「セロトニンが分泌されると気分がよくなる」という話はよく聞きますが、セロトニンとは、どのような働きをする物質なのでしょうか? セロトニンは、脳幹にあるセロトニン神経から分泌される神経伝達物質の一種です。 セロトニン神経の活動が活発であれば、セロトニンの分泌が多くなり、弱くなれば分泌が少なくなります。 セロトニンの分泌が減少すると、不安になったり、落ち込みやすくなったりするほか、目覚めも悪くなり、集中力も低下します。 また、セロトニンは眠気を引き起こすメラトニンのもとになるので、セロトニンが不足するとよく眠れないといった変化も現れます。 逆にセロトニンが増えると、目覚めがよくなり、頭がスッキリしてポジティブな気分で過ごせるようになりますし、表情も明るくなります。 セロトニン減少の原因には、ストレスや睡眠不足、昼夜逆転などの不規則な生活があります。 メンタリティを高めてストレスに対抗するにはセロトニンが必須ですが、生活環境や職場環境を変えるのは容易なことではないでしょう。 しかし、セロトニン不足が続くと「うつ状態」「うつ病」にもつながるので、早い段階での対処が望まれます。 その予防法の一つが、「噛むこと」なのでしょうか? 日常生活の中でセロトニンの分泌を促す方法の一つとして、「噛むこと」があります。 一定のリズムで同じ動きを繰りかえす運動を「リズム運動」といい、セロトニン神経はこのような運動で活性化されることがわかっています。 そして、リズム運動の中でも最も手軽なのが、咀嚼つまり噛むことなのです。 私たちが行った20分間ガムを噛む実験でも、被験者のセロトニンの分泌が上昇し、緊張・不安および抑うつといったネガティブな気分尺度が改善されました。 普段の食事で、豆類や根菜、生野菜、キノコなど、ある程度歯ごたえのある硬さの食材を選び、しっかりと噛んでいることを意識しながら食べるだけでも、セロトニンの分泌に効果的です。 なんとなく無意識に噛んで食べてしまっては、「咀嚼のリズム運動」にはならないので、意識して噛むことが大切です。 噛めば噛むほどセロトニンが分泌される、ということですか? セロトニン分泌に効果的なリズム運動には、「噛むこと」以外に「呼吸」と「歩行」があります。 具体的にはウォーキングや歌うことなどがそれにあたります。 どのリズム運動でも、効果的な継続時間があり、運動を始めて5分くらいからセロトニン濃度が高まり、20〜30分でピークに達し、その状態は2時間ほど続きます。 逆にやりすぎて疲れてしまうと、かえってセロトニン神経の機能は低下します。 また、嫌々やっても、効果は期待できません。 毎日できることを5〜30分間行うことがセロトニン活性のコツといえます。 噛むことは、毎日必ずする運動です。 朝食をしっかり噛んで食べて、セロトニン神経を活性化して一日を始める。 ピークは2時間ですから昼前にはセロトニン活性が弱まってくるので、昼食で噛んでまた高める、そして夕食……、というように、3回の食事でしっかり噛めば、覚醒時のセロトニン神経の活性をほぼ維持できることになります。 セロトニンの分泌を高めるための食材は、歯ごたえのあるものならなんでもいいのでしょうか? セロトニンの材料となるのが、たんぱく質に多く含まれているトリプトファンという必須アミノ酸です。 肉・魚・大豆・乳製品にたんぱく質が多く含まれますから、これらの食材をとることでトリプトファンを摂取することができます。 つまり、特別な食材ではなく、普段の食事をよく噛んで食べればいいわけです。 咀嚼は消化活動をサポートするものですが、これからは、「脳のエクササイズになる」ということも意識しながら、よく噛んで食べることを心がけてください。 また、セロトニンの生成には、日光を浴びることも大切です。 毎日1度は外に出て、日の光を浴びるようにしましょう。 セロトニンは、実はとても簡単なことで増やすことができます。 よく噛むことも日光を浴びることも毎日の習慣にしてしまえば、無理なく続けることができるでしょう。 有田秀穂(ありた・ひでほ)先生 東邦大学名誉教授 セロトニンDojo代表 1948年東京生まれ。 東京大学医学部卒業後、東海大学病院で臨床に、筑波大学基礎医学系で脳神経系の基礎研究に従事、その間、米国ニューヨーク州立大学に留学。 東邦大学医学部統合生理学で坐禅とセロトニン神経・前頭前野について研究、2013年に退職、名誉教授となる。 各界から注目を集める「セロトニン研究」の第一人者。 メンタルヘルスケアをマネジメントするセロトニンDojoの代表。 『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版)は20万部を越えるベストセラー。 ほかにも『ストレスすっきり!脳活習慣』(徳間書店)、『セロトニン欠乏脳』(NHK生活人新書)など著書は50冊以上。 「エチカの鏡」(フジテレビ)、「あさイチ」(NHK)などテレビ出演多数。
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理由もなく イライラする、寝つきが悪い、寝ても疲れがとれない。 集中できない、 不安で心がザワつく、急に老けこんだ気がする。 病気というわけではないけど、健康という感じもしない。 もしあなたがそんな症状でお悩みなら、それは セロトニン不足が原因かもしれません。 よく耳にするセロトニンとはどんなもので、何の役に立っているのか。 それが減ると、人間の心身にどんな不具合が起きるのか。 そして、どうすればセロトニンの量を増やせるのかといった具体的な方法論までをこの記事では網羅しています。 手っ取り早く、方法だけを箇条書きにするのはカンタンなのですが 「なぜそれをするのか」」を知っておいたほうが継続できるはずですので、あえてお手軽なまとめ形式にはしていません。 こういったことも単発ではなく継続しなければ結果は出にくいですし、腑に落ちたことでないと継続することは難しいのです。 ぜひブックマークするなどして、繰り返し読んでお役立てくださいね。 ドーパミン:「快感ホルモン」快感・覚醒・集中力・運動機能・モチベーション• ノルアドレナリン:「怒りのホルモン」興奮・意欲・不安・恐怖• セロトニン:「幸せホルモン」精神の安定・心の安らぎ・衝動 さらに、セロトニンは他の2つのホルモンの暴走を抑制しコントロールする コンダクター(指揮者)としての役割も持っています。 したがって、 セロトニンの不足・過多はドーパミンやノルアドレナリンの暴走に直結し、 精神のバランスを崩すことにつながるため、特に重要なホルモンといえます。 セロトニンが不足するとどうなるの? セロトニンが不足すると、精神のバランスを崩すことはすでに述べたとおりですが、具体的には、 気分の落ち込み・無気力感といった 「 セロトニン欠乏脳」と呼ばれる症状や、 不眠・摂食障害など心身にまたがる影響が現れる可能性があります。 また、 セロトニンは睡眠ホルモン「 メラトニン」の材料物質でもあることから材料が不足することで、必然的にメラトニンも不足がちになります。 その結果、「寝つきが悪い」「不眠」「寝不足」といった 睡眠障害が現れます。 さらに悪いことに、睡眠障害による睡眠の質の低下は 成長ホルモンの分泌を妨げます。 成長ホルモンは人間の睡眠中に分泌され、免疫強化・損傷治癒・筋肉量増加そして 中性脂肪分解・ 肌の新陳代謝といった役割を担っています。 つまり、成長ホルモンは単に「背を伸ばす」ためだけのものではなく、体脂肪減少や肌のはり・ツヤ・潤いといった アンチエイジングにも極めて重要なホルモンなのです。 そのホルモンの分泌が阻害されることで、 「 免疫の低下」「 脂肪の蓄積」「 肌の老化」などが起こります。 すなわち、 最大限に恩恵を受けるには 入眠2時間後にAM1時を迎えることがベスト。 22:00~2:00はとくに分泌が盛んな時間帯であるため、 23:00から眠るのがベストです。 また、セロトニン不足により「 快感ホルモン・ドーパミン」が暴走することで、際限なく快感・快楽を求めるようになり、様々な 依存症に陥りやすくなります。 これらを「身体的症状」と「精神的症状」に分けてまとめてみます。 セロトニン不足の身体的症状• 疲れやすくなる• 疲れがとれない• 寝つきが悪くなる• 不眠症• 免疫力の低下(病気になりやすい)• 基礎代謝量の低下• 脂肪太り• 表情が乏しくなる(抗重力筋の衰え)• 姿勢が顕著に悪くなる(抗重力筋の衰え)• 急に老けた印象になる• 食べ過ぎてしまう• 食欲がなくなる• 低体温• 睡眠時無呼吸症候群 セロトニン不足の精神的症状• 精神のバランスが崩れる• 集中力の顕著な低下• 頭がボーっとする• 気分がモヤモヤする• 何もやる気がしない(無気力)• 落ち込みやすくなる• クヨクヨする• 些細なことに過敏になる• 理由もなくイライラする• キレやすくなる• 感情的になる• 暴力的になる• 緊張しやすくなる• 何時間寝ても寝足りない• 依存症 (買い物・アルコール・ギャンブル・ネット・ゲームなど)• 睡眠障害• パニック障害• 強迫性障害(潔癖症など)• 自律神経失調症• うつ病 リストをみてドキリとしたあなたは、セロトニン欠乏脳になりかかっている可能性もありますよ。 セロトニンを増やすための2つのアプローチ さて、いよいよココからが本記事の核心部分になります。 セロトニンを増やすためには• トリプトファン(材料)• ビタミンB6(材料)• 炭水化物(補助)• 鉄分(補助) 脳内の縫線核でトリプトファンと ビタミンB6が合成され セロトニンができます。 これらのうち、 特に意識的に摂取する必要があるのは トリプトファンだけです。 その理由は、トリプトファンだけは人が体内で作り出すことができない「 必須アミノ酸」の1つだからです。 ビタミンB6 タンパク質やアミノ酸の合成・分解を補助する役割があります。 トリプトファンとは異なり、体内でも一定量が作られるため基本的には不足しにくい栄養素であるといえます。 炭水化物 炭水化物はトリプトファンの 吸収率アップに貢献します。 とくに意識して摂取する必要はありません。 現代人は意識しなくても十分な量の炭水化物を摂取しています。 【ちょっとくわしくいうと…】 トリプトファンは体内に入ると、血液を介して脳内に運ばれます。 脳内に運ばれたトリプトファンはそこで合成されるセロトニンの材料になります。 しかし、 体内に取り込まれた栄養素が脳内に入るルートには異物を 脳内に入れないようにするための「 血液脳関門」というゲートがあります。 このゲートは、 アミノ酸トランスポーターというバスに乗っていれば通過できます。 炭水化物を摂取することにより、アミノ酸トランスポーターはトリプトファンをたくさん乗車させることができ、 効率よく脳内に運ぶことができるのです。 熱心な ダイエッターほど セロトニン不足に陥りやすいのですが、その原因は過度な 炭水化物カットと偏食です。 炭水化物抜きダイエットをする女性は多いと思いますが、完全にカットしてしまうと結果的には 逆効果となってしまいます。 炭水化物は 朝食で摂るのが、セロトニン不足防止の観点からもダイエット効率の観点からも理想的です。 ダイエットに関する解説は本記事では割愛します。 こちらの記事をごらんください。 関連記事 鉄分 トリプトファンからセロトニンを合成する際に働く 酵素の活動を補助。 特に レバーに豊富な栄養素ですが、赤身肉や魚にも多く含まれています。 トリプトファン ここまで栄養素の解説をたくさんしてきましたが、 意識してほしいのはこの「 トリプトファン」だけです。 トリプトファンとビタミンB6が合成されセロトニンができる• とくに意識的に摂取する必要があるのはトリプトファンだけ ビタミンB6も炭水化物も意識しなくても不足することは考えにくい。 と、いうことでトリプトファンだけ意識しましょう! トリプトファンを多く含む食品を選んでセロトニンを増やそう! 参考までに、トリプトファンを多く含む食品の一例を載せておきます。 現実的に日常生活で口にする機会のないものは省いています。 *食品100g中に含まれるトリプトファンの量(mg)を記載しています。 豆類 大豆:520mg インゲン豆:220mg 枝豆:150mg 納豆:240mg ゴマ:370mg えんどう:200mg ナッツ類 ヒマワリの種:310mg カシューナッツ:360mg ピスタチオ:270mg 落花生:270mg アーモンド:200mg クルミ:200mg 魚類 いわし:260mg かつお:310mg さけ:250mg サンマ:200mg マグロ:300mg しらす干し:270mg すじこ:330mg たらこ:290mg うるめいわし:260mg クルマエビ:190mg ひらめ:240mg 鰹節:1000mg うに:200mg 芝エビ:200mg ししゃも:200mg ほっけ:180mg 肉類 牛生レバー:290mg 牛タン:180mg 牛ひき肉:200mg 牛ハツ:210mg 豚ロース:230mg 豚ひき肉:200mg 鶏ひき肉:260mg 豚心臓:210mg 鶏むね:270mg 鶏もも:190mg 乳製品 牛乳:42mg 豆乳:53mg ナチュラルチーズ:320mg プロセスチーズ:290mg Sponsord Links その他 干しシイタケ:240mg 白米:90mg そば:190mg 味噌:120mg 鶏卵:180mg 高野豆腐:750mg 油揚げ:270mg 焼きふ:330mg きな粉:500mg 脱脂粉乳:470mg あんこ:290mg アボカド:33mg バナナ:10mg 参考: ちなみに、 かつおや マグロの赤身には トリプトファンと ビタミンB6の両方が豊富に含まれています。 セロトニンの分泌を促す7つの方法 食品からセロトニンの材料 トリプトファンを取り入れることができたら、次は セロトニン神経を活性化させて分泌を促しましょう。 生活習慣のちょっとした改善でそれは可能になります。 今回はそのための実践可能な7つの方法をご紹介します。 朝は太陽の光を浴びる セロトニンは日没以降は減少し、眠っている間にはほとんど分泌されません。 朝、カーテンを開け太陽の光が網膜から入ることで セロトニン神経が刺激され、徐々に脳内で分泌され始めます。 網膜に入れるといっても太陽を直視する必要はなく、光を感じれば十分です。 また、 網膜に届くことが重要なので、太陽光を直接 肌に当てる必要はありません。 これなら日焼けが心配な女性も安心ですね。 ちなみに通常の室内灯は100~700ルクス程度の明るさしかないのに対し、太陽の光は雨の日でも5,000ルクス、晴れの日だと100,000ルクスあります。 セロトニンを分泌させるためには 2,500~3,000ルクス程度の光が必要といわれています。 このように、光なら何でも良いわけではなく、 太陽光がセロトニン神経を刺激するスイッチなのです。 5分程度で十分効果があるので、朝は意識的に明るい光を目から入れましょう。 【たとえば…】• 朝起きたらカーテンを開けて目から日光を取り込む• 通勤電車では日の当たる側に立つ・座る• デスクを窓際に移動させる 明るい日中に活動をすることで、セロトニンの分泌がされやすくなります。 夜モードから朝モードに切り替えるために起きてすぐにカーテンを開けて太陽の光を取り込みましょう。 昼夜逆転の生活をしている人はセロトニン不足に要注意! 2. 朝食を抜かない ヒトの体はエネルギー源として、タンパク質・脂質・糖類を利用しているのに対して、 脳のエネルギー源はなんと ブドウ糖だけ。 しかもブドウ糖は脂肪のように蓄えておくことができず常に 使い切りなんです。 そして一般的な成人の脳は 1時間に5gのブドウ糖を消費します。 起きたばかりの体内にはエネルギー源である ブドウ糖がカラッポ。 朝を抜くと「頭が回らない…」なんてことは経験があるはずです。 朝は果物や砂糖入りコーヒーなどで 糖類を摂るようにしましょう。 バナナ• ヨーグルト• プロセスチーズ 手軽にトリプトファンを摂取できる食品としてはこんなものがあります。 急いでいる朝でも、せめてこのうちどれかは1つ口にしたいところです。 ちなみに、おすすめは バナナです。 トリプトファンの含有量自体は多くはないものの、 栄養効率がバツグンです。 セロトニンの合成を助ける ビタミンB6と脳のエネルギー源である ブドウ糖と トリプトファンの3つがすべて含まれているのはバナナだけです。 リズム運動 筋肉の収縮を 周期的に繰り返すリズムがセロトニン神経の活性化に効果的です。 ジムでエアロバイクや水泳ができればベストですが、ここでは日常生活の中で比較的カンタンに取り入れられることを紹介します。 【腹式呼吸のやり方】• まず下腹に手を当てて息をすべて 吐ききることから始める• 口をすぼめて 細く長く遠くまで息を飛ばす意識で吐き切る• 「 これ以上吐けない」ところまですべて吐き切り腹筋の力を抜く• すると自然にフッと息が入ってくる 以上を1セットとしてセット数を徐々に増やしていきます。 最大で1回5セットできれば十分でしょう。 それから、もし歌をうたうことが好きならカラオケはとてもオススメです。 大きな声を出して歌うと自然に 腹式呼吸になります。 歌うことにはストレス発散とセロトニン増産の相乗効果があります。 咀嚼(そしゃく) 咀嚼 そしゃく =「噛むこと」を繰り返すリズムがセロトニン神経を活性化させます。 【スキンシップの例】• 恋人や夫婦間でのスキンシップ• 家族・友達とのおしゃべり• ペットのグルーミング• 撫でる、触れ合う• マッサージ 相手がペットでも赤ちゃんでも彼氏・彼女でも同じことなのですが、スキンシップは 愛情ホルモン「オキシトシン」の分泌を促進します。 これにより同時に、 セロトニンの活性化および ストレス耐性の向上も促します。 号泣する これに関しては多くを説明する必要はないでしょう。 実際にやってみると分かりますが、そのスッキリ効果は他の方法とは 「 段違い」です。 号泣目的の、 泣き映画・泣きドラマを用意して部屋にこもってください。 けっして涙をこらえてはいけません。 泣くことには カタルシス(自浄)効果があるため、泣きまくったあとには頭がスッキリ。 セロトニンは活性化します。 涙活用のリストは別の記事で用意してあります。 関連記事 関連記事 あるいはもっと手軽にいくなら、 泣ける曲を聴いても良いかもしれませんね。 関連記事 腸と脳にあるセロトニン 最後に、セロトニンに関してよくいわれる少しマニアックなトピックを解説して終わりにしましょう。 それは「ヒトの体内でセロトニンはどこに存在しているか」もっといえば、 「セロトニンは腸に存在する?脳に存在する?」 という話です。 結論からいうと、どちらにも存在します。 体内の全セロトニンのうち 90%は腸で合成され 小腸の粘膜に存在し、消化器系を調整します。 これらは、 IBS(過敏性腸症候群)にも関係していると考えられています。 残る 10%のセロトニンのうち 8%は血液中の 血小板に存在し全身を巡ります。 そして、血液を凝固させる止血作用や血管収縮作用を担っています。 最後に残った 2%のセロトニンが 脳内の中枢神経に存在しています。 セロトニン全体量に占めるわずか2%の脳内セロトニンが人間の精神面に大きな影響を与えているといわれています。 …何だか不思議ですよね。 腸のセロトニンが増えると脳内セロトニンも増えるか? 前述のとおり、セロトニンの大部分は腸で作られ腸内に存在しています。 では、腸で合成された 90%のセロトニンを脳へ移動させて使うことは可能なのでしょうか?それができれば脳内セロトニンを増やすこともカンタンな気がしますね。 すでに述べたように、脳内に入るルートには「 血液脳関門」というゲートがあります。 体内に取り込まれたトリプトファンは、 アミノ酸トランスポーターというバスに乗ることで、この関所を通過することができるのだとお話ししました。 しかし、 残念ながら セロトニンそのものはこのバスに乗れず、血液脳関門を通過できないため、脳で使われるセロトニンは 脳内で合成される必要があります。 【セロトニンを増やすための習慣】• 朝はカーテンを開けて太陽の光を浴びる• 朝食は抜かない(脳の栄養不足防止)• 早足でテンポよく歩く• エスカレーターではなく階段をつかう• 意識的な腹式呼吸をする• とにかくよく噛む• ガムなら5~30分間噛む• スキンシップや触れ合い• たまに号泣する日を決める• 居酒屋・焼肉屋・回転寿司店では「トリプトファンを多く含む食品」を参考に注文する• 1日だけでなく習慣として継続する これが、セロトニンを増やすために私たちが自分でできることになります。 この記事があなたのセロトニンを増やすお役に立てば幸いです。 効果があったら、あなたの大切な人にもシェアしてあげてくださいね。 あなたの今日がほんの少しストレスフリーに近づくことを願って。
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「セロトニンが分泌されると気分がよくなる」という話はよく聞きますが、セロトニンとは、どのような働きをする物質なのでしょうか? セロトニンは、脳幹にあるセロトニン神経から分泌される神経伝達物質の一種です。 セロトニン神経の活動が活発であれば、セロトニンの分泌が多くなり、弱くなれば分泌が少なくなります。 セロトニンの分泌が減少すると、不安になったり、落ち込みやすくなったりするほか、目覚めも悪くなり、集中力も低下します。 また、セロトニンは眠気を引き起こすメラトニンのもとになるので、セロトニンが不足するとよく眠れないといった変化も現れます。 逆にセロトニンが増えると、目覚めがよくなり、頭がスッキリしてポジティブな気分で過ごせるようになりますし、表情も明るくなります。 セロトニン減少の原因には、ストレスや睡眠不足、昼夜逆転などの不規則な生活があります。 メンタリティを高めてストレスに対抗するにはセロトニンが必須ですが、生活環境や職場環境を変えるのは容易なことではないでしょう。 しかし、セロトニン不足が続くと「うつ状態」「うつ病」にもつながるので、早い段階での対処が望まれます。 その予防法の一つが、「噛むこと」なのでしょうか? 日常生活の中でセロトニンの分泌を促す方法の一つとして、「噛むこと」があります。 一定のリズムで同じ動きを繰りかえす運動を「リズム運動」といい、セロトニン神経はこのような運動で活性化されることがわかっています。 そして、リズム運動の中でも最も手軽なのが、咀嚼つまり噛むことなのです。 私たちが行った20分間ガムを噛む実験でも、被験者のセロトニンの分泌が上昇し、緊張・不安および抑うつといったネガティブな気分尺度が改善されました。 普段の食事で、豆類や根菜、生野菜、キノコなど、ある程度歯ごたえのある硬さの食材を選び、しっかりと噛んでいることを意識しながら食べるだけでも、セロトニンの分泌に効果的です。 なんとなく無意識に噛んで食べてしまっては、「咀嚼のリズム運動」にはならないので、意識して噛むことが大切です。 噛めば噛むほどセロトニンが分泌される、ということですか? セロトニン分泌に効果的なリズム運動には、「噛むこと」以外に「呼吸」と「歩行」があります。 具体的にはウォーキングや歌うことなどがそれにあたります。 どのリズム運動でも、効果的な継続時間があり、運動を始めて5分くらいからセロトニン濃度が高まり、20〜30分でピークに達し、その状態は2時間ほど続きます。 逆にやりすぎて疲れてしまうと、かえってセロトニン神経の機能は低下します。 また、嫌々やっても、効果は期待できません。 毎日できることを5〜30分間行うことがセロトニン活性のコツといえます。 噛むことは、毎日必ずする運動です。 朝食をしっかり噛んで食べて、セロトニン神経を活性化して一日を始める。 ピークは2時間ですから昼前にはセロトニン活性が弱まってくるので、昼食で噛んでまた高める、そして夕食……、というように、3回の食事でしっかり噛めば、覚醒時のセロトニン神経の活性をほぼ維持できることになります。 セロトニンの分泌を高めるための食材は、歯ごたえのあるものならなんでもいいのでしょうか? セロトニンの材料となるのが、たんぱく質に多く含まれているトリプトファンという必須アミノ酸です。 肉・魚・大豆・乳製品にたんぱく質が多く含まれますから、これらの食材をとることでトリプトファンを摂取することができます。 つまり、特別な食材ではなく、普段の食事をよく噛んで食べればいいわけです。 咀嚼は消化活動をサポートするものですが、これからは、「脳のエクササイズになる」ということも意識しながら、よく噛んで食べることを心がけてください。 また、セロトニンの生成には、日光を浴びることも大切です。 毎日1度は外に出て、日の光を浴びるようにしましょう。 セロトニンは、実はとても簡単なことで増やすことができます。 よく噛むことも日光を浴びることも毎日の習慣にしてしまえば、無理なく続けることができるでしょう。 有田秀穂(ありた・ひでほ)先生 東邦大学名誉教授 セロトニンDojo代表 1948年東京生まれ。 東京大学医学部卒業後、東海大学病院で臨床に、筑波大学基礎医学系で脳神経系の基礎研究に従事、その間、米国ニューヨーク州立大学に留学。 東邦大学医学部統合生理学で坐禅とセロトニン神経・前頭前野について研究、2013年に退職、名誉教授となる。 各界から注目を集める「セロトニン研究」の第一人者。 メンタルヘルスケアをマネジメントするセロトニンDojoの代表。 『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版)は20万部を越えるベストセラー。 ほかにも『ストレスすっきり!脳活習慣』(徳間書店)、『セロトニン欠乏脳』(NHK生活人新書)など著書は50冊以上。 「エチカの鏡」(フジテレビ)、「あさイチ」(NHK)などテレビ出演多数。
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