この記事の目次• コーングリッツとは? (1)日本のトウモロコシ事情 実は日本は、世界最大のトウモロコシ消費国であり、輸入大国。 1年間の輸入量は約1400万トンにも及び、そのほとんどがアメリカからの輸入に頼っています。 日本人一人当たりに換算すると、年間約110kg消費??• あれっ、ちょっと計算が合わない気がしませんか? いやいや、一人あたり110㎏もトウモロコシを食べてるわけではなく、その実態は家畜や食材原料としてです。 輸入したトウモロコシの約75%が家畜の飼料用、そして約20%がでんぷん原料として使われています。 コーングリッツなどに加工されるのは最終、1~5%ほどになります。 日本で販売されるコーングリッツのトウモロコシ原料は、ほぼ全量がアメリカ、ブラジルなど海外からの輸入品です。 (2)コーングリッツとコーンミールとコーンフラワーの違いは? コーングリッツ、コーンミール、コーンフラワーの違いは何でしょう? 全てトウモロコシを原材料とする製品ですが、そのトウモロコシを引いた後の「粒の大きさ」の違いによって名前が変わります。 一番粗挽きのものが「コーングリッツ」、中間程度に細かく挽いてあるのが「コーンミール」、更に一番小さく粒が挽かれているのが「コーンフラワー」と区別されています。 (3)コーングリッツを使った食品の例 コーングリッツを使う食べ物と聞いて、真っ先に思い浮かべるのが「イングリッシュ・マフィン」でしょうか? トースターでこんがり焼くマフィン、サクッとした食感が癖になり人気ですよね。 生地の中に混ぜ込む場合もありますが、イングリッシュ・マフィンの最大の特徴といえば、表面についたツブツブ、これがコーングリッツやコーンミールです。 次に、アメリカのママの味とも呼ばれ、日常的によく食べられているパン製品に「コーンブレッド」があります。 こちらもコーングリッツが材料として使用され、トウモロコシからくる穏やかな甘さと、そのユニークな食感が人気のパン製品です。 他にも、コーンフレークなど、朝食で食べるシリアルや、コーンベースのスナック菓子、ビールや焼酎を作るときの醸造用としてもコーングリッツが利用されています。 コーングリッツ、トウモロコシ原料に指摘されている危険性とは? ネット時代、世界のさまざまな情報が簡単に手に入るようになり、また真偽のほどはともかくとして噂が拡散する時代となりました。 日本に対する最大の輸出国であるアメリカで大きく指摘されているトウモロコシの問題! それは「遺伝子組み換え」により開発されたトウモロコシ原料です。 【1】遺伝子組み換えとは? 遺伝子組み換えとは、自然には発生しない遺伝子組み合わせを人間が強制的に行う技術のことです。 DNA操作という表現をすると、少し脅威を感じるかもわかりません。 遺伝子組み換えを積極的に推し進める企業や、そこから生まれる商品市場を守ろうとする政府機関では、『遺伝子組み換えは健康に害を与えず、安全だ』と宣伝しています。 しかし実態はどうなのでしょうか? 中身をよく調べてみると、その安全性の根拠となる実測データが実に根拠が薄かったり、たったの90日程度の浅い実験データだったり、と安全性にまったくつながらない、と指摘する市民団体や疑問の声が大きくなってきています。 【2】なぜ遺伝子組み換え操作を続けるのか? 遺伝子組み換え技術が産まれた理由は、技術開発企業の利権問題や国による仕組まれた政策なのでしょうか? もともとのこの技術開発が進められたきっかけは、除草剤や害虫に負けない遺伝子を農作物に組み込み、人間の手を煩わせずに楽に大量に農作物を作るためです。 そもそも、アメリカのバイオ科学企業の「モンサント社」が、この遺伝子組み換え技術を開発しましたが、遺伝子組み換え技術とセットで、自社の強力な除草剤を販売することも目的だったという話もあります。 ダブルで儲けられるという「モンサント社」が描いた営利ストーリーによるものです。 【3】遺伝子組み換え技術による育てられた作物の影響は?危険なのか?または安全で私たちにとってメリットをもたらすものか? 3-1.歴史が浅くまだ不確かな技術 遺伝子組み換えの技術は、まだ歴史が長くありません。 従来発生しなかったような問題が、今後発生してくるかもわかりません。 どちらとも予測が立てられないのが、最大のリスク要因だと思われます。 大げさな話、今後新たな遺伝子交雑により全く違う特性や毒素をもった作物が産まれてくる危険性が無いとは言い切れないと思います。 3-2.健康が害される可能性 この遺伝子組み換え技術の開発目的は、除草剤や害虫に負けない環境に強い農作物を作ることでした。 そのため、モンサント社の強力な除草剤を散布しても枯れずに、大量の収穫が期待できます。 農家さんの効率化が大きく助けられます。 しかし、大量の除草剤散布で作られたような作物は、本当に人間の健康にまったく影響がないのでしょうか? アメリカでは、多くの遺伝子組み換え食品が流通してきた歴史をもっています。 この遺伝子組み換え食品の流通量に比例して増加してきた慢性疾患ということで報告されている例もあります。 例えば、癌や白血病、アレルギー、自閉症、奇形児の出生など、どれも深刻な疾患ばかりでこれが本当ならば怖い話です。 3-3.深刻な環境汚染 強力な除草剤の散布は、その農作物だけでなく周辺の土壌汚染の原因にもなります。 汚染された土に雨が降り、土壌から除草剤が流れ出すと、近くの川や地下水にも影響が出ます。 水が汚染され、魚や鳥などにも影響が出る可能性がある。 遺伝子組み換え作物にだけ、効果的に薬が使用できるならまだしも、当然ながら、このような周辺土壌、河川、また飛ばされた花粉を餌とする昆虫やミツバチにも影響が出てくる危険性をはらんでいます。 気を付けましょう。 日本の遺伝子組み換え食品 日本での食品の原料表示は世界的に見てとても緩いモノになっています。 調べましたが、商品ラベルに『遺伝子組み換え原料を使用していません』と表示されていても安心できないことがあるようです。 それは、• 商品重量に占める上位3番以内の原材料にしか表示義務がない• 当該作物の含有量が5%未満ならば『非遺伝子組み換え』として表示が可能• 加工された油脂、醤油など、また原料のみでタンパク質が商品に残らないものも『遺伝子組み換え』原料の表示義務がない• 海外からの原料輸入、最終日本で解凍、再加熱してしまえば、『国産』と表示できてしまう などといったもので、まだまだ日本の食品原材料表示基準には大きな抜け道が存在することは覚えておいた方が良いでしょう。 コーングリッツの代用品として使えるもの コーングリッツは幅広く料理に使用できる万能食材なのか?というとそうでもありません。 一袋買うと余って、困るという意見もよく聞きます。 それに、遺伝子組み換え原料と噂されると怖くて食べられなくなる方も多いのではないでしょうか? そんなあなたに「コーングリッツ」の代用品として使えるものを一部ご紹介。 プレーンタイプの コーンフレーク(遺伝子組み換えの心配のないもの)や シリアル類をミキサーで粉々にして使用する• トウモロコシが原料となる 菓子類(遺伝子組み換えの心配のないもの)をミキサーで粉々にして使用する 以上、を参照。 (イングリッシュ・マフィンを作るときなどは)粗めの 「パン粉」で代用が可能、「パン粉」で表面のツブツブ感を演出します。 コーングリッツまとめ 現状では、コーングリッツ、またはその原料のトウモロコシは様々な危険をはらんだ「遺伝子組み換え食品」になります。 日本国内では、遺伝子組み換え作物の栽培が禁止されています。 しかし、なぜだか、輸入品については管理が弱いという印象が今回強く残りました。 アメリカからの圧力だというのは今や常識かもわかりませんが、まったくもってトウモロコシの遺伝子組み換え原料の輸入は許可されています。 日本では現時点で明確な危険性が確認されていないから大丈夫という論調も多く残っていますが、海外ではNON-GMO(非遺伝子組み換え原料)の認証制度も多くなってきています。 この事実は私たちが広く知るべきかとも思います。 そのうえで、自己判断により食べる人は食べる、食べない人は食べない。 そのように、自分たちの口にするものに対しては選択して食べるようになりたいものです。
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(写真1)勢いよく成長する遺伝子組み換え大豆(茨城県河内町のモンサント実験農場で) アゴラ研究所は、日本モンサント()()の協力を得て、8月12日に遺伝子組み換え(GM : Genetically Modified)作物の農場見学会を行った。 今回は同社が茨城県河内町に持つ実験農場を視察した。 ここは日本で数少ないGM作物を栽培する場所だ。 参加者は読者を中心に約20人だった。 実際に栽培中の遺伝子組み換え作物を見ると、雑草防除効果、害虫を寄せ付けないことによる農薬使用の削減など、生育へのプラス効果は明らかだった。 収穫されたトウモロコシも見栄えがよく、味もよかった。 日本では遺伝子組み換え作物が大量に輸入され使われているのに危険という印象が広がっている。 実際に見て食べることで、参加者らは「なぜイメージが悪いのか」と、そろって不思議がった。 アゴラは、エネルギー・環境問題についての専門家の知見を提供するバーチャルシンクタンクGEPRを運営しており、農業問題の知見を読者と共に深めるための活動だ。 遺伝子組み換え作物は、農業生産性の向上の道具 「実際のものを見ると、印象が変わることがあります。 ぜひ実際の遺伝子組み換え作物を見て、感じ、考えていただきたいのです」と、日本モンサント社長の山根精一郎氏が見学会の前にあいさつした。 (写真2) (写真2)日本モンサントの山根精一郎社長 「どのような産業でも生産性の向上を考えなければなりません。 それなのに日本の農業の生産性は、近年それほど向上していません。 モンサント・カンパニーは農業のためになるいろいろな技術を持ち、その一つが遺伝子組み換え作物です。 1996年に米国で商品化され、今年で20年が経過しましたが、米国の大豆、コーン(トウモロコシ)で8割以上で使われています」と語った。 日本モンサントは世界的な企業モンサント・カンパニーの日本法人だ。 この企業グループは世界60カ国で、バイオテクノロジーや交配育種によって品種改良をした農作物の種や農薬など、農業に関する製品、サービスを提供している。 日本は海外から大量のトウモロコシ、ダイズ、ナタネを輸入し、その量は合計で年間約2000万トンになる。 船積み地では指定のない限り原則として遺伝子組み換えとそうでない穀物は分けられない。 これら3品目の主要な輸入国である米国、ブラジルのGM生産量を考えると、その約8割の1600万トンが遺伝子組み換え作物と推定される。 日本のコメ生産量の年約800万トンと比較すると膨大な量だ。 輸入された3種の穀物は主に家畜飼料、油、飲料の甘味料などの原材料になり、畜産加工品や油を使った加工食品、飲料などのかたちで多くの遺伝子組み換え作物由来の食品を食している。 遺伝子組み換え作物は日本の食生活を支えているのだ。 日本では遺伝子組み換え作物は商業栽培されていない。 法的には環境安全性評価を経て栽培まで認められているものがほとんだが、生産者と流通業者、販売者が風評を恐れて積極的に自ら栽培に動こうとしないのが原因だ。 見学会では日本モンサントの広報部部長の佐々木幸枝さんが、モンサント・カンパニーのミッションや農業技術との関係について紹介した。 「世界の農業は気候変動、途上国の食生活の変化や人口急増による需要増、水やエネルギーの不足など、さまざまな課題に直面しています。 モンサントは、 1・従来の品種改良 2・バイオテクノロジー(遺伝子組み換え技術) 3・化学農薬 4・自然界の物質を利用した生物農薬5・データサイエンスを用いた精密農法 という5つの分野で技術をモンサントのテクノロジープラットフォームとして提供しています」。 モンサントはこれら5分野の技術を融合させ、世界の農業で「2030年までにコーン、ダイズ、ワタなどの主要作物の単位面積当たり収量を、2000年までの倍に伸ばしつつ、作物栽培に必要な資源(水、土地、肥料など)を3分の1削減する」という公約、また「2012年までに、カーボン・ニュートラル(温室効果ガスを増加させない な作物の生産システムを実現する」を掲げているという。 実現すれば、世界の食糧事情、エネルギーの消費は大きく改善するだろう。 遺伝子組み換え作物には安全性などを懸念する声もある。 しかしこのような作物は国際基準に基づき、各国が科学的に安全性の審査を行い、安全性が確認されたものしか商品化されないという仕組みが確立されている。 1996年の商品化から20年経過するが、健康被害などは一度も確認されたことはない。 今年5月に米科学アカデミー(NAS)は、20年の総括として、専門家を集めたリポートを公表し「遺伝子組み換え作物は人間や動物が食べても安全であり、環境を害することはない」と結論付ける報告書を公表している。 () そしてアゴラ研究所所長で経済学者の池田信夫氏は、経済の側面から農業の革新の必要性を訴えた。 「日本の製造業は合理化の中で、生産性向上をし尽くしました。 農業は遅れている面があるが、これは逆に適切に行えば生産性が向上して、農家の収入が増える「のりしろ」があるということです。 遺伝子組み換え作物を含めて、新しい技術を使って農業を革新していくべきでしょう」と、期待を述べた。 また記事筆者の石井は8月初旬に米国穀物協会の取材支援でイリノイ州の農家を回った経験を話した。 「米国の農家は効率性、消費者の満足度を重視する企業家でした。 遺伝子組み換え作物は農薬を減らし、草取りや害虫駆除の手間を減らし、収益を増やす革新技術として、また農薬を減らして出荷する穀物の安全性を高める道具として、企業家の視点から積極的に取り入れていました」と報告した。 (写真3) (写真3)遺伝子組み換え作物を育てる米イリノイ州の農家ハウウェルさん。 20年前に遺伝子組み換え作物を使うことで農作業が楽になり、農薬を使わないので、穀物安全性も高まったという。 (8月、同州で) 遺伝子組み換え作物は除草、農作業の手間を減らせる 日本モンサントの研究農場では除草剤耐性大豆、害虫抵抗性トウモロコシの生育状況を見ることができた。 (写真4)3つの状況をつくりGMの効果を確かめた農地 (写真5)遺伝子組換えではない普通の大豆にグリホサート除草剤がかかって枯れている (写真6)グリホサート除草剤に耐性のあるGM大豆 (写真7)除草剤グリホサートを撒かなかった雑草だらけの大豆畑 「写真4」は3つの状況を農場でつくりGMの効果を見えるようにしている。 左側の部分、拡大すると「写真5」は遺伝子組換えではない通常の日本のダイズ品種(しゅ)「エンレイ」を植えた農地に、除草剤グリホサート(モンサントのブランド名はラウンドアップ)を1カ月前に撒いた状態だ。 普通の大豆は除草剤をまくとこのように枯れる。 真ん中の部分、拡大すると「写真6」は遺伝子組換え技術によって除草剤耐性の性質を付与した大豆で、除草剤グリホサートを1回散布するだけで、雑草だけがきれいに枯れて、大豆は枯れずに生き生きと生育している。 一番奥の部分、拡大すると「写真7」は、遺伝子組換えの除草剤耐性大豆だが、除草剤グリホサートを散布しないと、このように雑草が生えてしまい大豆が隠れてしまっている。 これらを見比べれば、遺伝子組み換え作物は農作業の手間を大幅に減らすことが分かる。 また、この技術によって雑草防除のために土を耕さなくて済むようになり、土壌中からのCO2の発生を抑える「不耕起栽培」の普及にも貢献しているという。 「写真8」「写真9」は遺伝子組み換えトウモロコシの状況だ。 (写真8)害虫抵抗性を持つ遺伝子組み換えのトウモロコシ (写真9)普通品種のトウモロコシ。 害虫にやられてしまった 「写真8」が遺伝子組換えをして害虫抵抗性を持つトウモロコシ、「写真9」が遺伝子組み換えではないトウモロコシだ。 前者の方が大きく成長しており、葉も実もきれいなままだ。 右は葉から実まで虫食いの穴が開いて枯れてしまっている。 これはトウモロコシ自体が遺伝子組み換えで殺虫タンパク質をつくることができるためだ。 トウモロコシを作る場合には、通常は多くの殺虫剤を散布しなければならないが、そうしなくても害虫防除が可能になる。 ただしこの殺虫成分は土壌微生物が作るもので特定の標的害虫にしか効果は発揮しない。 人やほ乳類は、消化の仕組みが違うので特に影響はない。 (写真10)収穫された遺伝子組み換えのスウィートコーン。 虫食いがなく、見栄えが良い 訪問の8月12日は茨城県の気温は摂氏36度で日差しが強く、屋外では見学だけでも大変だった。 夏の炎天下の農作業の過酷さが推察できた。 GMを使えば、除草や農薬散布の手間が大きく減る。 世界各国の農家がGM作物を積極的に利用する理由は当然と思われた。 食べることで、新しい発見 その後場所を変えて、GMスイートコーン、また従来の交配育種で誕生し同社が茨城県を中心に販売しているコメ、「とねのめぐみ」を使った食事をした。 (写真7)とねのめぐみ 遺伝子組み換えトウモロコシは害虫抵抗性の形質を加えているが、外見や味に変化は無い。 ただし虫食いがないので見栄えはよく、生育が良いため、味もおいしかった。 そして取れたてのコーンゆえに、甘く、芳醇な香りがした。 とねのめぐみは人気米「コシヒカリ」と、病気に強く粒の大きい「どんとこい」を交配してつくられたコメだ。 ただし遺伝子組み換えではない。 コメには適正な産地があるという。 とねのめぐみは茨城県向けだ。 実験農場のある河内町は利根川流域にあり、それの運んだ肥沃な土壌にある農業地帯だ。 日本モンサントは、実験農場のある同町の農業への地域貢献や、そして日本における米作の重要さを考え、新しい品種として開発したという。 とねのめぐみは食べるとコシヒカリのようで、大粒で甘みがあり、粘り気が強く大変おいしかった。 茨城県内では少しずつ生産と販売が広がっているという。 実際に食べても、当然ながら遺伝子組み換えのトウモロコシは特に安全面で問題はなく、参加者はそろってこの作物を「日本でも広げるべきだ」と肯定的に受け止めていた。 食べて「おいしい」と感じる行為は、頭で理屈をこねくり回すだけの営みよりも、新しい発見と気づき、そして深い印象を、参加者にもたらしたようだ。 今こそ新技術「遺伝子組み換え」の議論を 日本の農業は、TPPへの警戒感など後ろ向きの話ばかりだ。 しかし、とねのめぐみと、遺伝子組み換えトウモロコシを実際に食べ、そのおいしさをかみしめながら、新しい技術を使いこなせば、日本の農業は成長できるのではないかという期待を抱けた。 どんな行動にもリスクと利益は存在する。 新しい技術であるGM作物の問題はかなり小さいように思われる。 しかし、おいしい農作物の確保、収穫量の拡大、農作業の手間の減少による労力、コストの削減というメリットは、体験し、味わったことで明らかだ。 しかし、遺伝子組み換え作物への反感によって、その活用が進まない。 これは生産者、消費者の自由な選択を妨げている。 これは不幸なことだ。 「私たちの遺伝子組み換え作物の技術は日本の農業にも貢献できるという思いはありますし、見学してくださった農業生産者の方々からは使ってみたいという声が実際にあります。 しかし社会全体の受け入れが必要です。 まずこの作物の本当の姿を知っていただきたい」と、日本モンサントの山根社長は話している。 日本の農業は困難な状況にある。 このまま何もしなければ高齢化と後継者不足、そして国際競争の中で立ちゆかなくなる。 消費者は農業保護の名目で、国際基準に比べて高い農作物を購入し続けることになるだろう。 遺伝子組み換え作物を含めて、生産者、消費者が新しい技術を積極的に受け入れることが、日本の農業を飛躍させる契機になるはずだ。 遺伝子組み換え作物について冷静な議論を始めるべき時だろう。 (取材・編集 石井孝明 アゴラ研究所フェロー・ジャーナリスト).
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この記事の目次• コーングリッツとは? (1)日本のトウモロコシ事情 実は日本は、世界最大のトウモロコシ消費国であり、輸入大国。 1年間の輸入量は約1400万トンにも及び、そのほとんどがアメリカからの輸入に頼っています。 日本人一人当たりに換算すると、年間約110kg消費??• あれっ、ちょっと計算が合わない気がしませんか? いやいや、一人あたり110㎏もトウモロコシを食べてるわけではなく、その実態は家畜や食材原料としてです。 輸入したトウモロコシの約75%が家畜の飼料用、そして約20%がでんぷん原料として使われています。 コーングリッツなどに加工されるのは最終、1~5%ほどになります。 日本で販売されるコーングリッツのトウモロコシ原料は、ほぼ全量がアメリカ、ブラジルなど海外からの輸入品です。 (2)コーングリッツとコーンミールとコーンフラワーの違いは? コーングリッツ、コーンミール、コーンフラワーの違いは何でしょう? 全てトウモロコシを原材料とする製品ですが、そのトウモロコシを引いた後の「粒の大きさ」の違いによって名前が変わります。 一番粗挽きのものが「コーングリッツ」、中間程度に細かく挽いてあるのが「コーンミール」、更に一番小さく粒が挽かれているのが「コーンフラワー」と区別されています。 (3)コーングリッツを使った食品の例 コーングリッツを使う食べ物と聞いて、真っ先に思い浮かべるのが「イングリッシュ・マフィン」でしょうか? トースターでこんがり焼くマフィン、サクッとした食感が癖になり人気ですよね。 生地の中に混ぜ込む場合もありますが、イングリッシュ・マフィンの最大の特徴といえば、表面についたツブツブ、これがコーングリッツやコーンミールです。 次に、アメリカのママの味とも呼ばれ、日常的によく食べられているパン製品に「コーンブレッド」があります。 こちらもコーングリッツが材料として使用され、トウモロコシからくる穏やかな甘さと、そのユニークな食感が人気のパン製品です。 他にも、コーンフレークなど、朝食で食べるシリアルや、コーンベースのスナック菓子、ビールや焼酎を作るときの醸造用としてもコーングリッツが利用されています。 コーングリッツ、トウモロコシ原料に指摘されている危険性とは? ネット時代、世界のさまざまな情報が簡単に手に入るようになり、また真偽のほどはともかくとして噂が拡散する時代となりました。 日本に対する最大の輸出国であるアメリカで大きく指摘されているトウモロコシの問題! それは「遺伝子組み換え」により開発されたトウモロコシ原料です。 【1】遺伝子組み換えとは? 遺伝子組み換えとは、自然には発生しない遺伝子組み合わせを人間が強制的に行う技術のことです。 DNA操作という表現をすると、少し脅威を感じるかもわかりません。 遺伝子組み換えを積極的に推し進める企業や、そこから生まれる商品市場を守ろうとする政府機関では、『遺伝子組み換えは健康に害を与えず、安全だ』と宣伝しています。 しかし実態はどうなのでしょうか? 中身をよく調べてみると、その安全性の根拠となる実測データが実に根拠が薄かったり、たったの90日程度の浅い実験データだったり、と安全性にまったくつながらない、と指摘する市民団体や疑問の声が大きくなってきています。 【2】なぜ遺伝子組み換え操作を続けるのか? 遺伝子組み換え技術が産まれた理由は、技術開発企業の利権問題や国による仕組まれた政策なのでしょうか? もともとのこの技術開発が進められたきっかけは、除草剤や害虫に負けない遺伝子を農作物に組み込み、人間の手を煩わせずに楽に大量に農作物を作るためです。 そもそも、アメリカのバイオ科学企業の「モンサント社」が、この遺伝子組み換え技術を開発しましたが、遺伝子組み換え技術とセットで、自社の強力な除草剤を販売することも目的だったという話もあります。 ダブルで儲けられるという「モンサント社」が描いた営利ストーリーによるものです。 【3】遺伝子組み換え技術による育てられた作物の影響は?危険なのか?または安全で私たちにとってメリットをもたらすものか? 3-1.歴史が浅くまだ不確かな技術 遺伝子組み換えの技術は、まだ歴史が長くありません。 従来発生しなかったような問題が、今後発生してくるかもわかりません。 どちらとも予測が立てられないのが、最大のリスク要因だと思われます。 大げさな話、今後新たな遺伝子交雑により全く違う特性や毒素をもった作物が産まれてくる危険性が無いとは言い切れないと思います。 3-2.健康が害される可能性 この遺伝子組み換え技術の開発目的は、除草剤や害虫に負けない環境に強い農作物を作ることでした。 そのため、モンサント社の強力な除草剤を散布しても枯れずに、大量の収穫が期待できます。 農家さんの効率化が大きく助けられます。 しかし、大量の除草剤散布で作られたような作物は、本当に人間の健康にまったく影響がないのでしょうか? アメリカでは、多くの遺伝子組み換え食品が流通してきた歴史をもっています。 この遺伝子組み換え食品の流通量に比例して増加してきた慢性疾患ということで報告されている例もあります。 例えば、癌や白血病、アレルギー、自閉症、奇形児の出生など、どれも深刻な疾患ばかりでこれが本当ならば怖い話です。 3-3.深刻な環境汚染 強力な除草剤の散布は、その農作物だけでなく周辺の土壌汚染の原因にもなります。 汚染された土に雨が降り、土壌から除草剤が流れ出すと、近くの川や地下水にも影響が出ます。 水が汚染され、魚や鳥などにも影響が出る可能性がある。 遺伝子組み換え作物にだけ、効果的に薬が使用できるならまだしも、当然ながら、このような周辺土壌、河川、また飛ばされた花粉を餌とする昆虫やミツバチにも影響が出てくる危険性をはらんでいます。 気を付けましょう。 日本の遺伝子組み換え食品 日本での食品の原料表示は世界的に見てとても緩いモノになっています。 調べましたが、商品ラベルに『遺伝子組み換え原料を使用していません』と表示されていても安心できないことがあるようです。 それは、• 商品重量に占める上位3番以内の原材料にしか表示義務がない• 当該作物の含有量が5%未満ならば『非遺伝子組み換え』として表示が可能• 加工された油脂、醤油など、また原料のみでタンパク質が商品に残らないものも『遺伝子組み換え』原料の表示義務がない• 海外からの原料輸入、最終日本で解凍、再加熱してしまえば、『国産』と表示できてしまう などといったもので、まだまだ日本の食品原材料表示基準には大きな抜け道が存在することは覚えておいた方が良いでしょう。 コーングリッツの代用品として使えるもの コーングリッツは幅広く料理に使用できる万能食材なのか?というとそうでもありません。 一袋買うと余って、困るという意見もよく聞きます。 それに、遺伝子組み換え原料と噂されると怖くて食べられなくなる方も多いのではないでしょうか? そんなあなたに「コーングリッツ」の代用品として使えるものを一部ご紹介。 プレーンタイプの コーンフレーク(遺伝子組み換えの心配のないもの)や シリアル類をミキサーで粉々にして使用する• トウモロコシが原料となる 菓子類(遺伝子組み換えの心配のないもの)をミキサーで粉々にして使用する 以上、を参照。 (イングリッシュ・マフィンを作るときなどは)粗めの 「パン粉」で代用が可能、「パン粉」で表面のツブツブ感を演出します。 コーングリッツまとめ 現状では、コーングリッツ、またはその原料のトウモロコシは様々な危険をはらんだ「遺伝子組み換え食品」になります。 日本国内では、遺伝子組み換え作物の栽培が禁止されています。 しかし、なぜだか、輸入品については管理が弱いという印象が今回強く残りました。 アメリカからの圧力だというのは今や常識かもわかりませんが、まったくもってトウモロコシの遺伝子組み換え原料の輸入は許可されています。 日本では現時点で明確な危険性が確認されていないから大丈夫という論調も多く残っていますが、海外ではNON-GMO(非遺伝子組み換え原料)の認証制度も多くなってきています。 この事実は私たちが広く知るべきかとも思います。 そのうえで、自己判断により食べる人は食べる、食べない人は食べない。 そのように、自分たちの口にするものに対しては選択して食べるようになりたいものです。
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