都合二回菓子折りを持って我が館に訪れた将校さんは、変わらない低姿勢で感謝し続けている。 それは後ろに控える二人の部下の方も同じようで、びっしりと直立しつつ幾度か敬礼をしていた。 二度目の訪問なのは……つい昨日、カフェでくつろいでいると荒くれものが暴れているのを見かけたので、警邏がくるまでてきとうに相手をしていたのだけれど、それが手配されていた海賊だったらしく、こうして海兵が出向いてきた。 「ええ、お気になさらず。 賞金稼ぎとはそういうものですから」 これも重ねて伝えていることだ。 協力はしたが目的は賞金首の討伐。 あくまでそういう話。 だからここまで感謝されるのも居心地が悪いというか……悪い印象を持たれるよりはいいのでしょうけど。 それは先日の鷲鼻のロッゴの話ね。 たしかに、彼らでは手に負えない者が暴れ出したら困るだろうなあと護送にはわたくしもついていったけど、野武士は目を覚ますなり『海は広いなあ!』と笑った切りで後は大人しくしていたから、必要だったかはわからない。 つまりは、何もしていないのよね。 だからお菓子だったりハムの詰め合わせだったりを持って来ていただいても、ちょっと反応に困るというか……美味しくいただいてますけども。 サチョの料理は絶品なのよ。 海兵さん達もいかがかしら? 「えっ? い、いえ……」 ……昼食に誘ってみたけど、困惑されるばかりだった。 うーん、対応がやんごとなき方に対する感じ……まあ、どう見てもお嬢さまですものね、わたくし。 いくつか言葉を交わし、将校さん方は館を出て行った。 最後まで頭を下げる徹底ぶり。 過剰に自分が偉くなった気持ちになってしまって、おほほと誤魔化し笑いをした。 ……この笑い方、板についてきた気がしますわね……。 「お嬢さま」 給仕をしていたサチョが声をかけてくるのに頷いてみせる。 ええ、そうね。 そろそろ潮時ね。 「引っ越しをしましょう」 賞金稼ぎルシェーネの名は通ったのだし、これ以上はここにいる必要もなし。 通りのカフェのレモンケーキとお別れするのは寂しいけれど、そういうわけなので、わたくし達はあらかじめ拵えていた旅行鞄に必要なものを詰め込むと、その日の夜に街を出た。 そうして二つ隣の、前と同じく海沿いのこじんまりとした町へやってきて、小高い丘の上に館を立てた。 とても目立つし、実際夜が明けると何事かと町人が集まってきたが、バルコニーから顔を覗かせて朝の挨拶をすると散っていった。 うーん、完璧。 これは完璧なムーヴですわね。 ここまでくればわたくしの顔に既視感を覚える者もいないだろうし、必要以上の存在のアピールはわたくしのトラウマを癒す事もできるし。 誰も攻撃的でなくても、大勢の人の視線が集まるというのは恐ろしい。 それそのものがわたくしに刺さりそうで、痛んで……でもそんなの、跳ね除けなければ生きてはいけない。 だからサチョと相談して、ひっそりこっそり生活する方針から転換して、大いにわたくしの姿を見せた。 ……高笑いまでしたのはやりすぎだった気がする。 みなさん「なんだあいつ~~!」って顔してましたものね……。 さて、反省。 そう、反省ですわ。 それは四日前の野武士との戦闘と、つい昨日の海賊との戦闘でわかったいくつかの、今すぐ正さねばならない誤りの数々の話。 決して調子に乗り切ったわたくしの話ではない。 断じてない。 性格自体は100点満点ですからね、ええ。 ……こほん。 ひとつ。 動かない右腕をそのままにしていると、ぶらついて危なっかしいうえに体が引っ張られて邪魔だということ。 幾度か斬られそうになってましたし、このままにするのは非常に危険ですわ。 なぜそんなことも考えつかなかったのか……わたくしはなんにも考えておらず、サチョはわたくしが平然としているから特に言及はしなかったらしいんだけど……言ってほしかったわ。 その右腕は、サチョが繕ってくれたレースとフリルで彩られた布で吊ってある。 見た目はなんというか……常に腕組みをしている偉そうな姿になってしまっているけど、これで跳んでも跳ねても邪魔にはならないでしょう。 ……胸の下にずーっと違和感がありますけど、これもいずれ慣れるでしょうし。 ふたつ。 手数が足りない。 わたくしが戦闘に使えるのは、この左足ひとつきり。 これだと強者と渡り合えそうにない。 実際野武士との戦いでは二対一でやや優勢であったにも関わらず押し切れなかった。 そこで今、右足に取りつける用の武装を手配している。 左も右もトゲトゲになれば二倍蹴れるようになりますわね。 「んんっ」 これだけ鋭いんだから回転したら足が真っ赤に染まって"悪魔風"にならないかと思ったけど、地面に沈んでいくだけの残念な結果になった記憶が甦る。 折悪く伝達に来ていた若い海兵さんに目撃されて始終面を下ろして笑いを吹き零されて、顔が真っ赤になって……あー! ああー!! 「サチョ! サチョ!!」 「はい、お嬢さま」 「近くに!」 「はい、仰せのままに」 自室の中心に置かれた豪奢な椅子に腰かけつつ足をばたつかせ、羞恥心を誤魔化すためにサチョを呼べば、部屋の角からぬるっと現れた。 それに驚く心は既に失ってしまった。 サチョってば、呼ぶとどこからともなく現れるんですのよね。 能力者か何かなんじゃないか……それか忍者? と思ったけど、単にいつもタイミングよくわたくしの傍に寄っているだけらしい。 ほんとかしら……。 「ふうー……」 「……」 抱き寄せたサチョの胸に顔を 埋 うず める。 わたくしより膨らんできた気がする柔らかさに、人肌の温もりに鼓動が安定してきて、緩やかに息を吐いた。 抱き直しつつ肩に顎を置いて、目をつむる。 まぶたの裏に浮かぶのは、昨日将校さん達がくれた最近の新聞と手配書の、そのどちらにも載っていた伝説の海賊の顔。 海賊王ゴールド・ロジャー。 ……いえ、未だ" 偉大なる航路 グランドライン "を制覇していない彼は、まだ海賊王とは呼ばれていない。 それに、もう間もなく彼は不治の病にかかり、どんどん力を弱めていく。 それでも。 あの最も偉大な男が同じ時代に生きているとわかると、心が奮い立つ。 わたくしに成せることがあるはずだ、と。 運命を変えることができる、と。 そう、たとえば……ロジャーの病気を治してしまい、向こう数十年存命させれば? 大海賊時代は始まらず、凶悪な海賊たちはそうとはならずそれぞれの人生を穏やかに過ごすかもしれない。 変えたくない、変えられるはずもないと思っていた未来の海賊達の姿も掻き消すことができる。 より容易くわたくしが天に立つ事ができるようになるでしょう。 不治の病を治す手立ては、ある。 オペオペの実があればいい。 その使い手がいればいい。 ロシーの顔を思い浮かべる。 優しくて儚くて、泣き虫で、それから、大人の彼の姿。 道は必ず交差する。 彼を助け、ローに助力を乞う。 それが無理でも……ええ、ちょっと無理がある計画だからこそ、覚悟はできた。 やはりわたくしは、この世界の支配者になる。 この海の……。 そのためにあらゆる難敵を倒す。 天竜人も……消す。 とても危険な思想だ。 それで荒れた世界がどうなるかなんて、深く考えずともわかるだろう。 けれどわたくしはやる。 そうしないと、安心できないんですもの。 そうしたくて、たまらないんですもの。 背筋が波立つ。 肌が突っ張って、体が震える。 そうそう……それから、みっつめ。 わたくしの、正さなければならない誤り。 修正しなければならない決定的汚点。 それは興奮。 ……戦いにおける異様な高揚。 あの戦いの中で、わたくしは怯えることも竦むこともなかった。 それは僥倖だったと思う。 けれど、この左足から伸びる凶器が人体の急所を穿ち、臓物を傷つけること。 鎖骨のやや上に入り込んでいく鋭利な感覚が余すことなく足を駆けあがり、背筋を昇り、脳髄を震わせるあの感覚。 「はぁ……!」 熱っぽい吐息が漏れる。 サチョの頬をくすぐりながら、さらりと髪を弄る。 ああ、気分がいい! 鉄の匂いのまぼろしが、わたくしの胸の中を満たして多幸感に包まれる。 その中にサチョの甘い香りが混じっているのもいいわね……。 とても、いいわ。 間違っているのはわかっている。 血に興奮するなんて……異常者だし……戦いの中に生の実感を得るなんて……戦闘狂じゃあるまいし……。 でもね。 知らなかったのよ。 人の肉を裂くのがあんなに気持ち良いなんて。 命を絶てないと、こんなにも口惜しくなるだなんて。 次は……そうね、次こそは。 「お嬢さま」 ぐ、と肩を押されるのに、仕方なく体を離す。 温もりが離れる寂しさに後ろ髪を引かれて、でも我慢する。 目を開けば、ごく近くから透明な黒の瞳が私を覗き込んできていた。 ああ、かわいらしい。 頬に手を当て、滑らせて、指先で唇をくすぐる。 そうしても、サチョの表情はちっとも変わらない。 「ええ、わかっているわ」 観念して完全に体を離し、背もたれに沈む。 今のサチョの呼びかけは、つまりは咎めていたのだ。 日常の中にいればあんなわたくしは出てこない。 ベッドの中のまどろみにあれば、人を殺したいだなんて欲求は生まれない。 思いがけず判明してしまったわたくしのこれも、サチョさえ近くにいれば抑えられる。 余計な煩わしさを感じずに済む。 けれどそれは、いつどんな時でもサチョを傍に侍らせていなければならないという訳で、戦いの中ではあまりに危険だ。 だから今、わたくしはサチョの強化をも考えている。 徹頭徹尾わたくしのためだけに、サチョを引き上げようとしている。 もちろん意見は聞いた。 わたくしのために命をかけられる? 一緒に戦える? 答えは当然「はい」であったし「ええ」であったし「仰せのままに」であった。 けどこの子はわたくしの言葉に「はい」と「ええ」と「仰せのままに」しか返さないから……だからやはり、これは完全にわたくしの独断であり、我がままだ。 戦いの中に自分を曝け出してしまうのが怖くて、それを抑えたいがためにこの子を使う。 競い合い成長する人がいればさらにわたくしも強くなれるとか、いつだってサチョには傍にいてほしいとか……そういう魂胆もある。 ……あまりにも自分本位で醜く傲慢。 それを咎められるのはわたくし一人なのに……良しとしてしまう。 だって、サチョを手放したくない。 離れて欲しくないの。 ずっと腕の中にいてほしい。 吐息のかかる距離にいてほしい。 本当は買い出しにだっていってほしくない。 家から出ないで、この部屋から出ないで、ずっとわたくしの視界の中にいて? それができないなら、ああ。 わたくしは寂しくて、この家を出て、通りを行く人を刺し殺してしまいそう。 「ねぇ、サチョ」 「はい。 目星はついています」 「違うわよ……」 肘をつきながら額に手を当てれば、サチョはこてんと首を傾げた。 意識の齟齬が起きるのは珍しい。 わたくしが情緒不安定だからか。 きっと彼女は彼女自身の強化プランの話をしているのだと思ったのだろうけど、わたくしが聞きたかったのは、本当にそれでいいのか、なのに。 わたくしに人生を預けていいの? わたくしが行く覇道は、その先に破滅が待ち受けているかもしれないのに。 「ええ、お嬢さま。 サチョは常に、お嬢さまと共にあります」 「……そう」 いつもと変わらない表情でサチョが言う。 ……いつもと同じ、わたくしに理想を見ている時の、晴れ晴れとした、とても嬉しそうな顔。 それでいいのなら……わたくしだって、それでいい。 わたくしが「お嬢さま」でいる限り、サチョはわたくしの傍にいてくれる。 孤独にならずに済む。 穏やかでいられる。 それがどれほど恵まれていて幸せなことか。 あんなにも痛みを恐れ、今も夢に見るくらいトラウマとして残っているのに、厄介な病を発症してしまったとしても。 サチョさえ傍にいるなら、わたくしは大丈夫。 「それで、サチョ。 目星がついたのね」 「はい。 二日前ほど前から隣の街に停泊している海賊団が目的の物を所持していると」 「悪魔の実ね。 種類はわかる?」 「ええ、確認いたしました。 ……ああ。 それなら確かに、" 自然系 ロギア "ほどでないにしてもすぐさま強くなれるでしょうし、同じ" 動物系 ゾオン "ならわたくしと相性も良いし、何より貴女だけが年を取っていくという現象から逃れる事ができる。 「狙い目というのなら、その海賊は手ごろな相手なのね」 「船長からして前にお嬢様が下した者より低く、トータルバウンティも1000万は超えておりません。 規模も小さく、お嬢さまなら如何様にもできるでしょう」 ……。 つまりは、偶然悪魔の実を手に入れて調子に乗り切った弱小海賊団ということなのでしょうけど……それでも集団は集団。 1対多は初めてだというのに、このサチョの盲信ぷり。 ならば応えなければならないわね。 このわたくしが。 デ・ルシェネーアが覇を唱えるために。 「サチョ、支度をなさい」 「はい、お嬢さま」 隣町までは半日と少し。 二日も停泊しているなら、もういついなくなってもおかしくないその海賊団へ挑むために、わたくしは席を立った。 彼女にも悪魔の実の能力者になってもらい、隣に立たせる。 それを想うだけで心が高鳴る。 永遠に、永劫に、わたくしとサチョが主従として過ごせる。 お互いに若く、綺麗なままで。 だから、顔も名も知らぬ海賊さんがた。
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次の32 ID:T3MXB0HPo お嬢様「・・・」カキカキ メイド「・・・」 お嬢様「・・・」カキカキ メイド「・・・」 お嬢様「・・・」カキカキ メイド「・・・」 お嬢様「・・・」ポンッ メイド「・・・」 お嬢様「ふぅ・・・」 メイド「お嬢様」 お嬢様「なんだ?」 メイド「そろそろ新しく雇った使用人が挨拶に来る時間です」 お嬢様「そうか」 コンコン お嬢様「入れ」 執事「失礼します。 新しい使用人をお連れしました」 執事「こちらがこの屋敷の主人、お嬢様です」 使用人「は、初めまして!これからよろしくお願いいたします!」 お嬢様「ああ・・・よろしく」 使用人(わぁ・・・凛々しくて綺麗な人だなぁ) 使用人(机の上には書類がたくさん・・・あまり年上には見えないけどもうお仕事してるのかな?) メイド「私はメイドです。 よろしくお願いいたします」 お嬢様「使用人の教育は執事に一任する。 下がっていいぞ」 執事「かしこまりました。 91 ID:T3MXB0HPo お嬢様「・・・」カキカキ メイド「・・・」 お嬢様「・・・」カキカキ メイド「・・・」 お嬢様「・・・」 メイド「・・・」 お嬢様「・・・今日はここまでにしておこう」 メイド「かしこまりました。 06 ID:T3MXB0HPo ~夜・開かずの間~ 「お待たせいたしました、お嬢様」 「・・・」 「夕食の時間でございます」 「・・・!」ダッ 「慌てなくても御飯は逃げませんよ~」 「・・・!」ペロペロ 「お味はいかがですか?」 「・・・!」ペロペロ 「そうですか、光栄でございます」 「・・・」スリスリ 「食べ終わりましたか。 ではこれからいかがいたしましょう?」 「・・・」ウトウト 「あら、もうお眠ですか・・・」 「では僭越ながら私が枕になりますね。 66 ID:T3MXB0HPo 使用人「私の祖母に教わった秘伝のレシピで作ったんですよ」 お嬢様「わかった・・・ふむ、旨いな」 メイド「ええ、とてもまろやかで舌触りが素晴らしいです」 使用人「そうでしょ~!ミルクの量が決め手でこの配分の研究に祖母はかなり時間をかけたそうなんです!」 使用人「クリームだけじゃなくて生地も云々」 使用人「あっ!じゃなくて・・・お、お褒めに与り光栄です!」 使用人(しまった~!なんて口の聞き方を・・・) お嬢様「・・・気にするな。 語るだけの価値はある味だ」 メイド「今後とも期待しております」 使用人「ありがとうございます!」 お嬢様「・・・・・・ふむ、ミルクの量か・・・」 お嬢様「・・・そろそろ、可能な時期か・・・?」 使用人「・・・?」 メイド「・・・」 お嬢様「いや、なんでもない。 04 ID:T3MXB0HPo ~夜・開かずの間~ 「・・・!」プイッ 「あらあら、今日はご機嫌斜めでございますか?」 「・・・」ツーン 「ふふっ、拗ねた顔も可愛らしいですね」 「・・・」ツーン 「日中にお相手出来なかったことは謝りますので、触ってもよろしいですか?」ソー 「!!」ペシッ! 「・・・ああ、お仕置きしていただけるのですね?」 「!!」ペシッ! ペシッ! 「どうぞお嬢様の気が済むまで、存分にお仕置きを・・・」 「!!」ペシッ! ペシッ! 81 ID:T3MXB0HPo メイド「おはようございます」 執事「おはようございます」 使用人「おはようございます、メイドさん!」 執事「おや、その腕の包帯は?」 メイド「私としたことが昨夜転んでしまいまして・・・」 使用人「大丈夫なんですか?」 メイド「軽傷ですので業務に支障はありません。 02 ID:T3MXB0HPo ~昼~ 庭師「おい」 執事「ああ、庭師さん。 どうしました?」 庭師「新入りにメイドの幽霊がどうとか吹き込んだのはお前さんか?」 執事「・・・はい、まあ・・・」 庭師「なんでそんなことをした?」 執事「ただの冗談ですよ」 庭師「・・・また、お嬢の病気が出ちまったのか?」 執事「・・・貴方に隠し事はできませんか」 庭師「まあな、お前さんよりも付き合いは長いからな。 10 ID:T3MXB0HPo ~十年前~ 「お前はいずれこの家を継がねばならん」 「・・・」 「お前に必要なのは私の指導と勉強だけだ。 12 ID:T3MXB0HPo ~夜・開かずの間~ 「失礼します」 「・・・?」 「お嬢様、今日は僕がお相手させていただきます」 「・・・」 「と、言っても・・・僕の役目は『お薬』を飲ませるだけですが」 「!?」ビクッ! 「どうか大人しくしててくださいね~苦いですが痛くはありませんから」 「!!!」ジタバタジタバタ 「これも貴女のためなのです。 どうかご理解ください」 「!!!」ジタバタジタバタ 「はあ、毎度一苦労ですね・・・」 「・・・!」クワッ! 97 ID:T3MXB0HPo ~朝~ お嬢様「出掛けてくる。 執事、メイド、留守を頼む」 お嬢様「夕方には帰る予定だ。 79 ID:T3MXB0HPo お嬢様「そうか・・・理由を聞いてもいいか?」 メイド「祖母が体調を崩してしまい介護が必要となりました」 メイド「父は亡くなっていますし、母だけでは面倒をみるのが難しいため、私も故郷に帰ろうかと」 お嬢様「そうか・・・やむを得んな」 メイド「申し訳ありません」 お嬢様「気にしなくていい。 ただ引き継ぎはしっかり頼む」 メイド「心得ております」 メイド「それと、ひとつお願いがあるのですが」 お嬢様「言ってみろ。 可能な限り応えよう」 メイド「『もう一人のお嬢様』にご挨拶させてほしいのです」 お嬢様「!!?」ガタッ! 05 ID:T3MXB0HPo 以上。 今年も猫を飼えませんでした。 飼ってる奴が羨ましすぎて書いた。 世の人間どもはみんな私の呪いで猫の下僕になればいいのに。 来年こそは飼えますように。 コメント一覧 5• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年12月31日 21:47• ワタシは心がヨゴレている• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年12月31日 22:00• 2ページ目の最後で何となく読めたぞ誰か褒めて 作者の呪いは成就しませんように 猫は好きだけど下僕にはなりたくないから• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年12月31日 22:28• ゆりんゆりんした話かと思ったのに• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2020年01月01日 00:48• 赤ちゃんプレイじゃないのかよ• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2020年01月01日 11:38• くどい ここまでクドクドと前置きされると本当に馬鹿なヤツでも気づく 察しの良い奴は1スレ目で気づく くどい.
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