細菌よりも小さいウイルスには抗生物質は効果がありません。 そのため、ウイルスに感染した場合は隔離してウイルスが暴れるのを落ち着くまで対症療法をするしかないのが現状です。 もう何十年も前から「風邪に効くワクチンが開発されたらノーベル賞もの」と言われているのも、多種のウイルスが風邪症状の原因となるから。 この4種は感染しても普通の風邪症状で終わることが多いため、特に鑑別せずに対症療法のみとなります。 この2種は基礎疾患がある人や免疫力が低下している人に対して高確率で重症肺炎を引き起こすものとして、感染症法において二類感染症に分類、感染者は感染症指定医療機関への入院措置となり、結核患者並みの病棟で感染拡大防止と治療が行われます。 今回中国で発生した新型コロナウイルス感染症も、SARSやMEASと同じく動物からヒトへ感染となっているところは各報道の通り。 今回の新型コロナウイル感染症も、1月28日時点で「指定感染症」に指定する方針との報道。 SARSやMEASと同じ扱いとなります。 ウイルスの核を覆っている表面には「エンベロープ」というバリアみたいなもので覆われており、ウイルスによってエンベロープを構成しているたんぱく質が違っています。 このエンベロープは脂質でできた頑丈な二重構造。 そして核の中に含まれているRNAとエンベロープの外側ににょきにょきしているトゲトゲのたんぱく質の種類によって、コロナウイルスの中でも細かく種類が分かれてきます。 SARSもMEASも動物からヒトへの感染が原因であり、今回の新型コロナウイルス感染症も同様に動物からの感染との見方が高いですが、こうした事は感染源となっている動物に濃厚接触した人間がウイルスを体内に取り込んでしまった、いわゆる「人獣共通感染症(ズーノーシス 」によるエンベロープ変異が原因と見られております。 動物のコロナウイルスの種特異性は高く、種の壁を越えて他の動物に感染することは殆どないと言われていますが、過去にも起きている通り、野生動物に対する濃厚接触は非常に危険です。 患者から2mくらい距離があいていれば飛沫による感染はまず起きないとみられているので、結局は人ごみに出ない、空港や混雑している公共交通機関を避ける、という自衛策が最良となるのです。 その辺で売られているマスクには、100nmが余裕で通り抜けてしまうので、患者(予備軍)が 飛沫を飛ばさないために使用するのと、満員電車内や密着してしまうくらいの人ごみの中へどうしても出ないといけない場合に、感染者から出る飛沫を直接吸い込むなどしないようにするためには有効です。 なお、使用後のマスクは再利用せず、都度新しいものと交換し、使用後のマスクの外側に触れないように処分、手洗い後に新しいマスクを装着するのがベターです。 これまでの各報道では、潜伏期間を長く見積もって2週間としている様子。 そしてインフルエンザのように突然激しい症状が出ない、数週間くらいは普通の風邪症状が続く、そしてインフルエンザの検査ができるような迅速検査キットもワクチンも開発されていない状態。 空港などでの水際検査ではスルーされる事も考えられます。 まだ詳しく調べている段階である新型コロナウイルス感染症、発症者の多くは基礎疾患に呼吸器疾患や免疫不全などがある、高齢者で免疫力が低下している人などが発症しやすいと言われています。 今のところ一般市民ができる予防策としては、次の2点などがあります。 ・人が密集しているところにはなるだけ行かない。 ・帰宅したら必ずまず丁寧な手洗いを。 うがいは最初にぶくぶくうがい、2回目以降はガラガラうがいを正しく行えば水道水で充分効果があります。 基本は普通の風邪やインフルエンザ対策と大差ないです。 報道に不安を煽られるかもしれませんが、テレビに向かってヤジを飛ばすよりも、冷静に動向を確認し、収束するまで落ち着いて動向を見守りましょう。 <引用・参考文献> 他多数 (梓川みいな/正看護師).
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昨年6月、このような書き出しで始まる記事「タピオカブームは本当に『株価暴落の前兆』なのか」で取り上げた「タピオカブームと株価の暴落」が当てはまる形となってしまいました。 2019年は「第3次タピオカブーム」ともよばれ、SNSで映えるタピオカドリンクが流行した年でもあります。 たとえば、「業務スーパー」で冷凍タピオカを取り扱っていた神戸物産はブームの助けもあって、1年前の株価2112円から、一時は2. 17倍の4600円まで値を伸ばすなど、思わぬ快進撃もみられました。 それでは、第3次タピオカブームが相場にもたらした顛末はどのようなものだったのでしょうか。 タピオカブームと相場の動き 図におけるオレンジの線は、前回掲載時から伸ばした日経平均株価の推移です。 タピオカの人気度がピークとなった2019年の夏以降、相場は一瞬こそ軟調に推移していましたが、年末にかけては切り返す展開となりました。 しかし、日経平均2万4000円台の定着に3度目のチャレンジが期待されていたときに、新型コロナウイルスによる経済停滞懸念によって株価は大きく下落してしまうこととなりました。 ここで日経平均株価のチャートをよくみると、第2次ブームの時でも一瞬だけ株価が切り返し、そこから下落基調になるという動きを示しています。 そこで、タピオカブーム中は買い、ブームが下火になると売りという戦略を検討している方もいるかもしれません。 では、アノマリーから投資戦略を考えることは有効なのでしょうか。 アノマリーについて、まずはおさらいをしてみましょう。 アノマリーが相場と関係ないことであっても、アノマリーを信じる投資家たちがその通りに行動することで株価に影響が出てくることもあります。 つまり、ある出来事と株価の変動に本質的な因果関係がなくても、それを信じる人が多ければ、その通りに株価が動くというものです。 たとえば、「IPOは公募価格を上回りやすい」という経験則をご存じの方もいらっしゃるかもしれません。 現に2019年は90銘柄のうち77銘柄が公募価格を上回る初値を記録しました。 ここからIPOは勝率が高いことが伺えます。 しかし、これが「IPOは公募価格を下回りやすい」という経験則であったらここまでの勝率となるかというと、そうではない可能性が高いでしょう。 なぜなら、投資家はわざわざ損をする可能性の高いIPOに応募しなくなるからです。 これによりIPOの倍率が低下してしまえば、自然と初値も公募割れしてしまうことになるでしょう。 本来、業績や事業環境が異なるのであれば、勝率が一方に偏ることは考えにくいのではないでしょうか。 それでもIPOの勝率が高い背景には、「儲かる」というアノマリーを信じる投資家によって演出されている例といっても過言ではないのです。 一方で、アノマリーには「錯誤相関」というリスクがあることを忘れてはいけません。 本質的には別の要因による株価の下落と、偶然時期が一致した事象に相関性があると錯覚してしまうというリスクです。 今回もタピオカブームによって株価の急落が引き起こされたようにもみえますが、実際は新型コロナウイルスの蔓延による影響の方が、「実体経済の停滞」という文脈から考えても説得的です。 そして、たった3回の試行回数で、「今後も同様の結果が得られる」という考えも統計的に信憑性が低い言わざるをえず、やはり早計であるといえます。
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新型コロナウイルス感染者の身にいったい何が? 新型コロナウイルスの感染症による重症者は全国で51人、死者は8人にのぼっている(2月27日午後2時時点)。 患者の身にいったい何が起きているのだろうか? 「直撃LIVEグッディ!」では、実際に日本人の感染者を診察した医師を独自に取材した! 新型コロナウイルスに感染した北海道七飯町の60代男性町議を診察したA医師。 新型コロナウイルスには2つの大きな特徴がある。 その時点では 喉の軽い違和感と、それから 微熱。 微熱と言っても37度ちょうどくらいですね。 せきとたんが、その時点では全くなかった。 その症状を3日前から自覚されていて、それが何日か続いているということで、7日にいらしたということです。 通常の風邪よりも炎症反応が強かったというのがちょっと気になりましたので、一応 抗生物質と炎症を抑える薬を5日分お出しした。 それで結果を見ましょうと。 症状が出てから数日経過していたが、A医師は軽い風邪と診断。 薬を処方した。 しかし最初の診断から6日後の2月13日に患者が再び来院。 体調は改善するどころか体温が38度に上昇し、さらに せきとたんが少し出てきていると訴えたという。 A医師: 炎症反応を調べるための血液検査をやったんですけど、 ほとんど改善されていないという状況がありましたし、せきとたんが出てきていた状況でしたので、肺炎・気管支炎の合併を疑い胸部のレントゲン写真を撮りました。 A医師: 両方の肺に、肺炎と思われる影があった。 あまり両側の肺炎というのはなくて、例えばすごく免疫が低下しているとか、重症の肝臓や腎臓の病気があって抵抗力がないような方には、両方の肺炎を起こすこともあります。 けれど、その方は67歳ですし、その時点でも ふつうにお元気で。 呼吸苦とかもないですし、まさか影があるという印象では全くなかったですね。 そこでそういう影があったので、ふつうの肺炎、ふつうの病気ではないのかなと感じた。 グッディ!は、2度目の診察の前日にあたる2月12日に感染者と会議で一緒になったという知人に話をきくことができたが…「特別、具合が悪そうな感じはなかった」という。 感染が拡大する愛知県で感染者を診察したというB医師も、診断の難しさについて語っている。 B医師: 病院を訪れた 最初の日、 軽い風邪のようだということで風邪薬を出しました。 次に訪れた日は、 せきがひどく熱も出てきて、軽い肺炎という診断をしました。 新型コロナウイルス感染症の判断は難しいと思います。 B医師によると、2月8日に初めて患者を診察し、その4日後に電話で症状の確認をすると「熱は下がったけどせきは出る」という返事だったという。 B医師は新型コロナウイルス感染を疑い、保健所へ相談することを勧め、その後感染が確認された。 さらにグッディ!では、中国・武漢市で多くの患者を診察し、自身も新型コロナウイルスに感染し克服した余昌平医師にも話を聞いた。 余昌平医師: (自分は) 発症当時は発熱だけでした。 それに体温もそこまで高くありませんでした。 熱が出ただけで、 せきはありませんでした。 鼻水も出ていませんでしたし、 くしゃみなどもありませんでした。 2日間はコロナウイルスだとは気づきませんでした。 3日目も熱が続いたため検査した結果、新型コロナウイルス陽性、さらに肺炎だと診断されたという。 その後、入院した余医師。 余昌平医師: 入院3日後に、 突然体調が悪くなりました。 呼吸困難にもなりました。 数日、発熱が続くだけだった症状が一転、呼吸困難に陥る事態に…。 その後、 余医師は5日間立ち上がることができず、寝たきりの状態になったという。 なぜ、突然 呼吸困難になったのだろうか? 余昌平医師: 一般的な肺炎は片側だけ炎症することが多いのですが、 新型肺炎は両側が炎症することがほとんど。 片側だけ炎症しても、最終的には両側になります。 このようなレベルまでくると、非常にひどい病状で、 呼吸をするのすら、つらくなってくることでしょう。 余医師によると、 通常の肺炎の多くは片側の炎症のため、もう一つの肺で呼吸ができる。 しかし 新型コロナウイルスの場合、その 炎症が急激に両側に及ぶため、呼吸困難に陥りやすいのだという。 症状のとっかかりを見つけることが重要 新型肺炎の重症化は回避できるのだろうか? グッディ!のスタジオでは昭和大学医学部の二木芳人特任教授に解説してもらった。 大村正樹フィールドキャスター: 二木先生は「初期症状で入院などの処置がとられていれば、重症化のリスクを下げられる可能性はある」としています。 しかしグッディ!が話を伺ったお医者さんは皆さん、初期症状は風邪と同じで、診察で判断するのは難しいという見解を示しています。 安藤優子: まず、何をもってして重症化と言うんでしょうか?私は肺炎になったらとっくに重症じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。 昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏: 一つの目安として、例えば酸素投与が必要になるようなケース。 これが1つのフェーズです。 さらに酸素を投与しても肺炎の場合なかなか血液中の酸素が上がってこない。 この場合は管を入れて人工呼吸器でしっかり息をしてもらうことになる。 そんな状態になればもう1つフェーズが上がります。 安藤優子: では、基本的には酸素投与などしなければ自力の呼吸が難しい場合に重症と言えるんですね。 昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏: しかし、今のお話を聞いていると、一番最初はほとんど風邪と変わらない症状です。 そういう人はいっぱい来るわけですから、その中から「この人だ」と見極めるのは、きわめて難しいでしょう。 田村勇人弁護士: 風邪と同じような症状のタイミングで肺を見ても、炎症は起きてないんでしょうか? 昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏: レントゲン、あるいはCT検査があります。 CTは、より細かく肺の中を見れるんですが、最初の段階ではそれで見ても(肺炎の影が)ないケースが多いようです。 安藤優子: ある程度の症状が出てからじゃないと、こういう特徴的な所見は見られないんですね。 昭和大学医学部特任教授・二木芳人氏: そのようです。 疑うのであれば、毎日毎日様子を見て、あるとき肺炎の影が一気に出るというより、はじめは少しずつ出てくる。 そういうとっかかりを見つけて、そこから積極的に治療すれば(重症化を防げる可能性がある)…というところです。 安藤優子: とは言っても「病床が足りないから重症化の人に空けましょう」と言われていますから、それはかなわないわけですよね…。 (「直撃LIVE グッディ!」2月27日放送分より).
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