先生からのメッセージ 筋肉を切らない手術法で、人工股関節手術後の生活上の制限は格段に少なくなりました。 ぜひ、日々の生活を楽しんでください。 への取り組みについてお伺いします。 まず、その適応となるのはどのような患者さんなのでしょうか? A. の患者さんへの適応が主になります。 変形性股関節症は、関節面の軟骨がすり減って骨の変形が進む病気ですが、痛みで歩けないなど日常生活や活動に支障のある方が適応となります。 病状の度合いやレントゲン所見などを参考にしながら決めます。 年齢についてはほとんどが高齢の方ですね。 80代の患者さんも多いですよ。 若い層には人工股関節置換術はあまり行われないのですか? A. 変形性股関節症は徐々に症状が進行しますから、若い方が適応になるケースはそう多くありません。 基本的には保存的療法や、自分の骨を残すなどを視野に入れて治療を進めます。 しかし、たとえば40代後半、50代という患者さんでも、患者さんとご相談した上で、人工股関節置換術がベストだろうということになれば、行うことも当然あります。 患者さんが、スポーツなどの活動的な趣味を生きがいにされていて、QOL(生活の質)を維持したいという強い意志をお持ちの場合ですね。 要は、患者さんがどのような生活を望んでおられるかということです。 人工股関節を入れますと痛みは取れますし、可動域も確保され生活にほぼ問題はなくなりますので。 人工股関節置換術は、患者さんへのメリットが大きいといえますね。 もちろん、20年後、30年後の入れ換え手術の可能性はゼロではありませんし、人工物を体に入れて、一生過ごしていただく訳なのですが...。 手術前に、患者さんに人工股関節の現物をお見せしますと、大きくて重たいと驚かれるのですが、手術を受けられましたら、人工物が入っているという違和感はまったくないと、口を揃えておっしゃいます。 「自分の股関節と同じです」とおっしゃっていただけると、我々も嬉しく思います。 デメリットである再置換術への不安を持たずに、違和感なく過ごしていただけるのなら、メリットを最大に享受していただけるのかなと思います。 ところで先生は、の中でもALSという手術法を採用されているそうですが。 MIS(低侵襲)でALS(仰臥位前側方進入術:ぎょうがいぜんそくほうしんにゅうじゅつ)を行っています。 OCM(前側方進入術)という手術法と同じで、股関節の後ろにある筋肉を切らずに、中殿筋(ちゅうでんきん)と大腿筋膜帳筋(だいたいきんまくちょうきん)の間から侵入しますが、OCMが患者さんを横向きにして手術をするのに対し、ALSは仰向けに寝たままで手術を行います。 ALSは仰臥位(ぎょうがい:あおむけの体位)、OCMは側臥位(そくがい:横向きの体位)で手術を行います。 ALSの優れている点は? A. 仰向けで手術をしますので、目と手で骨盤がしっかりと確認できること。 骨盤側には人工股関節のソケットを入れますが、より正確な角度で入れることが可能になります。 また、手術をすることで、脚長差といって、微妙に左右の足の長さが変わることがありますが、ALSでは手術中に両足の長さも確認しやすいので、脚長差を極力なくすということにつながるかと思います。 ALSの場合、入院期間はどれくらいですか? A. 皮膚の切開が小さく、基本的に筋肉を切らないですから回復は早いですよ。 次の日にでも歩行練習を開始し、杖で歩けるようになるのが退院の目安で、早い方でしたら1週間程度でしょうか。 もちろん個人差はありますし、その方のペース、状態でということになります。 手術手技は大きく進化しているのですね。 人工股関節自体の進歩についてはいかがでしょうか? A. 目を見張るものがあると思います。 たとえば小さな切開でも入れやすい、形状を工夫した人工股関節が出てきました。 人工股関節は、ポリエチレンの摺動面(しゅうどうめん:こすれ合う面)が摩耗して、摩耗粉が発生し、これが人工関節と骨との間に入ることでおこる""という問題があります。 この問題を解決するために、放射線を当てたり、添加物を加えたりして、ポリエチレンを改質させて摩耗しにくくなりましたし、摺動面に生体の関節を模倣した水の膜のような構造体を作って摩耗を低減する、という技術も開発されました。 他にも人工関節のあらゆる部分の素材の進化、形状の進化がありますから、現在は20年の長期成績が出ていますけれども、これから10年先の成績はさらに耐用年数が延びていると確信しています。 なるほど。 大いに期待したいですね、では退院後、日常生活に制限はあるのでしょうか? A. 大きな制限はないと考えてよいでしょう。 合併症で代表的なのは人工股関節ので、それもほとんどが後方への脱臼ですが、前側方からの侵入ですと前はもちろん後ろの筋肉を切りませんし、手術中も患者さん一人ひとりの脱臼しやすい肢位を十分に確認し、人工股関節を設置しますので、そのリスクはずいぶん低減します。 これまでに私が手術をした最高齢は91歳で、本当に高齢者の患者さんの割合が高いのですが、みなさん痛みもなく、元気に日常生活を送っておられます。 人工股関節置換術とは、元気な日常生活を取り戻すための手術なのです。 ありがとうございました。 最後に、一生、人工股関節で過ごしていかれる患者さんへ、先生からアドバイスをお願いします。 年齢に関係なく、ぜひ生活を楽しんでいただきたいです。 歩いたり、階段の昇り降りをしたり、日常的な動きはどんどんしていただいて大丈夫ですし、水泳、ゴルフ程度のスポーツなら十分にしていただけます。 但し、体のぶつかり合うコンタクトスポーツやジャンプ、ジョギング、マラソンといった、股関節に刺激を与え続けるようなスポーツ活動や不自然な姿勢は避けてください。 また、体内での感染を避けるために、虫歯など細菌性の病気は早めに治療してください。 さらに、股関節に負担がかかるという意味では、肥満にも気をつけられたほうがいいでしょう。 そして半年に1度、1年に1度は、違和感がなくても検診に来ていただきたいですね。 何かあったとき早期発見すれば治療の選択肢も広がります。 しかしながらあまり神経質にならず、人工股関節を大事にするという心構えを大切にしながら、ぜひ前向きな日々を送ってください。 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。 股関節• 膝関節• 肩関節• 肘関節• 足関節• 手の外科•
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先生からのメッセージ 筋肉を切らない手術法で、人工股関節手術後の生活上の制限は格段に少なくなりました。 ぜひ、日々の生活を楽しんでください。 への取り組みについてお伺いします。 まず、その適応となるのはどのような患者さんなのでしょうか? A. の患者さんへの適応が主になります。 変形性股関節症は、関節面の軟骨がすり減って骨の変形が進む病気ですが、痛みで歩けないなど日常生活や活動に支障のある方が適応となります。 病状の度合いやレントゲン所見などを参考にしながら決めます。 年齢についてはほとんどが高齢の方ですね。 80代の患者さんも多いですよ。 若い層には人工股関節置換術はあまり行われないのですか? A. 変形性股関節症は徐々に症状が進行しますから、若い方が適応になるケースはそう多くありません。 基本的には保存的療法や、自分の骨を残すなどを視野に入れて治療を進めます。 しかし、たとえば40代後半、50代という患者さんでも、患者さんとご相談した上で、人工股関節置換術がベストだろうということになれば、行うことも当然あります。 患者さんが、スポーツなどの活動的な趣味を生きがいにされていて、QOL(生活の質)を維持したいという強い意志をお持ちの場合ですね。 要は、患者さんがどのような生活を望んでおられるかということです。 人工股関節を入れますと痛みは取れますし、可動域も確保され生活にほぼ問題はなくなりますので。 人工股関節置換術は、患者さんへのメリットが大きいといえますね。 もちろん、20年後、30年後の入れ換え手術の可能性はゼロではありませんし、人工物を体に入れて、一生過ごしていただく訳なのですが...。 手術前に、患者さんに人工股関節の現物をお見せしますと、大きくて重たいと驚かれるのですが、手術を受けられましたら、人工物が入っているという違和感はまったくないと、口を揃えておっしゃいます。 「自分の股関節と同じです」とおっしゃっていただけると、我々も嬉しく思います。 デメリットである再置換術への不安を持たずに、違和感なく過ごしていただけるのなら、メリットを最大に享受していただけるのかなと思います。 ところで先生は、の中でもALSという手術法を採用されているそうですが。 MIS(低侵襲)でALS(仰臥位前側方進入術:ぎょうがいぜんそくほうしんにゅうじゅつ)を行っています。 OCM(前側方進入術)という手術法と同じで、股関節の後ろにある筋肉を切らずに、中殿筋(ちゅうでんきん)と大腿筋膜帳筋(だいたいきんまくちょうきん)の間から侵入しますが、OCMが患者さんを横向きにして手術をするのに対し、ALSは仰向けに寝たままで手術を行います。 ALSは仰臥位(ぎょうがい:あおむけの体位)、OCMは側臥位(そくがい:横向きの体位)で手術を行います。 ALSの優れている点は? A. 仰向けで手術をしますので、目と手で骨盤がしっかりと確認できること。 骨盤側には人工股関節のソケットを入れますが、より正確な角度で入れることが可能になります。 また、手術をすることで、脚長差といって、微妙に左右の足の長さが変わることがありますが、ALSでは手術中に両足の長さも確認しやすいので、脚長差を極力なくすということにつながるかと思います。 ALSの場合、入院期間はどれくらいですか? A. 皮膚の切開が小さく、基本的に筋肉を切らないですから回復は早いですよ。 次の日にでも歩行練習を開始し、杖で歩けるようになるのが退院の目安で、早い方でしたら1週間程度でしょうか。 もちろん個人差はありますし、その方のペース、状態でということになります。 手術手技は大きく進化しているのですね。 人工股関節自体の進歩についてはいかがでしょうか? A. 目を見張るものがあると思います。 たとえば小さな切開でも入れやすい、形状を工夫した人工股関節が出てきました。 人工股関節は、ポリエチレンの摺動面(しゅうどうめん:こすれ合う面)が摩耗して、摩耗粉が発生し、これが人工関節と骨との間に入ることでおこる""という問題があります。 この問題を解決するために、放射線を当てたり、添加物を加えたりして、ポリエチレンを改質させて摩耗しにくくなりましたし、摺動面に生体の関節を模倣した水の膜のような構造体を作って摩耗を低減する、という技術も開発されました。 他にも人工関節のあらゆる部分の素材の進化、形状の進化がありますから、現在は20年の長期成績が出ていますけれども、これから10年先の成績はさらに耐用年数が延びていると確信しています。 なるほど。 大いに期待したいですね、では退院後、日常生活に制限はあるのでしょうか? A. 大きな制限はないと考えてよいでしょう。 合併症で代表的なのは人工股関節ので、それもほとんどが後方への脱臼ですが、前側方からの侵入ですと前はもちろん後ろの筋肉を切りませんし、手術中も患者さん一人ひとりの脱臼しやすい肢位を十分に確認し、人工股関節を設置しますので、そのリスクはずいぶん低減します。 これまでに私が手術をした最高齢は91歳で、本当に高齢者の患者さんの割合が高いのですが、みなさん痛みもなく、元気に日常生活を送っておられます。 人工股関節置換術とは、元気な日常生活を取り戻すための手術なのです。 ありがとうございました。 最後に、一生、人工股関節で過ごしていかれる患者さんへ、先生からアドバイスをお願いします。 年齢に関係なく、ぜひ生活を楽しんでいただきたいです。 歩いたり、階段の昇り降りをしたり、日常的な動きはどんどんしていただいて大丈夫ですし、水泳、ゴルフ程度のスポーツなら十分にしていただけます。 但し、体のぶつかり合うコンタクトスポーツやジャンプ、ジョギング、マラソンといった、股関節に刺激を与え続けるようなスポーツ活動や不自然な姿勢は避けてください。 また、体内での感染を避けるために、虫歯など細菌性の病気は早めに治療してください。 さらに、股関節に負担がかかるという意味では、肥満にも気をつけられたほうがいいでしょう。 そして半年に1度、1年に1度は、違和感がなくても検診に来ていただきたいですね。 何かあったとき早期発見すれば治療の選択肢も広がります。 しかしながらあまり神経質にならず、人工股関節を大事にするという心構えを大切にしながら、ぜひ前向きな日々を送ってください。 最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。 股関節• 膝関節• 肩関節• 肘関節• 足関節• 手の外科•
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手術室入室前に点滴経路を確保します。 入室後、まずは手術中の状態を監視するためのモニターを装着し、安全確認ののち麻酔をかけ始めます。 手術時間は、甲状腺片葉切除で約1.5時間、甲状腺全摘術で約2時間です。 リンパ節廓清は、小さい範囲では片側あたり約15分、大きな範囲では約45分になります。 手術時間は患者様の状態によって大きく変わりますので、あくまで目安とお考えください。 手術後には、頸部の創があり、その外側にドレーン(浸出液などを排出するための直径3. 5mmの管で、持ち運べるポータブル吸引器につながっています)が入った状態になります。 意識がもどるのは手術が終わってからです。 通常、手術当日の夜は、術後回復室に入室していただき、翌朝まで経過観察が必要です。 翌朝からは元の病室に戻っていただいて、食事も可能となります。 抜糸は手術の翌々日です。 抜糸は腹部の手術と比べると早いのですが、皮膚のすぐ下の層でも縫合してあるので、首を動かしても創が開くことはありません。 ドレーンの抜去は、排出量にもよりますが抜糸と同時かその翌日くらいが標準的です。 術後5日〜1週間程度で退院となり、退院の1か月後に外来に来ていただき、手術の最終的な結果(病理診断検査の結果)を説明いたします。 仕事は、重労働でなければ退院後1週間程度での復帰が一般的です。 手術創について 甲状腺の手術を行う時には、たいていの場合、襟状切開(頸部の皮膚を横に切開)を行います。 手術創の大きさは、手術の種類によります。 手術創が術後どのくらいきれいに治るかは、患者様の体質によるところも大きいようです。 当院ではできるだけ目立たない手術創になるように手術創のテープ固定などを患者様に指導し、2〜3か月間創部の固定をお勧めしています。
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