結界師 土地神。 結界師強さランキングTOP20【最新決定版】史上最強の結界師を発表!

結界師とは (ケッカイシとは) [単語記事]

結界師 土地神

間流結界師関係者 墨村家 正統継承者は 右手の平に方印が出る。 として代々「守」が受け継がれている。 (すみむら よしもり) 声 - ・幼少時代: 本作の。 墨村家22代目(予定)。 現在私立烏森学園中等部3年。 14歳〔正統継承者〕。 趣味は作り、好物は。 いつも学校では給食以外居眠りしていた。 考えるより前に行動してしまうなど、無茶な行動が目立ち、感情的に行動していることから精神的には非常に幼い。 奥久尼曰く、「おそろしく純粋」。 自分の周りの者が傷つくのを極度に嫌う。 歴代正統後継者の中でも、飛びぬけて強く烏森の影響を受け、 烏森に愛されていると比喩される。 才能にも恵まれており、扇七郎曰く、数段飛ばして成長するタイプ。 しかし、当の本人は自覚がなく、不用意な発言により兄弟や閃を傷付けることもある。 術者としては時音とは対照的でパワータイプでテクニックは低いが、それを補って余りある力を持っている。 墨村 繁守(すみむら しげもり) 声 - 良守の祖父。 墨村家21代目当主。 68歳〔正統継承者〕。 雪村時子にこそ劣るものの、強力な術者。 好物は。 座右の銘は「」。 現在、時子との仲は悪いが、若い頃は時子と共に烏森を守っていたこともあり、良守が目指す道を既に通ってきた様子がうかがえる。 また、時子のことを本当に嫌っている訳ではなく、一人で抱え込むタイプの時子を気遣ったり、もしものときは共闘する姿勢を見せている。 旧友である松戸は繁守に「かなわぬ恋ほど美しいものはないのさ。 そして男は未練がましい生き物だ。 それは君の方がよくわかってるんじゃないのかい?」と述べており、これに対し繁守も特に否定していない(ただしこのやりとりが時子に関するものか否かは明らかでない)。 頑固で口やかましい性格。 正統継承者の自覚が無い良守に手を焼いているが、墨村・雪村の垣根を越え次の世代のことを考える事や、正統継承者ではない守美子、正守の動向に気を揉むなど家系や使命を超えた気遣いが多いなど、言動とは裏腹に老練の域に達している管理者タイプ。 良守の無想の修行が最終段階に入った時、縞野から良守は繁守の手の届かなかった領域に達するという説明から繁守は極限無想を習得していない可能性が高い。 が趣味で度々作中でその腕を見せており、作者によれば墨村家の収入の一つとなっているらしい。 墨村 正守(すみむら まさもり) 声 - 21歳。 良守の兄。 詳細はを参照。 墨村 利守(すみむら としもり) 声 - 良守の弟。 三影小学校3年1組(後に4年生)。 図書委員を務めており、は「トショ」。 が苦手。 真面目なしっかり者。 有能な兄たちに少々を覚えているが、修行はしている模様。 墨村 守美子(すみむら すみこ) 声 - 良守の母、繁守の娘。 作中トップクラスの異能者。 繁守曰く「娘」。 非常に肝が据わっており、人間らしい情緒が備わっていない。 結界師としての能力は極めて高く、土地神クラスの龍を手玉に取るほど。 開祖である間時守に「次元の違う術者」、無想を使った良守に「足元にも及ばない」と言わしめている。 全国各地を放浪しているが、素性に謎が多い。 宙心丸には今ひとつ気に入られず、正当継承者にはなれなかった。 しかし、時守の出会いにより烏森の封印計画が大きく動き出すこととなった。 作者によれば彼女は時々墨村家の口座にかなりの額のお金を振り込むことがあるらしく、実は墨村家の家計を支えている。 真白湖に行ったことがあるようで、そのため裏会の調査室からは神佑地狩りの疑いをかけられている。 またその理由の一つとして、かつて暴れている土地神を抑えるという仕事で神殺しを行ったことがあり(土地神には世継ぎがおり、土地神の世代交代の一環だったとも言える)、その後放浪するようになったらしい。 烏森を覇久魔で完全に封印するため、墨村家に、自身の7割程度の記憶・能力を有する自分そっくりの式神を送った。 その後覇久魔の地で発動された良守の真界の中に残り、中から真界を完全に閉じて宙心丸を封印した。 結果自身は真界から二度と外に出られなくなった為、最後に式神を残して夫への感謝の言葉を伝えた。 また、料理や裁縫は不得意。 墨村 修史(すみむら しゅうじ) 声 - 良守の父。 墨村家に婿入りしただが、その傍ら売れないをしている。 穏やかで世話好きな性格だが、起こると非常に怖い。 フリル付きのエプロンを愛用している。 舅の繁守からは「修史さん」と呼ばれ、家事全般を請け負っている。 松戸平介の元助手。 こそ皆無であるが、魔除けの作成・使用が可能。 斑尾(まだらお) 声 - 約500歳の墨村家付きの妖犬。 生前の名は「 銀露(ぎんろ)」。 嗅覚で妖の位置を探る。 である(作者によれば妖犬なのでどっちでもいいとのこと)。 気分屋だが、面倒見は良い。 普段は普通の妖犬だが、本体は墨村家の家にある石にあり、紫色の数珠の首輪を外すことで本来の姿を取り戻す。 本来の姿は巨大な姿の妖犬で尾に強力な毒を持つ妖毒使い。 の生肉が好物。 生きていた頃は と2匹で山に棲んでいたが、山を人間に荒らされ餓死。 その後、成仏できずに相棒の鋼夜とともにその山を彷徨っていたが、間時守と出会いし、墨村家に仕えるようになった。 縞野(しまの) 無想部屋の番人。 縞々模様の普通の大きさの猫の姿だが尾は二つに分かれていて(要するに)、木札の鍵をつけた首輪をしている。 一人称は「」。 本来の役割は下地ができた段階でその者が極限無想へ至る資質があるか見定めることで無想にも入れていない状態で現れることはないが、良守の場合は烏森が覚醒しかかっているこの時期に呼応してかなり早い段階から現れた。 かつて、間時守の能力によって従わされた妖で、その時は人の数倍もの大きさだった。 電撃針(でんげきはり) 二本の尾の先の毛を尖らせて、相手のこめかみに刺して、電撃を見舞う。 無想部屋で修行している墨村の者には、精神の治療として用いる。 雪村家 正統継承者は 左胸に方印が出る。 通字として代々「時」が受け継がれている。 雪村 時音(ゆきむら ときね) 声 - 本作の。 雪村家22代目(予定)。 現在烏森学園高等部2年。 16歳〔正統継承者〕。 髪はかなり長く、一箇所にまとめて結っている。 ゴキブリが大の苦手であるが、他の昆虫は割と平気である。 幼い頃から、結界師の仕事に誇りを持っている。 11歳のときに良守を庇って右腕に傷を負い、その時の傷が残っている。 術のパワーや持久力では良守に及ばないものの、精度、技術は非常に高く、一度に複数の結界を形成し、滅却することができる。 時子曰く、力の操作が上手い。 しかし、パワー、持久力が少なく、回数、個数に限界があるため、多重結界は「あなた向きの術ではない」と言われている。 また、他人が作り出した空間を読み取ってすり抜けたり、術者の痕跡を探ることができる。 また、閃が心を読むとき、それを感知できる。 年長ということもあって、後先考えずに行動しがちな良守の手綱役を務めており、ビンタや念糸での拘束など実力行使に及ぶことも辞さない。 普段は冷静で状況判断能力に長けているが、1人の時は良守にひけをとらないくらい無茶な行動をとる。 また、非常に気が強く勝気で、怒らせた相手には容赦がない。 その怒ったときの理不尽なまでの暴力から、良守にはしばしば「鬼」だと恐れられている。 良守への認識は「弟のようなもの」と言っているが、自分でもよく分からないらしい。 箱使いが烏森に現れた際には、単独で空間のすり抜けを会得した。 緋田郷の主が烏森に出現した際良守と閃が窮地に陥り、やむを得ず土地神殺しの禁を犯してしまう。 その咎めを受け夕上や夜城によって断頭島に連れて行かれてしまうが、夕上と良守の協力もあり、断頭島から脱出することが出来た。 夕上に諭され、少しずつではあるが良守を頼りにするようにしている。 烏森の覚醒に備え、波同の修行を始めている。 その後波同の修行を完成させ、夕上の協力を得て覇久魔の異界に潜入。 波同最終奥義、空身を使用しつつまほら様に説得を試み、失敗して溶かされてしまうが、"眺める者"によって再生した。 全てが終わった後、数学教師になる夢を良守に語った(彼の「城を建てたい」夢に協力したい思いもあるらしい)。 雪村 時子(ゆきむら ときこ) 声 - 時音の祖母。 雪村家21代目当主。 70歳〔正統継承者〕。 兄がいる(正統継承者ではない模様)。 力・技術を兼ね備えた強力な術者(正守の調べでは「繁守よりも烏森の影響を強く受けている」とのこと)。 若い頃は理性を失うと、無意識に空間のひずみを形成し、その中に自ら落ちて行方を晦ましている時もあった(閃曰く「暴走キャラ」)。 責任感が強く、何事も独りで背負い込んでしまう傾向があり、性格的には良守に近い。 当主としては実務者タイプ。 時音同様、ゴキブリが大の苦手。 以前より墨村家を好んでいないものの、窮地の際はアドバイスを送ることもある。 雪村 静江(ゆきむら しずえ) 声 - 時音の母。 ごく普通の。 が特徴。 一般人らしく修史同様、霊感はない模様。 温厚な性格で、墨村家とも親しく接している。 ゴキブリ退治が得意。 雪村 時雄(ゆきむら ときお) 声 - 時音の父、時子の息子。 正統継承者ではなく、実力もあまり高くなかった模様。 お人好しで穏やかな性格。 時音が幼い頃、烏森守護の任務中に受けた傷により重傷を負い、守美子に家まで運ばれるもすぐに亡くなった。 時音に「奴らに隙を見せるな」と言い遺す(この「奴ら」が何を指しているのかは不明)。 なお、作者の田辺は知人に「何故この父親があの母親と結婚したのか」とツッコまれたらしい。 白尾(はくび) 声 - 約400歳の雪村家付きの妖犬。 嗅覚で妖の位置を探る。 生前は間時守に飼われていた。 「二匹でこの地を守れ」という主人の言葉を今も守る忠犬。 女好き。 自慢の鼻を争う、斑尾とは仲が悪い。 あだ名を付けるのが好き。 時音のことを「 ハニー」と呼ぶ。 首輪は緑色の数珠。 なお、斑尾が真の姿を現した際に、時音に「あんたも 数珠を外したら あんなのになるの!? 」と問われた際には、「さあな」と答えている。 三毛野(みけの) 波同部屋の番人。 姿は雌猫で、尻尾は一本だがとても長い。 時音を「真の抜け師」にするべく修行をさせる。 なお彼女によれば最強ランクの結界師は抜け師らしい。 その他 間 時守 (はざま ときもり) 声 - 本作の。 間流結界術の開祖にして、400年以上前に実在した凄腕術者。 幼少期、持って生まれた高い異能により周囲から孤立。 やがて力を高めるにつれて暗がりに身を落としていったが、月影との出会いにより踏みとどまれた。 しかし、月影が身篭ったことで二人の仲が引き裂かれ、復讐として生まれてくる我が子に秘術・禁術を施すが、月影の死を通して自分の愚かさに気付かされ、宙心丸が安らかに眠れる場所を探すことになる。 そして、烏森の地に宙心丸を封印するが 、不完全だったため急ごしらえで墨村・雪村を見張りにつけ、長きにわたる両家の確執を生むことになった。 逢海兄弟ともそれぞれの性格を熟知しているほど面識があり、彼らの裏会創設にも手を貸している。 すでに亡くなったかと思われていたが、宙心丸の守りをする墨村良守、守美子(の式神)の前に姿を現わした。 白髪の中年男性といった容姿であるが、すでに肉体を失っている(七郎曰く「霊体といより、意識体のような状態」)。 そのため自在に服装を変えたり、何の術も使わず空に浮かんだり出来る。 実際にはすでに小さな結界すら作れないほどに力が衰えており、宙心丸への未練だけでこの世に残っている。 良守に「真界」を完成させて新たな異界を作らせ、良守の存在と引き換えに実の息子・宙心丸を完全封印させるために、良守の修行を行う。 覇久魔の地で宙心丸が真界に封印された後、良守によって「宙心丸のそばにいてやれ」という言葉と共に真界内でのみの実体と僅かな力を与えられた。 九門(くもん) 蜥蜴のような顔・ライオンのような長いたてがみ・猿のような体の妖。 本来の姿の状態では、空間に自在に扉(名前の通り、最大9つ出現可能)を出現させてそれらを繋げることで空間移動が出来る(しぐまには「」と形容された)。 真の姿は常人の数倍の体躯だが、斑尾や白尾と同様に首輪をつけることで人形のようなサイズとなる(この状態で上記の能力が使えるのかは不明)。 黒曜(こくよう) 黒い龍。 かなり位の高い妖である。 月のない夜が好きらしい。 宙心丸(ちゅうしんまる) 本作の。 時守に封印された魂蔵持ちの少年。 烏森家の姫・月影と時守との間に生まれたが、自分を認めない世界への復讐とこの世の全てを生まれてくる子供に捧げようとした時守の手によって神祐地の力を利用した秘術 もしくは禁術 を施され、この世の全てをひっくり返すほど莫大な土地の力を得た上で誕生した。 四百年以上生きているが、肉体を持たず時の停止した異界に封印されているため、小さな子供の容姿を保っている。 善悪の区別のない無邪気な性格で、退屈を何よりも嫌う。 そのため墨村、雪村の者のうち、資質のある者を「共鳴者」=正当継承者として選定、さらにそのうち自身がより「面白そう」とみなした者(例.時子、良守)に好んで力を分け与え、より強い結界師として仕立て上げている。 彼らの中でも良守を飛びぬけて気に入っており、最大の「共鳴者」として多く力を与えている。 一方で時守については、隠し事が多い事は良く思っていないが、生まれてから傍で自分を見守ってくれた彼を父とは知らないながらも慕っている。 封印される前は、そこに存在するだけで有機物、無機物を問わず、結界などで守る術がなければ何であろうと瞬時にその命を奪い取り、妖には器が耐えきれず消滅させてしまう程の力を注ぎこむ存在であった。 生まれてすぐにその力で烏森家を全滅させ、その後は時守によって自分の力や時守との血のつながりを知らされないまま育てられるも、成長するにつれて自身の力に自覚が芽生えるようになり、心の傷と力の成長がひどくなる事を憂いた時守の手によって、時の停止した異界に閉じ込められた上で烏森に封印された。 時守が宙心丸の完全封印を可能とする結界師として良守を選定したことで、守美子の手引きによって烏森から外に出され、新たにまた時の停止した玉へと暫定的に封印されたことで、斑尾らと同様の状態となって良守らと共同生活を送る。 その後まほら様に譲られた覇久魔の地に作られた良守の真界に完全封印された。 真界内には城・城下町・家臣等様々なものを作ってもらい、真界から去っていく良守に満足の言葉を送った。 月影(つきかげ) 実在した烏森家の姫。 体が弱く外に出られなかったため、好奇心から現れた妖に大量の妖を呼ぶよう頼んでしまっており、そのことから時守が烏森家に雇われた。 人の感情を映像化した形で見ることができ、時守が闇に心を落としかけていながらそこから抜け出たいと思っていることを見抜いた。 やがて時守と惹かれ合い彼との間に宙心丸を身ごもるが、激怒した父に2人は引き離され、彼女は宙心丸の出産後、全生命を奪われ死亡した。 裏会 を参照。

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結界師の登場人物一覧(5)「土地神・妖」

結界師 土地神

またもや『結界師』で良時です。 ありがとうございます。 勿論、それを決断し実行したのは彼自身だ。 それでも、背負うべき罪はこちらにある。 どんな理由があれど、土地神殺しは大罪だ。 [chapter:ねがいを叶えて] あと半月もすれば今年も終わりを迎える。 そんな頃、良守は眉間に皺を寄せながらカレンダーを睨みつけていた。 「ああ、くっそう! なんかいい方法ねぇーかなぁー!?」 ガシガシと乱暴に頭を掻きむしる彼の視線は、ある日付に固定されていた。 例に漏れることなく、彼も想い人である時音と一緒に過ごしたいという願望があった。 だが、自分と彼女は当たり前のようにその日を過ごせるような間柄ではない。 良守は幼い頃からお隣さんである時音に特別な感情を抱いていたが、対して彼女の方はこれっぽっちも彼を意識していないのだ。 せいぜいが手の掛かる弟ぐらいの認識だろう。 泣き虫で甘ったれだった子供時代の自分は、いつも彼女に手を引いてもらっていた。 それを思えば、仕方がないのかもしれない。 けれど、良守だっていつまでも子供のままではないのだ。 ただの幼なじみではなくて。 今とは違った関係性を彼女と築きたいと思ってしまう。 「はぁー……、やっぱ当たって砕けるしかねーか? ……いや、砕けちゃダメだろ」 自分で自分に突っ込みを入れながら、良守は深いため息をついた。 烏森を封印して以来、墨村と雪村の溝も少しずつ埋まっていき、両家の関係もだいぶ改善されてきた。 時々ではあるが、互いの家を行き来するようになったし、双方の家族との折り合いも決して悪くはない、と思う。 朝夕の登下校だって、彼女に出会えれば一緒に並んで歩くこともある。 ひと昔前ならば、到底考えられないような恵まれた状況だ。 全力で逃げられていた頃を思えばかなりの進歩ではあるが、でも、もっともっと彼女との距離を縮めたい。 烏森での夜の勤めも無くなり、校舎が倒壊したことによって通う学校も違うため、良守が時音に会える機会は格段に減ってしまったのだから。 「……こうなったら真正面から行くしかねーな……っ!」 良守は強い決意を胸に秘め、グッと拳を握りしめた。 [newpage] 授業を終えた時音は、友人のまどかと他愛のない話をしながら正門へと向かっていた。 「……ねぇ、時音。 あれ、良守君じゃない?」 「え?」 まどかの言葉に視線を向けると、校門の門扉にもたれかかる良守の姿があった。 何か悩み事でもあるのか、彼にしては珍しく難しい顔をしている。 「……良守?」 時音が怪訝そうに声を掛けると、彼女に気付いた良守が弾かれたように顔を上げた。 「あ、時音! ……あ、あのさ? ちょっと、話があるんだけど……」 ひどく落ち着かない様子でソワソワする良守に、時音は首を傾げている。 しかし、隣にいたまどかは何かを察したようで、面白そうに口元を緩めた。 「ふふ。 時音、あたし先に帰るね?」 「えっ? ちょっと、まどかっ!?」 二の句を継がせない勢いで、満面の笑みを湛えたまどかが走り去っていく。 その後ろ姿を呆然と見送った時音が、ため息をついて良守へと振り返った。 このまま校門の前で騒いでいたら、変に悪目立ちをしてしまう。 「……話は歩きながらでいいでしょ? 行くよ」 それだけ言うと時音はスタスタと歩き出した。 良守は置いていかれないように大慌てで追いつくと、そのまま彼女の隣に並んだ。 黙々と歩きながら、時音は隣に並ぶ良守を窺い見る。 しばらくは彼が話し出すのを待っていたが、どうにもそんな気配はなさそうだ。 このままでは埒が明かない。 しびれを切らした時音は自分から口を開くことにした。 「で、話ってなに?」 先程と同じ台詞だが、どこか険が含まれいるのは時音が苛立っているからだろう。 元来、彼女は気が長い方ではないのだ。 「え、えーとさ……。 「いや、せっかくだからっ! ……その、お前が好きなの作るし、だからっ! クリスマスにさ、一緒にケーキ食わねっ?!」 勢いに任せて言い切った良守は、顔を真っ赤にさせながら時音を見つめている。 呆気にとられていた彼女は、我に返ると冷静に言葉を返した。 「……あたし、その日は仕事だよ? 結界師の」 「へ? で、でも、俺んとこはなにも聞いてないぞ……?」 「そりゃそうでしょ。 幸いにも彼女は土地神に気に入られているようで、異界の調整も順調に進んでいる。 「んだよー……七郎のとこかよ。 なら俺も行く」 「ダメ。 あんたがいると気が散るから。 それに……あんた、まほら様に嫌われてるっぽいし」 「んなー!!? な、なんでだよっ?! 俺が一体なにをしたって言うんだよ……?」 時音の言葉にかなりの衝撃を受けたようで、良守はガックリと肩を落とした。 確かに、力を持った土地神から訳も分からず嫌われるのは気分の良いことではないだろう。 可哀想なまでに打ちひしがれる良守の姿に、時音はそっと苦笑した。 「ケーキ。 あんたが作ってくれるんでしょ? 多分、夕方前には帰れると思うからさ……その後ならいいよ?」 絶望的な状況でほぼ諦めていた良守にとって、それは思わぬ返事だった。 先程までの落ち込みようが嘘のように、顔を輝かせている。 その、あまりの豹変っぷりが可笑しくて、時音も釣られるように笑顔を浮かべた。 [newpage] 風使いである扇一族の本家が居を構える嵐座木の地。 「お疲れさま。 ……なんか疲労感漂ってるけど、大丈夫? 雪村さん」 気遣うように言葉を掛けられて、時音はゆっくりと振り向く。 そこには、すっかり顔馴染みとなった、家督を譲られたばかりの若き当主である扇七郎がいた。 「平気よ。 ただ、今日はまほら様のご機嫌が良くなかったみたいで、ずいぶんと時間が掛かっちゃったけど」 「ふーん? 珍しいね、君はまほら様のお気に入りなのに」 きょとんと首を傾げる七郎に、時音は複雑な気持ちで微笑した。 まほら様が快適に過ごせるよう、定期的に異界の微調整をしてきたのだが、今日は何故か上手くいかなくて。 いつもなら、朝から始めて昼過ぎ頃には終わるような作業なのに、気が付けば既に辺りは暗くなっていた。 「まほら様の機嫌を損ねるような真似、した覚えないんだけどなぁ……」 御神木を見上げながら、時音は小さなため息をつく。 「まぁ、神様は気まぐれなものだからね。 そういう日もあるよ」 慰めの言葉を聞きながら、時音が一歩踏み出そうとしたその時、くらりと眩暈に襲われた。 ゆらりと傾く彼女の体を、七郎が咄嗟に受け止める。 「ごめんなさい。 ……ありがとう」 七郎の手を借りて体勢を立て直すと、時音はお礼の言葉を口にした。 異界に手を入れるのはかなり神経を使う。 今日は長丁場だったので、彼女が思った以上に体力を消耗していたようだ。 「いや、これぐらい別にいいけど。 それよりも、少し休んでいったら? もう遅い時間だし、君さえよければ食事ぐらい用意させるよ?」 「いえ、お構いなく。 それに、今日は早く帰りたいから……」 「そう? そんなに急いでるなら、いっそ僕が送ろうか?」 人の良さそうな笑顔を浮かべて、七郎が手を差し伸べる。 その手をじっと見つめて時音は逡巡した。 下手に関わらない方がいいに決まっている。 けれど、約束の時間はとっくに過ぎていた。 こんなに遅くなってしまって、きっと良守は心配しているだろう。 一刻も早く帰りたいという思いが彼女の心を迷わせた。 「時音っ!」 耳に馴染んだ声が、彼女の名を呼んだ。 まさかと思いながら声がした方へ視線を向ける。 七郎のお付きである紫島に連れられた良守が、猛ダッシュで時音へと駆け寄った。 「良守? なんで……?」 「だってお前、全然帰ってこないし。 しかも、連絡だって取れないし。 「仕事は終わったんだろ? 時音は連れて帰るからな」 「こら、良守っ! あんた、なんでそんな言い方するの!? ごめんね、七郎君。 今日はあたしが未熟なせいで迷惑を掛けちゃって」 良守の不躾な態度を諌めつつ、まるで保護者のように時音が謝罪すると、七郎は面白そうに笑った。 「迷惑なんてとんでもない。 それに、雪村さんは優秀な術者だよ。 本気でウチに引き抜きたいぐらいだ」 その言葉に驚いて時音は目を丸くさせた。 しれっと爆弾発言をする七郎に良守が噛みつく。 「んなっ!? てめぇ、ふざけんな!! 時音はやらねーからなっ!!!」 「いや、君には聞いてないし。 彼女が結界師として有能なのは本当のことだろう? 空間支配系能力者の中でも君達の能力は稀なんだ。 是非とも扇家の専属になってもらいたい」 彼特有の軽い口調だが、彼女へと向けられた瞳は真剣だ。 七郎の本気が窺えて、緊迫した空気が流れる。 その眼差しを真摯に受け止めて、時音は静かに話し始めた。 勿論、それを決断し実行したのは彼自身だ。 それでも、背負うべき罪はこちらにある。 どんな理由があれど、土地神殺しは大罪だ。 例えそれが、公にされず罪に問われなかったとしても。 決して赦されることではない。 「……あたしへの高い評価も、過分だとは思うけど、素直に嬉しいです。 出来ることなら、あなたの力になりたいと思っています。 でも、」 「でも?」 「そのお話はお断りさせて頂きます。 隣に並ぶ良守が心配そうに様子を窺う。 そんな彼に向かって、彼女は安心させるように鮮やかな笑顔を見せた。 長年同じ土地を守ってきた墨村と雪村の結界師。 その正統継承者である二人の間には、やはり特別な絆があるようだ。 七郎は諦めに似たため息をついた。 「……紫島。 二人を送ってあげて」 自分の従者に指示を出すと、彼は風を纏って一気に舞い上がった。 上空から地上を眺めると、良守と時音は寄り添うようにこちらを見上げている。 (なるほど。 だから、まほら様は彼のことが気に入らないんだな) 土地神の機嫌の悪さを察して、七郎は苦笑した。 「お二人とも、私が責任を持ってお送りしますので、どうぞこちらへ……」 そう言って、主人の命を忠実に守る紫島が残された良守と時音を促す。 七郎もどこかへ行ってしまったし、ここで彼を待ち続ける理由もないので、二人は大人しく紫島の案内に従った。 「……ねぇ、良守。 結局どんなケーキ作ったの?」 ふと、思い出したように時音が訊ねると、良守はニヤリと得意そうな笑みを浮かべた。 「内緒。 それは見てのお楽しみ」 「ふーん? ま、いいわ。 あんたの作るケーキ、美味しいから楽しみ。 ね、早く帰ろう?」 連れ立って歩きながら時音が楽しそうに笑う。 その姿に、良守も嬉しそうに目を細めた。 去年までの、半ば強制的に烏森で過ごした夜とは全然違う。 今年は望んで一緒にいる。

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結界師

結界師 土地神

そんな良守ですが、物語が進むにつれてその直情的な行動に見合うだけの実力を着々と身に着けていきます。 正守が得意技である「絶界」という術を見よう見まねで会得したり、自分を最高の集中状態に持っていき、最大のパフォーマンスを行える「極限夢想」 を会得したりと、修行を積むことでぐんぐんと成長。 そして、最後には世界を創るという神の如き術「真界」をも会得しました。 しかし、注目すべきは良守がそこに至るまでに何を思い、何を考えたかです。 彼は常に、時音をはじめとする周りの人々のことを、彼なりに懸命に考えてきました。 時には悩み、時には立ち止まったこともあります。 良守が抱えていたのは、「結界術」という特別な力を持つ者だけの悩みではなく、好きな女の子や、仲の良い友達についてなどの「普通の男の子」らしい悩みです。 そんな姿に読者は共感し、彼を応援することができるでしょう。 見所2:謎多き正守とまっすぐすぎる良守との対比に泣ける その思慮深さと類稀なる結界術で、周りの人間からは「とても優秀な良守の兄」と評価されていましたが、当の本人はそのように思っておらず、 むしろ劣等感を感じています。 真っ直ぐ過ぎる良守の内に秘められた力を見抜いていたこと、さらには正統後継者として選ばれなかったことが、彼のコンプレックスとなっていきました。 その気持ちは、正守が得意とする術「絶界」にも表れています。 絶界とは文字通り世界を拒絶する術。 負の感情によって構成されるその術は、彼の心の一部を体現したものです。 正反対に見える正守と良守ですが、そこはやはり兄弟、似ているところもたくさんあります。 身内には甘いところや、敵には容赦しなところ、甘い物が好きなところ、そして、なんだかんだ互いを心配しているところなどはそっくりです。 兄弟というだけで比較されがちな二人ですが、もちろん別の人間。 各々が違う考えを持ち、違う道を歩んだとしても、それは自然なことです。 この二人の姿からは、兄弟としての葛藤と愛を感じることできるでしょう。 見所3:鳥森に隠された秘密 その実態は誰も知らず、謎の多い土地として言われていましたが、「黒兜」と呼ばれる妖の襲来で烏森の一端が垣間見えます。 太古の昔に人の手によって作られた黒兜は、「人」か「人が造った物」という、意思の宿ったモノにしか敵意を向けません。 にも関わらず、黒兜は烏森を敵と認識し、攻撃を仕掛けたのです。 ここから、烏森は意思の宿った人工的な土地だということが判明します。 烏森の意思は、「烏森が飽きたからこことは違う場所に行きたい」というものでしたが、良守が 「なら、俺がもっとおもしろい場所を用意してやる」と言い返したことで、一時的に落ち着きをみせました。 実は烏森とは、かつて凄まじい力を持つ生きた人間を封じた土地で、その封印の見張り役が結界師の一族だったのです。 封印された人間の名は「宙心丸(ちゅうしんまる)」。 善悪の区別もつかないほどの幼子です。 良守の一言でおとなしくなった後も、ちょくちょくと良守にちょっかいをかけてきます。 物語では、良守と宙心丸が顔を合わせ、「面白い場所に連れて行く」という以前の約束も果たす日が来るのでした。 良守に対しては「弟のようなもの」と公言していますが、自身でもその気持ちがよくわかっておらず、 弟に向けるにしては多大な心配をしてもします。 13巻121話にて、単独で黒芒楼の城に乗り込み、なんとか帰還をした良守に本気のビンタをくらわせます。 そのあと、良守を抱きしめながら、「あんたが傷つくことで傷つく人もいるのよ。 」と涙を流しました。 他にも、良守としばらく会えないとなると笑顔が減ったり、言いすぎたり叩きすぎたりした時はそれを気にしたりと、 良守と同じくらい相手を気にしているシーンが描かれ、その甘酸っぱさに微笑ましく感じるかもしれません。 二人の行く末は、恋愛としてだけでなく、烏森の謎に対する決断としても見ものです。 ぜひその目で最後まで見届けてください。 『結界師』にはこれだけでは語れないほどに魅力的なキャラクターや物語が詰まっています。 それは自身の目でぜひ確かめてみましょう。

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