この記事の目次• どうして?天気が悪いと頭痛が起きる、その原因 どんより曇って今にも雨が降りそうな日や、台風などで気圧が不安定な日。 こんな日に頭がズキズキと痛みだすのが「低気圧性偏頭痛」です。 こういった天候の日は「低気圧」と呼ばれ、その名の通りひどく気圧が低下しています。 低気圧だと頭痛が起きやすくなるのですが、それはいったいどうしてなのでしょう? 原因1:脳の血管が膨張する 一番大きな原因は 「血管の膨張」ではないかと考えられています。 低気圧で周囲の空気から身体にかかる圧力が下がると、全身の血管がゆるんで膨張します。 脳は繊細な臓器です。 脳の血管が膨張すると、脳の中でも最も大きな神経である「三叉神経」に触れ、刺激します。 そのせいで、血管の脈動に合わせてズキズキと脈打つような激しい痛みが襲うのです。 血圧が低いというのは血流を押し流すポンプが弱く、臓器や細胞に充分な血液が行き渡らなくなるということです。 血行不良による肩こりや目の疲れ、あなたにも覚えがないでしょうか? 低気圧のときは、この血行不良が起きやすいと言えます。 血の流れが滞ると、肩や首、その他全身の筋肉が緊張し、こわばってしまいます。 この血行障害の状態が長く続くと、頭痛につながりやすくなります。 原因3:副交感神経が優位になる 頭痛の原因3つ目は、 自律神経の乱れです。 自律神経は、• 興奮・緊張を司る「交感神経」• リラックス・弛緩を司る「副交感神経」 の2つが綱引きのように互いにバランスをとりあっています。 この どちらが強く働きすぎても、身体に不調をきたすのです。 気圧が低くなり血液循環が悪くなると、それを察知して副交感神経が強く活動を始めます。 身体が勝手に「眠い」と勘違いしている状態ともいえます。 これにより、• 頭がぼーっとする• 全身がだるくなる• 疲れやすい などの症状がまず表れ、徐々に頭痛へと発展していくのです。 原因4:空気中の酸素が少ない 気圧が低いときは、 空気中の酸素の量が少なくなっています。 標高の高い山などを登ると、酸素が薄くて頭痛や耳鳴りがするという話を聞いたことはありませんか? 低気圧のときは、平地でも高山と似たような状況になっている、と考えると分かりやすいでしょう。 脳は酸素を消費することで、正常な動きを維持しています。 空気が薄くて充分な酸素を取り込めないことで、めまいや耳鳴りなどの感覚障害を引き起こしたり、頭痛に見舞われたりするのです。 私もそうかも?低気圧性偏頭痛の特徴は 低気圧性偏頭痛には、いくつかの特徴があります。 特徴(1)偏頭痛ならではの症状 低気圧という原因があるとは言えども、 つらい症状は偏頭痛そのものと言えます。 その特徴は、以下のようなものです。 ズキンズキンと脈打つように痛む• 数時間〜数日間にわたり痛みが続く• 動いたり、おじぎをしたりすると痛みが増す• 吐き気や胃のむかつきを伴う• 光がまぶしく感じる• 音がうるさく感じる• 普段気にならない臭いを不快に感じる• こめかみ〜目の周辺が熱くなる など。 人により、また場合によって、感じ方は異なります。 じっと座っていられないほどの激しい頭痛を感じることもあれば、車酔いのような不快感を感じることもあります。 痛みが始まると長期間治まりにくく、その間本人は動くのもつらい状態です。 でも痛みは目に見えないため、周囲の理解をなかなか得られにくいことも、痛みと同じくらいつらいものですよね。 特徴(2)頭痛薬では回復しづらい 偏頭痛の多くがそうであるように、残念ながら低気圧性偏頭痛にも、 市販の鎮痛剤はあまり効果を発揮しません。 ただしこれは「頭の痛みが進行してしまってから」という条件付きです。 全員ではありませんが、 頭痛が始まる前、いわば「予兆」のようなものを感じた時点で服用すると、効果を示す場合があります。 頭痛薬などを飲む場合は、早め早めが良さそうです。 特徴(3)とくに女性がなりやすい 低気圧性偏頭痛に悩むのは、 女性が多いと言われています。 あるデータによれば、女性は男性の3. 6倍ほど引き起こしやすいのだとか。 その原因は、まだはっきりとは解明されていません。 ただ 女性はもともとホルモンバランスに左右されやすい性質を持っています。 また女性は 感覚も鋭敏で、気圧の微妙な変化を感じ取りやすいことも原因の一つかもしれません。 女性の体調が時により大きく変動するのは、月経や出産とも関わる性質です。 それ自体は決して悪いことではありません。 くよくよと思い悩むことなく、症状に対処していきましょう。 特徴(4)なる・ならないには個人差がある 低気圧だからといって誰もが頭痛を引き起こすわけではありません。 「気圧変動で頭痛なんて、なったことないよ」という人も多いでしょう。 低気圧性偏頭痛になるかならないかは、個人の体質によりけりです。 なりやすい人は天気が崩れるたびに症状と付き合う必要があり、自分でコントロールできないのがつらいところ。 でも諦めるのではなく、できるだけの予防策や対処法を知っておき、上手にかわしていけたらいいですよね。 【1】頭痛が起きたら…緩和するための「対処法」 ズキズキと続くつらい頭痛……。 低気圧性偏頭痛に遭遇したら、どう対処したら良いのでしょうか? 痛みを鎮め、できるだけ早く元気な状態を取り戻すには、以下のような対処法が効果的です。 対処法1:薬は早めに飲む 市販の鎮痛剤・頭痛薬などは、 症状が起きる前、または起こり始めたばかりのときに飲むのが効果的です。 コーヒーやお茶の他、栄養ドリンクも効果アリです。 ただし、 カフェインや栄養ドリンクは、常用すると身体にあまりよくありません。 飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。 対処法4:暗くて静かな場所で横になる 偏頭痛の対処法として基本的なこと。 それは 「外部の刺激を遮断する」ことです。 アルコール などの刺激は、よけい頭痛を呼び起こし、長引かせてしまいます。 偏頭痛を治したいときは、できるだけ 以下のような環境に避難するようにしましょう。 暗い場所(アイマスクを使うのも良いです)• 静かな場所(耳栓も活用しましょう)• 不快な臭いのしない場所 こういった場所で横になり、動かず安静にするのが一番です。 ベルトやアクセサリーなどはできるだけ外して、できるかぎりリラックスしましょう。 頭痛薬と同様、できれば頭痛が始まる前に飲むのがベストですが、症状が浅いときには効く可能性があります。 頭痛薬がどうも効かない、という人は、酔い止めを試してみるのも一手です。 【2】普段からできる、頭痛を防ぐ「予防法」 起きてしまってからではつらい頭痛。 できれば起こさないための方法を知っておきたいですよね。 じつは 低気圧性偏頭痛の予防には、特別なことではなく、普段の生活の積み重ねが大切なんです。 予防法1:生活習慣を整える 偏頭痛を防ぐには、 自律神経のバランスを整えることが大切。 自律神経を左右するのは、私たち自身の生活習慣に他なりません。 生活習慣を見直し、整えること、たとえば• 毎日決まった時間に起床する• 早寝早起きを心がける• 食事の時間をきちんと決める• 暴飲暴食は控える• アルコールや煙草を控える• 睡眠をきちんととる• ウォーキングなど、適度に身体を動かす• 湯船につかる• ストレスを溜めない など、当たり前だけれどつい疎かにしてしまうようなことを、少しずつ整えていくことが大切です。 あらかじめ予測しているのといないのとでは、精神的なダメージが全く異なります。 薬を飲むのも「頭痛が始まる前」の方が良いので、事前に把握することはとっても大切です。 予兆として多く見られるのは、• 首筋のハリ• 目がチカチカする• 頭がぼんやりする• 身体が重くてだるい• 生あくびが出る• 耳に何かが詰まっているような感じ などの感覚。 天気が崩れそうなときにこれらの兆候が見られたら、「偏頭痛が訪れるかもしれない」と考え、早めの準備をしておくと良いでしょう。 予防法3:専用アプリで気圧の状態を把握する 普段天気予報を見るという方でも、 降水確率は気にするけれど気圧の変化までは知らない、という場合が多いのではないでしょうか。 マグネシウムには 低すぎる血圧を上げ、正常に保つ効果があるとされています。 マグネシウムを含む食材を、普段から気をつけて食べることで、頭痛を防げるかもしれません。 マグネシウムを豊富に含む食材は、以下のようなもの。 きなこ• あおさ• ひじき• アーモンド• 干しえび• するめ• 玄米 などなど。 毎日の食卓に上手に取り入れていきたいですね。 予防法5:不要な服薬習慣はやめる 頭痛薬も酔い止めも、偏頭痛の際には強い味方になってくれます。 でもこれらの薬は、 普段からあまりにたくさん飲んでいると、いざというとき効き目が薄くなってしまうものです。 ドリンク剤も同じです。 「毎日のように薬やドリンク剤を飲んでしまう」という人は、少しずつ減らしていくことが必要かもしれません。 (医薬品の乱用は、身体にも大きな負担がかかります) また、もしも 「毎日のように頭痛でつらい」という場合は、市販薬に頼るより、ぜひ一度医師の診察を受けましょう。 とくに頭痛は、大きな病が潜んでいるかもしれない、油断ならない症状。 あまり怖がるのもよくありませんが、悩むよりも医療機関に足を運んでスッキリしてしまった方が、精神的にも良いと思われます。 頭痛で病院にかかるときは、• 脳神経外科• 神経内科• 頭痛外来 などを選んで受診しましょう。 早めの対処で憂鬱気分にサヨナラしよう 低気圧が頭痛に与える影響は大きいもの。 そして、気圧の変化は人間にはコントロールできません。 早め早めの対処• 生活習慣の見直し これらを心がけ、自分の身を守っていきましょう。 つらい頭痛が少しでも和らぎ、あなたがゆったりくつろげるよう、心から願っています。
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体調不良の原因は「気温と気圧の変化」 気象病は、気温や気圧の急激な変化によって起こる。 私たちの体には、周囲の環境が変わったときに体内の環境を保とうとする力(ホメオスタシス)が備わっている。 その力を管理しているのが、いわゆる「 自律神経」だ。 自律神経には体を緊張状態にする「 交感神経」と、体を緊張から解放してリラックスさせる「 副交感神経」の2種類がある。 たとえば、寒いときには鳥肌が立ったり血管が収縮したりする。 これは、交感神経が活発に働いた結果であり、体温を外に逃さないようにする効果がある。 一方で暑いときには、血管が広がり、皮膚の表面から体内の熱を逃がしている。 これは、副交感神経が活発に働いた結果だ。 こうして、外が寒かろうが暑かろうが、体温はおおむね36度台に保たれる。 同様に、低気圧が近づいて気圧が急激に変化したときにも、自律神経が体内環境のバランスを取ろうとする。 しかし、気温や気圧の変化が急すぎると、 自律神経の働きが追いつかなくなることがある。 すると、体内の環境がうまく保たれず、さまざまな不快な症状があらわれる。 これがいわゆる 「気象病」である。 気象病ではなぜ頭痛を訴える人が多いのか? 低気圧が近づいて天候が悪くなり、さらに体調も悪くなると、気分も落ち込んでしまう。 com 低気圧が近づくことで起きる体の不調の中でも、特に頭痛を訴える人は多い。 ただし、頭痛には、 低気圧が近づいてくるときに注意したい頭痛と、 低気圧が去ったあとに注意したい頭痛の2タイプがある。 これは、その時々で活発に働く自律神経の種類が違うためだ。 低気圧が近づく際には気圧は徐々に下がり、南から温かい風が吹き込んで気温が急に上がることもある。 このときには、気圧の低下や温度上昇に対応しようと 副交感神経が活発になり、血管が拡張して、頭がズキズキと痛む 片頭痛が起こりやすい。 一方で、 低気圧が去る際には気圧が上がり、冷たい北からの風が吹いて気温が急に低くなる。 すると、今度は 交感神経が活発になって血管が収縮し、首や肩の血流が悪くなって後頭部もこわばる。 この時には、こめかみをぐるりと一周するようにジワジワと痛む、 緊張性頭痛が起こりやすいのだ。 春に気をつけたい「爆弾低気圧」とは? 2018年2月28日に爆弾低気圧が日本列島を通過した。 春は爆弾低気圧が発達しやすい季節だ。 出典:気象庁ホームページ さて、春先に最も気をつけたい気象現象といえば、「 爆弾低気圧」である。 爆弾低気圧とは、24時間で24hPa(ヘクトパスカル)以上気圧の下がる温帯低気圧(北緯60度の場合)のことをいう。 正式な気象用語ではないものの、天気予報では「急速に発達する低気圧」などとも表現され、近年よく耳にするようになった。 春は、高気圧や低気圧(温帯低気圧)が西から東へと短期間に日本列島を通過する季節。 その中には、急速に発達を遂げ、台風並みの強風が吹く爆弾低気圧になるものもある。 ただし、「台風並みの強風が吹く」とはいっても、爆弾低気圧と台風にはいくつか異なる点がある。 台風(熱帯低気圧)は温かい空気だけでできている一方で、爆弾低気圧(発達した温帯低気圧)は温かい空気と冷たい空気の両方から構成されている。 一般的に、温帯低気圧は温かい空気と冷たい空気の気温差が大きいほど発達する。 そのため、冬の冷たい空気と初夏の温かい空気がはげしくぶつかり合う春に、ときに爆弾低気圧と呼ばれるほどに発達するのだ。 このため、爆弾低気圧の通過前後では気温が激しく変化する。 接近前はまるで初夏のような暑さになることもある一方で、通過後は冬のような寒さが舞い戻ることがある。 2019年10月中旬に各地で大きな被害を出したスーパー台風「ハギビス」の天気図。 台風の中にも、非常に大きく発達するものはある。 「この気温の変化が油断できません。 人間の基礎代謝は季節によって変動し、冬の終わりは体温を保つために基礎代謝が年間でもっとも高くなっています。 5月の20度台はすがすがしく感じるのに、2月の20度台は暑く感じます。 健康と気象の関係を伝えるスペシャリスト) また、台風と比べて爆弾低気圧は規模が大きく、影響を受ける範囲も広い。 だいたい東京から広島までの直線距離が約700kmである。 これに対して爆弾低気圧のように発達した温帯低気圧の強風域の 半径は1000km以上になることもある。 北海道にある爆弾低気圧の影響が九州におよぶこともあるといえる。 こういった事情から、爆弾低気圧がやってくる際には、 環境の変化に対して自律神経をうまく調節できず、気象病の症状があらわれる人が増えやすいと考えられる。 com 爆弾低気圧がやって来た場合にあらわれる症状は、一般的な気象病の症状と基本的には同じだ。 ただし、小越さんは「頭痛や体のだるさなど、一般的な低気圧が来るときに出る症状が、 さらに強く出る可能性があります」という。 気象病を感じやすい人は、いくつかのタイプに分けられる。 まずは、 交感神経が活性化しやすい人(ストレスタイプ)。 このタイプの人は、緊張性頭痛や生理痛、関節痛、腰痛、古傷の痛み、イライラ、便秘などが出やすい。 そして、 副交感神経が働きやすい人(おっとりタイプ)だ。 こちらは片頭痛や倦怠感、眠気などが出やすい。 「ストレスタイプは低気圧が近づいて気圧が下がり始めたときや、寒冷前線が通過した後の寒さで交感神経が活発になって症状が悪化する可能性があります。 おっとりタイプの人は、まさに低気圧が通過している最中の朝から曇りや雨のとき、そして温暖前線が通過する前の気温が上昇したときなどに副交感神経が活発になるので、症状の悪化に注意が必要です」 このほかに、 交感神経と副交感神経の両方の働きが弱い人(ぐったりお疲れタイプ)もいるが、このタイプは低気圧に関係なく不調を抱えやすい。 com 気象病対策の基本となるのは、 自律神経のバランスを整えること。 普段から、1日3食をしっかりと食べ、睡眠を十分にとり、適度な運動を行うなど、規則正しい生活リズムで過ごすことが大切だ。 メリハリのきいた規則正しい生活を送ることは、体に適度なストレスを与えるため、環境の変化に応じて自律神経が働きやすくなる。 いざ気象病の症状があらわれたときの対処法は自分の「タイプ」によって異なる。 交感神経が活性化しやすい人(ストレスタイプ)は副交感神経を活発にさせるケアを、副交感神経が活性化しやすい人(おっとりタイプ)は交感神経を活発にさせるケアが必要だ。 「ストレスタイプの人は、体を温めるなどして副交感神経の働きを促しましょう。 ぬるいお湯につかり、半身浴などでリラックスすると、副交感神経が優位な状態に切り替えられるといいます。 逆に、おっとりタイプの人は、気分をシャキッとさせる行動で交感神経を活発にすると良いでしょう。 例えば、早起きして朝食を作ったり体を軽く動かしたり活動的になることで、交感神経の働きを促してくれます」(小越さん) また、何らかの理由で耳回りの血流が悪いと耳の内部のリンパ液も一緒に滞り、頭痛やめまいの原因になると考えられている。 そこで、耳まわりをやさしくマッサージしたりすると、耳回りの血流が良くなり、気象病の症状が和らげられることもあるという。 低気圧が発達しやすくなるこれからの季節は、天気図や気圧の変化がわかるアプリなどを活用して、事前に爆弾低気圧に備えておきたい。 また、それまでに自分の気象病のタイプを理解し、症状を和らげられる自分なりの方法を見つけ、うまく乗り切ってほしい。 (文・今井明子、監修・小越久美子、編集・三ツ村崇志).
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低気圧が原因で頭痛?!頭痛対策とひどい場合には専門外来をすすめる理由 雨や曇りの日には特に頭痛がひどい・・・。 それは、低気圧が原因となっている片頭痛の可能性があります。 片頭痛と低気圧が関連するという臨床上の報告は多数あり、多くの方が頭痛に悩まされています。 最近では、天気と頭痛予報を組み合わせ、記録できるアプリなどもあり、頭痛とうまく付き合って日常生活をおくれるようなサポートもあります。 しかし、症状がひどい場合には、市販の頭痛薬では効果が十分に得られない場合もあり、自分だけで対応するのは難しい場合もあります。 その場合は、片頭痛に適したお薬が必要となることもあります。 また、予防的な治療方法もあります。 このような治療を受けるためには、頭痛専門の医療機関を受診することをおすすめします。 今回は、低気圧と頭痛の関係性を解説するとともに、頭痛対策として治療に用いられるお薬に関すること、又、病院を受診したほうが良い理由についても説明していきます。 低気圧と頭痛の関係性 頭痛といっても、緊張性頭痛、片頭痛、群発頭痛や、病気などが原因で二次的に起こる頭痛など様々なものがあります。 低気圧などの天候の変化が原因として起こりうるのは、緊張型頭痛と片頭痛です。 今回は、症状が比較的ひどく、繰り返す片頭痛について、主に解説していきます。 頭の片側又は両側が、脈に合わせてズキンズキンとした痛みが起こる病気で、一定の頻度で発作的に起こるのが特徴です。 原因としては、ストレス、精神的緊張、疲れ、睡眠不足、月経、空腹、アルコール、天候の変化などが知られています。 天候の変化によって、頭痛が起きた時は、緊張型頭痛や片頭痛などの可能性があります。 上記の特徴だけでは、頭痛の種類の判別は難しいため、気になる場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。 頭痛の種類によって、適切な治療方法は異なってきます。 1-2 低気圧と片頭痛の関連 低気圧などの天候の変化と片頭痛が本当に関連するの?私だけ?という不安をお持ちの方もいるかと思いますが、臨床上でその関連を報告したものは多数あります。 一部をご紹介します。 片頭痛の原因となるものを調べた報告では、75. 1 また、片頭痛の方34名に片頭痛が起きたときの気圧の変化の記録をとっていってもらったところ、1013pPa(標準気圧)より、6-10hPaの気圧低下がみられたときに頻繁に片頭痛が起こるという報告もあります。 2 このように、片頭痛が起こる原因には様々なものがありますが、そのひとつとして、天候の変化(気圧の低下)が関与している可能性は高いとされており、多くの方が頭痛に悩まされています。 参考: 1 Kelman. The triggers or precipitants of the acute migraine attack. Cephalalgia 2007 ; 27 5 :394-402 2 H Okuma,Y Okuma,Y Kitagawa, et al. Examination of fluctuations in atmospheric pressure related to migraine. Springerplus. 2015; 4: 790. 低気圧で起こる頭痛対策・お薬 次に低気圧で起こりうる頭痛への対策について説明します。 2-1 日常生活における対策、アプリの活用 片頭痛を引き起こす要因となることとして、低気圧など天候の変化の他にも、ストレスや過労、睡眠、食事の不摂取、アルコールなどもあります。 中にはチョコレートやある種類のチーズをとると偏頭痛が起きる人もいます。 日常生活では、日頃からストレスをためないようにすることや、しっかりと休息すること、睡眠を適切にとること、規則正しい食生活などに留意することが大切です。 また、スマホのアプリで、天候・気圧の変化によって頭痛の注意を喚起したり、症状やお薬服用の有無の記録をとることができるものがあります。 こういった専用アプリを利用することで、ご自身の頭痛がどういったときに起こりやすいかなどを把握することができます。 また、自身で管理することで治療に役立てることもできるため、おすすめします。 2-2 市販の頭痛薬 一般的に片頭痛の治療に使用されるお薬のタイプとしては、「 アセトアミノフェン」、「 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)」、「 トリプタン系薬剤」、「 吐き気止め」などがあります。 これらの中で、処方せんがなくても市販で購入できるお薬は、「 アセトアミノフェン」、「 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)」のいわゆる解熱鎮痛剤です。 <アセトアミノフェン> アセトアミノフェンは、風邪の諸症状(せき、熱、鼻水など)に効果が期待できる総合風邪薬などによく含まれている成分です。 脳の中枢神経や体温調節中枢に作用することによって、解熱・鎮痛効果を示します。 昔からよく用いられているお薬で、効果は穏やかですが、副作用が少なく、小さなお子さんや副作用が心配な方に使用されるようなお薬です。 代表的な成分としては、ロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸)、エテンザミドなどがあります。 体内の痛み、炎症、発熱などを引き起こす物質(プラロスタグランジン)がつくられるのを抑えることによって、解熱・鎮痛効果を示します。 代表的な副作用として、食欲不振、胃の不快感や胃痛、悪心・嘔吐などの消化器症状があります。 食後服用をしっかり守ることや、消化器症状が不安な場合には、胃の粘膜を保護するような胃薬と一緒に飲まれることをおすすめします。 吐き気止めとしては、ナウゼリン(成分:ドンペリドン)やプリンペラン(成分:メトクロプラミド)などがあります。 トリプタン系薬剤についてもう少し詳しく説明します。 <トリプタン系薬剤> 代表的な 5つのお薬: イミグラン(成分:スマトリプタン) ゾーミッグ(成分:ゾルミトリプタン) レルパックス(成分:エレトリプタン) マクサルト(成分:リザトリプタン) アマージ(成分:ナラトリプタン) 錠剤、口腔内崩壊錠、点鼻薬、皮下注射薬などのタイプがあります。 片頭痛が起きる仕組みは正確に解明されているわけではありませんが、「セロトニン」とよばれる神経伝達物質が関与しているとされています。 トリプタン系薬剤は、このセロトニンと同じようなはたらきによって、片頭痛を引き起こす要因となる血管の拡張をおさえる作用があります。 また、三叉神経に作用し、炎症を引き起こす物質をおさえることで片頭痛を改善する効果があるとされています。 前兆時のタイミングで服用しても効果がほとんどないとされています。 片頭痛の治療において、トリプタン系薬剤は、効果が非常に期待できるお薬ですが、効果には個人差があります。 5つの代表的なお薬でも、人によって効果に差があるとされており、医師と相談し、ご自身に合うお薬を検討する必要があります。 また、嘔吐などが激しく、錠剤などの服用が厳しい場合には、皮下注射や点鼻薬を使用することもできます。 効果がよりはやく期待できるのは皮下注射で、次に点鼻薬です。 ご自身の生活スタイルに合わせて選ぶことも大切です。 参考:病院で行われる予防療法 片頭痛発作が月に2回以上あるいは6日以上ある場合、片頭痛の予防療法の実施が検討されることがあります。 頭痛発作の頻度を減らしたり、症状を軽くしたりと生活に支障がないようにすることを目的にします。 予防療法には、次のようなお薬が用いられて行われます。 テラナス、ミグシス(成分:ロメリジン) デパケン(成分:バルプロ酸) インデラル(成分:プロプラノロール) ジヒデルゴット(成分:ジヒドロエルゴタミン) ワソラン(成分:ベラパミル) トリプタノール(成分:アミトリプチリン) 予防療法は、服用をしはじめてから、2ヶ月程度を目処に効果を判定し、特に服用していて問題がなければ、継続して予防を続けていきます。 片頭痛のコントロールが良くなった場合には、医師の指示のもと、徐々にお薬を減らし、可能であれば服用を中止していきます。 症状がひどい場合には早めに専門の医療機関へ 低気圧などの天候の変化に関連して頭痛が起こる場合、緊張型頭痛や片頭痛などの可能性があります。 いずれの原因でも、症状がひどい場合には、市販の頭痛薬では効果が十分に得られない場合がありますし、また、片頭痛に適したお薬が必要となることもあります。 次のような場合には、早めに病院を受診し、原因を特定し、適切な治療を受けるようにして下さい。 ・3日程度市販の頭痛薬を服用してみても症状が変わらない、続いている ・頭痛の頻度が多い、または、痛みの具合がひどい ・お薬に頼りすぎており、過剰に摂取してしまっている また、第2章で触れましたが、片頭痛の場合、予防的な治療方法もあります。 このような治療を受けるためには、頭痛専門の医療機関を受診し、専門の医師に相談する必要があります。 頭痛に悩まされ、日常生活に影響を及ぼすような場合には、我慢するのではなく、すぐに病院にいかれることをおすすめします。 女性の場合には、生理の周期にあわせて頭痛が強くなったりする人もいます。 この場合も、女性科に相談して適切な治療を受けるとよいこともありますので、早めに医療機関にかかることをお勧めします。 こちらのサイトで認定頭痛専門医を検索することが可能です。 おわりに 今回は、低気圧と頭痛の関係性を解説するとともに、頭痛対策として治療に用いられるお薬に関すること、又、病院を受診したほうが良い理由について解説しました。 頭痛の頻度が多く、症状がひどいにも関わらず、市販の頭痛薬で何とか乗り切ろうと我慢されている方に出会うことがあります。 仕事や家事でお忙しいことがあるかもしれませんが、私は、そういった方には、すぐに専門の頭痛外来をご紹介するようにしています。 適切な治療を受けられるだけではなく、予防療法を受けることも可能です。 今回の記事を参考に、ぜひともご自身の症状と向き合い、低気圧(天候の変化)に伴う頭痛に悩まされないように頭痛の改善につながりますと幸いです。 参考: 慢性頭痛の診療ガイドライン2013 一般社団法人日本頭痛学会.
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