電流のはたらき 【授業プラン】 「電流のはたらき」 (6年) 加藤 幸男 2010.3 【学習計画】 1. 2. 2h扱い 3.巻き数 4. 電池の数 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 【学習プラン】 1.電磁石の性質とはたらき <ねらい>・導線を巻いたものをコイルと言い、電流を流すと鉄のしんが磁石になる。 ・電磁石は電流を流している間だけ、磁石のはたらき(鉄をひきつける)がある。 1.これから電磁石というものを学習しますが、先ず、磁石にはどんな性質やはたらきがあったでしょうか。 ・鉄を引き付ける。 ・砂鉄もくっついたよ。 ・N極やS極がある。 ・同じ極どうしは退けあう。 違う極どうしはひきつけ合う。 ・自由に動けるようにすると、南北を向いて止まる。 片方には、何か秘密のものが入っています。 2.出ている導線に電流を流してみよう。 二つの鉄をくっつけるとどうなるだろうか。 電流を流すのをやめるとどうなるだろう。 急に離れることもあるので注意。 ・乾電池1個の電流だけで、くっついて離れない。 すごい。 ・電気を流すのをやめると、くっつかなくなった。 秘密のものは、導線をまいたもので、『コイル』と言います。 コイルに鉄しんが入っていて、電流を流すと鉄しんが磁石になるものを『電磁石』と言います。 3.コイルに鉄しんを入れよう。 乾電池で電気を流して、クリップを引き付けてみよう。 永久磁石と比較して、電磁石のいい点は何でしょうか。 ・クリップが10個くらい付いた。 ・電池をはずすとすぐクリップも離れる。 ・必要な時だけ、磁石の力が使える。 4.鉄しんでなく、アルミニウムや銅のしんでは磁石になるでしょうか。 ・アルミや銅では、クリップをひきつけない。 ・アルミや銅は磁石にはならない。 鉄しんだけが磁石になる。 5.みんなにも一人ひとり、電磁石を作ってもらいます。 今日は、作る準備をします。 ・セットの箱、中身に名前を書く。 2.電磁石の極の性質、一重巻きコイルをつくる(2h) <ねらい> ・電磁石にもN極やS極があり、電流の向きを変えると極も反対の極に変わること。 ・実験ができるように、一重巻のコイルや配線プラグを組み立てる。 紙やすりで導線のエナメルを5センチぐらい削ります。 1.コイルに鉄芯を差し込み、電池をつないで、鉄のものを引き付けてみよう。 ・クリップ、くぎが引きつけられた。 2.ふつうの磁石にはN極やS極がありました。 電磁磁石にはN極やS極があるのでしょうか。 何で調べたらいいだろうか。 <予想> ア、極はある。 イ、極はない。 <確かめる方法> o方位磁針で調べる。 反対の端にも近づけてみよう。 ・一方の端はN極、もう一方の端はS極がひき付けられた。 3.乾電池の向きを変えて、電流の向きを変えたら、電磁石の極はどうなるだろうか。 <予想> ア、極は変わらない。 イ、極が反対になる。 ・極が反対になった。 ばねのようになった人はOK。 一重巻きでやめて,もう片方の端に巻いて固定しておく。 リード線や接続プラグの準備をしよう。 接続プラグをとりつける。 3本作る。 1.みんなが作った黄色コイルに電池をつないで、くぎをつけてみよう。 何個ぐらい付くかな。 2.この電磁石は磁力が弱くて、あまりクリップがつかないようです。 電磁石の磁力を大きくして、たくさんクリップをつけたい。 どうしたらいいだろう。 <予想> ア、乾電池の数を増やせばいいのではないか。 イ、 コイルの巻き数を増やせばいいのではないか。 3.コイルの巻き数を増やすと、磁力が増すのだろうか。 折り返してきっちり隙間なく、きれいに巻くのがコツです。 やってみよう。 1.電磁石の磁力を大きくして、たくさんクリップをつけたい。 どうしたらいいだろう。 2.乾電池の数を増やすと磁力が強くなるか調べよう。 ・乾電池の直列つなぎは、豆電球が明るくついた。 モーターも早く回った。 ・並列つなぎは、豆電球の明るさは同じだが、長持ちする。 電磁石に何個のクリップがつくか確かめよう。 ・たくさん付くようになった。 3.実験の結果をまとめよう。 ・直列の乾電池の数が増えると、つくクリップの数も増える。 ・比例ではないが、電池が増えるとクリップの数も増える。 熱が出ると、電気があまり流れなくなる。 ワニ口グリップの接続部分など、しっかりつながっていないと、電気がよくながれない場合がある。 (接触抵抗) 5.電流と磁力(電流計の使い方) <ねらい> ・電磁石は、流れる電流が大きいほど磁力が強くなる。 ・電流計の使い方がわかる。 1. 乾電池の数を増やすと、電気の何が大きくなるから磁力が増すのだろうか。 ・電流がたくさん流れる。 電流計で計ることができます。 2. 乾電池1個の時の電流を調べよう。 その時につくクリップの数も数えよう。 乾電池2個、3個に直列につないだ時の電流を調べよう。 ・電池の数が増えると、電流が大きくなる。 3.電源装置で、乾電池以上の電流を電磁石のコイルに流してみよう。 <教師実験>どの位クリップがつくかな。 6.コイルの磁力(鉄しんをぬいたコイル) <ねらい> ・電磁石は、コイルの巻き数を増やすと、磁力が強くなる。 ・鉄しんのないコイルだけでも、電気が流れると磁力が生じることを理解させる。 1.コイルの巻き数を増やすと、磁力が増しました。 60回巻き(一重巻き)、120回巻き(二重巻き)のコイルで比べてみよう。 <教師実験> 前の机に集りましょう。 電源装置を使って、同じ電流を流して、比べてみよう。 やってみよう。 コイルに電気が流れると鉄しんは磁石になるのです。 2.電磁石から鉄しんをぬいたコイルに電気を流します。 磁力は生じるでしょうか。 <予想> ア、磁力は鉄しんがある時と変わらない。 イ、 磁力は弱くなるがある。 ウ、磁力はなくなる。 3.120回巻きコイルから鉄しんをはずして、磁力が生じているか確かめよう。 ・くぎはコイルにはつかない。 磁力はないのではないか。 ・方位磁針の針が動いている。 コイルには磁力が生じている。 ・鉄くぎが中に引き込まれた。 弱いけど、コイルには磁力が生じている。 鉄しんを入れると鉄しんが磁石になり、磁力も強くなるのです。 コイルの巻き数を減らしていくと最後には1本になります。 4.この1本のエナメル線も、電気が流れると磁力が生じているのでしょうか。 ・線をたくさん巻くと強くなるから、その元となる1本にも、磁力が生じているのではないか。 エナメル線と方位磁針 の針を真上にそろえてから、電気を流そう。 ・針がちょっとだけ動いた。 1本の線にも磁力があった。 7.コイルモーターつくり <ねらい> ・コイルモーターを作り、コイルに電気が流れると磁力が生じることを理解させる。 ・モーターは、コイルに生じた磁力が永久磁石の極と反発したり引き合ったりして回ることをとらえさせる。 <準備物> ・単1乾電池1個、ゼムクリップ2個、 エナメル線(0.8mm)70cmくらい、 永久磁石1個(セットに入っているもの)、 プロッキーペン、紙やすり、板、セロハンテープ、ラジオペンチ、 1.コイルに電気が流れると、磁力が生じました。 そのことを利用して、簡単なモーターを作ってみましょう。 クリップをのばしたものを、回転子の軸受けにします。 乾電池の両極に、セロテープで取り付けます。 (2)次に回転子を作ります。 両端を束ねるように2回ほど巻いてとめる。 ちょうど真ん中でとめるのがコツ。 エナメルがはがれたかどうか見にくい場合には、油性マジックペンで印をつけておく方法もある。 自分で好きな形・好きな大きさ・好きな巻き数のコイルを作って、いろいろ試してみましょう。 コイルの重心が回転軸からずれないように注意させる。 8.モーターと発電(モーターを回したら) <ねらい> ・モーターを回すと電気が流れることを理解させる。 ・発電は、火力・水力・原子力などのエネルギーで発電機(モーター)を回して発電していることを理解させる。 モーターは、電磁石と永久磁石とで作られています。 電気を流すと回転します。 1.では、逆にモーターを回したら、電気が流れるのだろうか。 ア、電気が流れる。 イ、電気は流れない。 <確かめる方法> oモーターを回して、豆電球がつくか確かめる。 ・豆電球がついた。 モーターが回ると電気が流れた。 モーターは発電機なのです。 2.ゼネコンは「手回し発電機」です。 このゼネコンで電気を起こして、いろいろなもの(別のモーターや豆電球)につないでみよう。 (豆球を切らないようにゆっくり回すこと) ・早く回すと明るい。 ・なかなかつかない。 つけるのは大変だ。 ゼネコンを逆に回すとどうなるかな。 ・ハンドルを逆回しにすると、モーターも反対に回る。 クリップをひきつけてみよう。 もう片方のゼネコンはどんな動きをするだろうか。 ・生き物のようにのた打ち回っておもしろい。 ・モーターなどにつながっていると重い。 3.私たちが毎日使っている電気は、発電所でつくられています。 どんな発電方法があるだろうか。 どうやって発電しているのだろう。 ・火力発電、水力発電、原子力発電、風力発電などなど。 ・火力で水を蒸気にかえて、蒸気の噴出す勢いでタービン(はね車)を回し、モーターを回す。 9.スピーカーの分解 <ねらい> ・スピーカーには、電磁石のはたらきが使われていることを理解させる。 ラジカセなどには、音を出すためのスピーカーというものが入っています。 これがスピーカーです。 1.スピーカーをラジカセにつない(外部出力)で、音を出してみよう。 どこか動いているかな。 ・真ん中の光る所がよく振動している。 ・幕(コーン)が振動して、音が出ている。 2.スピーカーから出ている導線に、乾電池をつないだらどうなるだろうか。 ・ガサガサと音が出る。 コーンが浮き上がったりする。 ・乾電池を反対につなぐと、コーンが引き込まれる。 はさみを近づけてみよう。 ・はさみが引き付けられた。 磁石がある。 3.スピーカーはどんな仕組みになっているのか、コーンを少しずつ切り取って、分解してみよう。 (導線を切らないように) ・コーンがけっこう無くなっても音が出る。 ・中にはコイルが巻いてある。 丸い磁石にはまるようになっている。 磁石のところに入れると音が出る。 電磁石のはたらきで、音が出ているのです。 ・ピョコンとコイルが飛び出た。 乾電池を反対につなぐとコイルが引き込まれた。 4. みんなも分解してみよう。 10.スピーカーを作る <ねらい> ・コイル、磁石、音を伝えるものの3つがあれば、何でもスピーカーになることを理解させる。 〔準備〕 oコイル…エナメル線0. 1.スピーカーはどんなものでできていただろうか。 確かめてみよう。 コイルの両端は,エナメルを紙やすりでけずっておく。 11.電流と発熱 <ねらい> ・電線に電気が流れると発熱することが分かる。 ・電気の流れる量が多くなるほど多く発熱する。 1.エナメル線 太さ0. 4mm,長さ約40cm を温度計の液だめに巻き付けて,乾電池につなぎ電気を流します。 温度計の目盛りは、エナメル線に電気を流す前より,上にあがるでしょうか。 ・電磁石のときに熱くなったから、温度が上がるのではないか。 ・熱くなる線もあるけど、エナメル線は上がらないのではないか。 2.乾電池1個で、温度が上がるか実験してみよう。 両端は5cm残して巻く。 <結果>温度計の目盛りが上がる。 <わかったこと>導線に電気が流れると、温度が上がる。 3.ドライヤーのように,電気が流れると熱を出す家電製品があります。 他にどんなものがあるだろうか。 ・電気アイロン,電気カーペット,電気ポット,電熱器など。 4.シャープペンの芯は電気が流れます。 これもたくさんの電気を流したら、たくさんの熱が出るだろうか。 5.1000Wの電球に少しずつ電気を流してみよう。 フィラメントは熱くなるだろうか。 光はどうだろうか。 電線に電気が流れると、発熱する。 ・スチロールカッターを作って、スチロールを切断して楽しむ。 1.これはニクロム線という電線です。 電気を流すととても発熱します。 これに電気を流して、発泡スチロールを溶かして切ってみよう。 2.一人ひとり、スチロールカッターを作ろう。 太いほうのニクロム線をつけよう。 3.スチロールを溶かして切ってみよう。 どうしたらいいだろう。 ・乾電池を増やして、電流を増やしてみよう。 13.電熱線の太さと発熱 <ねらい> ・太さの違う電熱線 同じ長さ に同じ電圧をかけて電気を流した時、太い電熱線の方が発熱が大きいことに気付かせる。 教材セットには太さの違う2本のニクロム線が入っていました。 1.太さの違うニクロム線に、同じ電源から電気を流します。 どちらのニクロム線が、たくさん発熱するだろうか。 ニクロム線の発熱が大きくて温度が高い方が、早く溶け切れる。 ・あまりこだわらず、さらっと聞く。 2.乾電池1個分のパワー 電圧 で電気を流します。 どちらの線が早くスチロールが溶け切れるか、実験してみよう。 【実験結果】 太いニクロム線の方が早く取れ切れる。 【まとめ】太いニクロム線の発熱が大きい。 3.乾電池2個分のパワーで電気を流すと、溶け切れるはやさはどうなるだろうか。 ・どちらもすごくはやく溶ける。
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学年・教科 5年・理科 単元名 「電磁石の性質とはたらき」 単元のねらい 電磁石の強さの変化を電流の強さ,コイルの巻き数の条件を制御して調べるとともに電流のはたらきについての見方や考え方をもつことができる。 いつ学習するの? 単元の指導計画 電磁石の性質を調べる 電磁石を強くする方法を調べる 電磁石を利用したおもちゃをつくる 日常的に使用している電気製品の中にも,電磁石の性質を利用したものがあり,その利用のされ方を具体的に知ることで,目に見えないエネルギーの使い道の多さに気づかせ,おもちゃづくりに気づきを生かせるようにする。 実施時間 約10分 用意するもの• どんな活動をするの?• ワークシートのマンガの部分を読んで,電磁石の性質を利用して動くモーターの仕組みを知る• 児童A: 電磁石が同じ極の磁石を退けるというはたらきを利用して,モーターは回転するんだね。 児童B: 電磁石は「引き付ける」と「退ける」の2つのはたらきをすることができるんだね。 ワークシート下部を使い,電磁石を利用したモーターの回転によって,どんなはたらきが生み出されているかを考え,話し合わせる。 児童A: モーターは回転させるだけではなく,風を起こしたり,振動させたりするはたらきにも使われているんだね。 先生:教科書の実験では,電磁石を使って鉄を引き付けましたね。 でも電磁石を使うと,それ以外にもたくさんのはたらきを生み出せることが、わかりました。 このはたらきをうまく生かせるように考えて,おもちゃをつくりましょう。 子どもたちに気づかせたいキャリア教育の宝• 学習した知識は,日常の中で多く利用されている。 科学的な性質やはたらきは,見方や発想を変えることで,多くのことに利用できる可能性を秘めている。 もっと知りたい職業のこと.
次の手作り電磁石を作った感想の中に「コイルは磁石みたいだった」という気づきがあったので、この気づきを学習問題として取り上げることにした。 電磁石は磁石と同じなのだろうか。 見ているけれど、よく観察してみたら違うものかもしれない。 そこで普通の磁石(永久磁石)と電磁石を比べてみることにした。 そのためには磁石の性質をよく知らなくてはいけない。 そこで実際に磁石を手にして磁石の性質をさぐった。 「磁石ならこうなる」という磁石の特徴をつけよう。 磁石を手にするのは、3年生のとき以来3年ぶりになる。 いろいろなものをくっつけてみては電磁石遊びに興じていた。 用意したものは、金属片(鉄、銅、アルミニウム、鉛)、方位磁針、砂鉄などである。 子どもたちは次のような磁石の性質を見つけた。 ・鉄、砂鉄電磁石がついた。 アルミ、鉛、銅がつかない。 ・水の上でカップに乗せたまま磁石を浮かせておくと、勝手に回って北を向く。 ・コンパスを動かせる。 ・砂鉄がつく。 ・同じ極同士ではくっつかなくて、違う極同士でくっつく。 このような磁石の性質を見つけたあと、電磁石と比べてみた。 電磁石は磁石と同じかどうか、実験をして比べてみよう 磁石で試した実験(上記の内容)について電磁石でも同じように試していった。 その際に〈同じところ〉〈違うところ〉を見つけるようにした。 子どもたちはすぐに〈同じところ〉を見つけることができた。 〈同じところ〉 ・コンパスを動かせる。 釘がつく。 砂鉄がつく。 鉄片がつく。 ・銅、アルミニウム、鉛がつかない、釘がつく。 ・同じ極だとくっつかない。 違う極だとくっつく。 こうした気づきがあった。 〈違うところ〉では、 ・NとSがない という発言があった。 しかし ・NとSだとくっついて同じ極だと離れる。 という発言もあった。 この二つは相反している。 そこで、このことについて考えてみた。 電磁石には、N極やS極があるのだろうか。 3年生の時の学習を思い出して、N極やS極を調べる方法を考えた。 大きくは三つの方法であった。 1の方法では電磁石を近づきすぎると鉄の芯にくっついてしまい極があるのかないのかはっきりしない。 この辺が意見が分かれた原因のようだ。 しかし正しいやり方でやってみると、N極、S極があることが容易にわかった。 N極とS極はある。 電池の向きを変えるとNとSが変わる。 でも確かにあった。 磁石のようにNとNを近づけると逃げてしまう。 すばらしい。 片方にNSを近づけると、どちらかがくっついてどちらかはつかない。 磁石を逆にするとさっきと逆になる。 もし極がないなら、全部くっつくか全部くっつかないかになるから極はある。 同じところはたくさん見つかったけれど、違うところはあっただろうか。 十分な体験活動の中から、電磁石と磁石の違いに気がついた子がいた。 ・電池の向きを逆にすると、NとSが逆になる。 ・力を強くすることができる.
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