文科省統計によると、ここ15年の間に、不登校児童生徒の割合が小学校で1. 9倍、中学校で2. 2倍(以下同様)、校内暴力件数が1. 9倍と1. 4倍、日本語指導の必要な外国人児童生徒数が共に2. 6倍、発達障害等のある通級児童生徒数が4. 7倍と14. 8倍、要生活保護準要保護の児童生徒数が1. 6倍と2. 0倍に増えています。 学校をめぐる問題の多発化と多様化が、これらの数字に示唆されています。 そして、こうした問題は、これまでの解決のやり方や枠組みでは対処が困難な、複合的で構造的な性質の案件が少なくありません。 他方、全国の公立小中学校の年齢別教員数をみると、2012年3月現在で53歳の24,114人をピークに直線的に下降線をたどって25歳で一万人を割り、23歳は5,471人にすぎません。 現職教員の全員が定年まで勤務したとしても、今後10年間に199,489人の教員が退職します。 これは全体の35. 7%になります。 すなわち10年後の小中学校の年齢別教員分布はV字型になり、学校運営の中軸を担う中堅教員が少なくなる一方で、経験の浅い教員が大量に誕生することになります。 東京都では、現在すでに、この傾向が生じています。 適切な対応策を早急にとらなければ、各学校の教育力が低下することは明らかです。 同時に、対応策もまた明らかです。 学校の直面する問題が従前経験したことのないほど複合的で構造的であり、しかも問題に対処する学校内の態勢が十分でない面を抱えているとするならば、そうした問題に対応するには教員養成と現職教育を抜本的に改めて大学院レベルとし、個々の教員のその協動の質を向上させる外はないと考えられます。 東京学芸大学教職大学院は、この課題に挑戦しています。 「協働する力ある教員を!」を指針として、学校およびそこで学ぶ子どもの文脈と課題を読み解き、教育プログラムとして開発する専門性、それらを実行する実践的指導力、そして何よりも、教員集団としてチームを組み、保護者や地域や他機関等と連携して対応する社会性を備えた教員を輩出することに努め、大きな成果を上げています。 本教職大学院で、共に学び合いませんか。
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私事ながら3月31日をもちまして、東京学芸大学教職大学院を退職します。 学部時代の4年間、埼玉県の長期研修生として1年間、そして教職大学院・准教授として3年間。 計8年間、東京学芸大学でお世話になりました。 3度目の卒業です。 4月からは、一般社団法人軽井沢風越学園設立準備財団・副理事長として、2020年の開校を目指して全力を尽くします。 小学校現場から大学に来たのは2015年。 教師教育者の初任者としてのスタートでした。 教師教育者としての専門性とは何か?を突きつけられた緊張感は、今もリアルに覚えていますし,今なお自分の大きなテーマでもあります。 本学の先輩方、同僚の方々の支えなくてはこの3年間はありませんでした。 前専攻代表・成田喜一郎先生、現専攻代表・伊藤良子先生始め、同僚の先生方と、素晴らしい職場に改めて感謝しております。 最初の頃の研究室。 この後院生の方々と「研究室リフォームプロジェクト」に取り組んだのでした。 最近はこんな感じでした。 部室みたいな日も。 院生と対話する時間は何より楽しかった。 3年間、授業は主に「学校づくりと学級経営」、「カリキュラムデザイン・授業研究演習」、「学校教育ファシリテーターの養成」を担当してきました。 学級経営は重要といわれながらあまりにも学際的であるため学問領域として成立しておらず、大学でも授業があまりない状態です。 学芸大でその授業を担当することで、教員養成プログラムそのものを考える機会にもなりました。 最近は授業がおもしろくてたまらない!という感じです(幸い来年度も非常勤で、選択科目を担当させていただきます。 教師教育の現場に3年間どっぷりつかれたこと、そこで体験したこと、気づいたこと、学んだことは本当に大きい。 実務家教員とはどのような役割なのか、教師教育者としてどのような専門性を磨いていくべきなのか」という問いの探究はまだ道半ばであり、その探究がおもしろくなってきている今、突き詰められないまま退職することには大きな心残りもあります。 一旦教師教育の現場は離れますが、これからも教師教育には積極的に関わり,研究を続けていく所存です。 今研究しているナラティブ探究を続けるとともに、セルフスタディを学ぶ必要を感じています。 学卒の院生、現職の院生の方々との出会いと学びは、日本の教育の未来の可能性を思いっきり感じる時間でもありました。 教員養成や教師教育が変われば日本の教育もグッと動くのではないか、そんな確信を持つことができました。 これまでの教育の前提の問い直しが起きた方々の実践や学びは本当に力強い。 だからこそ大学や教職大学院はもっともっと変わっていかなくてはならない、そう思います。 その点で、3年間の同僚との試行錯誤、なにより「スタンプラリーのカリキュラム」から「統合型カリキュラム」への変革をもっともっと進めていく必要があります。 現場にいてはできないことでした。 (来年度も継続して関わらせていただく、小金井市立小金井第三小学校、徳島市立入田小学校では、秋に研究発表があります。 ぜひお越しくださいね。 ) 学校を外から支援するとはどういうことか、学校組織が変化していくとはどういうことか、リアルな場面でその学校の先生方と一緒に考える機会に恵まれました。 充実した3年間でした。 院生の皆さんともっと学びたい、教師教育をもっと前に進めたい、そんな思いは今も強くあります。 「せっかく大学教員になったのに、なぜ辞めるんだ?」とお叱りを受けたことも少なからず… 本当に悩みに悩みました。 特に現学卒1年生の皆さんには,修了まで伴走できず申し訳ない気持ちでいっぱいです。 本当にごめんなさい。 違う形でみなさんの学びに関わりたいと、本気で思っています。 日本の学校教育を前に進めるために。 一人ひとりが「自由だ、幸せだ」という実感を持つ社会のために、どんな学校や教育がありえるのか、を考え、実現していくために。 軽井沢風越学園設立を目指して全力で動きます。 このチャレンジは,自分のリソースをすべて注がないと成し遂げられない大きなものです。 本城慎之介という信頼し尊敬するパートナーに出会ったからこそ決断しました。 これからたくさん迷い悩むはず。 失敗もたくさんするでしょう。 それってすごく大事だと思っています。 丁寧にそこに向き合っていきたい。 本城となら、それができる。 信頼し尊敬するもうひとりのパートナー、苫野一徳が公教育の原理を示してくれています。 次は実装です。 このフェーズが一番大事だと確信しています。 ぼくだからこそできること、が次のチャレンジにもあるはず。 2020年以降、具体的な現場、具体的な情景、具体的な子どもの姿、具体的なぼくらの姿で、この選択が間違っていなかったことを示せたら,と思っています。 不安がないと言えばウソになりますが、それを上回るワクワクがあります。 人はたいていワクワクする方に進めば間違いない(当社比)。 それくらい力強い原理を苫野が示してくれている。 苫野がいるから、思い切れる。 あとは迷いつつ,悩みつつ、進むだけです。 先述しましたが、 4月からは一般社団法人軽井沢風越学園設立準備財団・副理事長として、学校づくりに専念します。 2020年に向けてカリキュラムづくりや、学校組織のデザイン等に取りかかります。 力を貸してください。 一緒に考えたいです。 風越コラボ等を通じて、多くの人と一緒に一人ひとりが「自由だ、幸せだ」という実感を持つ社会のために、どんな学校や教育がありえるのか、を考えていきたいです。 一緒に考えたいです。 それぞれの場に合う形での実装を共に目指したいです。 設立に向けて、創設メンバーと共に丁寧に丁寧に進んでいきます。 とてもとても楽しみです。 研究室もすっかりきれいになりました。 (手伝ってくれた方々ありがとうございました!) この3年間、ぼくと関わってくださったすべての方々にこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。 本当にありがとうございました。 そして今後ともよろしくお願いいたします。 今はとてもスッキリした気持ちです。 そしてワクワクしています。 東京学芸大学教職大学院、素晴らしい場でした。 幸せな3年間でした。 では、ちょっくらいってきます! 平成30年3月29日 木 岩瀬直樹 編集部より:このブログは一般社団法人「軽井沢風越学園」発起人、岩瀬直樹氏(東京学芸大学准教授)のブログ「いわせんの仕事部屋」2018年3月29日の記事を転載させていただきました。 オリジナル原稿をお読みになりたい方はをご覧ください。
次の教職大学院とは 2020年からの教育改革など、近年は教育機関において高度な専門的職業能力が求められています。 子供がいかにして学ぶ意欲を継続することができるかだけでなく、学力の低下や自主性の低下、いじめや不登校問題など、学校教育はさまざまな課題を抱えています。 こうした社会の変化や課題に対応するために、高度な専門性と力量ある教員が求められています。 教職大学院では、子供に対する指導力を高められるなど、教育現場に必要なスキルを養うことができます。 教職大学院の概要 文部科学省が掲げている教職大学院の概要は、以下のとおりです。 教職大学院は、1. 学部段階での資質能力を修得した者の中から、さらにより実践的な指導力・展開力を備え、新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成、2. 現職教員を対象に、地域や学校における指導的役割を果たし得る教員等として不可欠な確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダー(中核的中堅教員)の養成の2つを主な目的・機能としています。 (引用元:) 大学の学部で学んだ知識をさらに深めることで、教育現場で必要な専門性を高めることができるのが、教職大学院の大きな特長です。 日本にある教職大学院について 文部科学省によると、日本の教職大学院は、国立大学と私立大学を含め、各都道府県に1大学以上あります。 東京近郊では東京学芸大学・横浜国立大学・玉川大学・帝京大学・早稲田大学に教職大学院が設置されています。 参考 学費はどれくらい? 教職大学院の学費は、学校によって異なります。 大学院は2年制となりますが、国立大学と私立大学の場合の学費を比較してご紹介します。 まずは、東京学芸大学大学院教育学研究科は、学費が年額535,800円、入学料が282,000円、入学試験検定料が30,000円で、合計847,800円となります。 一方、私立の早稲田大学大学院の場合は、学費と諸会費を含めて1,393,500円となります。 私立大学の方が比較的高い傾向にありますので、転入学を検討する方はあらかじめ学費の比較をしておくといいでしょう。 参考 ) 教職大学院の就職率は? 教員になるためには、大学・短期大学・専門学校を修了し、教員免許を取得する必要があります。 教員養成課程の学部を卒業した場合と、教職大学院を卒業した場合とでは、就職率などに差はあるのでしょうか。 参考 教職大学院にはどんなメリットがある? 教職大学院へ進学することで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。 教職大学院は学部からの進学者だけでなく、教職経験のある教員も養成の対象となっています。 標準修業年限は2年で、45単位以上が修了の要件となっており、「教職修士」の学位を受け取ることができます。 しかし、「学部の知識や経験でも十分なのでは?」「教職大学院ってそもそも何?」という方も多く、教職大学院自体の認知度は決して高くはないようです。 そこで今回は、教職大学院のメリットについてご紹介します。 参考 人脈が広がる 教職大学院の専任教員の中には、都道府県から派遣された現職教員や教育委員会の関係者、公立学校の校長経験者など、豊富な実務経験を持っている方が多いといいます。 さらに、10単位以上の実習が義務化されているため、実習先の学校現場で現職教員から直接アドバイスを受けることができます。 それにより、在学期間中から多くの教育関係者と交流を持つことができ、人脈が広がるというメリットがあります。 人脈が広がることで、教員として現場に立つ際にも相談できる仲間が持てるようになり、精神的な支えになるでしょう。 在学中に教員としての実践力を高められ、さらに同級生である現職教員の院生や指導教員、実習校の教員との交流を通して、教員としての自信を育むことができます。 指導力を高めることができる 教員には、学校での指導力が求められます。 子供たちや学生たちとどのようにコミュニケーションをとるべきなのか、教員として働く方の多くが悩みを持つことでしょう。 教職大学院では指導関連科目が設けられているため、それぞれの教科の指導力を高めることができます。 少人数授業で相談もしやすい環境にあることから、実習を通して感じた疑問について共有することができ、教育現場で働く自分の姿をイメージしやすいというメリットもあります。
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