草摩はとりと本田透がかなり親しくなった後の、草摩家の団欒。 なんとなくほほえましいものが書きたかった気がするが、読み直すと透のキャラがちょっと違うなぁ……。 【再掲時人物紹介】 草摩はとり(そうまはとり):十二支の辰に取りつかれているため、異性に抱き着くと小さなタツノオトシゴになってしまう。 人の記憶を消すことができる。 とある事件により片目が見えず、髪で隠している。 草摩紫呉(そうましぐれ):はとりと同年代で仲が良い。 十二支の戌に取りつかれているため、異性に抱き着くと黒い大きな犬に変身してしまう。 しばらくすると元に戻る。 掴みどころがない、普段は和服を纏う小説家。 本田透(ほんだとおる):草摩紫呉、由希、夾とひょんなことから同居することになった。 丁寧すぎる敬語が特徴。 草摩由希(そうまゆき)、草摩夾(そうまきょう):草摩紫呉と同じく異性に抱き着くと動物に変身する。 本田透と同学年。 大抵夾が突っかかっていく感じでよく二人でけんかをしている。 「あの、皆さま、突然なのですが、お魚、飼ってもよろしいでしょうか?」 いつも通りのメンバー、由希、夾、紫呉がそろう、ある日の夕食中、透は突然切り出した。 「魚?」 ちょうど、その日の夕食は、カレイの煮付けである。 程良く薄味のカレイをつつきつつ、三人は不振な顔をして透を見つめた。 「魚なら、何でも好きなの買ってきていいよ。 鯛でもヒラメでも。 透くんの手料理は最高だからねぇ~」 紫呉は、ほぐした身を口に運びつつ、いつもの笑みを浮かべる。 「あの、そうではなく……。 熱帯魚とか、そういうものです」 「お前、食べるのか、それ?」 夾の問いに透は赤面して首を振る。 「……良かった。 バカ猫なら食べかねないから注意しないと」 「なんだとぉ! 誰がバカ猫だ!」 由希がぼそっと呟いた一言に、夾はすぐに耳を立て、机を叩く。 「あの、お二人とも……」 透の静止の声は、もう夾には聞こえない。 「今日こそお前をぶっつぶす!」 「ちょうど最近体がなまっていたんだよ。 退屈させないでくれよな」 由希は立ち上がり、庭に降りる。 鼻息を荒くしつつも、夾もそれに続いた。 「まったく、あの二人は食事くらいゆっくりできないものかねぇ」 紫呉はため息をつきつつ、みそ汁をぐぐっと飲みほす。 「ごめんなさい、私が変なことを言ったせいで……」 「大丈夫だよ。 いつものことだからね。 ところで、ねぇ」 「はい?」 「どうして、熱帯魚なんだい?」 「え、あの、お魚さんを育ててみたいと思いまして……。 できましたら、大きな水槽を買いたいのですが……」 「水槽?」 ははーん、とにやにやしつつ、紫呉は腕を組む。 「さては、はーさんのために、だね」 透は一気に顔を赤らめる。 「気づいてらしたのですか!?」 「僕が気づかないと思った? はーさんとはマブダチなんだし、一応この家の主だからね」 「……ごめんなさい。 黙っているつもりはなかったのですが」 「あーあ、はーさんが最近この家に良く来る目的が、僕に毎日でも会いたいからだ、なんて思っていたのに、残念だなぁ」 紫呉の茶化したような言葉に、透は少し安心する。 「魚でも、タツノオトシゴでも、何でも買ってきたらいいよ。 本当なら居間にでも飾りたいところだけれど、そういうことなら透くんの部屋がいいね」 「どうも、ありがとうございます!」 「……はーさんの驚く顔が目に浮かぶなぁ」 はとりの一見怒っているかのようにも見える驚いた顔を想像し、紫呉はこっそりと笑った。 にこにこと最後のお茶を飲む透を見て、紫呉は軽い嫉妬を覚える。 「やっぱり先に僕が手を出しておくべきだったな」 「え?」 「いや、何でもないよ」 はとりは幸せになるべき人間だ。 少なくとも、自分よりは。 その相手が透だ、ということがしゃくだったが、幸せを壊す気も権利もない。 せいぜい、二人をからかって遊ぶくらいだ。 「では、明日にでも買いに行ってきます」 「明日? そういえば日曜日か。 僕もついていったほうがいいかなぁ? 水槽って結構重いしね」 「いいのですか? 是非お願いします!」 「ふふーん~。 透君とデート~。 楽しみだなぁ~」 「あ、あの……」 「紫呉、本田さんに変なことしないでよね」 にやつく紫呉の後ろに、いつの間にか戻ってきた由希が拳を構えつつ立っている。 「あれ、由希くん、早かったね」 透が庭のほうを見ると、夾はいつもの通り芝生の上でのびていた。 「やぁ、はーさん。 今日も元気?」 「別にお前に会いに来たわけではないが」 紫呉の家を訪ねたはとりを、一家の主である紫呉が当然、といった顔で出迎える。 夾や由希に出てこられてもあまりいい気分ではないが、とはとりは思う。 「あれ? 透くんに出迎えてほしかった?」 「……」 この男は、と思いつつ、はとりは口を閉ざす。 「透くんなら、部屋で待ってるよ。 早く行ってあげた方がい……」 紫呉は、言葉の途中で堰を切ったように腹を抱えて笑い出す。 「……何がおかしい?」 「いや、ね。 な、なんでもない」 涙まで浮かべてはとりの顔を眺めては笑い、うつむき、また眺めてはこらえきれず、という醜態を繰り広げている紫呉からは何も聞き出せそうになかったので、はとりはあきらめて透の部屋へと続く階段を登った。 「なんだ、あれは……?」 はとりは、透の部屋に入ってすぐに部屋のベッドの横に突然降って沸いたように置かれている大きな水槽を目にし、絶句した。 「あの、あったら便利かな、とか思いまして……」 「……もしかして、俺のために、か?」 「えぇ。 喜んでくださるとうれしいのですが……」 はとりは頭を押さえ、座り込む。 「どうかなされたのですか? 御気分でも……」 透はすぐにはとりのそばに駆け寄ってきて、膝立ちになり、そっとはとりの額に手を添える。 「いや、そう言う問題ではなく……」 水槽には、タツノオトシゴが3体、藻の間をのんたらのんたら浮いている。 「紫呉が笑っていた理由は、これか」 「紫呉さんは、タツノオトシゴについてかなりお詳しいらしいので、いろいろと選んでもらいましたが……。 お嫌ですか?」 よく見ると、水槽の近くに、ご丁寧にも餌が二種類ほど、置いてある。 あと、タツノオトシゴ飼育方法、と書かれた手の平サイズの小冊子が、隣に立てかけてあった。 彼女は、いい飼育者になるだろう、とはとりは思う。 この家に同居している3人の健康状態を見れば、それがよく分かる。 だが……。 「こんなものを育てなくても」 「だめですか? 私、もっとはとりさんのことが、たくさん知りたいのです」 明らかに気を悪くしているらしいはとりの顔を直視できず、透は顔を真っ赤にしながら、うつむき加減で言う、 「じゃぁ、紫呉にではなく、俺に聞け」 「え? いいのですか?」 「当たり前だ」 紫呉がもしやる気になれば、自分から彼女を奪ってしまうのなんて簡単なことだろう。 紫呉との友情を壊す気はないが、透との関係を壊す気はそれ以上にない。 はとりは透の顎をすっと持ち上げ、ゆっくりとキスをする。 何か視線を感じ、はとりは顔を上げた。 ちょうど自分の視線の先には水槽があり、タツノオトシゴたちはそろって好奇の目で自分を見ているような、嫌な感覚に襲われる。 「次は、どこか外で会うか」 「いいのですか?」 「あぁ。 紫呉にからかわれ続けるのはあまり嬉しくない」 紫呉も困るが、このタツノオトシゴたちも何とかしたいものだ。 とは言え、捨てろとは言えない。 だが、こんな目で見られていると、やることもやりにくい。 あと、俺がもし変身したとしても、水槽には入れるなよ」 「え? どうしてですか?」 やはり、気がついていなかったか、とはとりは苦笑しつつ、透の頭を撫でた。 「元に戻ったときに、水槽が割れる」 「あ!」 「あと、あのタツノオトシゴは、3体ともメスだ」 紫呉の奴、知ってて選んだに違いない。 タツノオトシゴが自分に向かって襲いくる姿を想像し、はとりはげんなりする。 「下手したら、子供ができるぞ」 「大丈夫なのです! はとりさんの子供でしたら、がんばって育てます」 「……お前が産んだ子供でないと、俺は育てる気はないけど、な」 耳元でそんなことを言ってしまった照れを隠すかのように、はとりは透を思い切り抱きしめた。 白煙が上がった後の透のあわてふためく姿を見るのはさほど悪くはないかもな、と一瞬のぬくもりを感じながら、はとりは思う。 2 【執筆当時のコメント】 フルーツバスケット版権物小説としては二本目。 本当は紫呉さんが水槽を選ぶシーンを書こうとしていたのに、かなり長くなりそうだったので、一気に切ってしまう。 紫呉さんの次にははとりさんが好きだし。 原作漫画のはとりさんのデザインは少し怖いけど、アニメの長髪版はとりさんにはどきどき。 まさか、タツノオトシゴとは、ねぇ。 十二支の変身について、気になることはたくさんある。 アニメで、紫呉さんが犬に変身した後、犬用の皿でミルクを飲んでいるシーンがあったと思うけれど、紫呉さんとしてはどういう体勢で食べているつもりなのだろう? あと、はとりさんがタツノオトシゴになった場合、タツノオトシゴの餌って、やっぱりおいしいと思うものなのだろうか……? そのあたりの変身後の生体、かなり気になるところ。 せいぜい数分でもとの姿に戻るからいいようなものの、もし一日くらい戻らなかったり、らんま1/2のように何かしないと戻らなかったりするのだったら、かなり大変そう……。
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| | |. 最近アニメ版を見てしまいまして、、 あれ、2期? 的なの無いんですね。 えぇぇ!! ってトコで終わって、ネタバレまとめ見て無理やり完結させました。 と言う事で、かっこいいキャラがいっぱい出て来るなら、全員に好かれたーい!! っていうただの願望を叶えたい一心で、書いちゃいました。 普段K-POP、しかも防弾少年団さんオンリーの妄想書きだったのでかなり異色な感じですが、フルーツバスケット読まれたり見たりした事ある方がいれば良いなぁ、、。 あ! あとかなり、本編汚しです!! キャラ崩壊してます!! 本来の作品が大好きって方は、嫌な気分になるかもですので、読まない方が宜しいかと、、思います。 例えば、慊人さんが「男」設定だったり、、 透君は、ただの良い子キャラだったり、、 十二支さんの辛い過去が無かったり、、 ただただ、十二支さん メンズ! に好かれたい話ですのでご了承下さいませ!! ああ!! あとかなり、更新遅くなると思います! 防弾少年団さんの方をメインで書いているのに、そちらも遅いので、、 あああ!!! しかも、若干暗めです。 詰んでます...。 いずれ... 更新したいと思います。 すいません。 今またアニメ始まりましたし再開するにうってつけの時期ですよね! もう1回前のアニメ見直してフルバ熱高めたら書きたいと思います!! さらにお待たせします! すいません。
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わざわざ紫呉が慊人の元へ行き、透を記憶を残したまま居候として過ごすことの許可を得にいきました。 そしてどういう訳かそれを承諾した慊人に由希も少し疑惑を抱きますが、とりあえずはお咎め無しの展開に皆落ち着きこうして透を中心としたドラマが始まって行きます。 神と十二支だけど 物語の途中時折慊人と紫呉が二人で会ったり話をしたりするシーンがあるのですが。 どうにもお互い腹の探り合いをしているかのような会話の仕方ばかり。 紫呉の言葉に時々慊人は声を張り上げ言い返したりはするものの、それを紫呉は柔軟にかわしてばかりで全く本心を見せず。 紫呉はこの物語の中でも一番掴みどころの無い存在でした。 そして他の十二支達はどうしても神である慊人には逆らえず、慊人に怯えながら生きているにも関わらず。 どうしてか 紫呉だけはその束縛感が無く慊人を恐れる様子もなく自由に達振る舞っていました。 そしてそんな様子がまた慊人の機嫌を損ねる要因になるのでした。 紫呉と慊人のカケ 絆を試すため そもそも慊人が透の記憶を残したまま暮らすことを許可したのは。 他人が入ったくらいで自分(神様)と十二支達の絆は壊れない。 という自信があったからでした。 しかし次第に透を中心として十二支憑きの面々が変わっていくのを勘づき、時に透に直接会って 「どうあがいても皆自分の元に帰ってくる」 と牽制をかけたり。 時に大暴れして暴力を振り、力でねじ伏せようとしました。 それでもだんだん皆は成長し傷つきながらも変わっていこうとするのでした。 そしてどうして透をこの家に招いたのか。 この裏の行動に勘づいている様子のはとりには、 最終的に誰かに殴られるかもしれない。 とまで言われてしまいます。 君を想う 紫呉の欲しいもの 慊人が楝のお腹に宿った時、その時点でこの世に既に存在していた十二支達(紫呉、綾女、はとり、紅野)は自らに宿った物の怪の血がそれを知らせ。 皆泣いて「待っていた」と駆け寄った。 そんな中、 紫呉だけはその特別な想いをもっと強く確かなものとして手に入れたいと思ってしまった。 つまりは 慊人を自分だけのものにしたい、と。 そして慊人がまだ小さい頃に紫呉に、自分のことが好きか。 と聞いた際に紫呉は庭に咲いていた椿の花を慊人に渡し、こういいました。 誰よりも君を想う それこそが揺るぎない事実 好きですよ 慊人… (フルーツバスケット17巻より引用) その事実を知った紫呉は当てつけのように慊人の嫌う実母の楝と関係を持ちます。 そのせいで慊人と紫呉の関係は激しくすれ違い、お互い顔を合わせる度嫌みの言いあいのような事しか出てこないようになっていきました。 まとめ 慊人を手に入れるために透を利用して慊人の信じる「不変」を壊そうとする紫呉。 そして昔言われた紫呉の自分を愛するという言葉を忘れられずにいるのに、会う度自分に酷いことばかり言ってくる紫呉にイライラする慊人。 そして可哀相なのがその双方の板挟みにあってる紅野ですよね… 笑 慊人を突き放す事も出来ず、それ故紫呉からは密かに嫌われていたりと。 二人の泥沼と化した意地の張り合いに巻き込まれた善人…。 果たしてこの二人…三人 笑 の関係は一体どうなるのでしょうか! 話題のアニメ、ドラマ、漫画を読むなら超お得な「U-NEXT」! 今なら 「31日間無料体験」で 0円で利用出来ちゃう! U-NEXTは• 動画見放題 (8万本!)• 動画レンタル (4万本!)• 書籍、漫画、ラノベ合計 (34万冊以上!)• 雑誌読み放題 (70誌以上!) 基本の 月額1,990円。 ちょっと待ったぁ!! 初めてU-NEXTを利用される方は断然お得な 『31日間無料体験』を利用して欲しい! 「31日間無料体験」を利用することによって 無料で 話題のドラマ、アニメ、漫画を楽しむことが可能! 無料トライアルで入会すると 600ポイントが貰えるので、ポイントを使って話題の漫画を読むことだってできちゃうんです。 そ・し・て。 無料期限終了の前に退会しちゃえば なんと 0円で楽しむことが出来ちゃう! そんな美味しい話…怪しい…。 と思うかもしれませんが。
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