もくじ• 作品情報• 優秀作品賞• 優秀監督賞 — 大島渚• 優秀助演男優賞 — ビートたけし• 優秀音楽賞 — 坂本龍一• 優秀美術賞 — 戸田重昌• 作品部門・話題賞 最優秀作品賞をとってそうなイメージがある映画ですが、日本アカデミー賞では6部門ノミネート、残念ながら受賞まではいきませんでした。 確かに評価が人によってかなり変わる難解作品ですから仕方ないかもしれませんw公開当時もかなり賛否両論だったそうです。 あらすじ 1942年、英国陸軍中佐ジョン・ロレンスは日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの捕虜収容所にいた。 ロレンスは日本語が少し話せた為、他の捕虜と日本陸軍の兵との間に入る事が多く、所長のヨノイ陸軍大尉やハラ軍曹と不思議な人間関係を築いていた。 そこに新しく捕虜となった英国陸軍少佐ジャック・セリアズがやってくる。 セリアズは反抗的な態度ながら、その魅惑の容姿と雰囲気にヨノイは彼に惹かれていってしまう・・・。 キャスト、スタッフ 原作 — ローレンス・ヴァン・デル・ポスト 監督 — 大島渚 脚本 — 大島渚、ポール・メイヤーズバーグ 製作 — ジェレミー・トーマス 音楽 — 坂本龍一 ジャック・セリアズ — デヴィッド・ボウイ ヨノイ大尉 — 坂本龍一 ハラ・ゲンゴ軍曹 — ビートたけし ジョン・ロレンス英軍中佐 — トム・コンティ ヒックスリー俘虜長 — ジャック・トンプソン 金本 — ジョニー大倉 デ・ヨン オランダ軍兵士 — アリステア・ブラウニング フジムラ中佐 — 金田龍之介 イワタ法務中尉 — 内藤剛志 イトウ憲兵中尉 — 三上寛 拘禁所長 — 内田裕也 女性が1人も出てこないというのもこの映画の1つの大きな特徴と言えますね。 ホモセクシャルがメインテーマではない• 今の日本人こそ観るべき1本• 全てを洗い流す坂本龍一の音楽 描いたのは同性愛ではない 邦画でも屈指の難しさを誇る映画だと思う。 どういった解釈が正解なのか?そもそも正解の解釈があるのか?今作品の批評はまさに十人十色・・・当時の映画評論家でさえ感想が全く違う。 面白いのは意見が対立してるのではなく 違う感想になっているという点だ。 この映画は序盤に、朝鮮軍属の 金本という男が捕虜のオランダ人兵士を犯してしまい、それにより罰せられるというシーンがある。 これにより 同性愛=禁忌という認識を観客はすりこまれる。 その上で裁判のシーンにて、 セリアズに見とれてしまう ヨノイ・・・別に作中で説明があったわけではないけど、この時ヨノイはセリアズに 一目惚れしてしまったのだろう。 これは 二・二六事件で死ぬはずだった事を、ある意味で誇りとして生きているヨノイにとって、あまりにも衝撃的な 自我の目覚めになってしまう。 同時に日本人の高尚な精神性を守り、軍律に準じて生きている中で強い 自己矛盾と 葛藤を覚えてしまった。 剣術に勤しんでいたのは、抑えても無限に湧き上がってきてしまう欲情を拭い去る為・・・なんて 育ちの良い若者の青春なんだw 一方、 ハラと ロレンスの不思議な関係性が同時進行で描かれていく。 ハラは攻撃的で短気、 品性など生まれる前に捨ててきたような男だが、どこか子供っぽさを持っていて、日本語が話せるロレンスと少しずつ仲良くなっていく。 「 メリークリスマス!」ハラは、唯一覚えた英語をロレンスに何度も何度も嬉しそうに言っていた。 ヨノイや他の陸軍兵士には絶対に見せない純真無垢な笑顔で・・・。 なんと 粗雑な男の青春だろうかw 確かに舞台は戦時中のジャワ島だけど、見せられているものはまるで 学生達の群像劇だ。 今作品はあまりにもヨノイとセリアズの同性愛というイメージが強いが、それはあくまでも禁忌を犯してしまいそうなヨノイの心の揺れ動きを表現する為に使われた1つに過ぎない。 ヨノイの不器用な愛情と、 ハラの子供っぽい友情・・・そして、その対比をしつつ描かれた 日本人の愛らしくも奇妙な人間性こそ今作品の本質だと僕は解釈した。 1人で勝手に自己矛盾と戦い自制したり、愛情表現の仕方がわからず悩んだり、外国へのコンプレックスからくる憧れが強く、そこからにじみ出るミーハー気質、反面素直な吸収性・・・全て日本人らしさがあるよね。 そして何よりもラストシーンのハラの笑顔・・・ここにこそ 日本人の本質がよく描かれていた。 ラストシーンの真意 「 メリークリスマス、メリークリスマス!ミスターロレンス」 あまりにも印象的なラストシーンだよね。 現代映画の方程式が1つもハマらない 大島渚独自の論法で描かれていく今作品は、理解に苦しむ人も多いかもしれない。 それでも、このラストシーンに ビートたけしが笑って放った名ゼリフと、その直後に流れ出す 坂本龍一の名曲によって深く考えさせられてしまう。 「なんだろう?この映画・・・」 もはや大半の人は何について考えさせられてるのかさえもわからないのに、深く深くこの映画について考えてしまう。 僕は僕なりに1つの解釈に着地して今こうして書いているけど、他の全く違う解釈をした人を否定するつもりは全くない。 何なら「そういう解釈もあるのか!」と意見交換したいくらいだ。 それぐらい今作品は人によってとらえ方が変わると思う。 もし大島渚が狙って作ったとしても、天然でこうなったとしても・・・どちらにしても素晴らしい監督だ。 ちなみにラストシーンでのハラの笑顔、僕はロレンスに対する 感謝と 悔しさ・・・そして 悔しさを見せない為の気概を感じたよ。 ハラとロレンスの間には戦時下でも嘘偽りなき友情が育まれていた。 次の日に処刑が決まっているハラの所に会いに来てくれたロレンス・・・ハラは嬉しさもあるが、反面あまりにもやりきれない辛く悔しい気持ちも持っている。 でもその悔しさを友人であるロレンスには見せるべきではないんだよね。 だからこそハラは目を赤くするも涙を流さず、全力の笑顔でおちゃらけたんだ。 友人に気を遣わせまいとするその気概・・・これこそ日本人らしい相手への敬意の表し方であり、 最大限の礼儀だと言えるんじゃないだろうか。 坂本龍一、素晴らしすぎ 僕は 大島渚監督がこの映画を作って残してくれた事に感謝したいし、最大限の拍手を贈りたい。 今の日本人というのは老若男女問わず、僕も含めて腑抜けてしまったよねw景気が下がっただの、格差が広がっているだの、たまにストレスがたまると社会批判という大義名分を使って八つ当たりをしてみたり。 自身でもあまりよくないよな~と思いつつも、つい低俗な思考になったりしてしまう。 でもこの映画に出てくる日本人のヨノイとハラは全く違う2人だけど、どちらも 高貴な精神性を持っている。 それは現代の日本人が忘れてしまったものだ。 つまり今作品を誰も観なくなり、観ても理解できなくなってしまった時こそ、日本人という民族の消滅なのかも・・・なんて 三島由紀夫みたいな事を思ってしまった。 三島と対談した事がある大島渚監督もどこかで意識していたんだろうか。 余談が過ぎたけど、最後に 坂本龍一について。 まるで映画全体を優しく包み込むような名曲だ。 特にエンドロールへの入り方は異常な余韻を作り出している。 この映画で描かれる同性愛、友情、戦争、人間の生き方など様々な物事全てにフィットする不思議な旋律、もはや天才という言葉じゃ安っぽく感じるレベル。 それもたった1曲の音楽で・・・どういう感性をしてるんだか、素晴らしすぎるよね。 この曲を「映画の音楽なんだ!」と言えるのはシネフィルにとって、そして日本人にとって 大きな財産だよ。 評価、視聴方法 これぞ異色のキャスティング 大島渚監督は生前に「俳優は演技よりも人物そのものが大切なんだ」みたいな事をおっしゃったそうです。 この映画の為の言葉と言っても過言ではありませんよねw デヴィッド・ボウイ、 坂本龍一、 ビートたけし・・・確かに3人とも俳優が本業ではないですし、決して演技が上手なわけではありません。 ですが 三者三様の異彩を放っているというのは、さすがであり何とも不思議な光景でしたね。 この作品で坂本龍一は初めて映画音楽を手掛け世界にその名を轟かせました。 ビートたけしは後に 世界の北野と呼ばれる素晴らしい映画監督になっていきましたが、大島渚監督にはかなり影響をうけたそうです。 これ程まで異色の才能が集った映画は他にないかもしれません。 今は令和の時代ですが、是非若い世代にも昭和の名作を堪能してもらいたいと思います。 心地よい見応えがありますよ。 「戦場のメリークリスマス」の視聴方法 Amazonプライムなら 年間プラン4,900円(税込)または 月間プラン500円 税込 で映画の他にも 松本人志のドキュメンタルや アニメ、 primeオリジナル作品なんかも見放題なのでお得ですよ! 大島渚監督の事を「僕と大島は戦友だった」と語った 篠田正浩監督のも、今作品と同じく戦時中のお話を綴った映画でかなり素晴らしい名作なので心よりオススメしますよ! では、良き映画の時間をお過ごしください。
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映画戦場のメリークリスマスのあらすじ 1942年、日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所で、朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)がオランダの男性兵デ・ヨンを犯す。 日本語を解する俘虜(捕虜)の英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、ともに事件処理にあたった粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と奇妙な友情で結ばれていく。 一方、ハラの上司で所長の陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)は、日本軍の背後に空挺降下し、輸送隊を襲撃した末に俘虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)を預かることになり、その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられてゆく。 同時にカネモトとデ・ヨンの事件処理と俘虜たちの情報を巡り、プライドに拘る空軍大佐の俘虜長ヒックスリー(ジャック・トンプソン)と衝突する。 東洋と西洋の宗教観、道徳観、組織論が違う中、各人に運命から届けられたクリスマスの贈りものが待っていた。 wikipediaより 完成度がとにかく低く、話が一本につながっておらず、シーンがぷつっと途切れたり、何十分にも及ぶ回想シーンがいきなり入ってきたり、とにかくまとまりがなく、そのうえ尺が長いという控えめに言っても駄作です。 複数の国の合作のくせにスケールがとにかく小さく、誰かの家の庭で撮影したのかなと思うぐらい、同じ風景の連続なのがダメです。 戦争の悲惨さを描きたいのか、信仰や文化を超えた人間性を描きたいのか、それとも日本軍の狂気を描きたいのかどっちつかずで、生死の狭間に立たされた登場人物たちから緊張感がこれっぽっちも伝わってこないです。 日本軍の捕虜への待遇、欧米コンプレックス、武士道、同性愛、敵軍同士の友情などを取り上げた、というのは聞こえが良すぎる解釈で、なんだかんだいって結局は「メリークリスマス」が言いたいだけの話になっています。 内容はほとんど同じだけど、アンジェリーナ・ジョリーが撮った「」のほうが面白いし、同じクリスマス戦争映画「」にすら劣ってます。 なぜかこの映画、一部の日本人にすごく評価が高いんですよね。 外国人でこの映画をいいっていう人には会ったことないけど。 だって馬鹿馬鹿しいじゃないですか、日本軍が第二次世界大戦中に捕虜に親切に英語を使って喋ってるって。 通訳だけが英語を使うならまだしも、ほぼ全員英語喋るからね。 収容施設の看守だけじゃなく裁判で裁判官まで英国人の被告人を英語で裁いてくれるとか、みんなただのいい人だろ。 じゃあ、なにかい。 日本人がアメリカ軍に捕まったらアメリカ人がみんな日本語で喋ってくれるわけ? そんな配慮があるんだったら最初から戦争してないから。 これをアイデンティティのぶつかり合いとか言われてもね。 出演者の滑舌の悪さはおそらく映画史上ナンバーワンなんじゃないかな。 軍曹ハラ(ビートたけし)とジョン・ロレンス(トム・コンティ)の会話はカンボジア語かよってぐらい、何を言ってるのか分からないし、特にロレンス役のトム・コンティのグダグダぶりには笑うしかないです。 日本語全部棒読みだし、表情とイントネーションが全然合ってないし、なんでわざわざ彼を選んだのか理解に苦しみます。 まともに演技ができてたのはデヴィッド・ボウイぐらいだろ。 こんな映画から坂本龍一の名曲「戦場のメリークリスマス」が生まれたのは奇跡としかいいようがありませんね。 そしてその名曲の使われ方にも問題があって、太陽の光でカンカンに照らされた朝のジャングルというシチュエーションで冒頭からこの曲をぶっこんでくるセンスのなさには唖然とします。 おそらく今では「戦場のメリークリスマス」を聞いたことがある人もこの映画は見たことがないっていう人がほとんどじゃないかな。 もう曲が完全に一人歩きして、この映画から独立していますよね。 それでいいと思うし、この曲、よく死ななかったなあ、と不思議に思います。 戦場のメリークリスマスは以下のサービスの無料体験で視聴できます。 >> >> shです。 こんにちは。 あまりの低得点に、うわ!と驚きましたが、今思えば、確かにストーリーは単なるエピソードの羅列という感じでしたね。 坂本龍一の棒読み演技もスゴかったですし。 ただ、高校生の頃に映画館で観た時は不思議なぐらい感動しました。 ぎゅうぎゅう詰めの立ち見で痴漢まで出没してたのに、中盤からラストまで完全に引き込まれて夢中で観てました。 映画男さんの仰っている欠点(滑舌の悪さ、不自然な言語設定、演技のまずさ、脚本の説明不足等)は、当時の私でも分かるぐらい明らかだったんですけどね。 今の私が、この映画を観てどんな風に感じるのか、確かめてみたい気もします。 こうして昔に観た作品のことを懐かしく思い出せるのも、このブログの面白いところだなぁと思います。 ありがとうございました!.
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いや、彼の過去は彼のものだからヨノイはきっと聞かないだろうし話さないかもしれない。 あの一瞬で語り合うよりも直接的な何かが伝わっていたらいいなぁ、 現代の我々は曲がりなりにも文化を相対化して見る癖がついていると思うけど、おそらく彼らにそんな意識はない。 日本にキリスト教のような「神様」は居ないし(もしかしたら天皇のことを言っていたのだろうか?? 遠藤周作の「沈黙」 とスコセッシ監督の同名映画 では、日本文化とキリスト教をはじめとする西洋文化はどうやっても馴染まないよ!って言っていたと思ったけど、この作品は「表現の形は違っても人間は普遍なんだよ」って言ってるように見えた。 時が進んだから? ずーっと英語を理解しようともしなかったハラが英語を理解するようになって、しかし頭を丸めて数珠を付けて、それでも彼はクリスマスを祝うのだ!• まず、ロレンスが何言ってるかわからない。 冒頭あたりは2度見たのだが、やはりわからなかった。 なまりが強すぎる。 そして、坂本龍一さんの演技。 ひどすぎる。 なぜこれでOKにしたのだろう。 歴史や宗教観、敵対している相手との友情、複雑なテーマがあることはわかるのだが、映画というのはストーリーも大事だが、まず演技がしっかりしていないといけないし、恥ずかしくなるような演技があることで余計な雑念が入り映画に集中できない(たけしさんは自分の演技を見てられないと言っていたらしいが、そこまで下手という感じはなく、自然体だったと思う)。 それに対して、デヴィッド・ボウイの存在感。 演技もうまいしかっこいい。 正直デヴィッド・ボウイに申し訳なくなる作品だった。 みるタイミングを間違えたのかな。
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