上目遣いの破壊力【zmrb】• 周りからホビット族とイジられるくらい。 別に俺は気にしなくてもいいと思う。 小さい方が小回りきくし、何より弓で狙い難い。 「ロボロ、お前相変わらずちっさいなぁ。 」 「やかましい!」 しかし、本人はめっちゃ気にしてる。 頭を撫でようものなら、容赦なく叩き落とされる。 さて、どうしたもんか。 「ロボロ、入るで。 」 エーミールのお遣いで来たが、ロボロはどうやら眠っているみたいだ。 いつもの顔に貼ってある紙も外している。 (おお、珍し。 ) 寝る時以外は貼りっぱなしだから、こうして素顔を見るのはかなり久し振りだ。 じっくり見ると、睫毛長いなぁとか、色白やなぁとか思う。 (ちょっとくらいええよな?) 手を伸ばして、髪に触れてみる。 猫みたいにふわふわして、柔らかい。 思わず撫で続けていると、 「ゾム…何やっとんの…?」 ロボロが起きてしまった。 ぱっと手を退ける。 「あ、悪い。 」 「別にええけど、何か用?」 体を起こし、こっちを見つめてくるロボロ。 ここで、これを読んでいる諸君に思い出してもらいたい。 今、ロボロはいつもの紙を顔に貼ってない。 だから、今巷で噂の上目遣いっていうやつになっている。 「っ…!」 「ん?どうした?」 大きな目がじっと見つめてくる。 かわいい、と思ってしまった俺は平常心じゃいられないわけで。 無理矢理視線を外して、早口で要件を伝えた。 「え、エーミールが呼んでたで。 それだけ伝えに来た。 それじゃ。 」 少し小走りで部屋を出て、自室に戻る。 着いたとき、ヘナヘナと情けなく座り込んだ。 (あれはヤバイ…。 ) 初めて低身長って質悪いな、と思った。
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【注意】 ・実況者様のお名前などをお借りした創作物です。 ご本人様たちとは何も関係がありません。 ・なんちゃって軍パロです。 ふわっとした知識の元書かれています。 許してください。 ・なんちゃって関西弁なので、間違っている部分もあると思います。 許してください。 ・誤字脱字などもあると思います。 許してください。 ・不快な思いをして貰いたくはないので、無理だと思ったらブラウザバックをお願いします。 [newpage] 寒い冬のある日、幹部の集まる談話室。 いつもなら長机と椅子が置かれている場所にはコタツが置かれていた。 その上には蜜柑が沢山入った籠が乗っている。 冬にはコタツと蜜柑でしょ、というひとらんらんの話を聞いたグルッペンが用意したものである。 グルッペンは極東の島国の文化に興味津々で、春にはお花見、夏にはお祭り、秋には焼き芋など、季節ごとのイベントを楽しんでいた。 現在の時刻は15時。 今日は珍しく午前中で仕事を終えたトントンとゾムの2人は、コタツに入りながら蜜柑を食べていた。 正確に言うなら、トントンはゾムに蜜柑を食べることを強要されていた。 いつもの食害である。 「なあトントン、蜜柑まだ食べるやろ?お代わりまだまだあるで!」 「いや、もうほんとに勘弁してくれ…そろそろ吐きそう…」 20個を越えた頃から、トントンの腹は限界を訴えていた。 お腹一杯という訳では無いのだが、同じ味が続くということに嫌気がさしていたのだ。 本気のストップだと悟ったのか、ゾムは渋々ながらも剥いた蜜柑をトントンの前に置く作業を中止した。 「しゃーないな。 じゃあ、次はシッマとエーミールに死ぬほど食わせたろ」 ご愁傷様、と思いつつも自分に矛先が向いていない事に安堵する。 ゾムが入れてくれた緑茶を飲みながら、一息ついた。 その間も、ゾムは蜜柑を食べ続けている。 こいつの胃は底なしかと呆れながらも、彼の姿をぼんやりと眺める。 そう言えば、ゾムがフードを外したところを一度も見たことがない。 一度気になると、余計な想像力が膨らんでくる。 顔に大きな傷があるとかか?いや、実はめっちゃ怖くて、それを隠すためとか。 うーん、何なんやろ。 めっちゃ気になるわ 好奇心が抑えられず、トントンは直接尋ねてみることにした。 「なあゾム、お前がフード一度も脱いでるとこ見たことないんやけど…なんか理由でもあるん?」 「はふぇ?」 もっきゅもっきゅと口いっぱいに蜜柑を詰め込んだゾムはハムスターみたいだ。 そんなに口に入れんでも、と思いつつ「飲み込んでからええで」と伝える。 しばらくして口の中のものをすべて飲み込んだ後、ゾムはニヤニヤといたずらっぽく笑った。 「ふーん、まあそうやな…トントンにやったら教えてやってもいいで。 実はな…」 「実は?」 ゴクリ、と息を呑む。 ついにゾムの秘密が明かされるのか!と心拍数が上がる。 [newpage] 「やっぱ秘密〜」 期待した分、落胆は大きい。 トントンは大きな溜息をつく。 そうだ、こいつがそう簡単に教えてくれるはずがなかった。 人の困り顔が大好きなのだ、目の前の味方最大の脅威さんは。 また蜜柑を食べ出すゾムに、悪戯心がムクムクと湧き上がってくる。 いつもイタズラされている分、やり返しても良いのでは?今の油断しきったゾムならフードの中身を拝めるのではないだろうか。 「蜜柑少ななってるやん、ちょっと取り行ってくるわ」 蜜柑を取りに行くふりをして、こっそりとゾムの背後に立つ。 幸いにも彼は蜜柑を向くことに集中しているようでトントンに気がついていない。 こいついつまで食っとるねん、暗殺隊長がこんなんで大丈夫か、と思いつつも後ろからフードに手を伸ばす。 ぱさり、フードが外れた。 [newpage] "それ"を認識した瞬間、トントンは目を見開き、石のようにピシリと固まってしまった。 フードが外れたゾムの頭にはぴょこっと、三角の耳が2つ生えていた。 しかもまるで本物の様にぴくぴくと動いている。 反射的に振り向いたゾムの顔は驚愕に満ちていた。 初めて見た彼の顔は思ったよりも幼く、優しそうな顔立ちをしている。 軍の幹部で、殺人を好む男には見えない。 顔立ちよりも気になったのは、彼の瞳だ。 瞳はアーモンドのような形をしていて、色はエメラルドグリーン。 ゾムの瞳孔は人間ではありえない、猫のような縦長のスリット状になっていた。 ゾムはとっさにフードを被り直すが、トントンはバッチリ見てしまったわけで。 こいつコスプレの趣味があったんか!でもフード被ってたら意味無いやろ!目はカラコンでも入れてんのか?ていうか、なんで猫耳やねん!コイツ、そんな可愛いもんちゃうやろ! などという現実逃避にも似た思考がトントンの頭の中をぐるぐる巡っていた。 そんなトントンに構わず、ゾムはマイペースに籠の中の蜜柑を手に取る。 「あーあ、ついにバレてもうたか…」 皮を剥いて身を口に運ぶ。 「あ、これめっちゃ甘い。 当たりやな。 」と呑気に蜜柑を食べるゾムに、トントンは突っ込みを入れた。 「いやいやいや、なに普通に食っとんねん!バレたってどういう事や!説明せい!」 「あー、俺実は人間じゃないんよ。 猫又ってやつ。 結構有名やと思うんやけど、知っとる?」 重要な話をさらっとするゾムに頭が痛くなりながらも、記憶の中を探る。 猫又、確か妖怪の1種だ。 見た目は猫そのものだが、尻尾が二股に分かれているのが特徴。 また、大きな体を持っていたり、人間に化ける能力を持つものも居る。 人間を喰い殺す、なんて伝承もあったような。 思いついたことをそのままゾムに伝えると、「なかなか分かっとるやん」と満足気な返事を頂いた。 いや、最後のやつは否定して欲しかった。 「あー、お前がその…猫又?って奴なんか」 「せやで、まあ急にこんな事言われても信じられんやろな。 俺だって逆の立場やったら頭の病院連れてかな、思うもん」 ゾムの言う通りで、トントンは彼の言葉をいまいち、信じきれていなかった。 「あ、その顔は信じてへんやろ?じゃあ見せたるわ!しっかり見とってや!」 ビシッと指を突きつけてくるゾムに気圧されながらも頷く。 ゾムは立ち上がり、そしてクルリと後方に宙返りをする。 瞬きをした一瞬の間に彼の姿は消えていた。 いったいどこに行ったんだと辺りを見渡す。 いくら隠密に優れてるからと言って、忽然とその場から姿を消せるわけでもあるまい。 視線を少し下にやると、ゾムがいたはずの場所には1匹の黒猫が座っていた。 尻尾は二又に分かれている。 こちらをを見つめるエメラルドグリーンの瞳には見覚えがあった。 「もしかして…お前…ゾム?」 「せやで、これで信じてくれた?俺が猫又だって」 「ちょっと…ちょっと待って。 整理させて」 猫が喋っている。 しかもゾムの声で。 トントンは妖や幽霊の類を全く信じてはいなかった。 しかし、実際に目の前に存在しているのだ。 元々人間離れしているゾムだ、「僕は妖怪です」と言われて納得している自分もいる。 一周回って落ち着きをとりもどしたトントンは、目の前の現実を受け入れた。 [newpage] 「トントンってかなりの猫好きやろ?たまに基地に来る猫たちに、餌やってんの知ってんねんで」 「なんでそのことを…」 どこから見ていたのか、いつも周囲に人が居ないことは確認していたのに。 トントンには全く心当たりがなかった。 「ここら辺の猫界隈では有名やで?いつも餌をくれる赤いマフラーの人がいるって。 」 なるほど、猫達から聞いたというのか。 確かにゾムが猫と一緒にいる場面を何度も目撃していた。 そのときは、好かれやすいんやな、と気にもとめなかったがそれならば納得だ。 しかし、誰にもバレないように注意していたのに…しっかり口止めをしなければと思い、ゾムに向き直る。 「あのー、ゾムさん?できればこの事は内密にお願いしたいんやけど…」 ゾムは尻尾をゆらゆら揺らしながら、しばらく考え込む。 いったいどんな交換条件を出されるのだろうと内心ヒヤヒヤしていると、ゾムは何やら思いついたようだった。 「トントンが俺のこと、撫でてくれたらええで」 「はっ?」 見た目は猫といえ、知り合いの男を撫でるのは抵抗がある。 いったいどういうつもりなのか聞いてみると、拗ねた口調でゾムが主張する。 「だってアイツら、トントンが撫でるの上手いって自慢してくるねんで!俺がトントンのとこに行けないって知ってて言ってくるんや!」 ゾムは尻尾をパタパタと早く大きく左右に振っている。 確かこれは、イライラしたり怒っている時だったはずだ。 確かにその二又の尻尾だと目立ちすぎて基地の中を出歩くのも困難だろう。 我々軍のメンバーに見つかったら闇オークションに売ろう!というやつも出てくるからだ。 まあ、どこのクズとは言わないが。 「しゃあないな…やったるわ」 「交渉成立やな!」 にゃあ、と鳴きながらトントンの膝の上に乗ってくる。 この猫はゾムであると分かっていても、ネコ好きのトントンには手荒に扱うことも出来ない。 ゾムにはそのことが分かっているのだ。 ベストポジションでも探していたのか、動き回っていたゾムも、しばらくすると良い場所を見つけたのか落ち着いた。 顔をこちらに向けてひと鳴きする。 まるで早く撫でろと言わんばかりだ。 中身はゾムだと知りながらも、かわいいと思ってしまった自分に敗北感を覚える。 いや、猫が可愛いのは正義だ。 仕方ない。 [newpage] まずは、あごの下を撫でるというより、コチョコチョとかいてやる。 そして、毛の流れに沿って背中をゆっくり撫で付ける。 するとゾムは気持ち良いのだろう、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。 「トントンめっちゃ上手やな。 童貞の癖に猫の扱いは上手いんか」 「あ?なんやと!大先生にお前を引き渡してもええんやぞ?」 「やめてくださいよ、ちょっと本当の事言っただけですやん。 肉球触らしたるから許してや」 トントンの顔に柔らかいものが押し付けられる。 ふにふにとしたその感触は、先程の怒りを消し去ってしまった。 我ながら単純だ。 人間、肉球の魅力には勝てない。 はっきりわかんだね。 そんな事を思いつつ、トントンはその感触を楽しんだ。 暇な時間があったら猫に餌をあげていたが、如何せん彼らはガードが硬い。 こんなに猫 中身はゾムだが と間近で触れ合う機会も無かったので、今が好機とばかりに無心で撫で続ける。 もふもふ最高!もふもふ万歳! 仕事で疲れた心が癒されていくのを感じる。 アニマルセラピーは本当に効果があるのだと実感する。 疲れた時はゾム猫と触れ合おう。 トントンは次の休みに猫じゃらしを買いに行くことを決意した。 ゾムもよほど気持ちが良いのか、人間の言語を忘れてしまったかのように、にゃむにゃむと謎の言語を発している。 しばらくすると、声が聞こえなくなる。 撫でられている途中で、ゾムは眠ってしまったようだ。 どうして我々だ軍にいるのか、他のメンバーはこのことを知っているのか、などなど聞きたいことは山のようにあるが、それを聞くのは彼が起きてからにしよう。 膝に乗っているゾムは湯たんぽのように暖かい。 暖かな体温はこちらの眠気を誘ってくる。 コタツに入って、膝には湯たんぽもある。 蜜柑をたくさん食べて腹は満たされている。 眠りにつくのに最適な条件はすべて揃っていた。 トントンは幸せな気分のまま眠りに落ちた。
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猫をこよなく愛する作家が出会ったかけがえのない猫と飼い主たちとの物語。 猫小説リスト 柳広司『漱石先生の事件簿』 日本で一番有名な猫小説は?と問われれば、十人中九人までが夏目漱石の『吾輩は猫である』を挙げるだろう。 原典の数々の名セリフと地の文がそこここにちりばめられるばかりか、「吾輩」猫の日々の姿が、「僕」によって観察されているのも、原典ファンには嬉しい限りだ。 ところで原典では、名無しの猫が物語世界を案内してくれたが、本作では名無しの書生がその役割を担う。 つまり本作の主人公「僕」はまさに原典の「吾輩」が擬人化された存在。 このため我々は、原典と本作、双方に接することで、かつて猫が眺めた『吾輩は猫である』の世界を、重層的に味わい得るのである。 柴田よしき「猫探偵正太郎」シリーズ 猫とミステリは相性がいい。 アキフ・ピリンチの『猫たちの聖夜』の雄猫フランシス、リリアン・J・ブラウンの「シャム猫」シリーズのココ、赤川次郎の「三毛猫ホームズ」シリーズのホームズなど、しなやかで好奇心旺盛な猫ほど、解きにぴったりの生き物は世の中にそうそういない。 本作はそんな猫ミステリの正統派とも呼ぶべき、コージーミステリ。 推理作家・桜川ひとみの飼い猫である黒猫・正太郎が、幼なじみのチャウチャウ系の雑種犬・サスケや憧れの美猫トマシーナを始めとするユニークなキャラクターとともに、様々なに挑む連作である。 陽気で、観察眼に優れた正太郎と、天才的ひらめきを有しつつもどこか間が抜けた桜川ひとみは、読んでいるこちらが思わずくすりと笑ってしまうほどの凸凹コンビ。 飼い主に振り回されつつも、持ち前の好奇心で小さなの欠片を拾い集める正太郎の姿を見ていると、もしかしたら街角のあの猫もこの猫も、我々が気づかない日常のを日々懸命に解き明かしているのでは……と想像してしまう。
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