おやじランナーにとってちょっと見逃せないシューズがこの秋、発売された。 アシックス の「グライドライド」だ。 先行したメタライドについては、私は過去に2回記事にしている。 「今までにない体験を提供する」をテーマに開発したという言葉どおり、超新感覚の走りがウリだ。 従来のシューズに比べてソールのつま先部分が船底のように反り上がっていて、足を入れるとロッキングチェアに乗っているような感覚だった。 走り出してカカトから着地すると、靴がソールのカーブに沿って振り子のような動きを見せ、自然と前に転がるような感じになる。 「ライド」とは、自転車に乗ってコロンコロンと転がっていくというイメージから命名されている。 機能の詳細や開発秘話については過去記事を参照して欲しい。 【関連記事】 ・ ・ 「グライドライド」は単なる普及版ではない! グライドライドは、このメタライドのコンセプトとテクノロジーを引き継いだものだ。 実は私は、この発売を心待ちにしていた。 「秋にはメタライドの普及モデルが出るらしい」という話を耳にしていたからだ。 メタライドは発表時に試し履きをして「これは面白い!」と一瞬で気に入ったが、1足2万7000円(税抜き)は趣味で走るおやじランナーにはちょっと手が出せないと思っていた。 普及モデルが出るなら秋まで待とう、というのが結論だった。 ところが、実際に発売されたグライドライドを履いてみると「ん?」という感じがした。 冒頭に「兄弟モデル」と書いたのは、そういう意味だ。 アシックス「グライドライド」(提供:アシックス) まず気がつくのが軽いことだ。 メタライドはメンズ27cmで310グラムを超えるが、グライドライドは290グラムほどで、これは履いてすぐにわかるほど違う。 次に、クッション性が増している。 メタライドはソールの硬度が高めでゴロンと進む感覚が強く出ていたが、グライドライドはその部分がかなりマイルドになっている。 メタライドで実現した新感覚を引き継ぎながら、普通のランニングシューズに近づけたという印象だ。 しかも、価格も1万6000円(税別)とより普通のシューズに近くなっている(笑)。 開発責任者でアシックス スポーツ工学研究所所長の原野健一さんによると、より多くのランナーに新感覚を体験してもらうため、ソールの素材や製法・構造を工夫することでコストダウンをはかったという。 メタライドは高価な素材に加えて構造が複雑だったが、グライドライドはその部分を簡素化したということらしい。 でも、走り出すとあの靴が自然に前に進む、乗り物に乗っているような感覚はしっかり維持していた。 クッション性が増している分、正直、こっちの方が走りやすいかも(笑)。 さら踏み込んで言うと、軽量化した分、こっちの方が速く走れそうだ。 うん、これはイイ! 意識的に蹴り出さなくても、足が自然に前に進む グライドライド、メタライドに共通するコンセプトは「より少ないエネルギーで、より長く走る」というものだ。 秘密は、着地から蹴り出しまでの間で足関節の角度(足の甲とスネの角度)をできるだけ一定に保つようにしたソール形状の設計だった。 実際にどれだけ違うのか。 アシックスストア東京(銀座)にあるランニングアナライザーで実験してみた。 この装置はトレッドミル(マシン)で走るランナーのピッチやストライド、腕の振り幅などのほか、前述の足関節角度の変化も計測できる優れモノだ。 これを使って、アシックスの定番モデルのひとつ「ゲル-ニンバス」を履いた時と、グライドライドを履いた時で数値的な違いがあるかを測定した。 私自身が実験台となって、走ってみた。 グライドライド(左)とゲル-ニンバス(右)を着用して試走。 足関節角度の違いに注目してほしい/筆者撮影 写真の左(0007)がグライドライドで、右(0006)は同じアシックスのゲル-ニンバスを履いた時のもの。 下の数字が足関節角度の変化を表している。 靴を履き替えることで、違いがさらにはっきり体感できた。 ゲル-ニンバスは一般的なシューズと同じで脚の筋力を使って地面を蹴り進むイメージだが、グライドライドは足を接地しただけで、意識的に蹴り出さなくても自然に前に進む感じで、明らかに楽なのだ。 10月最初の週末にグライドライドを履いて30km近く走ってみた。 本当は30km走をやるつもりだったが、アップダウンがきつかったのと、気温が高かったので30km手前で諦めた。 だが、長い距離を走ってますますグライドライドのすごさがわかってきた。 「エコカーのようなシューズ」(原野所長)という言葉が身に染みたのだ。 ダメージが少なく、リカバリーも早かった。 そこで私は考えた。 このシューズをいったい何と表現したらいいのだろう、と。 この種の商品は通常、上級者向けの高価なフルスペックモデルがあって、その機能や素材のグレードを若干落とした普及モデルがあるというのが一般的だ。 だからランナーは「お金でタイムが買えるなら」と一縷(いちる)の望みをかけて高くても買う。 グライドライドはサブ4(フルマラソン4時間切り)から4時間半が目安で、メタライドはそれより遅い(4時間半〜5時間超)ランナーが適しているとされている。 そこでひらめいたのが「 フォーエバーサブ4シューズ」という言葉だった。 まなじりをつり上げて自己ベスト更新をめざすよりも、少しでも長く(できれば永遠に)、楽に走り続けたいと願うランナー向けのシューズという意味だ。 私のように、年齢とともに自己ベスト更新が難しくなってきたが、フルマラソンのサブ4だけはなんとしても維持したいと考えるおっさんランナーにとっての福音ではないかと。 カカト着地(ヒールストライク)を前提に設計されているため、無理してフォアフット走法を体得する必要もない。 値段も安くはないが、そこそこで耐久性もあるから練習で履いてももったいなくない……。 なんてことを書くと、若いランナーにも買ってもらいたいであろうアシックスに怒られるかもしれないが(笑)。 いずれにせよ、次のフルマラソンはこのグライドライドを履いて出てみようと思う。 (トップ画像:アシックス).
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前田穂南はアシックスメタレーサーを履く? 前田穂南さんは、2019年9月15日に開催されたマラソングランドチャンピオンシップ MGC ではアシックスのレディ ソーティ マジック LTを着用したといわれています()。 東京オリンピックでは同じアシックスの最新モデルメタレーサーを履くことになるのでしょうか?それともMGCで多くの選手がナイキの厚底シューズで記録を更新した中、厚底以外で女子1位となったシューズを継続着用することになるのでしょうか? 厚底シューズは女子の選手には効果が薄いのではという見解があります。 理由は、厚底シューズの重さと厚底を使いこなすための筋力が求められるからと専門家はいいます。 そのため前田穂南選手も非厚底で東京五輪に挑む可能性が高いようです。 「重心を前に傾けた時にソール(靴底)のカーボンプレートで推進力が生まれる構造の厚底を使いこなすには、筋力が求められる。 女子では効果が薄いのでは」(メーカー関係者)との声もあるが、スポーツジャーナリストの酒井政人氏は「基本は体格に応じた反発効果が出る設計だと考えられる」とした上でこう話す。 「女子に厚底が少ない原因はいくつか考えられるが、ひとつは重さの問題ではないか。 特殊素材で軽いとはいえ、薄底より多少は重い。 それが好まれないのかもしれない。 また、女子は体重が軽く、男子に比べて厚底による衝撃吸収も必要性が低い」 ().
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特に、あまり目立った活躍をしていなかった選手が 急に成績を上げ、上がった理由を 「道具を替えたから」「走り方を変えたから」 なんて言ったのを聞くと、誰でも興味を持ち、 自分も替えて見ようかな! やってみようかな! と思うのは、ランニングをやっている人や 好きな人にとっては当たり前でしょう。 今回の厚底に関しては、 ランナーや陸上関係者、ランニングファンだけでなく、 多くの人が興味・関心をもっていたのでしょう。 その証拠が。 一般紙が別版で特集記事を組む。 それだけ、厚底シューズやランニングが世間の注目を集めている 証拠でしょう。 筆者も、このブログで、たびたび厚底シューズやランニングを話題にした 記事を書いてきましたから、 be report の記事を見つけた時は、オォッ!と思いながら、 一気に読んでしまいました。 記事の内容については、 「市民ランナーもこの動きに敏感に反応している」 ナイキの厚底シューズは、品薄状態が続き、 「市民ランナーは、普通、慣れ親しんだメーカーから乗り換えることに 慎重だが、地殻変動が起きている」 という販売店のコメントを合わせて紹介。 他社の反応や取り組み方が詳しくかかれていますが、 要約してご紹介すると。 他社の方針と巻き返し策が秀逸 ニューバランスの社長宣言。 「私たちは、ランニング分野で、ナンバーワンのブランドになる」 宣言を実現するために行ったのが、 現代の名工,三村仁司さんとの専属契約。 (三村さんの紹介は、後述します) 三村さんは厚底について、 「はっきり言って反対。 やはり足の力が路面に伝わりにくい。 悪いとは言わないが、足首が痛くなる要素もある」 と話したことを紹介。 筆者は、三村さんのコメントを読み、 厚底への対抗心と意気込みを感じましたが、 あなたはどう感じられました? 「市場に厚底ブームが起きていると考えるが、慎重に考えている。 しっかりとした理論、データーををもとに自信をもって シューズの開発を進めたい」 と海外メーカーの攻勢に対抗して方針を示しています。 しかし、筆者には、あたりさわりのないコメントに聞こえて、 もっと、思い切った方針を打ちだしたほうが、 ランニングファンにアピールできるのに。 といささか物足りなく感じています。 まとめ ここまで、厚底シューズのブームや影響について書いてきました。 ナイキの常識にとらわれない、 開発に対するチャレンジ精神から生まれた製品 従来からの常識、「軽くて、底の薄いシューズが良い」。 厚底が好成績を挙がたことで、常識を覆した。 絵に描いたような開発ストーリーで生まれた製品。 二つ目は、 消費者にあこがれを持たせ、購買意欲を高めた、ナイキの販売戦略。 ナイキは、実績と話題性、将来性のある若手選手や学生駅伝チームを 積極的にサポートする方針を打ち出し。 シューズの提供。 海外レース出場のバックアップ。 大迫傑選手と設楽悠太選手が好記録連発で 新たなライバル物語が誕生で話題を呼び、 厚底の人気にも火がつきました。 まさしく、ナイキが描いた筋書き通りの展開。 恐るべし、ナイキのマーケティング力。 今日はこんなとこでよかろか。 チェスト! きばれ~~~~日本メーカー! と西郷どん風で終わります。 お読みいただきありがとうございました。
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