルティングを行っています。 本ブログでは、建設業界へのエールとともに、あまり見ることのない建設業界の裏側を皆さんに紹介しましょう。 【近著】.
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注意:観測所が稼働していない場合、すべて「0」もしくは「空白」に表示される場合があります。 あらかじめご了承ください。 鬼怒川水海道水位詳細データ(24時間) 16時 -3. 88m 15時 -3. 87m 14時 -3. 86m 13時 -3. 84m 12時 -3. 84m 11時 -3. 83m 10時 -3. 82m 09時 -3. 81m 08時 -3. 80m 07時 -3. 79m 06時 -3. 78m 05時 -3. 76m 04時 -3. 74m 03時 -3. 72m 02時 -3. 69m 01時 -3. 67m 24時 -3. 65m 23時 -3. 64m 22時 -3. 62m 21時 -3. 60m 20時 -3. 58m 19時 -3. 56m 18時 -3. 53m 17時 -3. 51m 鬼怒川水海道水位観測周辺場所(5か所).
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従って、次の関係式が成り立ちます。 (水面の標高)=(水位標計測値)+(零点高) なお、 「基準面」は、 それまでの観測データの連続性を保つため、 河川改修や洪水などによって河床が下がっても、 基本的には設定変更することはなく、 観測所によっては、普段の水位がマイナスの値となっているところがあるとのことです。 例えば、は、 普段の水位はマイナスになっています(洪水時はプラスになる)。 さて、ここからが本題。 基準面の零点高は、下記リンクによれば、読み取り単位は1mmとなっています。 例えば 鬼怒川水海道水位観測所の情報を見ると 次のとおり 小数点以下3位まで表記されています。 零点高は Y. 0mとなっているのです!!! これって色々な意味でおかしいですよね・・・。 どうして最新の零点高は Y. 914mなのに、 Y. 0mとなっているのか。 91cm 4mmは、どこに消えたのか。 河川改修や洪水などによって河床が下がっても、基本的には設定変更することはないはずなのに、いつ、変更になったのか。 小数点以下3位まで零点高は表示する約束になっているはずなのに、どうして小数点以下1位までしか表記されていないのか。 を見ると、鬼怒川水海道の水位観測所の「水位標のゼロ点高は9. 0m」と表記されているが、を見ると「最新の零点高はY. 914m」とされている。 同じ国土交通省なのに、どうして91cm 4mmもデータに違いが出ているのか。 ちなみに、 小貝川水海道水位観測所の零点高を見ると、 Y. 824mとなっていて、小数点以下3位まで表記されています。 ただ、こちらについても、 を見ると、 最新の零点高は「 Y. 744m」と表記されており、 Y. 更に、を見ると、 「水位標のゼロ点高は 7. 9m」と表記されており、 もう何が何だか、さっぱりわからない状況です。 今回2つの水位観測所のみ注目してみましたが、 国交省は水位観測所の零点高の表記が正しいかどうか、総点検するべきなのではないでしょうか。 平成14年4月22日付けで国土交通省河川局河川環境課長は、 北海道開発局建設部長、 各地方整備局河川部長、 沖縄総合事務局開発建設部長 宛にを出し、 水文観測業務について、より一層の品質確保が図れるよう努められたいとしています。 この通知は今から14年以上も前のものですが、 せっかく水文観測していても、 データの品質に問題があったら意味がありませんので、 再度、総点検すべきなのではないでしょうか・・・。
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