その夜、甘露寺蜜璃はいつになく家路を急いでいた。 今夜の警備はいつもよりたくさん動き回ってしまった。 三か所鬼が出たせいで、担当地区内を西へ東へと駆けずりまわる羽目になってしまったのだ。 だからか今は無性にお腹が空いてしまっている。 蜜璃はぐうぐう鳴る腹を押さえながら、人気のない道をひた走った。 「は~。 もうダメ~! もう限界! こんな夜更けに開いてるお店なんてもうないし、早くおうちに帰ってご飯を食べたいわ~!」 帰ったらお米を一升は炊かなくちゃ、おかずはどんなものを作ろうかしら、などと考えていると、ふと前方に見慣れた縞模様の羽織を見つけた。 あ、伊黒さんだと思う間もなく、どうにも様子がおかしいことに気が付く。 一歩踏み出すごとに大きく体を前に傾け、右に行ったかと思えば、今度は左の方へと進んでいく。 蜜璃は言い様のない不安にかられた。 「ど、どうしちゃったのかしら伊黒さん……はっ、まさか。 瞬間、蜜璃は足に力をこめ、矢のように駆け出していた。 ちょうどまた大きくよろけそうになった伊黒の肩に手を延ばし、すんでのところで抱きとめる。 「い、伊黒さん、大丈夫!?」 急いで頭を上げさせると、伊黒の顔は耳まで真っ赤に染まっていた。 熱に浮かされたような表情でぼんやりと蜜璃を見上げている。 「あ……? かん、ろじ……?」 「ど、どどど、どうしたの! どこか怪我でもしているの!」 大きな傷を負っていれば、高熱を発することがある。 だが、どうもどこか出血しているといった様子はなさそうだった。 強い酒の香りだけがしている。 断ったのだが……晩餐を、勧められた。 それで……」 「ええ?」 「隊務中で……あるのに……時間をとられてはならぬと……無理をした。 まさかあんなに……強い、酒だとは……」 「伊黒さん!? しっかりして!」 蜜璃の呼びかけも空しく、伊黒は糸が切れたようにがくんと倒れた。 あわてて背中と足の裏に手をやって横抱きに抱える。 「うわあ……うわあ、どうしよう! 伊黒さんったら寝ちゃったわ! このままにしておくこともできないし……これは伊黒さんのおうちまで運ぶしかないわね……」 蜜璃はさらに大きな悲鳴をあげはじめた己の胃をなだめつつ、すくっと立ち上がった。 腕の中には、意識を失った伊黒と、その首に巻き付いた愛蛇「鏑丸」がいる。 蜜璃はその可愛らしい白蛇を安心させるように言った。 「鏑丸ちゃん、大丈夫よ。 私が伊黒さんをちゃんと運ぶからね!」 蜜璃の頼もしい発言に、鏑丸は安堵したように主の着物の中に入っていった。 さて、と歩き出す前に、蜜璃はちらと伊黒の顔を見下ろした。 いつもの猫のような愛らしい扁桃系の目が、いまはきっちりと閉じられている。 「まつげ、意外と長いわ……」 こうしてみると、自分より年上の男の人だとはとても思えない。 その少年のような顔つきに、蜜璃はじっと食い入るように眺めた。 そして、自分より小さい体。 でも男の人らしく、ひどくがっしりとしている。 「相当鍛えているのね……やっぱりすごいわ、伊黒さん。 あ、やだ。 なんだかドキドキしてきちゃった。 駄目じゃない。 伊黒さんはいま具合が悪いのよ……!」 自分を叱咤して、蜜璃は歩き出す。 でも一度意識し出すと触れている部分がなんだか熱くなってきた。 伊黒の背に回している右腕も。 伊黒のひざの裏に回している左腕も。 そして、伊黒の左腕が触れている自分の胸元さえも。 もうあまり気にならないようになってきたこの隊服の意匠も、今ほど恥ずかしいと思ったことはない。 素肌が、触れている。 伊黒の隊服や羽織越しに。 そこでは自分の体温と伊黒の体温とが混ざっている、そう思うと蜜璃は顔から火が噴き出そうだった。 「だ、駄目よ、ダメダメ。 蜜璃……そんなはしたない妄想をしちゃ……。 い、伊黒さんを助ける、ためなんだから!」 意識しないように意識しないように、蜜璃はいろんな感覚を無理やり遮断するようにして走りつづけた。 伊黒が起きないように、上下になるべく揺らさないように気を付けて。 「はあ、はあ……。 これ、案外と大変ね。 でも、もう少しだわ」 伊黒の体重をつゆほども重いとは感じていない。 大変だと思うのは主に精神面だ。 伊黒の体温を感じ取る度、蜜璃は胸がきゅんきゅんと鳴いてたまらなくなった。 「はあ……。 なんで、こんなに可愛らしいのかしら、伊黒さん……」 いつもいつも私の体調を気にかけてくれる伊黒さん。 いつもいつもいっぱい食べても許してくれる伊黒さん。 いつもいつも優しい瞳で見ていてくれる伊黒さん。 いつもいつも気に入らない人にはネチネチネチネチ小言を言い続ける伊黒さん。 いつもいつも素直じゃない伊黒さん。 いつもいつもいろんな小さな変化に気付いてしまう伊黒さん。 でも、だけど、今は。 ただ目をつぶって眠っている。 お腹が鳴っている。 さっきからずっと、鳴っている。 いますぐ何かを食べたいのに。 伊黒さんを送り届けるまでは食べられない。 食べたい。 食べたい。 私……鬼になってしまったのかしら。 なんだか伊黒さんを、食べたいって……そう思うようになってしまってるわ。 おかしいわよね、こんなの。 でも……伊黒さんの顔、すっごく美味しそう。 「はっ」 気が付くと、目の前には伊黒の愛蛇、鏑丸が口を開けていた。 主を守ろうと必死で威嚇をしている。 「ご、ごめんなさい。 鏑丸ちゃん。 私……どうかしていたわ。 早く、屋敷に帰らないと!」 次の角を曲がれば伊黒の屋敷だった。 でも、蜜璃はなぜかそれ以上足が進まない。 「ど、どうしたの、私……」 ちらりと腕の中の伊黒を見つめる。 「う、うう……伊黒、さん……」 蜜璃はしゃがみこむとその場で伊黒の体をかき抱いた。 こんなことをするのは間違ってる。 でも、もうお腹が空いて仕方がなかった。 「起きて。 伊黒さん。 でないと、私……」 腕の中の伊黒がわずかに身じろぎをしたような気がした。 もしかしたら鏑丸がまた動き出したのかもしれない。 そしたら今度こそ咬まれてしまう。 でも、それでもいいと思った。 咬まれるぐらいされないときっとこの衝動は止められない。 「鏑丸ちゃん、ごめんね……」 目を閉じたままの伊黒に蜜璃はそっと顔を近づけた。 頬に手を添えて、自分の唇を相手の鼻の横辺りに寄せる。 本当は、包帯の下の唇を狙いたかった。 でもそこは厳重に閉ざされていて、蜜璃にはそれをはぎ取ることまではできない。 だからせめて、素肌が見えているところに。 そこは酔って赤くなっているだけあって、とても熱かった。 その熱を吸い取るように蜜璃は何度も何度も唇を寄せる。 「伊黒さん……お願い、起きて」 そうつぶやきながら、今度はその額に口づける。 「ああ、お腹が空いたわ……。 食べたい、食べたいわ、伊黒さん……」 しゅるしゅると鏑丸が伊黒の衿の合わせ目から這い出してきた。 蜜璃はそれに気づかぬまま、今度は伊黒の首筋へと唇を寄せる。 「待て。 鏑丸」 その声に、鏑丸も蜜璃も同時に驚いた。 声の主は蛇柱、伊黒小芭内だった。 伊黒は右手でしかと鏑丸の胴体を掴んでいた。 すんでのところで蜜璃の喉笛に咬みつくのを阻止したのだ。 「あ、あ……伊黒、さん……!」 蜜璃はへなへなとその場に座り込むと、伊黒からその体を離した。 そして耐え切れないというように顔を両手で覆う。 「あ、お、起きてたの!? い、いつから……」 伊黒も火照ってしかたがなくなっているであろう頬を片手で押さえ、「ずっと」とだけ答えた。 そして片膝を立てて座る。 「ず、ずっと!? って、だから……いつから?」 「ずっとは、ずっとだ。 つまり、最初から」 「え? 最初から!?」 「寝たふりを……していた。 済まない」 「えええーーっ!?」 思わず顔を覆っていた手を外して、蜜璃は悲鳴を上げる。 「う、うそうそうそっ! じゃあ、私の独り言も……?」 「済まない。 それも……たいていは聞こえていた。 体が思うように動かせないのは本当だったから、寝たフリをしていた方が甘露寺に迷惑をかけなくて済むと思ったのだ。 そのままそこに放置してくれて良かったのだが、まさかこんな予想外のことをされるとはな……」 「ううーー。 穴があったら入りたい!」 「あと、その……甘露寺。 運んでくれたのには礼を言うが……その、今のは……? 俺を食べたい、とか言っていたが……」 蜜璃はまたも顔を両手で覆ってそのまま膝を抱えた。 「ち、違うの! 今日、私すっごくたくさん動いて……それで今すっごくお腹が空いているの! 早く自分の家に帰って、ご飯食べようって思ってたんだけど、その……なんか酔って顔を赤くした伊黒さん見てたら……食欲? が刺激されちゃった、みたいで……」 「それは……。 食欲、なのか?」 「わからない。 でも……その……ご、ごめんなさい! 勝手にこんなことして……は、はしたないわよね。 は、恥ずかしいわ……こんな……変なことして……」 「謝る必要はない。 俺も……起きていたのに……甘露寺の好きにさせてしまっていた。 はしたないというのなら、俺も同罪だ。 こんな男に、甘露寺の無垢な唇を触れさせてしまった。 済まなかった」 伊黒はふらつきながら立ち上がると、蜜璃に背を向けた。 「今なら……これは酔った上での俺の幻覚だったと、明日の朝にはそう思えているはずだ。 だから……甘露寺、今夜ここであったことは忘れろ。 このあと腹いっぱい食べれば、きっともうこんな妙な思いを抱くこともないだろう」 「い、伊黒さん……。 なんで? 嫌だったなら、避けてくれたら良かったのに。 なのに……なんで」 「俺に、そんなことを言わせないでくれ。 もとより、甘露寺のすることを嫌だと思ったことは一度もない。 ゆえに、強く拒むことができなかっただけだ」 「え……?」 蜜璃はそっと顔を上げた。 胸が甘くしめつけられる。 相変わらず背中を見せている伊黒だったが、その足元はふらふらとしたままだった。 大きく体が傾いで、また倒れそうになる。 「あ、危ないっ、伊黒さん!」 すかさず蜜璃はまた伊黒を抱きとめる。 受け止めた伊黒を見ると、先ほどよりさらに顔の赤みが強くなっているように見えた。 「……?」 「も、もういい、甘露寺。 それ以上俺を支えないでくれ」 「え……い、伊黒さん?」 「酔いが、回る……」 「え?」 一瞬悲しいことを言われたと思った蜜璃だったが、次の瞬間には大きな疑問符が頭に浮かんだ。 支えると酔いが回るとはこれいかに。 「甘露寺……どうやら俺も食欲が沸いたみたいだ。 その唇を……食べたい」 突然発せられた爆弾発言に、蜜璃の体が固まる。 伊黒は右手をゆっくりと持ち上げ、自分の口元の包帯を引き下ろした。 そこには普段見せることのない、伊黒の素顔があった。 形の良い、小さな唇。 「これ以上酔いが回ったら……俺はその欲を満たしたくなるだろう。 その前に……甘露寺。 俺をここに置いて、帰れ」 「……伊黒、さん」 だが蜜璃は、目の前にある伊黒の唇から目が離せなくなってしまった。 お腹はぐうぐう鳴り続けている。 雰囲気もへったくれもなかったが、蜜璃はすぐさまその唇を奪いたくてたまらなくなった。 「いや。 伊黒さん、私……帰らないわ。 だって、お腹が空いているん、だもの……」 「そうか」 「食べたい。 食べていい? ねえ、伊黒さん」 「……それは、駄目だ。 食べるなら、俺が食べる」 そう言うと、伊黒の腕が蜜璃の首に回り、その小さな唇が蜜璃の唇に押し付けられた。 その熱さに、蜜璃は頭がくらくらとしてくる。 胸がきゅんと鳴き、鼻の奥がじんとしびれた。 「ん……ふっ……」 ずるりと、熱い舌が蜜璃の唇を割って入ってくる。 まるで蛇だと蜜璃はぼうっとする頭で考えた。 心臓の音がうるさい。 そう思っている間に、伊黒のもう片方の腕が優しく蜜璃の背中を抱く。 お酒の匂いがした。 でも、とても美味しい、と思った。 ちゅうとその熱い舌を吸ってみれば、伊黒の体がわずかにわななく。 「はあっっ……」 まるでたまらないと言うように、伊黒が離れた。 赤くしきった顔で、蜜璃を見上げている。 しかし、蜜璃はまだ足りなかった。 「だめ……。 もっと……」 そう言うと、伊黒が泣きそうな顔になって、また唇を重ねてくる。 鏑丸はもう襲おうとしてこなくなった。 主も同意の上だとわかったらしい。 「かん、ろじ。 駄目だ。 こんな、誰もいないとはいえ……往来で、こんな……」 「あ、そ、そう、よね……」 ふと、我に返った伊黒が、最後の最後に残っていたであろう理性で現状を把握する言葉をつぶやいた。 だが、その息は果てしなく荒い。 蜜璃は切なさでいっぱいになりながら、伊黒を抱き上げた。 「じゃあ、伊黒さん。 どっちに行く? 伊黒さんのおうち? それとも、私のおうち?」 「……っ」 伊黒は長いため息を吐くと、甘露寺にだけ聞こえる声で応えた。 「とりあえず、俺の屋敷に……」 「わかったわ」 蜜璃は即答したが、やや間を置いて歩き出した。 この先はどうなってしまうのだろう。 相変わらずお腹の虫は鳴いているけれど、それがこうした先で満たされることはあるのだろうか。 蜜璃は震える足を、伊黒に気付かれたくないと思いながら向かった。 [newpage] 伊黒の屋敷に着くと、隠の者たちが出迎えてくれた。 その様子に、蜜璃はすぐ帰ろうとする。 だがそれを伊黒が制した。 「待て。 甘露寺、うちで少し食っていけ。 甘露寺の満足がいくまで出せるかはわからんが、その……腹が空いたままでは辛かろう」 「え、あ……ありがとう」 伊黒は隠たちに蜜璃の好物を細かく伝えると、着替えるために一度自室に戻ると言った。 だが去り際、蜜璃にだけ小さく告げる。 「甘露寺、食事が終わったら、一度俺の部屋まで来てくれ」 「あ、う、うん……」 「それからまた、考える」 何を、とは聞けなかった。 どうしよう。 もし、お腹がいっぱいになったら、さっきまでのような気持ちにはならないのかもしれない。 そんな妙な不安を抱えつつ、蜜璃は隠たちの作った料理を食べることになった。 満足した蜜璃は意を決して屋敷の奥へと向かった。 隠に案内されて通された和室には、寝間着に着替え終わった伊黒がいた。 「腹はいっぱいになったか、甘露寺」 座布団をすすめられながら、蜜璃は笑顔で答える。 うん、ありがとう伊黒さん! とっても美味しかったわ」 「そうか……」 伊黒の寝間着は、いつもの羽織の柄と同じ白黒の縞模様の浴衣だった。 隊服と違って衿ぐりが大きく開いているので胸元が露出している。 蜜璃はその姿に人知れず胸をときめかせていた。 「で……体調はどうだね」 「えっと……」 「変化は、ないかと聞いている。 満足したのならもう帰った方がいい。 俺もまだ酔いが残っている。 先ほどの続き、というのは……無くてもいいだろう」 「えっ?」 「えっ?」 蜜璃の意外な反応に、伊黒も驚いたようだった。 蜜璃自身、自分が発した言葉に驚いているくらいである。 「あ、あの……そ、そういうんじゃないのよ! ざ、残念、とか……別に……」 「そうか」 「いや、嘘です。 本当は残念、だわ」 「か、甘露寺……」 「あの……おかしいわよね。 私、伊黒さんと恋人同士ってわけでもないのに。 ただの同僚なのに。 なのに、さっきみたいなこと嬉しいって思ってしまって……。 い、伊黒さんは……さっきの、どうだったの? 私とああいうことして……い、嫌じゃなかった?」 「甘露寺。 だから、俺は先ほども言ったが、甘露寺にされて嫌なことなどひとつもない。 むしろ……」 「むしろ?」 「むしろ……同じだ。 う、嬉しかった……」 「えっ!」 途端に蜜璃はぽーっと顔を赤く染め上げる。 それを見た伊黒もまた落ち着いていた頬の赤みが戻ってきてしまった。 「ああ、酔いがようやく醒めてきたというのに! なんだ、甘露寺はいったいどうしたいんだ」 「わ、私は……また、伊黒さんとああいうことが、したいわ」 「~~~~~~っ! ああ、なんということだ……。 甘露寺は『添い遂げる殿方』とやらを探しに来たのだろう? この鬼殺隊に。 俺より、もっとマシなやつなど星の数ほどいる! それなのに……俺を、俺を選ぶというのか!」 「えっと……今の今まで、そんなこと、思ってもみなかったけど……。 私……い、伊黒さんとじゃなきゃダメ、みたい……」 しばらく、無言のまま見つめ合う。 お互いの瞳の奥に、どんな思いがあるのかと探り合うような瞬間だった。 「そうか。 俺は……甘露寺が幸福になるのであれば、それは俺でなくても良いと思っていた」 「伊黒さん」 「そして甘露寺自身がその者を選ぶまでは、甘露寺の笑顔を絶やさぬようにしようと心に決めていた。 だが……甘露寺。 本当に俺でいいのか? 俺が近くに居すぎたから、だけじゃないのか」 伊黒の真剣な問いに、蜜璃はとまどいながらも確固とした思いを胸に話しはじめた。 「そんなの、わからないわ……。 でも、伊黒さんはもう……私のとっても大事な人なのよ! こんなに素敵で、キュンとして、可愛くて、いじわるで、優しくて、私だけを見てくれて、私をそのままでいていいんだって言ってくれるのは、伊黒さんだけなのよ。 だから……伊黒さんと、これからも……ずっといたいわ」 その言葉を聞いた伊黒は、ぐっと目を閉じると堰を切ったように語りだす。 「そんなのは……俺もだ。 俺は、ずっと誰にもこんな感情を抱くことはなかった。 そんな俺に、『恋』を教えてくれたのは……甘露寺だった。 こんなに美しい女性を見たのも、初めてだった。 俺と初対面から笑顔で話してくれたのも甘露寺だけだった。 共に過ごすうち、自分の中に『優しい』面があると気づかせてくれたのも、甘露寺だ。 俺はそんな甘露寺が幸せになるならなんでもする。 そして、甘露寺を悲しませるようなことは死んでもしない。 だから、甘露寺……甘露寺。 俺を……選んでくれ」 蜜璃は思わず目を見開いた。 伊黒がここまで、素直に自分に対する気持ちを言ってくれたことは今までになかった。 いつも、どこか一歩引いていて、なかなか本心を打ち明けてはくれなかったのだ。 その伊黒が、自分を選んでくれと言っている……。 「い、伊黒さん……。 うん、選ぶわ。 私、伊黒さんを選ぶ! だから、私と……」 「ありがとう、甘露寺。 だがそこからは俺が言う……」 「えっ?」 少し離れて座っていた伊黒が、蜜璃の前までやってくる。 そして、両手を取って、言った。 「甘露寺蜜璃。 どうかこの俺と、伊黒小芭内と……一生、添い遂げてほしい」 「……」 「……甘露寺?」 「あ、はいっ。 はい、伊黒さん!」 伊黒はふっと目元だけで微笑むと、蜜璃をそっと抱擁した。 ぐらりと態勢が崩れて、蜜璃は伊黒の腕の中へと倒れ込む。 「うっ。 い、伊黒さん……」 「甘露寺。 では……続きをするか?」 「へっ……?」 見上げると、口元の包帯を下げ、また素顔をさらしている伊黒がいた。
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来世で甘露寺とめぐり逢うことを願う 無惨を倒して(いいことをして)自分も死に、汚れた血と身体がきれいになった来世では、甘露寺に好きだと伝えたいと強く願う伊黒。 最後のコマでは、満開の桜のような笑みを浮かべる甘露寺。 そして、そこへ向かう伊黒、という幸せな光景が描かれていました。 めぐり逢えた場所、そこに咲く花 場所は不明だが来世の可能性が高い 伊黒と甘露寺がめぐり逢えた場所は不明ですが、2人の来世である可能性が高いです。 伊黒は自分自身の血が汚く、誰かと幸せになる資格はないと考えています。 自分が幸せになるのは、甘露寺に想いを伝えられるのは、来世でしかありえないと確信しているのです。 伊黒が来たことで満開となる桜と笑顔 188話の最後のシーンは、実は123話の扉絵と非常に似通っています。 123話は昔お見合いした相手を待つ甘露寺で、桜はまだつぼみで表情も真顔。 しかし188話の最後のコマでは、満開の桜が舞い散る中で、満面の笑みを浮かべています。 これは、自分を隠さずにいられる、伊黒とめぐり逢えたからこそ出てきた幸せな表情なのではないでしょうか。 咲く花は「桜」と「アヤメ化の何か」 桃色の花はおそらく桜で、紫色の地面に生える花はアヤメ科の「アヤメ、花菖蒲、カキツバタ」だと推測できます。 それぞれの花言葉をまとめると、 桜 ・精神美 ・優美な女性 ・純潔 アヤメ ・希望 ・信頼 花菖蒲 ・嬉しい知らせ ・あなたを信じます カキツバタ ・幸せは必ずくる ・幸せはあなたのもの 桜のような笑みを浮かべて、伊黒を待つ甘露寺。 そこには甘露寺のように満開の桜と、「希望」「あなたを信じます」「幸せは必ず来る」という花言葉を象徴するように、アヤメ科の花々が咲き乱れています。 来世では、鬼のいない平和な世の中で、2人が幸せに過ごしていることを切に願いたいですね……。 30日以内に解約すれば料金は一切かからない上に、U-NEXTで配信しているアニメも見放題なので、気軽に体験して無料で漫画を読んじゃいましょう。 「鬼滅の刃」の概要 時は大正。 竈門炭治郎は、家族とともに山でつつましくも幸せな日々をおくっていた。 ある日、町で炭を売りに出かけた炭治郎が山に戻ると、家族は鬼に襲われ血だまりの中で絶命していた。 唯一、一命をとりとめていた妹・ 禰豆子を救うべく、降りしきる雪の中背中に背負い必死に雪山を下りる炭治郎。 その途中、 禰豆子は突然唸り声を上げ、炭治郎に襲いかかる。 鬼と人との切ない物語__。
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【鬼滅の刃】おばみつ死亡確定ってほんと!? ナウシカの金色の野かな?って思った 超シュール!超ユンファ! そしてわかってはいたけどおばみつの死亡確認 …煉獄さんの羽織って凄い形状してるな — シーク SeekStar 鬼滅の刃本誌で 仲睦まじいおばみつ。 今まで、はっきりと蜜璃の事を好きといわなかった伊黒さんですが、 無惨戦でその思いが明らかになりましたよね! 二人には生き残って幸せになってもらいたいのですが、 どうやら死亡が確定しまったみたいなんです…。 死亡確定した理由 死亡確定が分かった理由は 203話で• 死んだ柱の手の中におばみつがいる• 無惨が亡者という者の描写の中におばみつがいる ことからです。 ちなみに上の画像は203話の死んだ柱達の手ですよ! 【鬼滅の刃】おばみつが死亡した理由は!? おばみつ現在バリバリ死亡フラグたってますけどね ちなみに一目惚れです いっぱい食べる君が好き — もさめ mosaimegane おばみつについてですが… 実は濃厚な死亡フラグが立ったのがなんです。 どうして死亡してしまったのでしょうね。 気になるので順を追って、 おばみつ死亡した理由について詳しく見ていきましょう。 重症のおばみつ 無惨との戦いで おばみつ重症を負ってしまいます。 甘露寺は• 片頬がそがれる• 腕がなくなる• 体の感覚がなくなり、痛みを感じなくなってしまった そして、伊黒は• 両目の失明• 無惨に頭を噛まれる• その他もろもろの深い傷 このように2人の体はもうボロボロなんです! 手当は受けたものの、重症のまま戦ったことで 出血も多かったことでしょう。 普通の人間なら、戦い続けることもできな状態ですよ。 これは死亡してしまいますよね…。 死期を悟るおばみつ 鬼滅の刃200話 普通の女の子じゃないことを気にしていた蜜璃ちゃんにとって「あまりにも普通の女の子だったから」って言う伊黒さんかっこよすぎだろ — 🥵 kkr0299 無惨を倒した後。 おばみつは一緒に最期の時間を過ごします。 そしてこの時に 「自分はもう死ぬ」とおばみつはそれぞれ悟るのです! そこで、 二人は想いを言い合い来世で結ばれる約束をします。 ここから 死亡した描写はないわけですが二人とも死亡してしまったんです。 自分の死期ってなんとなくわかるものなのですね。 ですが、想いが通じ合ったのがせめてもの救いです。 【鬼滅の刃】おばみつ死亡の伏線があった! 無事当たって泣くほど喜んだけど、本誌ネタバレ流れてきて見て病んだし泣いた おばみつは永遠!!!! — ちょこうめ chocoume0506 このように、悲しくも死亡してしまったおばみつ。 200話完結説はありませんでしたね。 というか内容がキツイって! 1話で4人も死んだんですけど。 おばみつにしても義炭にしても悲しすぎるんですけど!? 扉絵からおいていく側じゃないですか。 — Nea. 亡くなったのは、 悲鳴嶼さん、おばみつ 一回死んだけど鬼になって生き返ったのが 炭治郎 という状態です。 こう見てみると、 写真で見て右側に描かれている人たちが死亡した人ですよね。 このようにがっつりと死亡伏線が張られていたわけです。 伊黒さんの来世へのこだわり しんどい……. おばみつ死亡フラグ…….. 今世で生き残って幸せになろう!!?!? — R! 上の画像で• 死にたがっている• 来世で蜜璃と結ばれたがっている ということが分かりますよね。 このことからも二人の死亡伏線が張られていたのかもしれませんね。 以上が死亡伏線についてでした。 これらを今思い返すと、死亡するのが確定していたように思えますね。 【鬼滅の刃】おばみつ死亡フラグまとめ このシーン、伊黒死亡の可能性高そうだけどもし伊黒も甘露寺も生き残ったとしたら 伊黒「甘露寺、俺は汚い。 だから俺は甘露寺のそばにいられない。 」 甘露寺「私は伊黒さんがどんな人だろうと一緒にいたいです。 」 っていうハッピーエンドになってほしいんだよマジで — 幻の銀侍🎐🌊🌙🐍 maborosiginzi 鬼滅の刃(きめつのやいば)おばみつ死亡についてまとめていきました。 おばみつが死んじゃうなんて悲しすぎますよね。 二人は最期の時間、お互いの気持ちを言い合ったようですが。 それだけが救いですよ。 死亡したのも伊黒さんが望んでいたことなので、二人にはよかったことなのかもしれません…。 ですが、おばみつの今後が見たかった……。
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