12月下旬に、公式サイトの店舗ページに続々と【閉店のお知らせ】が掲示され、いま同店のファンたちに混乱が巻き起こっている。 閉店に焦りを感じた人たちが、会員カードやアプリに入れた独自の電子通貨「肉マネー」を使い切らねばならないと最寄りの店舗に殺到しているのだ。 いったい、どういうことなのか。 しかし、その空気が消費者にも感じられ始めたのは12月上旬、いきなりステーキを運営するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長が店頭に顧客に向けた直筆メッセージを掲示した頃だった。 「お客様のご来店が減少しております。 このままではお近くの店を閉めることになります」 社長自らが直筆で来店を促すという前代未聞の事態に世間はざわついた。 そして12月下旬になると、公式サイトの店舗ページに続々と【閉店のお知らせ】が出され、どの店も約1か月後に閉店する旨の発表が相次いだ。 番組内では、次々とオープンする競合の焼肉・ステーキ店に対し社長自らが考案した、異色の「牡蠣とステーキを楽しめる店」というコンセプトとして紹介され、社長はそのコンセプトにかなり自信を持っていたように見えた。 しかし、そんな自信をもって出店した店も含め、約500店ある「いきなり!ステーキ」のうち44店を閉店するとあって、ネットでは「いきなり倒産」「いきなり不景気」といった皮肉な大喜利とともに、こんな声が続出した。 「まだ何万円分も肉マネーの残高があるのに……」 「いつどうなるかわからないので急いで肉マネーを消費しなければ」 「肉マネーを放出しにお店を訪れたら店内は超満員」 そう、「いきなり!ステーキ」には独自のシステムがある。 そのシステムによって消費者には大きな混乱が起きているのだ。 1000円単位でアプリにチャージすることができ、加えて3000円以上をチャージすると1%、5000円以上で2%、10000円以上で3%と多額であればあるほどお得になるということもあり、まとめてチャージしていたファンが多い。 しかし、せっかく自宅や職場から近い店で使おうとまとめてチャージしたのに、その店が閉店してしまっては肉マネーの使い道がなくなってしまう、と焦る人も多いのだ。 ネット上では次のようなコメントが相次いだ。 「肉マネーを使い切るまでに近所の店が倒産しない事を祈る」 「会社最寄りのいきなりステーキ閉店! ここなくなったらもう行く機会ないから肉マネー使い切らないと」 加えて、12月上旬に貼り出された社長直筆の文章が、むしろ今回の閉店ラッシュに拍車をかけたのではないかという指摘もある。 「経営が危ないのでは?」と感じた消費者が保有している肉マネーを使い切ろうと駆け込めば、おのずと店舗には現金が入らなくなる。 その結果、さらに経営が悪化したのではないか……ということだ。 店頭に貼り出された文章も「いきなりステーキは日本初の格安高級牛肉の厚切りステーキを気軽に召しあがれる食文化を発明、大繁盛させて頂きました。 今では店舗の急拡大により、いつでも、どこでもいきなりステーキを食べることができるようになりました」と自社のすごさを語ったと思いきや、「しかし、お客様のご来店が減少しております。 このままではお近くの店を閉めることになります。 従業員一同は明るく元気に頑張っております」と続ける。 これに対し、ネット上では「なぜ上から目線なのか」「まるで消費者が悪いみたいだ」と批判が殺到していた。 厳しい外食産業の戦いの中とはいえ、なぜここまで「いきなり!ステーキ」が追い込まれてしまったのか。 こうした、どこか謙虚さを欠いた意識の問題や「肉マネー」をチャージしてくれた消費者への裏切りとも思える行動にも原因はあったのかもしれない。 今はただ、「肉マネー」残高を保有する消費者たちが、損をすることなく最寄りの店で満額「肉マネー」を使い切れることを願う。 <取材・文/松本果歩> 【松本果歩】 恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。 コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。
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いきなり!ステーキの店舗(「Wikipedia」より) ステーキチェーン「 いきなり!ステーキ」を展開する ペッパーフードサービスの業績が深刻だ。 2月14日発表の2019年12月期連結最終損益は、27億円の赤字(前期は1億2100万円の赤字)だった。 最終赤字は2期連続となる。 売上高は前期比6. 3%増の675億円、営業損益は7100万円の赤字(前期は38億円の黒字)だった。 営業赤字は上場以来初めて。 売上高で8割超を占めるいきなりステーキ事業の不振が足を引っ張った。 同事業の19年12月期の既存店売上高は、前期比30. 2%減と大きく落ち込んだ。 不振は止まらず、1月は前年同月比33. 5%減と大幅マイナスになっている。 マイナスは22カ月連続で、さらに30%超のマイナスは6カ月連続だ。 同社はいきなりステーキの不振の理由として「自社ブランド同士の競合」を挙げている。 いきなりステーキの店舗同士で顧客の奪い合いが起き、既存店売上高が低下したという。 これは間違いではない。 確かに自社競合が発生しているケースはいくつも確認できる。 ただ、自社競合は副次的な要因にすぎない。 それよりも、いきなりステーキの競争力低下のほうが大きい。 競争力が低下したため、それほど気にする必要がなかった自社競合を気にせざるを得なくなった、というのが正しい見方だ。 競争力が低下したのは、コストパフォーマンスが低下したことが大きい。 いきなりステーキは安さが売りだったが、何度か行われた値上げにより安い印象が薄れてしまった。 それでもステーキの品質が高まっていれば問題はなかった。 だが、いきなりステーキのステーキ品質は高まっておらず、問題を抱えたままになっている。 問題とは、一部のステーキが固く、当たり外れがあることだ。 ネット上の口こみを確認すると、それを指摘する声が少なくない。 ステーキが固いことは、ペッパーフードサービス自身も認識している。 看板商品の「ワイルドステーキ」が固いと叱られていて、そのことを謝罪する張り紙を店頭に掲出している。 また、ステーキに当たり外れがあることは、同社が1月に発行した「社内報」の「社長から皆さんへ」と題した文章で確認できる。 以下に抜粋した。 「ワイルドステーキは、当たり外れがあるステーキであった事が現実です。 私は猛反省をしています。 こんなことがあって良いわけがありません。 私は今、硬いステーキを召し上がったお客様の持つイメージが、そのまま『いきなりステーキ』の悪評判になる事を阻止しなければならない事に遅まきながら気がつきました。 この知名度の高くなっている当店で初めての『ワイルドステーキ』をご家族、友人の方々に話される事は、想像に難くありません。 この様な事が絶対にあってはなりません」(原文ママ) こうした問題は当然、解決する必要がある。 柔らかい肉を仕入れるようにしたり、固い部分を取り除くようにしたりすることが必要だろう。 ただ、これだけでは不十分だ。 たとえ柔らかいステーキを提供し続けたとしても、それだけでは「いきなりステーキのステーキは固くない」「当たり外れはない」というイメージを消費者に広く浸透させることは難しい。 できたとしても、膨大な時間がかかってしまう。 やはり、ステーキが柔らかいことを訴求する宣伝広告が欠かせない。
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なので、売り上げが右肩下がりになるのは当たり前と言えば当たり前。 そして、それに追い打ちをかけているのが社長の愚行だ。 社長の愚行をさらけだしている張り紙というのは・・・ こんな張り紙を書けば、売り上げが下がっているのが一般・消費者に知られてしまう。 これでは経営に悪影響を自ら招き入れているようなものだ。 いきなりステーキの一瀬社長は「馬鹿?」なのだろうか? 年間出店計画も下方修正を余儀なくされる 年間出店計画も210店舗から115店舗まで下方修正されているようだ。 しかし、このまま売上の減少が続けば下方修正どころではない。 行き着くところまで行きついて倒産などということもありうる。 2015年すい星のごとく、いきなり現れたいきなりステーキ。 今度はいきなり倒産などということもありうるのだ。 いきなりステーキのいきなり倒産を回避する方法は? 今回の店先の張り紙騒動を引き起こした張本人、一瀬社長。 この愚行を止めさせるだけの意見を言える側近がいなかったのか? それとも、一瀬社長がワンマンすぎて手が出せない状態なのか? この辺については内部事情が分からないので何とも言えないが、 いずれにしてもマスターマインド的な取り巻きが必要ではないか。 中枢部がしっかりと機能していないのでは、全国488店舗ある店舗を まとめ上げていくのは到底無理があるのではと思っていしまう。 ましてや、下方修正をしたとしても出店は今後続けているようだから。 ということで、社長を中心にもっと活躍ができるブレインが必要ということだ。 いきなりステーキを救う最善の方法があるのか? 張り紙をして、自社をピンチにすることではなく・・・ 一般消費者の「意見」を収集することが良いのではなかろうか? 社長が明言している 「厚切りステーキの食文化を発明」などと 自画自賛している前に消費者の 「いきなりステーキに対する意見」を より多く収集することが生き残れることにつながるのではと思う。 意見を分析しつつ、いきなり業績を伸ばそうと思わず、 徐々に伸ばしていく戦略が最善な方法ではなかろうか。
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