それも実力派の監督およびスタッフが手がけた、テレビアニメの劇場版でも毎年の恒例となったシリーズでもない、そのオリジナリティや挑戦的な企画そのものにも注目してほしい話題作が続々と世に送り出されるのです。 監督は『ご注文はうさぎですか?』の橋本裕之、脚本は『この素晴らしい世界に祝福を!』の上江洲誠、制作会社は『結城友奈は勇者である』のStudio五組と、深夜アニメのファンにはおなじみの面々が揃っています。 2週間限定での上映とのことなので、見逃したくない方は劇場情報をチェックしておきましょう。 オトナ帝国の逆襲』の原恵一監督が児童文学「地下室からのふしぎな旅」を原作に、イマジネーション豊かに映像化したファンタジー作品です。 きっと皆さんを素敵な旅に誘えます」などと自信に満ち満ちたコメントをしています。 その作家性が生かされた、超ハイクオリティのアニメ映画になっていることは間違いないでしょう。 なお、『名探偵コナン』や『クレヨンしんちゃん』という人気アニメ映画の最新作が集中しているゴールデンウィークの公開であるうえ、なんと『アベンジャーズ/エンドゲーム』とは同日上映!全力で応援したい超期待作です。 世界の半分が焼失してから30年後の世界で、炎を操る人間たちが突然変異で誕生し、信念を持った熱い2人の男がぶつかり合うという物語になっているのだとか。 その良い意味でのトンデモな設定に見合った、この監督と脚本家コンビならではのド迫力のアクションが展開する破天荒な内容になっていることでしょう。 制作会社は『リトルウィッチアカデミア』や『SSSS. GRIDMAN』などでアニメファンの話題を集めたTRIGEERで、キャラクターデザインを(このコンビの作品でおなじみでもある)『ベイマックス』などにも参加していたコヤマシゲトが務めています。 日本の山奥の村に暮らすアメリカ人少年が友人と猫と遊びに出かけ、そこで発見した娯楽施設に足を踏み入れて遊んでいたもの、そこは次第に恐怖のアトラクションと化していく……というあらすじで、ホラー、アクション、コメディ、クライム、ドラマ、ファンタジー、ミステリー、ロマンスなど、あらゆるジャンルを詰め込んだ内容になっているのだとか。 PG12指定がされていることもあり、過激な内容になっていることは間違いなさそうです。 豪華声優陣が揃っている他、ナレーションを松本人志が務めていることにも注目です。 2017年に行われたクラウドファンディングでは目標額の1500万円を大きく超える約2000万円を調達して制作が決定、2019年の福島県の県民1万人を劇場へ無料招待するための第2弾クラウドファンディングも目標金額に達していました。 なお、山本寛監督が破産手続きをしていたことも話題になりましたが、資金を管理するスタジオおよび作品に影響は全くないとのことです。 『海獣の子供』(6月7日公開) C 2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会 監督:渡辺歩(『帰ってきたドラえもん』や『恋は雨上がりのように』など) 声の出演:芦田愛菜、石橋陽彩、窪塚愛流、稲垣吾郎、蒼井優など 五十嵐大介によるマンガを原作とした作品です。 部活での居場所をなくしてしまった少女が、夜の海で出会った不思議な少年との出会いをきっかけに海の世界へと足を踏み入れていくという物語になっているのだとか。 言葉として書き表すのがもどかしいほど、この手応えに私は興奮しています」と、作品のオリジナリティとその出来栄えに高揚感を隠せないコメントをしています。 『きみと、波にのれたら』(6月21日公開) C 2019「きみと、波にのれたら」製作委員会 監督:湯浅政明(『マインド・ゲーム』や『DEVILMAN crybaby』など) 声の出演:片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎など 2017年に『夜は短し歩けよ乙女』と『夜明け告げるルーのうた』と監督作が立て続けに公開されていたことも記憶に新しい湯浅政明監督が、海辺の町を舞台に、未来に自信が持てないサーフィン好きの女の子と、正義感が強く努力家の消防士による青春ラブストーリーを描いたオリジナル劇場用アニメ作品です。 音楽を『リトルウィッチアカデミア』や『劇場版 はいからさんが通る』の大島ミチルが、脚本を『映画 聲の形』や『若おかみは小学生!』などの吉田玲子が手がけていることにも注目です。 『センコロール コネクト』(6月29日公開) C 2019 宇木敦哉/アニプレックス 監督:宇木敦哉(マンガ家としてアフタヌーン四季賞で四季大賞を受賞 、『デジモンアドベンチャー tri. 』シリーズのキャラクターデザインなど) 声の出演:花澤香菜、下野紘、木村良平、森谷里美、高森奈津美、赤羽根健治など クリエイター・宇木敦哉がほぼ1人で作り上げ2009年に公開された30分の中編アニメ映画『センコロール』と、新作の『センコロール2』を合わせての特別上映となる作品です。 『センコロール』のあらすじは、巨大モンスターが突如として出現する街中で、女子高生が同じ学校に通っている少年の飼っている奇妙な生物を偶然知ってしまい、モンスターたちの戦いに巻き込まれてしまうというものなのだとか。 supercellやEGOISTを手掛けるコンポーザーとしてもおなじみのryo(supercell)が音楽を担当していることにも注目です。 『天気の子』(7月19日公開) C 2019「天気の子」製作委員会 監督:新海誠(『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』など) 声の出演:醍醐虎汰朗、森七菜など ご存知メガヒットを遂げた『君の名は。 ふたりの恋の物語を通じて、美しく、切なく、新たな時代を迎えるあらゆる世代、そして全世界へのメッセージが描かれているそうです。 監督:山崎貴(『SPACE BATTLESHIP ヤマト』や『DESTINY 鎌倉ものがたり』など) 声の出演:(未発表) 1992年に発売されたスーパーファミコン用ソフト「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」のストーリーを原案に、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズでおなじみの山崎貴が総監督および脚本を、『STAND BY ME ドラえもん』の監督の1人である八木竜一とアートディレクターの花房真が共同で監督を務めたフル3DCGアニメーション映画です。 さらに原作・監修ではドラクエの生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二、ドラクエシリーズの名曲の数々を創作してきたすぎやまこういちの音楽が使用されるなど盤石の布陣になっています。 『二ノ国』(夏公開予定) C 2019 映画「二ノ国」製作委員会 監督:百瀬義行(『ギブリーズ episode2』や『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』内の短編「サムライエッグ」など) 声の出演:山崎賢人、宮野真守、津田健次郎、坂本真綾、山寺宏一、梶裕貴 前述の『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と同じく、日本の人気ロールプレイングゲームのアニメ映画化作品で、音楽をスタジオジブリ作品でおなじみの久石譲が務めることも話題を呼んでいます。 基本的な設定は原作となるゲームを引き継ぐものの、主人公の暮らす世界が現代に変更され、キャラクターも一新した完全オリジナルストーリーとなるのだとか。 制作総指揮および原案・脚本を手がけるレベルファイブの日野晃博は「大好きな人は別の誰かの恋人で恋は叶わないという状況の中、異世界で愛する人とそっくりな人がいた場合、自分はどういう選択をするのか?ファンタジーな恋愛もあるが、刺激的でスペクタクルが詰まった映画になる」と自信を伺わせるコメントをしています。 ゲームのファンはもちろん、全くゲームを知らない方も楽しめる内容になっているそうですよ。 『HELLO WORLD』(9月公開予定) C 2019「HELLO WORLD」製作委員会 監督:伊藤智彦(『銀の匙 Silver Spoon』や『僕だけがいない街』など) 声の出演:(未発表) 『ソードアート・オンライン』の監督の他、細田守監督の『時をかける少女』や『サマーウォーズ』では助監督を務めた伊藤智彦による、初となるオリジナル劇場用アニメ作品です。 物語の詳細は明らかになっていないのですが、3Dならではのダイナミックなアクションと、2Dさながらのフェイシャル造形によって、斬新かつ王道のSFラブストーリーが描かれているのだとか。 『けいおん!』シリーズで知られる堀口悠紀子がキャラクターデザインを、『正解するカド』の野崎まどが脚本を担当し、制作会社は『ガールズ&パンツァー 劇場版』や『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』などで主要CGパートを制作したグラフィニカとなっています。 『空の青さを知る人よ』(10月11日公開) C SORAAO PROJECT 監督:長井龍雪(『心が叫びたがってるんだ。 』や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』など) 声の出演:(未発表) 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 』と『心が叫びたがってるんだ。 』と合わせ、埼玉県秩父を舞台とした3部作になっているそうです。 こちらも物語の詳細は明らかになっていませんが、長井龍雪監督によると「昔思い描いた自分と向き合っていくキャラクターたちの不思議な四角関係のお話」になっているとのこと。 脚本には岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督には田中将賀と前2作のチームが再集結しており、『君の名は。 』のプロデュースを手掛けた川村元気もクリエイターとして仲間入りしているようです。 『BLACK FOX』(秋公開予定) C PROJECT BLACKFOX 監督:野村和也(『劇場版 戦国BASARA The Last Party』や『攻殻機動隊 新劇場版』など) 声優:七瀬彩夏、戸松遥、藤原啓治、豊崎愛生、鳥海浩輔、飛田展男、東地宏樹、小山力也など 忍者一族の後継者として期待されている長女が、家族と暮らす忍者屋敷が襲撃を受けたことをきっかけに絶体絶命の危機に立ち向かっていく姿が描かれるというSFアクションです。 『ジョーカー・ゲーム』や『風が強く吹いている』などの野村和也が監督を務め、音楽ユニットのfripSideが主題歌を手がけることも発表されています。 さらに、世界初となるアニメと実写時代劇の連動プロジェクトとして、特撮忍者アクション作品『BLACKFOX: Age of the Ninja』の制作も決定しているそうです。 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019年公開予定) C 2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会 監督:片渕須直(『BLACK LAGOON』や『マイマイ新子と千年の魔法』など) 声優:のん、細谷佳正、小野大輔、潘めぐみ、新谷真弓、岩井七世など 2016年に公開され絶大な支持を得たアニメ映画『この世界の片隅に』に、約30分の新規シーンを追加した長尺版です。 同作は2018年12月公開に向けて制作を続けていたものの、本編完成までに数カ月単位の期間が必要と判断され、2019年中の公開に向けて制作を続けることになりました。 追加シーンとなるのは、すずが嫁ぎ先の町で出会う同世代の女性リンとの交流のエピソードや、妹すみを案じて過ごす枕崎台風の場面などだとか。 コトリンゴによる新曲の制作も予定されています。 『HUMAN LOST 人間失格』(2019年公開予定) C 2019 HUMAN LOST Project 監督:木崎文智(『アフロサムライ』や『BAYONETTA Bloody Fate』など) 声の出演:宮野真守など 太宰治の『人間失格』を大胆に翻案して描いた作品です。 脚本を『マルドゥック・スクランブル』の冲方丁が務めており、制作会社は『GODZILLA』3部作や『シドニアの騎士』を手がけたポリゴン・ピクチュアズとなっています。 『ぼくらの七日間戦争』(2019年公開予定) 監督:村野佑太(『ドリフェス!』や『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』など) 声の出演:(未発表) 宗田理による小説「ぼくらの七日間戦争」のアニメ映画化作品で、この原作は1988年に宮沢りえの映画デビュー作として実写化もされていたことも有名です。 厳しい規律が敷かれた中学校で自由を求める11人の少年少女が廃工場にたてこもり、教師たちにあらゆる手段で立ち向かうさまが描かれているようです。 脚本を『コードギアス 反逆のルルーシュ』や『甲鉄城のカバネリ』の大河内一楼が手がけていることもアニメファンには見逃せないポイントでしょう。 おまけ:その他のアニメ映画も大充実! 以上に挙げた他にも、テレビアニメに続く劇場版を含め、2019年にはこれより以下の日本のアニメ映画も公開となります。 -Dive to the Future-』 ・7月12日公開 『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』 ・秋公開予定 『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』 ・2019年公開予定 『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』 ・2019年公開予定 『劇場版 冴えない彼女の育てかた Fine」 ・2019年公開予定 『ユーリ!!! on ICE 劇場版 : ICE ADOLESCENCE』 すでに上映は終了してしまいましたが、1月25日よりオリジナルの劇場用アニメ映画 『あした世界が終わるとしても』も公開されていました。 その他、2月8日より公開された20年ぶりの新作 『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』は好評を博し現在もロングラン上映が続いています。 さらに、アドベンチャーゲームをアニメ化した 『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』も3月15日より公開されています。 なお、 『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』(4月12日公開)や 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし』(4月19日公開)が公開されるゴールデンウィークはもちろん、夏休みは他にも強力なライバルとなるアニメ映画も公開されます。 それは 『トイ・ストーリー4』(7月12日公開)や 『ペット2』(7月26 日公開)や 『ONE PIECE STAMPEDE』(8月9日公開)!海外のビッグタイトルも含めると、もう2019年はアニメ映画の一大戦争かと思うレベルになっています。 さらに、2020年にはイシグロキョウヘイ監督作 『サイダーのように言葉が湧き上がる』、『おジャ魔女どれみ』シリーズの最新劇場用アニメ作品 『魔女見習いをさがして』、そして待望の 『シン・エヴァンゲリオン劇場版: 』も公開予定となっています。 (宮崎駿監督最新作 『君たちはどう生きるか』は2020年には公開されないか?)もうアニメ映画のファンにはとんでもないラインアップばかり!どの作品も楽しみに待ちたいと思います。 (文:ヒナタカ) 関連記事 ・.
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」おわ牧之原って!!!お茶の!!!!産地やないか〜〜〜〜〜!!!!!!ってなった人は何人いるのでしょうか。 お茶は「あさつゆ」っていう品種が美味しいよ。 はい話が逸れました。 青ブタはタイトルだけで観るの辞めてる人がいたらもったいないよ。 面白いよ。 ハルヒとか氷菓とかサクラダリセット好きな人は多分好きだよ!!! でもこの子は好きになれなかった・・・牧ノ原翔子。 だってTVアニメじゃ何もわからんやん。 でもずっと出てくるやん。 なんか訳ありげやん。 海は『海獣の子供』とかぶってるし消防士は『プロメア』とかぶってるなあ、というのがちょっとだけ気になる。 そこはまあ別にいいんだけど、いちばん心配なのは主人公がEXILEの方が声優を担当しているということ。 ごめん・・・誰?昔は好きだったけどもうわからん(笑)EXILEとアニメ、親和性低そうだけど大丈夫か(あくまでイメージです) 誰が何を求めて観に行くのを想定して作っているのかよくわからない。 というわけで期待は薄め。 水泳で日本を、さらに世界を目指す 筋肉若者たちの物語。 遥たちがついに世界に羽ばたく!!!この瞬間を見ずして東京オリンピックが迎えられるだろうか、いや迎えられない。 京アニは絶対やってくる・・・!東京オリンピック水泳とのシンクロを狙って2020年にFree! 最終劇場版をぶつけてくる!!てかRoad to 2020って書いてあるもんな!? てか公式サイトよく見たら 「TVアニメ『Free! -Dive to the Future-』をリビルドした劇場版がついに始動!」って書いてあるのでお得意の総集編かもしれません。 笑 今ポケモンにハマってるちびっ子たちがミュウのこと知らなすぎるからもう一回やるんかな?だって 前作21年前だってよ。 新海誠最新作『天気の子』2019年夏公開決定 ! 新海誠監督最新作『天気の子(てんきのこ)』の制作が発表されました。 2019年7月19日公開予定、鋭意制作中です。 』の人となってしまった新海誠監督の最新作。 キービジュアルが出ただけでめちゃくちゃ騒がれてほんと大変そうだ。 もちろんいちファンとして最新作はすごく嬉しいし楽しみだけど、売れなくてはならないというプレッシャーから変に媚びた作品になってませんように・・・と願うばかり。 予告が「予報」なところがいいね!!お天気だしね!!笑 さすが新海誠作品、作画のスケール感圧倒的すぎてあいた口がふさがらないわぁ・・・ いやーほんまに楽しみ。 交錯する未来と現在、<僕>と<俺>と<彼女> オリジナル長編アニメーション 『HELLO WORLD』 2019. 20 FRI ROADSHOW — 映画『HELLO WORLD』 helloworld0920 9月は秋では?いやいや最近は残暑が厳しいから9月も夏!!! 『HELLO WORLD』は、文字どおり誰もまだ触れたことがない新しい世界観のアニメーション。 現代の映像業界をリードする気鋭のスタッフ陣によって、誰もが知る風景、情景、光景が、 誰も知らない映像美と物語とベクトルで、描き出されていく。 () ハローワールドといえばプログラミングのアレですよね。 アレだよ。 アレアレ PVの最後、1から0に変わるのもなんか意味がありそう。 ほら二進法的な視点で。 あとこの作品で声優を務める 浜辺美波ちゃんはアニメ実写版によく出てるしカワイイし推せます。 AimerのPVが最高すぎるからみんな見て!!!!! さいごに よく見たら7月末まで毎週映画館やないか。
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毎月どころか毎週のように長編中編といったアニメーション映画が公開される状況も、そして多くの作品がアニメーションの歴史に名を刻むような傑作や秀作や話題作や問題作ぞろいだったことも、豊作であり豊穣といった言葉を2019年のアニメーションシーンにもたらしている。 そんな2019年を代表するアニメーション映画となると、真っ先に新海誠監督の『天気の子』を挙げざるを得ない。 最終的なノミネートはかなわなかったが、長編アニメ部門での選出に期待がかかる。 アニメーション作品が対象の第47回アニー賞にはインディペンデント作品賞、監督賞など4部門でノミネート。 前年の細田守監督『未来のミライ』に続いての作品賞獲得もあり得る話だ。 前作『君の名は。 』で興行収入250億円という、日本映画では宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』に続く歴代2位の記録を打ち立てた新海誠監督。 もはや国民的となった監督が、次に送り出すのはいったいどんな内容になるのかと誰もが注目した『天気の子』は、7月19日に公開されるや順調に興行成績を伸ばし、140億円を突破するまでに至った。 前作よりも落ちているじゃないか、という指摘もあるだろうが、100億円超えは立派な数字だ。 公開直後、将来への不安におびえ、息苦しさを感じながら生きている若い人たちが、あがいた果てに自分たちだけの幸せを得ようとする、ともすれば身勝手と捉えられそうな内容が知れ渡るにつれて、フィクションには甘い幻想を求めたい観客から反発を喰らうのではないか、といった懸念も出た。 けれども実際には、ささやかでも幸せを得ようと突っ走る森嶋帆高の意思に共感する人が多く出た。 それだけ現実が不安に満ちているのか。 ヒットの裏にある社会心理を今いちど、掘り起こしてみたくなる。 『天気の子』といえば、トッド・フィリップス監督がバットマンシリーズでも屈指のヴィラン、ジョーカーが生まれるまでを描いた映画『ジョーカー』との比較でも話題になった。 先に公開されていた『天気の子』を元に、銃の使い道を誤ってしまった森嶋帆高が天野陽菜と出会えないまま東京で沈み、腐っていった先に陥る境遇を描いた映画が『ジョーカー』だ。 そう感じた人が少なからずいた。 新海誠監督自身も、アメリカでの舞台挨拶で共通性を認める発言をした。 そんな『ジョーカー』も日本で大ヒット。 この国の空気に漂い、満ち溢れて来ている不安や不満の行く先を、映画に教えられる年でもあった。 新作を公開すれば、確実に注目されるアニメーション監督としては、『夜は短し歩けよ乙女』や『夜明け告げるルーのうた』の湯浅政明監督も挙げられる。 その湯浅監督による新作『きみと、波にのれたら』は、表現という面から注目されたアニメーション映画だった。 大学進学とともに海辺の街に移り住み、毎日のようにサーフィンを楽しんでいた向水ひな子が、消防士の雛罌粟港(ひなげし みなと)と知り合い恋人同士になったものの、事故で港が死んでしまう。 嘆くひな子が2人の思い出にある歌を口ずさむと、水の中に彼氏が現れた。 そんなファンタジー設定のラブストーリーは、スペクタクルを経てひな子が過去におぼれることなく、これからを生きていこうとする展開で沈み込んでいる人に勇気を与えた。 2018年のヒット作で、両親を失った少女が、旅館で働きながら悲しみを振り切る高坂希太郎監督『若おかみは小学生!』との共通点も言われた。 そんなストーリーを湯浅政明監督は、『マインドゲーム』のように歪みメタモルフォーゼさせていくような実験映像的描写を抑えつつも、デフォルメを効かせた画面によってダイナミックに描いた。 線はきわめてシンプルで、東京の街並みをどこまでも精緻に描き混んだ『天気の子』とは正反対。 それなのに、海の情景もひな子や港の情感も、しぐさや表情、スタイルからしっかりと感じ取れる。 ゲームクリエイターの小島秀夫監督は、11月8日に発売された、独立後初となるタイトル『DEATH STRANDING』をひっさげ世界ツアーを続けていた機内で『きみと、波にのれたら』を観て、「号泣してしまった。 今年観たアニメの中でもベスト1」とした。 ある現場で絶賛の理由を尋ねると、『天気の子』のようなリアルさの探求は、自身も含めて大勢が取り組んでいるが、湯浅監督のような表現はほかにない、といったオリジナリティを絶賛していた。 トップクリエイターの心を動かす映像表現。 その価値に興行成績が追いついてくれば良いのだが……。 同様に、渡辺歩監督の『海獣の子供』も、とてつもない映像を見せつけてくれたアニメーション映画だった。 街並みや人物などを作画で描きつつ、クジラを3DCGでモデリングして双方をなじませ、独得な描線を持った漫画の雰囲気を生かしつつ、奥行きを持った映像へと仕立て上げた。 その神髄を味わい尽くすには、巨大なスクリーンがふさわしかったが多くの劇場であてがわれたのは小さめのスクリーン。 いつかイオンシネマのULTIRAなりTOHOシネマズのTCXなりで観られたらと心から願う。 すさまじい映像表現を、すさまじいストーリーとすさまじい出演陣の演技で引っ張り一般層への窓を開いたのが、今石洋之監督の『プロメア』だ。 『天元突破グレンラガン』、『キルラキル』といった作品でタッグを組んだ脚本家の中島かずきと作り上げた世界は、精緻さやリアルさとは正反対の街並みや色彩の上で、火を操るミュータントとバーニングレスキューとの戦い、その裏でうごめく謀略への挑戦といったストーリーが綴られた。 こちらも注目作の『スパイダーマン:スパイダーバース』にも劣らないアクションと、そしてバーニングレスキューのガロ、ミュータントを率いるリオとの関係性から男性女性を問わず話題となって観客を劇場に呼び込んだ。 興行収入は10億円を突破し14億円まで到達した。 ガロを演じた松山ケンイチ、リオ役の早乙女太一に謀略を巡らせる司政官、クレイを演じた堺雅人の役者陣がリミッターを外して声を出し、ぶつかり合った演技も好評。 アニメ声優ではない俳優が起用される、最近のアニメーション映画の傾向に対する批判めいた声をねじ伏せた。 反対に、絵はシンプルで声優の演技はなかったのに、10億円を突破したアニメーション作品がまんきゅう監督による『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』だ。 『すみっコぐらし』はサンエックスが展開しているキャラクターで、寒いのが苦手なしろくまや、脂肪分99%で食べ残されたとんかつのはじっこというとんかつなど、それぞれに不安や秘密を抱えすみっこで暮らしている、といった設定に自分を重ねるファンがつき、人気となっている。 このキャラクターを映像化したのが、『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』。 絵本の世界に迷い込んでしまったすみっコたちが、そこで出会った灰色のことりに似たキャラクターの居場所を探して冒険を繰り広げる展開が、足りない者たちが不安を抱えながらも、誰かのために頑張る尊さを感じさせた。 個々のキャラクターにセリフはなく声優もつかず、V6の井ノ原快彦さんがナレーションで状況を説明する展開。 絵と動きから感じさせる助け合う素晴らしさ、別れの寂しさに涙する大人も続出し、2019年のアニメーション映画のダークホースとなった。 ここまでたった5作。 『スパイダーマン:スパイダーバース』を入れても6作しか並べていないが、アニメーション映画はこれらの隙間を埋めるようにして、びっしり公開された。 『映画:ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』があった。 『PSYCHO-PASS』シリーズの最新作となる『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』が3部作として上映された。 『劇場版 幼女戦記』があり、『えいがのおそ松さん』があり、『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』があり、『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』があり、『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』があった。 そんな具合に、人気のテレビシリーズが劇場版となったものがいくつも公開された。 『超時空要塞マクロス』の河森正治を総監督に迎えた『誰ガ為のアルケミスト』、レベルファイブの人気ゲームが元になった『ニノ国』、そしてシリーズ初の3DCGアニメーションとなる『ルパン三世 THE FIRST』では好評を得ている山崎貴監督が、総監督を務めて描き毀誉褒貶を浴びた『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と、ゲームが題材となった映画も数々公開された。 語り始めれば三日三晩を費やしても終わりそうもないのでこのあたりは端折りつつ、オリジナル作品として『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の伊藤智彦監督が手がけた『HELLO WORLD』と、『あの花の名前を僕達はまだ知らない』、『心が叫びたがってるんだ。 』の長井龍雪監督による『空の青さを知る人よ』について触れておく。 共に、時を隔てて同一人物がめぐりあう設定を持ったストーリー。 未来の惑う自分を見つめて今の自分を改めるなり、過去の血気盛んな自分を見て今の自分を奮起させるといった設定は普遍とも言えるもの。 それらを『HELLO WORLD』は3DCGによるモデリングのアニメーションで描き、『空の青さを知る人よ』は秩父という地域を舞台に描いていた。 地方が舞台になったアニメーション映画では、『かんなぎ』、『Wake Up, Girls1』の山本寛監督による『薄暮』も評判を呼んだ。 福島県いわき市の田園が見え山並みがのぞめる風景の中、ヴァイオリンを奏でる少女と絵を描く少年とが出会い交流を深めていくストーリーが、まさに青春といった雰囲気で共感を誘った。 世界の映画祭にも招かれ、第74回毎日映画コンクールのアニメーション映画賞・大藤信郎賞に『天気の子』、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』などと共にノミネート。 ネットでの言動がたびたび話題になる山本寛監督だが、演出力の高さはしっかりと認められた形だ。 海外勢では先に挙げた『スパイダーマン:スパイダーバース』があり、『アナと雪の女王2』があり、『トイ・ストーリー4』があって世界的なヒット作も目白押しだった中、2016年の東京アニメアワードフェスティバルでコンペティション部門・長編部門グランプリとなったレミ・シャイエ監督『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』、そして同じ東京アニメアワードフェスティバルで2018年のコンペティション部門・長編部門グランプリとなったサン・シンイン監督『幸福路のチー』が共に日本で劇場公開となって話題になった。 『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』は、冒険家だった祖父が消えた北極へと少女が向かい、過酷な旅を経験するストーリーが高畑勲監督の絶賛を浴び、公開が待ち望まれていた。 『幸福路のチー』は台湾という場所で生まれ育った少女を通して、台湾の歴史をたどり過酷な現実、生きづらい社会の中で懸命に生きるために必要なことを学ばせてくれた。 海外勢では、中国から来た『羅小黒戦記』も話題になった。 池袋の劇場がほとんどの回で満席になる人気ぶり。 中国で公開されて間もなく日本に滞在中の中国人が多く見に来ていたこと、見せ場が『NARUTO-ナルト-』のようだといった口コミで日本のアニメーションファンが足を運んだことでヒットに。 それだけの目を満足させるアクションがあり、ストーリーがあったからこそのヒットで、場所を変えてロングランとなっている。 アニメーション映画といえば、10月27日から11月5日まで開かれた第32回東京国際映画祭で「アニメ映画史、最重要変化点を語る」と題されたシンポジウムが開かれた。 明治大学大学院特任教授の氷川竜介と、アニメーション研究家でデータ原口として知られる原口正宏が登壇して、日本におけるアニメ映画史の最重要変化点を3つ挙げ、それらと2018年から2019年に公開されたアニメーション映画を並べることで、どういった流れが見えるかを解説した。 日本初のカラーでの長編アニメーション映画となる『白蛇伝』、山本美鈴の漫画を原作に出崎統監督が手がけた1979年の映画『エースをねらえ! 』、そして大友克洋さんが自身の漫画作品を映画化した『AKIRA』を挙げ、ていねいな作画によるフルアニメーションを信条とした東映動画(今の東映アニメーション)の系譜、毎週1本のアニメ作品を送りだそうと枚数を減らしつつ、動きを見せようとした虫プロダクションの系譜、トップクリエイターが集まり細部までリアルに描写していく『AKIRA』の系譜におおまかにまとめられていた。 東京国際映画祭でアニメ映画について語った氷川竜介(左)、原口正宏(右) こうした過去作から、細やかな動きで見せる『若おかみは小学生!』があり、緻密さが突き詰められている『天気の子』や『海獣の子供』があり、ダイナミックなアクションで見せる『プロメア』があり、デフォルメされたビジュアルで見せる『きみと、波にのれたら』が生まれてきた、といった感じか。 こうした系譜を受け継ぎつつ、独自性も乗せて新たな時代のアニメーション映画が生み出せるかで、未来は変わってきそうだ。 細やかな動きの探求では、2019年も末になった12月20日に公開された、片渕須直監督の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が新たな次元へとアニメーション映画を連れて行きそう。 2016年公開の『この世界片隅に』に、原作にありながら泣く泣く落とした40分近い新作部分を加えた映画だが、そうした部分が登場するキャラクターたちの心情をより深く理解させ、昭和のはじめから戦中、戦後といった時代に暮らした人たちを身近に感じさせる。
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