フレデリック フレデリック レオ・レオニ/さく 谷川俊太郎/訳 5歳くらいから 6分 牧場の古い石垣に5匹のねずみが住んでいた。 4匹のねずみは冬支度に忙しい。 せっせと、とうもろこしと木の実と小麦とわらを集めた。 でもフレデリックはじっと動かない。 ただ心の中にお日さまの光や色や言葉をためこんでいた。 そして冬になった。 やがて食べ物はなくなり、ねずみたちは寒さにこごえそうになった。 その時、フレデリックはお日さまの光や黄色い小麦やたくさんの言葉を語った。 ねずみたちは暖かい光を感じ、いろんな色を見、お話に夢中になった。 皆を勇気づけたのは詩人のフレデリックだったのだ。 詩や想像力というものの意味を、理屈ではなく、心に感じさせ、理解させてくれる絵本。
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小さな野ねずみたちが、とうもろこしや木の実、小麦やわらをせっせと集めて運んでいる。 みんな昼も夜もはたらいている。 彼らの住んでいる家は牧場に沿った石垣の中。 豊かだったその場所は、お百姓さんが引っ越してしまったので、納屋はかたむき、サイロはからっぽ。 おまけに冬が近い。 食べ物を蓄えなくてはならないのです。 ところが、フレデリックだけは別。 ひとりでじっとしています。 「フレデリック、どうして きみは はたらかないの?」じっとして陽に当たり、牧場を見つめ、ほとんど半分寝ているみたい。 だけど、彼のこたえはこう。 「こう見えたって、はたらいてるよ。 」寒くて暗い冬のために光をあつめ、色をあつめ、言葉をあつめているのだと言う。 一体どういうことなのでしょう。 やがて冬がやってきて、楽しく過ごしていたのもつかの間、食べるものが尽き、からだは凍え、おしゃべりをする気にもならなくなった。 その時、立ち上がったのはフレデリック。 彼はみんなの前に立ち、口をひらき、話しだしたのは……。 レオ・レオ二の描く絵本の世界の住人たち、その多くは小さく愛らしいものたち。 この名作『フレデリック』もそう。 愛嬌だって抜群です。 だけど立ち向かっている問題はいつも骨太、なかなか考えさせられるのです。 仲間たちで生きていこうとする時、目の前に立ちはだかった問題をどう解決していくのか。 答えは一つのようで、一つではなく。 思いもよらない方法があることを否定することなく。 そこにこそ、芸術の可能性が秘められているのかもしれなくて……。 もちろん、そんな堅苦しいことを言わなくても。 「これは まほうかな?」日本では谷川俊太郎さんの翻訳により、子どもたちが存分にその素晴らしい世界を味わえるようになっています。 (絵本ナビ編集長 磯崎園子) 主人が大好きな絵本で娘に買ってきてくれたもの。 初めて読んだ時もなんだか詩的でレオ・レオニらしく芸術性にあふれた絵本だと思いました(実際、主人公のフレデリックは芸術肌の詩人なのです)。 でも何度も何度も読んでいくと、色々な解釈がでてくるのです。 絵本の奥深さを初めて知りました。 サブタイトルが、-ちょっとかわったのねずみのはなしーとあります。 人と違う考え方をしたり、人と違う視点で物を考えたり、一見すると悪い事に思えてしまうようなことも、自分を信じてそれをまっとうする。 それで良いんだ。 ってフレデリックは教えてくれる。 それが自分でも、他人でも。 芸術家になろうと思ったり、今は偉人だと言われる人や、例えばエジソンだって、その時は出る杭は打たれるような扱いで、「あの人は変わってる」ってきっと言われていたはず。 でも人と違う事を考えたり、違う視点で物を考える事を誰もしなくなってしまったら、なんてつまらない世の中になってしまうのだろう・・この絵本に出会って初めて気づきました。 みなさんの傍らにいるお子さんを見てください。 可能性にあふれ、柔軟で、純粋で・・・ 自分の子供がちょっと変わった考え方をする、と思ったり、子供から、あの子は変わってるんだよ。 って聞いたりしたら、「フレデリック」を読んであげてほしい。 『大丈夫。 あなたはあなたでそれで良いんだよ』って教えてあげてほしいし、『あなたと違う考えをするからって、その子を排除しないで、そんな考えをする子もいるんだよ』って、教えてあげてほしい。 大人が言葉で説明するよりも簡単にそんな事を教えてくれるレオニ・マジックを是非一度! (ソレイユさん 30代・東京都 女の子2歳).
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レオ・レオニをご存知ですか?きっと絵本を読むことが多いパパやママには馴染みのある絵本作家かもしれませんね。 レオ・レオニを知らなくても、「スイミー」と聞けば、ピンとくる方も多いはず。 詩人・絵本作家・翻訳者である谷川俊太郎訳で、小学校の教科書でも登場する、小魚が大きな魚に立ち向かう感動的な絵本のお話です。 レオ・レオニは、そのスイミー生みの親で、イラストレーターでもある絵本作家です。 そんな彼は、「スイミー」以外にも素敵な作品を数多く現在に残しています。 どれも心に深く響く寓話のような絵本ばかりです。 そんなレオ・レオニの絵本の世界を、お子さんと一緒に楽しんでみませんか?今回は、レオ・レオニのおすすめ絵本と素敵なグッズをご紹介します。 どのような絵本があるの? レオ・レオニの作品には、小さくてかわいらしい主人公がたくさん出てきます。 それらの主人公は、みんな自分らしさとは?と悩み、自分自身を探し求めています。 「あの子は大きいのになぜ僕は小さいのだろう」「あの子はきれいなのに僕は何でこんな地味なのだろう」と、ついつい他人と自分を比較してしまいがち。 でも、最後には自分は唯一無二の存在だと気づき、幸せを感じることができる内容です。 「絵本」と聞くと、子ども向けだと思うかもしれませんが、大人が読んでも心が豊かになる絵本が多いのも特徴です。 レオ・レオニは、自分の存在を認めて他者とともに認め合う事の大切さを、絵本を通して私たちに教えてくれます。 レオ・レオニの絵本を読んでいるだけで、自分や他者の尊さに気づくことができますよ。 あらすじ 出典: あおちゃんときいろちゃんは仲良しのお友達。 いつも一緒に遊んでいます。 ある日、ママがお買い物に出かけている間に、あおくんはきいろちゃんと遊びたくなって、お家を飛び出してきいろちゃんを探しに行ってしまいます。 きいろちゃんと会って遊ぶ事ができたあおくん。 ところが家に帰ってみると、あおくんはみどりくんになっていました。 同じく、あおくんと遊んでいたきいろちゃんもみどりになっていました。 お互いの親から、自分の子どもではないと追い出されてしまったあおくんときいろちゃん。 途方に暮れて泣き出してしまい、泣いているうちにお互い元の色に戻る事ができ、無事両親のもとへ帰ります。 心配していた両親は帰ってきた子どもたちに大喜び。 抱きしめあっているうちに互いが緑色になっていることに気が付くのでした。 あらすじ 出典: 農村の納屋付近の石垣に住んでいたねずみたち。 ある日お百姓さんが引っ越してしまい、食料が少なくなってしまいました。 冬が来る前にみんなせっせと食料を確保しますが、ちょっと変わり者のねずみのフレデリックだけは、何もせずになんだかボーっとしているように見えます。 仲間のねずみたちはそんな彼に質問をします。 「なぜ働かないの?」するとフレデリックは答えます。 「色を集めているんだ。 冬は灰色だから」と答えます。 意味の分からないことを言うフレデリックを、みんなはただ怠けているとしか思えません。 そして、とうとう冬が来ました。 食べ物がなくなり、ねずみ達は暗い気持ちになっていきます。 そして、平等に食料を与えられていたフレデリックに嫌味な質問をします。 さて、その質問に対するフレデリックの答えとは…? あらすじ 出典: 生まれた時から二足歩行ができるワニのコーネリアス。 草むらの向こうも見る事ができます。 仲間のワニはみんな地面を這う普通のワニ。 コーネリアスが立って得た知識を仲間に伝えても、「それが、どうしたっていうのさ?」とつれない反応。 みんな、コーネリアスに冷ややかです。 嫌味を言われて怒ったコーネリアスは、川岸の向こうのサルの住むところへ行き、ある技を教えてもらいます。 一生懸命練習したコーネリアスは、やがてできるようになりました。 そこで、川岸のもとのワニたちのもとへ帰ってきたコーネリアスは、みんなに技を披露します。 しかし、みんなの反応はまたしても冷ややかでした。 がっかりしたコーネリアスは、再びサルの元に行こうと歩き出します。 しかし仲間のほうを振り返ると… この絵本のおすすめポイント 小さな子どもにはコーネリアスの行動が面白く、大人の我々には這いつくばっているワニたちの嫉妬心むき出しなセリフに、共感できるのではないでしょうか。 何でもできて頭のいい人は、いつの時代も憧れの存在。 でも、そんな人ほど好奇心旺盛で、陰で努力をしていて、童心を持っている…だからこそ、いろいろと素直に受け入れることができます。 それを、現状に甘えて何もせず、「私はあの人とは違うから」と、できないと思い込んで関心の無いふりをする大多数の人々。 でも、結局はうらやましい気持ちが勝って、一生懸命逆立ちの練習を始めてしまう…なんとも滑稽ですよね。 良いものを素直に受け入れて、努力することの大切さに気づかせてくれる絵本です。 最後の一文が、きっと読む人の心を揺さぶるでしょう。 この絵本のおすすめポイント この「ペツェッティーノ」という言葉はイタリア語で、小さな部品・かけらという意味です。 彼は、小さな何の取り柄もない部品と思い込んでいました。 それは周りに立派な者や優れた者、優秀な者が多くあったからです。 つまり自分に自信が持てなかったのです。 そんな彼らと自分を比較して、自分が取るに足らないちっぽけな者だと劣等感を抱いていたのです。 しかし、旅をしているうちに、自分だって唯一無二の存在だと気づくのです。 抽象的で少し難しい内容ですが、実は奥が深くて味わい深い絵本です。 小さい子どもは、パーツのカラフルな絵や、冒険・出会う者たちにわくわくするかもしれません。 読むたびに解釈が変わり、大変奥が深い絵本です。 特に自分に自信がなくなった時や、道に迷った時など、この絵本を読むとペツェッティーノの悩みが自分と重なり、励まされます。 この絵本のおすすめポイント このタイトル「さかなはさかな」にすべての意味がつまっていると思います。 そうなのです。 さかなはさかな以外の何ものでもなく、かえるではないのです。 まねをしようとしても、かえるのように生きていくことはできませんよね。 子どもが読んでも、大人が読んでも印象的な話です。 レオ・レオニの作品の多くは、子どもへも大人へも、メッセージを投げかけてくれます。 子どもの時にこういった作品に出会うと、人生の途中で迷った時・立ち止まった時に思い出して、また前へ進める力になるかもしれません。 自分の個性を受け入れるまでを描いた、「自分は自分。 ありのままの自分でいいんだ」と自信を持たせてくれる作品です。
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