【源氏物語】若紫 原文「けづることをうるさがり給へど、 をかしの御髪や」 訳「髪をとかすことを嫌がりなさりますが、 美しい御髪ですね」 【昔物語】二八・四二 原文「妻、 をかしと思ひて、笑ひてやみにけり」 訳「妻は 滑稽だと思い、笑って終わってしまった」 【更級日記】大納言殿の姫君 原文「笛をいと をかしく吹き澄まして、過ぎぬなり」 訳「笛をたいそう 見事に吹きならして、通り過ぎていってしまったようだ」 イメージとしては最近の若い人たちが使う「 ヤバい」みたいな感じかな、と思います。 「この料理、ヤバい!マジ美味しいんだけど!」 「ヤバい!もうこんな時間?絶対遅刻だ」 「え?もう着いたの?ヤバッ!そうとう早いね」 ただ、「をかし」の代表である清少納言の「枕草子」では「 趣がある、風情がある」と訳されることが多く、現代でも同じように認識している人が多いです。 ですので、一般的には 「いとをかし」=「非常に趣がある」 と訳されます。 もう少しかみ砕いて訳すなら「とてもおもしろい」、さらに崩してしまうと「マジ最高!」みたいな感じですよ。 スポンサーリンク 枕草子 春はあけぼの の原文とわかりやすい現代語訳 それでは、清少納言の枕草子「春はあけぼの」の 原文と 超絶わかりやすい現代語訳を紹介しますね。 現代語訳は「きっちりとした訳」と「少し砕けた訳」の2つを載せていますので、参考にして下さい。 春はあけぼの 春 の原文と現代語訳 原文 春はあけぼの。 やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。 現代語訳 春は明け方(が良い)。 だんだんと白くなっていく山ぎわが、少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいている。 かみ砕いた訳 春は明け方が良いよね。 太陽が昇っていくとだんだんと空と山が接する部分が白くなっていくでしょ。 そこが少し明るくなって、紫がかった雲が細長~くたなびいている様子が良いんだよね。 春はあけぼの 夏 の原文と現代語訳 原文 夏は夜。 月の頃はさらなり。 やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。 また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも をかし。 雨など降るも をかし。 現代語訳 夏は夜(が良い)。 月が出ている時は言うまでもない。 闇夜もやはり、蛍が多く飛び交っている(のが良い)。 また、ただ一つ、二つなど、ほのかに光って飛んで行くのも 趣がある。 雨が降るのも 風情がある。 かみ砕いた訳 夏は夜が良いよね。 お月様が出て明るい夜が素敵なのは言うまでないんだけど、お月様が出ていない真っ暗な夜に蛍がたくさん飛び交って光っている様子も好きだな。 蛍は多くなくて、一匹、二匹かすかに光って飛んでいるのも、これはこれで 綺麗だよね。 雨が降るのも 風情があって良いと思うな。 スポンサーリンク 春はあけぼの 秋 の原文と現代語訳 原文 秋は夕暮れ。 夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへ あはれなり。 まいて、かりなどのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、 いとをかし。 日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 現代語訳 秋は夕暮れ(が良い)。 夕日がさして山の端がとても近くなっている時に、鳥がねぐらへ戻ろうとして、三羽四羽、二羽三羽と飛び急いでいるのも しみじみと感じられる。 まして、雁などが列を作っているのが、とても小さく見えるのは、 大変おもしろい。 日が沈んでしまって、風の音、虫の音など(が良いのは)、また言うまでもない。 かみ砕いた訳 秋は夕暮れが良いよね。 差し込んでくる夕陽が、山と空の境目にとても近くなっている時があるでしょ。 その時、烏が寝床の巣へ帰ろうとして、三羽四羽、二羽三羽と飛び急いでいる様子さえも、なんだか 哀愁が漂っているように感じちゃう。 まして雁なんかが並んで飛んでいるのが遠くで小さく見えるのは、とても 情緒あふれる風景だよね。 夕陽が沈んでしまった後から聞こえてくる風の音や虫の鳴き声が愛らしいってことは、言う必要はないよね。 春はあけぼの 冬 の原文と現代語訳 原文 冬はつとめて。 雪のふりたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持てわたるも、 いとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火をけの火も、白い灰がちになりて わろし。 現代語訳 冬は早朝(が良い)。 雪が降っている時は言うまでもなく、霜が非常に白い時も、またそうでなくても、とても寒い時に火を急いでおこして、 炭を持って(廊下を)渡るのも、 たいそう似つかわしい。 昼になって寒さがゆるくなると火桶の炭火も白い灰が多くなってしまい、 良くない。 かみ砕いた訳 冬は早朝が良いよね。 雪が降っている朝なんかは言うまでもなく綺麗でしょ。 霜が降りて辺り一面が真っ白になっているときも綺麗だし、そうじゃなくても、とても寒い朝に、 火を急いでおこして、部屋の炭びつまで廊下を渡って持っていく様子なんて、 まさに冬にぴったりだよね。 でも、昼になってだんだんと暖かくなってくると、火桶に入った炭が白い灰だらけになるでしょ。 あれは ダメよね。 「いとおかし」の意味は?まとめ いかがだったでしょうか?「いとをかし」は平安時代の代表的な美的理念の1つで、清少納言が書いた「枕草子」によく出てくる言葉です。
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【源氏物語】若紫 原文「けづることをうるさがり給へど、 をかしの御髪や」 訳「髪をとかすことを嫌がりなさりますが、 美しい御髪ですね」 【昔物語】二八・四二 原文「妻、 をかしと思ひて、笑ひてやみにけり」 訳「妻は 滑稽だと思い、笑って終わってしまった」 【更級日記】大納言殿の姫君 原文「笛をいと をかしく吹き澄まして、過ぎぬなり」 訳「笛をたいそう 見事に吹きならして、通り過ぎていってしまったようだ」 イメージとしては最近の若い人たちが使う「 ヤバい」みたいな感じかな、と思います。 「この料理、ヤバい!マジ美味しいんだけど!」 「ヤバい!もうこんな時間?絶対遅刻だ」 「え?もう着いたの?ヤバッ!そうとう早いね」 ただ、「をかし」の代表である清少納言の「枕草子」では「 趣がある、風情がある」と訳されることが多く、現代でも同じように認識している人が多いです。 ですので、一般的には 「いとをかし」=「非常に趣がある」 と訳されます。 もう少しかみ砕いて訳すなら「とてもおもしろい」、さらに崩してしまうと「マジ最高!」みたいな感じですよ。 スポンサーリンク 枕草子 春はあけぼの の原文とわかりやすい現代語訳 それでは、清少納言の枕草子「春はあけぼの」の 原文と 超絶わかりやすい現代語訳を紹介しますね。 現代語訳は「きっちりとした訳」と「少し砕けた訳」の2つを載せていますので、参考にして下さい。 春はあけぼの 春 の原文と現代語訳 原文 春はあけぼの。 やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。 現代語訳 春は明け方(が良い)。 だんだんと白くなっていく山ぎわが、少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいている。 かみ砕いた訳 春は明け方が良いよね。 太陽が昇っていくとだんだんと空と山が接する部分が白くなっていくでしょ。 そこが少し明るくなって、紫がかった雲が細長~くたなびいている様子が良いんだよね。 春はあけぼの 夏 の原文と現代語訳 原文 夏は夜。 月の頃はさらなり。 やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。 また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも をかし。 雨など降るも をかし。 現代語訳 夏は夜(が良い)。 月が出ている時は言うまでもない。 闇夜もやはり、蛍が多く飛び交っている(のが良い)。 また、ただ一つ、二つなど、ほのかに光って飛んで行くのも 趣がある。 雨が降るのも 風情がある。 かみ砕いた訳 夏は夜が良いよね。 お月様が出て明るい夜が素敵なのは言うまでないんだけど、お月様が出ていない真っ暗な夜に蛍がたくさん飛び交って光っている様子も好きだな。 蛍は多くなくて、一匹、二匹かすかに光って飛んでいるのも、これはこれで 綺麗だよね。 雨が降るのも 風情があって良いと思うな。 スポンサーリンク 春はあけぼの 秋 の原文と現代語訳 原文 秋は夕暮れ。 夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへ あはれなり。 まいて、かりなどのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、 いとをかし。 日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。 現代語訳 秋は夕暮れ(が良い)。 夕日がさして山の端がとても近くなっている時に、鳥がねぐらへ戻ろうとして、三羽四羽、二羽三羽と飛び急いでいるのも しみじみと感じられる。 まして、雁などが列を作っているのが、とても小さく見えるのは、 大変おもしろい。 日が沈んでしまって、風の音、虫の音など(が良いのは)、また言うまでもない。 かみ砕いた訳 秋は夕暮れが良いよね。 差し込んでくる夕陽が、山と空の境目にとても近くなっている時があるでしょ。 その時、烏が寝床の巣へ帰ろうとして、三羽四羽、二羽三羽と飛び急いでいる様子さえも、なんだか 哀愁が漂っているように感じちゃう。 まして雁なんかが並んで飛んでいるのが遠くで小さく見えるのは、とても 情緒あふれる風景だよね。 夕陽が沈んでしまった後から聞こえてくる風の音や虫の鳴き声が愛らしいってことは、言う必要はないよね。 春はあけぼの 冬 の原文と現代語訳 原文 冬はつとめて。 雪のふりたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持てわたるも、 いとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火をけの火も、白い灰がちになりて わろし。 現代語訳 冬は早朝(が良い)。 雪が降っている時は言うまでもなく、霜が非常に白い時も、またそうでなくても、とても寒い時に火を急いでおこして、 炭を持って(廊下を)渡るのも、 たいそう似つかわしい。 昼になって寒さがゆるくなると火桶の炭火も白い灰が多くなってしまい、 良くない。 かみ砕いた訳 冬は早朝が良いよね。 雪が降っている朝なんかは言うまでもなく綺麗でしょ。 霜が降りて辺り一面が真っ白になっているときも綺麗だし、そうじゃなくても、とても寒い朝に、 火を急いでおこして、部屋の炭びつまで廊下を渡って持っていく様子なんて、 まさに冬にぴったりだよね。 でも、昼になってだんだんと暖かくなってくると、火桶に入った炭が白い灰だらけになるでしょ。 あれは ダメよね。 「いとおかし」の意味は?まとめ いかがだったでしょうか?「いとをかし」は平安時代の代表的な美的理念の1つで、清少納言が書いた「枕草子」によく出てくる言葉です。
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「いと」の意味• とても・非常に・大変• 下に打ち消す言葉を加えて)それほどでも・たいして 「いとおかし」という言葉を更に細かく分類すると、「いと」と「おかし」に分けることができます。 まず「いと」の意味ですが、上記のように2通りの使い方があります。 「いとおかし」の場合打ち消す語はないので、1番の「とても・非常に・大変」という、後に続く言葉を強調する意味になります。 また2番の使い方については、以下の例文を参考にしてみてくださいね。 「やむごとなき」とは「高貴な身分」という意味です。 趣(おもむき)・風情(ふぜい)がある• 優れている・素晴らしい・見事だ• 興味深い・心惹かれる• 美しい・愛らしい・可愛い• こっけいだ・おかしい・面白い 続いて「おかし・をかし」の意味ですが、「いと」よりも様々な意味があり、前後の文章・使い方によって微妙に変わってくるので注意が必要です。 また「おかし・をかし」と2通りの書き方が見られますが、「おかし」は現代語仮名遣いにしたものなので本来は「をかし」が正しい表記になります。 徒然草の原文・現代語訳 原文 また、野分の朝(あした)こそをかしけれ 現代語訳 また、台風があった翌朝のありさまは興味深い 徒然草(つれづれぐさ)は、鎌倉時代に吉田兼好が書いたとされる随筆です。 「徒然」とは「やるべき事がなくて手持ち無沙汰なさま」、「草」とは「本や仮名書きの物語・日記・歌など」のことです。 徒然草ではユーモアや皮肉を交えながら、様々な事柄が綴られています。 上記の文も、その情景をイメージすることができますね。 日本に古来からある大和言葉は、独特の響きが美しいですよね。 「いとおかし」を私達の日常会話で使うことはあまりないと思いますが、以下の記事では現代でも違和感なく使える大和言葉が紹介されています。 日本語の美しさに興味を持たれた方は、この機会にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか? 更級日記の原文・現代語訳 原文 笛をいとをかしく吹き澄まして、過ぎぬなり 現代語訳 笛を大変素晴らしく見事に吹き、通り過ぎて行ってしまったようだ 更級(さらしな)日記とは、平安時代中期の女流日記文学です。 作者は菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)という、学問の神様として有名な菅原道真の子孫です。 「源氏物語」が大好きだった少女時代から、約40年間を綴った回顧録となっています。 上記の文は、菅原孝標女が姉と一緒に月を眺めていた時に通り過ぎて行った人の様子が描かれています。 ここでの「いとをかし」は、「優れている・素晴らしい・見事だ」という意味で使われています。 笛を見事に奏でながら去っていくなんて、平安時代の貴族らしくて素敵な様子ですね。 枕草子での「いとおかし」の意味と使われ方 枕草子の原文・現代語訳 原文 まいて雁(かり)などの列ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし 現代語訳 まして雁などの列が連なっているのが、とても小さく見えるのは大変趣がある 枕草子は、平安時代の女流作家・清少納言によって書かれた随筆です。 枕草子の冒頭では、清少納言が春夏秋冬それぞれに感じる趣を場面ごとに描写しています。 上記の文は「秋は、夕暮。 」から始まる、秋の趣が記された場面の1つです。 秋の夕暮れ、空が段々暗くなってきた頃に雁などの鳥たちが列をなして飛んでいく姿は現代でも変わらず見られる風景です。 まさに「趣」の意味そのままの、しみじみとした味わいが感じられる1場面ですね。 源氏物語での「いとおかし」の意味と使われ方 源氏物語の原文・現代語訳 原文 いとをかしう、ようようなりつるものを 現代語訳 とても可愛く、だんだんなってきていたのに 源氏物語は、清少納言と同じく平安時代の女流作家として有名な紫式部による長編物語です。 主人公の光源氏を中心に、貴族たちの恋愛や人生が描かれています。 枕草子が「をかしの文学」と言われるのに対して、源氏物語は「あはれの文学」と言われています。 清少納言と紫式部はライバル関係だったとも言われていますね。 そんな源氏物語で使われている「いとをかし」は、登場人物の若紫という少女が飼っていた雀を逃がされてしまった時の言葉です。 雀の可愛さを強調していることで、若紫が嘆き悲しんでいる様子が伝わる表現になっています。 「あなおかし」の「あな」とは、「ああ・あれ・まあ」といった感動詞です。 驚いた時や、感動した時に思わず出てしまう言葉ですね。 その「あな」を今までご紹介してきた「おかし」の前に付けることで、それぞれの意味を引き立たせるような言葉になります。 「あなおかし」の他に「あな」を付ける言葉としては、「あなうれし」「あなかしこ」(かしこ=恐れ多い)などがあります。 下の例文での「あなおかし」は、「美しい」という事実に感動している様を表現していますね。 枕草子の原文・現代語訳 原文 人の顔にとりわきてよしと見ゆる所は、たびごとに見れども、あなをかし 現代語訳 人の顔で格別に良く見える所は、何度見ても、まあ美しいものだ 古文でよく使われる「わろし」の意味 「わろし」の意味• よくない・好ましくない・感心できない• 見劣りがする・みっともない• 下手だ・つたない• 貧しい 「わろし」も平安時代から多く使われるようになった言葉で、「よろし」の対義語である否定的な意味あいになります。 「わろし=悪し」と、良くないイメージの言葉であることが想像しやすいと思います。 枕草子では以下のように使われ、「みっともない」という意味として「わろし」が使われていますね。 枕草子の原文・現代語訳 原文 火桶(ひおけ)の火も白き灰がちになりてわろし 現代語訳 丸い火鉢の火も白い灰が目立つようになって、みっともない 「いとおかし・いとをかし」の意味を理解して古文に親しもう 以上「いとおかし・いとをかし」や「わろし・あなおかし」など、古文でよく使われる表現についてご紹介しました。 日本人なら誰もが1度は耳にしたことがある言葉だと思いますが、細かく説明できる人は少ないのではないでしょうか。 当時の言葉を理解することは、当時の人々を理解することに繋がります。 そうすると意外と現代の私達と変わらないようなことを思ったり感動していたんだということが分かって、何だか親しみを感じますよね。 古文がただの勉強ではなくて、グッと身近で面白みがある存在へ変わっていくと思います。 この機会にもっと古文に触れて、親しんでいきましょう! そして歴史にどんどん興味が沸いてきたら、以下の関連記事もおすすめです。 日本神話の守護獣・動物神を通しても昔からの言い伝えや歴史を知ることができ、現代の生活にもつながっているので面白いですよ。
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