2 病態 心不全は、心筋の収縮力が低下することにより、心拍出量が低下した状態である。 心不全には、右心不全と左心不全がある。 <左心不全> 左心機能障害により左心室の収縮力が低下すると、左室拡張終期圧が上昇し、左房圧が上昇する。 このことにより肺静脈および肺毛細血管が上昇し、肺静脈から肺の間質や肺胞内に水分がにじみ出る。 その結果、肺胞と毛細血管の間のガス交換が不十分となる。 ガス交換にはO2とCO2が関与するが、特に酸素かに障害を受けるので、肺水腫となると低酸素血症になる。 <右心不全> 右心機能障害でも左心と同じように、右心室の収縮力が低下すると右室拡張終期圧が上昇し、右房圧が上昇する。 その結果、全身の静脈血、すなわち体循環系のうっ血となる。 4、観察ポイント 1 心不全にいたるまでの経過 心不全にいたった原因疾患は何か、急性増悪となった誘因は何か。 過剰な水分の貯留がないときの体重 ドライウエイト を指導し、数日内で2kg以上の増加を伴う場合は、うっ血性の疑いがあるため、早期に受診してもらうよう指導する。 患者が感情を表出する場合は耳を傾けて、温かい態度で不安や恐怖を受け止めていく。
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初めまして、私は11年目の看護師です。 心不全になってしまう患者さんは結構多いですよね。 心不全とは、 心臓に器質的あるいは機能的障害が起こることにより、 ポンプ機能が低下して 末梢循環不全、 肺や体静脈系のうっ血を引き起こす病態です。 うっ血症状が主体になることも多く、 うっ血性心不全とも呼ばれます。 心不全は、病態であり、疾患名ではありません。 心不全を起こす原因疾患は、主なものとして 虚血性心疾患、高血圧、弁膜症、心筋症などの既往や病歴がある場合に多いです。 その他にも、心筋炎や先天性心疾患、肺疾患、原発性肺高血圧症、肺血栓塞栓症、慢性閉塞性肺疾患などでも引き起こされます。 また、その他として、糖尿病などの代謝障害、膠原病、アルコール依存症などでも引き起こされる可能性があります。 心不全は3つの分類で考えられます。 進行速度による分類(急性、慢性)、低下による心機能による分類(心ポンプ機能低下の収縮不全、拡張不全)、症状や身体所見による分類(右心不全、左心不全)です。 症状や身体所見による分類より出現する症状には、肺うっ血による左心不全症状として、 呼吸困難、息切れ、起座呼吸、発作性夜間呼吸困難、喘鳴、ピンク色泡沫状痰があります。 体静脈うっ血では右心不全症状が出現しやすく、 頸静脈怒張、浮腫、体重増加、右季肋部痛、食欲低下、腹部膨満感、心窩部不快感、肝腫大、肝胆道系酵素上昇、肝頸静脈逆流があります。 これらによって、心拍出量が低下してしまうことで、 意識障害、冷汗、不穏、チアノーゼ、低血圧、乏尿などの症状が出ると考えられます。 急性心不全と慢性心不全では、急性期での症状として 呼吸困難、心停止、心原性ショックなどがあります。 慢性期では 倦怠感、呼吸困難の持続、運動耐用能の低下などが起こるとされています。 心不全は、 聴診で断続性ラ音などが認められます。 血液検査では、 脳性ナトリウム利尿ペプチドの上昇を認めます。 心不全の診断の検査として、採血、胸部レントゲン、心エコー、12誘導、血液ガス分析を行います。 また、治療上、必要に応じて心カテーテル法(スワンガンツカテーテル)や心臓核医学の検査も考慮します。 最後に心不全の治療について以下にまとめます。 1. 薬物療法を基本して、以下を個々の病態に合わせて行う 一つ目は、症状や血行動態の改善を目指した治療(利尿薬、血管拡張薬、狭心症など)があります。 2.重症例では、 補助循環法を考慮する 3. 原因疾患の治療も併せて行う 心不全の重症度分類には、自覚症状による重症度分類として、NYHA分類が用いられています。 聴診所見による重症度分類では、Killip分類が使用され、血行動態による重症度分類ではForrestor分類があります。 看護として大切なことは 水分出納管理です。 利尿薬を使用し、必要であれば 水分制限をかけることが多いです。 また、症状でも呼吸困難感があるように、 安楽な体位の介助を行います。 浮腫を起こしていることも多く、 皮膚の損傷や転倒がないようにも注意していかなければいけません。 おわりに.
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『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』より転載。 昭和伊南総合病院健診センター長 〈目次〉• 8. 心不全ってどんな病気? とは、全身にを送り出すのポンプ機能が低下し、身体の各組織が必要とする血液を送り出せない状態のことをさします。 静脈系に血液がうっ帯することから、ともいいます。 ポンプ機能およびが低下すると、しばらくは代償機構が働きますが、代償機構にも限界があり、やがて心不全に至ります。 心不全ではどんな代償機構が働くの? 心不全で働く代償機構は、まず、心臓の内腔の拡大です。 収縮する前に強く引き伸ばされるほど強く収縮し、心拍出量が増加します。 また、交感神経が興奮してなどが分泌され、心筋の収縮力増加、の増加が起こります。 アンジオテンシンには血管収縮作用と昇圧作用があります。 から分泌されるアルドステロンには、水やの再吸収を促進し、体液量を増加させる働きがあります。 これらの作用の結果、が上昇し、血液循環量が増加します。 ところが、このような状態が続くと心筋に過度の負荷がかかり、代償機構はかえって心不全を悪化させることになります。 レニンは、腎の血圧の低下や血流の低下によって、腎臓の糸球体傍細胞から分泌される。 心不全って何が原因なの? 心不全の原因には、心筋にかかる負荷の増大、心筋の障害、刺激伝導系の異常、弁の障害、心肥大などがあります。 心筋にかかる負荷には、前負荷と後負荷があります。 前負荷とは心臓に戻ってくる血液量による圧力、後負荷とは心臓から血液が出て行くときの抵抗のことです。 などによって、どちらかの負荷が慢性的に心筋にかかると、心筋の収縮力が低下してしまいます。 心筋の障害は、や心筋症などによって起こります。 刺激伝導系の異常による(ひんみゃく)や徐脈(じょみゃく)などによっても、心筋の収縮がうまく行われず、血液が十分に拍出できません。 弁の障害には、弁が開きにくい狭窄(きょうさく)と、弁が閉じない閉鎖不全があります。 狭窄していると、狭いところに血液を押し出そうとするために心筋が疲れ、やがて心室壁が肥厚(ひこう)します。 そうすると心内腔が狭くなって拡張が不十分になり、拍出量が低下します。 閉鎖不全があると、血液が逆流してしまいます。 心肥大は、冠動脈や弁の異常のほか、原因不明とされている拡張型心筋症と肥大型心筋症でも見られます。 心不全にはどんな分類があるの? 経過による心不全の分類には、急性心不全と慢性心不全があります。 急性心不全は、や心タンポナーデ()などにより、突然、心臓のポンプ機能が低下します。 慢性心不全は、慢性的に経過するもので、状態は比較的安定していますが、急性をきたすこともあります。 部位による分類には、左心が障害される左心不全と、右心が障害される右心不全があります。 左心不全に続いて右心不全が起こることが多く、その状態を両心不全といいます。 memo2心タンポナーデ 心筋外傷、心破裂、急性心膜炎などによって、心膜内に血液や心嚢液が貯留し、心臓が拡張障害をきたした状態である。 心不全ではどんな症状が出現するの? 右心不全と左心不全とでは、症状が異なります。 それは、右心から送り出す血液と、左心から送り出す血液の循環が異なるためです。 まず、それぞれの循環ルートを復習しましょう()。 図1血液の循環 右心(右心房、右心室)は、上・下大静脈から受け取った二酸化炭素と老廃物を多く含んだ静脈血を、肺動脈(静脈血)へ押し出します。 肺動脈へ押し出された血液は肺でガス交換を経て、肺静脈へ流れます。 これを肺循環といいます()。 図2肺循環と体循環 左心(左心房、左心室)は、肺静脈から受け取ったを多く含んだ血液を、大動脈へ押し出します。 動脈へ押し出された血液は、全身の組織でガス交換を行い、静脈へ流れます。 これを体循環といいます()。 右心不全では、右心室が血液を送り出せず、その手前の右心房と全身の静脈に血液がうっ滞し、右心房圧と静脈圧が上昇します。 左心不全では、左心室が血液を送り出せず、その手前の左心房と肺静脈に血液がうっ滞し、左心房圧と肺静脈圧が上昇します。 その結果、肺うっ血から肺水腫を起こし、機能障害(、呼吸困難など)が現れます。 また、全身の臓器に十分な血液が送られず、全身倦怠感、の減少、浮腫、消化不良などが起こります。 memo4浮腫 皮下組織の細胞外、すなわち組織に、水分が異常に増加した状態である。 心不全の特徴的な検査所見は? 心不全の検査所見では、肺野における、心肥大、(BNP)の上昇、などが認められます。 副雑音は、肺水腫を起こしていると肺の底部で聴取されます。 心肥大は、胸部X線写真をもとに心胸郭比を用いて評価します()。 心不全では、50%以上に拡大します。 図3心胸郭比 BNPは、おもに心室で合成されるで、心室負荷や心肥大などによって分泌が亢進します。 とくに左心室の障害で値が上昇します。 BNPのは18. 心不全ではどんな治療が行われるの? 慢性心不全は、薬物療法と生活指導が中心です。 強心薬は、心筋の収縮力を高める働きがあります。 ジギタリス製剤は、消化器症状(食欲不振、悪心・)、循環器症状(頻脈、高度な徐脈)、視覚症状(光がないのにチラチラ見える)、神経症状(、)の副作用があります。 これらの副作用が出現していないかどうか観察することが大切です。 動脈拡張薬(ACE阻害薬など)は、末梢動脈を拡張して後負荷を軽減し、心拍出量を増加させます。 静脈拡張薬(硝酸薬など)は、末梢静脈を拡張してを減少させ、前負荷を軽減して肺うっ血を除去します。 生活指導は、心不全を増悪させないことが目的です。 心臓に負荷がかからないように、安静にしたり行動を制限する、水分が過剰に貯留しないように、水と塩分の摂取を制限する、などの生活指導を行います。 心不全の看護のポイントは? 心不全を増悪させない生活指導が、看護のポイントの1つです。 心負荷が軽減するように、それぞれの患者の心機能に見合った活動に制限するよう指導し、患者ができない部分は援助します。 入浴、便秘による怒責も心負荷がかかるので注意が必要です。 呼吸困難が出現している場合は、体位を工夫して緩和します。 臥床すると、心臓に戻る血液量が増大して肺うっ血が増強し、呼吸困難が増悪するため、起座位やセミファーラー位が適しています。 [出典] (監修)山田 幸宏/2016年2月刊行/.
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