よしの あきら。 【夢を叶える名言集】吉野 彰

毎小ニュース:科学 ノーベル賞吉野さんも読んだ「ロウソクの科学」が人気

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それは「悪魔の川」、「死の谷」、「ダーウィンの海」である。 研究開発の場合、「悪魔の川」とは基礎研究という孤独な作業の中でもがき苦しみながら、それまで世界になかった何か新しいものを見いだすまでの辛苦である。 次に出くわす「死の谷」とは、基礎研究の成果で見いだした新しいものの製品化、事業化に向けて開発研究の段階に進んでいくが、次から次に課題が噴出して連日連夜対策に追われる日々が何年も続く、この辛苦を表している。 最もつらいのが「ダーウィンの海」である。 開発研究でもろもろの課題を何とか解決し、念願の事業化ということになる。 工場が完成し、新製品が世の中に出ていくことになる。 しかしながら、世の中の人々はその製品をすぐに買ってくれるわけではない。 人々が新製品の価値を認め、市場が立ち上がっていくまでに、また数年かかる。 これが「ダーウィンの海」である。 ここに至るまでに、多額の研究開発投資、工場建設のための設備投資が発生している。 それにもかかわらず新製品が売れないのはつらすぎる。 では、リチウムイオン電池の場合の「悪魔の川」、「死の谷」、「ダーウィンの海」は実際どうだったのであろうか。 時系列的にまとめると 表1の通りである。 表1 リチウムイオン電池の三つの関門 表の通り、リチウムイオン電池の「悪魔の川」、「死の谷」、「ダーウィンの海」はそれぞれ約5年間で、計15年の期間を要していた。 すなわち、ビーカースケールで研究を始めてから市場の立ち上がりまで15年かかっている。 これは決して長くもなければ短くもないと思っている。 新製品の事業化におけるごく標準的な姿である。 「機が熟すまで」という目には見えない要因が働いているのではないかと私は思っている。 それを象徴するような、私が体験したエピソードを紹介したい。 それは「関心はあるけど買わないよ」という奇妙な現象である。 1990年に入ると、現在の携帯電話やノートパソコンといった新商品の企画が始まりつつあった。 こうした時期に私は数多くのユーザーを訪問し、リチウムイオン電池の特徴を説明した。 どのユーザーも非常に関心を示してくれた。 ぜひ前向きに評価を進めたいというのが大半のユーザーの声であった。 ユーザーの声を社内に持ち帰り、ユーザーワークが順調に進んでいると報告をするわけである。 こうしたやりとりを何度も繰り返すのだが、なかなかそれ以上の具体的な商談には進まないのである。 「関心はあるけど買わないよ」という奇妙な状況が続くのである。 一番厄介な状況である。 後日談で、当時のユーザーにその時の状況を聞いてみると、以下のようなことであった。 一言で言うと「先頭を切って走るのはリスクがあるので嫌だけれども、出遅れるのも困る。 誰かが走り出したらすぐに動けるようにしておきたい」ということである。 「関心はあるけど買わないよ」と言ったが、もっと正確に言うと「関心はあるけど機が熟すまでは買わないよ」というのが正しかったのだ。 これが「ダーウィンの海」の特徴的な現象だと思う。 それでは機が熟したのはいつだったのだろうか。 それは1995年のことであった。 実はこの年には世界を大きく変えていく出来事が起こっていた。 象徴的な出来事はWindows95の発売であった。 そうである。 95年は現在われわれがごく当たり前のように過ごしているMobile-IT社会の実現に向けて始動していった年なのである。 どの統計データを見てもIT関連の技術、製品は全て95年から垂直的な成長を遂げている。 Mobile-IT社会に向けて始動していくためには多くの要素技術が出そろっていなければならない。 ざっと主立ったものを列記すれば、LSIの超高集積化、液晶などのディスプレー技術、高速ワイヤレス通信網技術、GPS技術、それに二次電池の小型軽量化技術などである。 こういった要素技術が出そろったのが95年であったのだろう。 「機が熟する」とはまさにこのことである。 こうしてリチウムイオン電池の市場は95年から一気に動き出し、その後急成長を遂げていく。 こうしてリチウムイオン電池は「ダーウィンの海」を克服していったのである。

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吉野彰の学歴!高校や大学は?2017ノーベル賞の研究内容とは?│トレンドの樹

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リチウムイオン二次電池とは リチウムイオン電池とはリチウム化合物を電極に使う電池のこと。 プラス極とマイナス極の間をリチウムイオンが移動して電気を運びます。 二次電池とは充電して再利用可能な電池のことです。 リチウムイオン電池は、小さな電池に大量の電気を溜めることができます。 携帯電話のバッテリーに使われたのが最初。 その後、携帯パソコン、スマホ、携帯用の家電に使われました。 ドローンもリチウムイオン電池を使って動いています。 2009年以降は自動車のバッテリーとしても使われました。 リチウムイオン電池は大量の電気を貯めることができるので、大きな電力のいる自動車用の電池に使われたのです。 その後、ハイブリッド自動車、電気自動車のバッテリーに使われました。 大容量を生かして住宅用の電池としても期待されています。 はやぶさ2などの人工衛星のバッテリーに使われることもあります。 2020年登場予定の東海道新幹線の新型車両もリチウムイオン電池を搭載することが決まっています。 今までは小型でたくさんの電気が溜められる。 ということでリチウムイオン電池普及しました。 携帯電話、ノートパソコン、タブレット、スマホなどIT社会を支えているのがリチウムイオン電池です。 電動工具や充電式の家電、カメラなどリチウムイオン電池で動いている家電製品も多いです。 医療機器などのバッテリーとしても使われています。 今後は電気自動車、住宅など大型のリチウム電池がさまざまなところで使われるようになりそうです。 リチウムイオン電池にはこのようなマークが付いています。 リサイクル法で回収することが決められているんですね。 ちなみに 名前は似ていますがボタン型のリチウム電池(ボタン電池)とは違います。 リチウム電池の歴史 1970年代。 ウィッティンガム氏が、プラス極にニ硫化チタン、マイナス極に金属リチウムを使った電池を開発。 リチウムは不安定なので実用化はできませんでした。 リチウムを使った最初の電池です。 1980年。 グッドイナフ氏と水島氏がプラス極にコバルト酸リチウムを使ったリチウムイオン電池の概念を論文発表しました。 1985年。 旭化成の吉野氏らがプラス極にコバルト酸リチウム、マイナス極に炭素材料を使った現在のリチウムイオン電池の原型を開発しました。 その後様々な企業が実用化を目指し改良を行いました。 1991年。 ソニーでは西美緒(にし よしお)氏らがリチウムイオン電池の商品化に成功。 ソニーはリチウムイオン電池を使った携帯電話を発売しました。 1993年。 エイ・ティーバッテリー(旭化成と東芝の合弁会社)がリチウムイオン電池を商品化。 1994年。 三洋電機がリチウムイオン電池を発売。 1995年。 Windows95発売。 ノートパソコンが普及しました。 リチウム電池の需要も急速に増えました。 2009年。 三菱自動車が電気自動車「i-MiEV」を発売。 リチウムイオン電池が電気自動車のバッテリーとして使われました。 その後、リチウムイオン電池は様々な場所で使われています。 吉野 彰(よしの あきら)氏とはどんな人? 1948年。 大阪府吹田市生まれ。 1970年。 京都大学工学部卒。 1972年。 京都大学工学部大学院修士課終了。 同じ年。 旭化成に就職しました。 このころは化合物の新しい使いみちを探す研究をしていたそうです。 貼るとガラスが割れなくなるフィルムや燃えにくい断熱材の研究をしていました。 しかし商品化まではできませんでした。 1981年。 小型充電池の開発を始めます。 携帯用の家電に使うためのバッテリーが目標でした。 吉野氏は、グッドイナフ氏が開発していたコバルト酸リチウムを使った電池に注目。 プラス極はコバルト酸リチウムで決まりでしたが。 マイナス極をどうするのか世界の研究者が開発を行っていました。 吉野氏は白河英樹・筑波大教授(2000年ノーベル化学賞受賞)が開発した「ポリアセチレン」を電池のマイナス極に使えないか研究しました。 ポリアセチレンは金属ではありませんが電気を通す有機物です。 1985年。 旭化成が開発した炭素繊維(グラファイト)をマイナス極にすることで満足の行く性能の電池が生まれました。 普通は電極の素材には使わないポリアセチレンを使うという柔軟な発想が、炭素を使った電池の発明に繋がりました。 しかし当時は現代のようなモバイル社会ではなく最初はなかなか売れませんでした。 転機となったのはWindows95の発売だったといわれます。 ノートパソコンが一気に普及したのです。 旭化成ではイオン二次電池事業部長、電池材料事業開発室長を務めました。 退職後、顧問になりました。 2017年から名誉フェローになってます。 名城大学教授も務めています。 2005年には大阪大学で工学博士号を取得。 2014年。 アメリカのチャールズ・スターク・ドレイパー賞を受賞しました。 工学のノーベル賞といわれる世界的に権威のある賞です。 2018年。 日本国際賞を受賞しました。 フェローとは フェロー(Fellow)とは大学や研究所の研究員で特別な功績のあった人に与えられる称号のことです。 吉野氏とともに受賞した人 吉野氏はジョン・グッドイナフ氏、スタンリー・ウィッティンガム氏とともに受賞しました。 ジョン・グッドイナフ氏 1922年。 ドイツ生まれ。 1952年。 アメリカ・シカゴ大学で博士号(物理学)を取得。 ウェスチングハウス・エレクトリック社 米マサチューセッツ工科大学研究員 英オックスフォード大学教授をつとめました。 1986年からアメリカ・テキサス大学オースティン校の教授をしています。 現在97歳。 ウィッティンガム氏が開発していた金属リチウム電池にヒントを得てリチウム電池の開発を行いました。 1985年代にプラス極にコバルト酸リチウムを使用した繰り返し充電できる電池を開発。 論文を発表しました。 充電できるリチウムイオン電池の原型がこのとき誕生しました。 97歳は歴代ノーベル賞受賞者の中でも最高齢です。 スタンリー・ウィッティンガム氏 1941年。 イギリス生まれ。 1968年。 英オックスフォード大学で博士号(化学)を取得。 米スタンフォード大学博士研究員。 エクソン・リサーチ・アンド・エンジニアリング社で勤めた後。 2012年から米ニューヨーク州立大学ビンガムトン校の卓越教授になりました。 現在77歳。 ウィッティンガム氏は1970年代に金属リチウムを使った電池を開発。 リチウムを使った電池を最初に開発した人です。 吉野氏とともに受賞したジョン・グッドイナフ氏、スタンリー・ウィッティンガム氏は三人ともリチウム電池の開発を行った人です。 三人は共同開発したのではなく、それぞれ時期も場所も違うところで開発を行っています。 現代の社会を支えている技術 今の私達の社会はスマホやタブレット、携帯電話、ノートパソコン、携帯機器など、リチウムイオン電池で動いている製品で溢れています。 電気自動車や電気をためられる住宅など。 今後もリチウムイオン電池は社会の様々なところで使われるようです。 今回ノーベル賞を受賞したのは吉野彰氏、ジョン・グッドイナフ氏、スタンリー・ウィッティンガム氏。 でもリチウムイオン電池の開発・実用化にはソニーの西美緒氏など他にも様々な人が関わりました。 その中でもリチウムイオン電池の開発の歴史に残るような大きな功績をあげたのが吉野氏らノーベル賞受賞の3氏です。

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ノーベル賞受賞を受賞した吉野彰氏とリチウムイオン電池とは?

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ノーベル医学生理学賞のメダルを手に笑顔を見せる大隅良典さん ノーベル 化学賞 ( かがくしょう )に 決 ( き )まった 旭化成 ( あさひかせい )の 名誉 ( めいよ )フェロー、 吉野彰 ( よしのあきら )さん(71)。 科学 ( かがく )に 興味 ( きょうみ )を 持 ( も )ったきっかけとして 挙 ( あ )げた 本 ( ほん )「ロウソクの 科学 ( かがく )」に 注目 ( ちゅうもく )が 集 ( あつ )まっています。 受賞 ( じゅしょう )が 決 ( き )まった 直後 ( ちょくご )から、 出版 ( しゅっぱん ) 社 ( しゃ )へ 問 ( と )い 合 ( あ )わせが 相次 ( あいつ )ぎました。 時代 ( じだい )を 超 ( こ )えて 科学 ( かがく )のおもしろさを 伝 ( つた )える 名著 ( めいちょ )です。 【 篠口 ( しのぐち ) 純子 ( じゅんこ )】 「ロウソクの 科学 ( かがく )」は、イギリスの 科学者 ( かがくしゃ )マイケル・ファラデーが 行 ( おこな )った 講演 ( こうえん )をまとめたものです。 ロウソクの 燃 ( も )える 仕組 ( しく )み、 構造 ( こうぞう )、 生成 ( せいせい )する 物質 ( ぶっしつ )などが 分 ( わ )かりやすい 語 ( かた )り 口 ( くち )で 書 ( か )かれています。 炎 ( ほのお )を 題材 ( だいざい )に 身近 ( みぢか )な 科学 ( かがく ) 現象 ( げんしょう )を 説明 ( せつめい )しています。 吉野 ( よしの )さんは 小学 ( しょうがく )4 年 ( ねん ) 生 ( せい )の 時 ( とき )、 大学 ( だいがく )で 化学 ( かがく )を 学 ( まな )んだ 担任 ( たんにん )の 先生 ( せんせい )から「ロウソクの 科学 ( かがく )」をすすめられたことがきっかけとなり、 理科 ( りか )を 好 ( す )きになりました。 図書館 ( としょかん )で 何度 ( なんど )も 読 ( よ )んだそうです。 受賞 ( じゅしょう )が 決 ( き )まった 夜 ( よる )から、「ロウソクの 科学 ( かがく )」を 出版 ( しゅっぱん )している 岩波書店 ( いわなみしょてん )と KA ( カ ) DO ( ド ) KA ( カ ) WA ( ワ )には 問 ( と )い 合 ( あ )わせが 相次 ( あいつ )ぎました。 岩波書店 ( いわなみしょてん )の 岩波文庫 ( いわなみぶんこ ) 版 ( ばん )は 一旦 ( いったん ) 在庫 ( ざいこ )が 完売 ( かんばい )し、 受賞 ( じゅしょう ) 記念 ( きねん )の 帯 ( おび )を 付 ( つ )けて 増刷 ( ぞうさつ )。 累計 ( るいけい )73 万部 ( まんぶ )に 達 ( たっ )しました。 KA ( カ ) DO ( ド ) KA ( カ ) WA ( ワ )は 角川文庫 ( かどかわぶんこ ) 版 ( ばん )を4 万 ( まん ) 部 ( ぶ )、 角川 ( かどかわ )つばさ 文庫 ( ぶんこ ) 版 ( ばん )を3 万 ( まん ) 部 ( ぶ )それぞれ 増刷 ( ぞうさつ )しました。 大隅 ( おおすみ )さんも 愛読 ( あいどく ) 「ロウソクの 科学 ( かがく )」が 注目 ( ちゅうもく )されるのは 今回 ( こんかい )が 初 ( はじ )めてではありません。 2016 年 ( ねん )にノーベル 医学 ( いがく ) 生理学 ( せいりがく ) 賞 ( しょう )を 受賞 ( じゅしょう )した 東京 ( とうきょう ) 工業大学 ( こうぎょうだいがく ) 栄誉教授 ( えいよきょうじゅ )の 大隅良典 ( おおすみよしのり )さん(74)も、 小学生 ( しょうがくせい )の 時 ( とき )に 夢中 ( むちゅう )になって 読 ( よ )んだそうです。 国 ( くに )が 昨 ( さく ) 年 ( ねん )4 月 ( がつ )に 実施 ( じっし )した 全国学力 ( ぜんこくがくりょく )・ 学習状況調査 ( がくしゅうじょうきょうちょうさ )( 学 ( がく )テ)の 中学 ( ちゅうがく ) 理科 ( りか )で「ロウソクの 科学 ( かがく )」をテーマにした 問題 ( もんだい )が 出題 ( しゅつだい )されました。 身近 ( みぢか )な 素材 ( そざい )を 使 ( つか )った 実験 ( じっけん )を 通 ( とお )して、 科学 ( かがく )の 魅力 ( みりょく )を 伝 ( つた )えているサイエンスプロデューサーの 米村 ( よねむら )でんじろうさん(64)も 愛読書 ( あいどくしょ )の 一 ( いっ ) 冊 ( さつ )に 挙 ( あ )げています。 中学生 ( ちゅうがくせい )の 時 ( とき )に 学校 ( がっこう )の 図書 ( としょ ) 室 ( しつ )で 手 ( て )に 取 ( と )りました。 「 子 ( こ )ども 時代 ( じだい )の 昭和 ( しょうわ )30 年 ( ねん ) 代 ( だい )は、ロウソクがまだ 生活 ( せいかつ )の 中 ( なか )で 身近 ( みぢか )だったので 興味 ( きょうみ )をひかれました」と 振 ( ふ )り 返 ( かえ )ります。 「イラストも 多 ( おお )く、 薄 ( うす )くて 読 ( よ )みやすそうな 印象 ( いんしょう )を 持 ( も )ちましたが、じつは 内容 ( ないよう )の 濃 ( こ )い 骨 ( ほね )のある 本 ( ほん )。 ファラデーの 練 ( ね )りに 練 ( ね )り 上 ( あ )げた 講演 ( こうえん )をまとめた 内容 ( ないよう )は、 科学 ( かがく )のおもしろさや 素晴 ( すば )らしさを 凝縮 ( ぎょうしゅく )した 結晶 ( けっしょう )のようなものです」と 魅力 ( みりょく )を 語 ( かた )ります。

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