政府による海上自衛隊の中東派遣方針のポイント 政府は27日の閣議で、海上自衛隊の中東派遣を決定した。 護衛艦1隻を送り、アフリカ・ソマリア沖での海賊対処活動に当たるP3C哨戒機を活用。 規模は260人程度となる。 防衛相の命令だけで実施できる防衛省設置法の「調査・研究」が根拠。 河野太郎防衛相は、自衛隊に対して中東への派遣を準備するよう指示した。 閣議決定時と活動終了時の国会報告を義務付けたが、政府の独断で自衛隊の海外派遣が歯止めなく広がるとの懸念は拭えない。 情報収集を行うのが目的。 不測の事態が生じた場合は、武器を使用できる海上警備行動を発令する。 護衛艦は来年2月上旬に出航。 哨戒機は1月中に活動を開始する。
次の問題山積の中、国内でも自衛隊「中東派遣」について政府と与党の調整が始まる。 そこで今回の放送では、元防衛副大臣と陸・海・空の元将官をお迎えし、日本の安全保障の「今」を徹底分析した。 「有志連合」ではなく「独自派遣」の意味は? 長野美郷キャスター: 自衛隊の中東独自派遣について、実際に現場で活動に携わる自衛隊はどういった任務を行うのか伺っていきます。 12月23日の閣議決定を目指し、現在政府が検討している派遣計画がこちら。 オマーン湾、アラビア海北部、イエメン沖、バベルマンデブ海峡東側のアデン湾を中心に活動。 海上自衛隊の護衛艦1隻を派遣し、ソマリア沖で海賊対処にあたる哨戒機1機の任務を切り替えを活用。 防衛省設置法に基づく「調査・研究」を法的根拠とし、情報収集活動を行う。 日本関係の船舶が襲撃された場合、自衛隊に基づき武器使用が可能となる「海上警備行動」が発令される。 派遣期間は1年、国会報告を少なくとも1年ごとに実施するという計画である。 長野美郷キャスター: アメリカ主体のいわゆる「有志連合」に参加せず、「独自派遣」を行うことをどうお考えですか。 元防衛副大臣 衆議院議員 長島昭久氏: ここにはイランとの長年の良好な関係・アメリカとの同盟関係の中での、絶妙なバランスの政治的メッセージがあります。 そして海上自衛隊の歴史の中でも、日本が海洋の安全に主体的にコミットする上で、ここまで世界にアピールする機会は初めてです。 他国と情報を共有しながら「面」で地域を安定化させていく方向に、日本が主導権を持ってやっていく点が画期的だと思います。 元防衛副大臣 長島昭久 議員 反町理キャスター: そこで具体的に何をするのか、というのが問題になってきます。 調査・研究目的での自衛隊派遣では何ができるのでしょう? 元自衛艦隊司令官 元海将 香田洋二氏: 基本的な情報収集です。 最も脅威が高いのはホルムズ海峡ですが、アデン湾の付近もポイントです。 イエメン情勢等を考慮すると、ISやイランの影響を受けた不穏な海上行動がかなり起きています。 今回日本はレーダーを使い、不審船などについて連続的に情報収集・蓄積をします。 仮に今後日本船舶が危険になって有志連合に入るというときにも、その際に必要な生の情報も取れます。 護衛艦や日本関係船舶が危険に晒された場合は? 反町理キャスター: 現状においては、調査・研究目的で行く護衛艦は、航行する日本船舶に随行して警護はできない? 正当防衛・緊急避難とはどんなケースで、どういう状況では発砲ができるのでしょうか。 しかし公には情報収集が任務なので、任務外となります。 銃火器を使用することも含め派遣する前提とはしません。 元自衛艦隊司令官 香田洋二氏 元統合幕僚長 元陸将 折木良一氏: 派遣する前提は、現状の情勢が比較的厳しくないので、調査・研究名目で出すということです。 当地を航行する日本関連船舶が数千に及ぶのに対して護衛艦は1隻しかないので、安全確保なのか、情報収集なのかという点では情報収集そのものしかありません。 反町理キャスター: しかし、万が一危険な場面に遭遇したらどうするのかという議論が常に出ます。 このままではいつまでも変わらないのでは? 元統合幕僚長 元陸将 折木良一氏: 情勢が悪くなれば調査・研究から海上警備行動に切り替えるのはいいです。 ただ現場で判断できることではない。 だからスムーズな切り替えのためには、ROEに組み込み、幅のある訓練を行って派遣しなければなりません。 元統合幕僚長 折木良一氏 「海上警備行動」とは。 警察権と自衛権の違いは? 反町理キャスター: 今回の中東への派遣は調査・研究目的ですが、緊張の高まりによっては「海上警備行動」に移る可能性があり、この場合は「警察権の行使」に基づく武器使用が可能になります。 これはどの程度の武器使用なのでしょう? 元自衛艦隊司令官 元海将 香田洋二氏: まずこれは憲法における「自衛権の発動」ではない。 任務の遂行において最低限必要な武器を使用するということです。 反町理キャスター: 「警察権の行使」と「自衛権の発動」の違いは? 僕らの薄い理解で極端に喩えると、相手が石を投げてきたら石しか返せないのが警察権、相手が石を投げてきたら反撃して壊滅させることができるのが自衛権と考えるがどうか。 元航空支援集団司令官 織田邦男氏 元航空支援集団司令官 元空将 織田邦男氏: 加えてもう一つ、主語の違いがあります。 自衛隊法では警察権における主語は「自衛官」、自衛権では「自衛隊の部隊」。 ですから警察権では、トリガーを引いたら引いた本人に責任が及ぶということです。 警察官と同じです。 反町理キャスター: 調査・研究から海上警備行動に切り替わるとき、防衛大臣の要請から総理の承認へというプロセスになります。 情勢の判断からここまで、どのくらい時間がかかりますか? リアルタイムに行えるかという点が心配です。 元統合幕僚長 元陸将 折木良一氏 海上警備行動の発令においては、全般の状況を見て危険性があるときに発令してもらう必要があり、判断が難しいです。 だから情報収集を能動的に行う必要があります。 そして有志連合の話もありますが、他国との連携からどのように情報を集めるか。 いずれにせよ、そうした情報に基づき、前もって海上警備行動は発令すべきだと思います。 「軍からの安全」から「軍による安全」に 反町理キャスター: 海外に自衛隊を派遣するときの日本のルール。 いつも窮屈な話になるのですが、これについてはどうお感じになるりますか? 元航空支援集団司令官 元空将 織田邦男氏: 日本の場合は法的に空白のある部分について、タイムリーかつシームレスに対処できないという問題があります。 一方で自衛隊の能力は上がってきています。 自衛隊法は、自衛隊が暴発しないようにという 「軍からの安全」という観点からできていますが、これからは 「軍による安全」と発想を変えなければいけません。 政治が統制して、タイムリーに派遣でき、任務を果たせる。 政治がROEを示していくから暴走もしない。 自衛隊は世界一軍規の高い軍隊と思っています。 長野美郷キャスター: 視聴者からのメールです。 安全保障の信頼度は装備力のほかに、法的・社会的後押しに支えられると思います。 日本の安全保障は装備力以外の部分で大きなハンディキャップがあるのでは? 元自衛艦隊司令官 元海将 香田洋二氏: 我々は今の憲法のもと、民主主義をしっかり守って任務を達成するということで育てられてきています。 様々な問題があるのは当たり前です。 その中でも任務達成のために鍛えられているのが自衛隊です。 最後には国益のために行動するのですが、そのときには国民に骨を拾っていただければ、我々は何の憂いもなく任務を達成できると思います。 BSフジLIVE「プライムニュース」12月12日放送分より.
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僕としては、海上自衛隊を中東に派遣することそれ自体は必要な事だと、そう理解している。 ただ、閣議決定による「調査・研究」による派遣では足りない。 多分、あちら側、つまりイラクとも政治的に話が付いていて、自衛隊の派遣そのものは批判の対象に鳴らないのだと思う。 だが、話はそう言うことではないのだ。 護衛艦1隻を送り、アフリカ・ソマリア沖での海賊対処活動に当たるP3C哨戒機を活用。 規模は260人程度となる。 防衛相の命令だけで実施できる防衛省設置法の「調査・研究」が根拠。 閣議決定でお手軽に決められる、そのこと自体を批判しているのは共同通信のアホだが、僕はそんなことを問題にしたいのでは無い。 武器の使えない自衛隊 過去にも似たような事例はあった さて、では何故反対なのかと言えば、こちら。 日本政府、中東への自衛隊独自派遣を閣議決定 「調査・研究目的」で武器使用せず 2019年12月27日(金)11時15分 政府は27日、自衛隊の中東派遣を閣議決定した。 防衛省設置法に基づく「調査・研究」目的で海上自衛隊の護衛艦とP-3C哨戒機が活動する。 活動範囲はオマーン湾、アラビア海北部、バベルマンデブ海峡東側のアデン湾の3海域でいずれも公海上。 防衛省設置法第4条に基づく調査・研究目的の派遣では武器使用が認められない。 このため、日本関係の船舶が攻撃されるなど不測の事態が起きた場合は、自衛隊法第82条の規定に基づき、海上警備行動を発令することとなる。 そう、基本的に「調査・研究」の目的での派遣では武器を使う事ができない。 一発食らってから、海上警備行動の発令を待っての反撃という事になる。 バカじゃ無いのか?バカだろう。 有志連合に参加できない自衛隊 ペルシャ湾では、アメリカ主催の有志連合による海上警備行動が行われている。 イランとアメリカやイギリスなど有志連合の参加国の間で緊張が続くペルシャ湾では、各国の艦船や沿岸警備隊の巡視艇が24時間態勢でタンカーの護衛活動を続けています。 「yahoo!ニュース」より こうした警備行動は、ペルシャ湾付近で商船が拿捕されたり、タンカーが爆破されたり、無人機が撃墜されたりしている。 そもそもこの手の行動を起こさねばならないほど、中東情勢は悪化している。 イラン国内でデモが発生しているというニュースはこのブログでも取り扱ったが、かなり荒れている。 あまりこの手のニュースは取り扱われないので、僕自身もしっかりと調べているわけでは無いのだが、騒ぎは収束せずに続いているようだ。 イランでは、先月のデモの混乱で死亡した人を追悼する集会や新たなデモが26日に計画されており、ソーシャルメディアで参加を呼びかける動きが広がっている。 そもそも、僕も理解していなかったのだが、このデモは昨日今日始まった話では無い。 分析:イラン反政府デモはなぜ起きたのか? Jan 22 2018 イランでは何日にもわたり抗議行動が続き、政府の不正に反対の声が挙がり公正な政治が要求されていた。 こちらの記事でも説明されているが、政治に対する不正疑惑でデモが起きた2009年より大きな騒ぎになったのは去年始めの話。 イラン各地で異例の反政府デモ 物価上昇などに抗議 2017年12月30日 イランの第2都市マシュハドで28日に異例の反政府デモが起きたのを皮切りに、29日には複数の都市で物価上昇やハッサン・ロウハニ大統領に抗議するデモが相次いだ。 この記事にもあるが、イラン大統領のロウハニ氏の失策でイランの経済は悪化している。 デモ鎮圧に軍隊投入 そうした流れが今回のデモも汲んでいるのだが、既に死者は1500人を越す勢いになってきているようだ。 下手すると革命防衛隊が動くような事態にも……。 イラン革命防衛隊、デモ参加者への取り締まり警告 2019 年 11 月 19 日 08:40 JST イランでガソリン価格の値上げに端を発する抗議デモが続く中、イスラム革命防衛隊は18日、デモ参加者に対して厳しい取り締まりを行う可能性を警告した。 同国政府は、国内経済に打撃を与えている米制裁への対応に苦慮している。 ああ、既に出ていたよ。 前回も紹介したけれども、イランの失業率はかなりヤバイ感じになっている。 流石に産油国であっても、仕事が無ければ鬱憤が溜まるというものである。 失業率が12%で、若者の失業率が27%というから、若者の4人に1人は失業していると言う事になる。 ……ろくなことにならないな。 端にでデモが発生しているだけであれば、イラン国内の問題なのだけれども、どちらかというと革命防衛隊が野放しになってグリップが効いていないという疑いがあり、これが日本船籍のタンカーを爆破する騒ぎを起こしたとも言われている。 アノ事件、どうなっちゃったんだろうね。 海外派遣には特別措置法が必要 で、今回そうした地域に派遣されることが閣議決定された自衛隊だが、基本的に自衛隊は反撃という形でしか交戦を認められていない。 更に、基本的には国内での活動が前提として法律の整備がなされている為に、海外活動をする場合には特別措置法が制定されてからの派遣という事になることが多い。 まあ、この特措法の中身に関しても色々言いたい事はあるのだが、特措法すら無い状態で出かけるとどう言うことになるのか?というと……。 実績としては過去何度も海外派遣された自衛隊ではあるが、直接の戦闘経験は幸いなことに皆無だ。 だから、多分問題は無いとも言えるのだが、何があってからでは遅い。 そもそも自衛隊が派遣される理由は、戦闘のリスクがあると判断される場所で、民間人を派遣したのでは有事に対処出来ないから、という理由である。 であれば、有事の時に戦闘が出来ない状態で派遣するというのは基本的にあり得ない。 調査研究のために派遣し、その報告をベースに特措法を作るという流れがあってもおかしくは無い。 だが、そのために自衛官の命を危険に晒すのは違う。 法律1つ出来るだけでも、リスクは大きく軽減出来る可能性があるのだから、さっさと法律を作れよ。 過去の特措法をベースに作れば直ぐじゃ無いか。 だからこそ、閣議決定での自衛隊派遣に僕は反対する。 菅義偉官房長官は27日の会見で、中東地域の平和と安定は日本を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要だと指摘。 現在、日本関係船舶の防護を直ちに要する状況ではないものの、中東地域で緊張が高まっている状況を踏まえ、情報収集体制を強化することが必要だと述べた。 緊張が高まっているのが分かっているんだったら、アブナイ状態で自衛隊を海外に送ってはならない。 不透明さを増すイラン情勢 イランは歓迎する さて、これは22日の記事だが。 イラン大統領「日本が有志連合に合流しないことを歓迎」 12月22日8時12分 安倍総理との首脳会談を終え、イランに帰国したロウハニ大統領は、「日本がアメリカ主導の有志連合に合流しないと発表したことを歓迎する」と述べ、日本との友好関係を強調しました。 2日間の日程で日本を訪れたロウハニ大統領は、安倍総理と首脳会談を行い、中東地域の緊張緩和に向けた課題や核合意の維持について話し合いました。 「TBS NEWS」より イラン大統領のロウハニ氏は、日本の決定について「歓迎」の意を示した。 そもそも日本がアメリカと組まないことについて、何故、イランは喜ぶのだろうか?それは、全世界がイランの方針に反対しているわけでは無い、日本もそれなりの大国であり世界に影響力がある。 そんな日本がイラン政府に対して有効的であると言うことは、反政府デモを行っている人に対しても訴求力がある。 そういう風に考えて見ると、イランが歓迎する事に理由も付けられる。 ニュースでも「国際的な孤立を防ぐ狙い」と言っているけれど、イランにとっては国内向けのアピールなんだろうと思うよ。 ちょうど、訪日中のロウハニ氏に手土産を持たせた形になるんだろうね。 日本の船舶に対する安全性確保? そもそも先日こんな事件が起きたばかりだ。 イラン学生通信(ISNA)が13日、AFP通信に提供した、オマーン湾で黒煙を上げるタンカーの画像。 安倍氏が中東訪問中に起きたこの事件、ブログでも取り上げた。 これを切っ掛けに、日本国内でもどのような事ができるのかが検討されたようで、一時期は有志連合に参加するという話もあったのである。 だが、アメリカ主導の有志連合に参加すれば、アメリカとイランが直接的に対決するような状態になった時点で、当事者として対応する事が求められる可能性が否定できない。 そういう意味でもロウハニ氏との会談で、安倍氏がどの程度の「政治手腕」を発揮できたかは、自衛官の安全のためにも非常に重要な点ではある。 ……なのだが、特措法の早期成立を急ぐべきだろう。 国会閉会中に派遣の決定 とはいえ、今後、「このままではダメだ」と言うことで、特措法を早期に作り、派遣に間に合わせるという可能性もある。 とにかく先に派遣ありきで決定してやらなければ、話が前に進まないなんてことは、国会では往々にしてある。 国内では未だにサクラで大騒ぎする構えでいるし、秋元氏逮捕でIR関連で再び揉めるなんて事も視野に入ってきた。 つまり、年明けで国会招集後直ぐに特措法を提出しても、それを人質にサクラやIRで国会手痛いが続く可能性が高いので、政治的判断で特措法を後回しにして、調査・研究のために派遣という決定をしたとも理解出来る。 だけど……、大丈夫なのか?それで。 実際に特措法が間に合わずに犠牲者が出てしまったら、責任がとれるのだろうか。 だからこそ反対の声を上げ、直ぐにでも特措法が成立するように声を上げるべきだと、僕はそう思う。 追記 そうそう、今回はイラクだけを引き合いに出したけれども、中東の話は一国を出して説明できるような構造ではないので、「ちょっと違うよ」ということになりかねないんだけれど……、ご指摘お待ちしております。 ちょっと纏めきれなかったんだよね。 一つの記事では。 木霊さん、おはようございます。 危険度は他の職業とは比較しようもないくらい高いのですが、現場の自衛隊員そしてそのご家族も国民です。 その人達を無用なリスクに晒しかねない憂慮は、全国民が「自分&自分の家族だったら?」と思いをはせるべき...、木霊さんのリスクご指摘に全文同意です。 >だけど……、大丈夫なのか?それで。 実際に特措法が間に合わずに犠牲者が出てしまったら、責任がとれるのだろうか。 だからこそ反対の声を上げ、直ぐにでも特措法が成立するように声を上げるべきだと、僕はそう思う。 安倍総理は憲法改正でも肝心なところで逃げている印象なんですが、これも同じ脈略ではないかなと非常に危惧しています。 やるなら正々堂々と「日本の国益を守る・中東情勢緩和に貢献する」でいいじゃないですか。 本気で特措法を通過させるべき事案でしょう。 これが今年最後の投稿となります。 令和の時代が安寧である事を心から祈念しつつ、平穏な年の瀬と年始を迎れるようと願うと共に、来年の皆様のご多幸を!! 良いお年を!!.
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