フローティング機構により幅広い車種に9V型ディスプレイを装着可能とした「MDV-M907HDF」。 彩速ナビシリーズは2011年に初代モデルをリリースして以来、彩(美しい画面)と速(ハイレスポンス)を柱にしつつ、機能アップや操作性など着実な進化を遂げてきた。 2019年モデルからは世代が1つ繰り上がり、フラグシップの「TYPE M」シリーズ、ミドルクラスの「TYPE S」シリーズ、ベーシックモデルの「TYPE L」シリーズと、ラインアップを3タイプ構成に。 高精細&大画面、そしてストレスフリーの操作感を実現しつつ、次のステップへと踏み出したのがTYPE Mシリーズの2020年モデル。 クルマと同様、カーナビにもOSの変更まで伴うフルモデルチェンジ、そして機能アップや改良を行なうマイナーチェンジが存在するが、今回は後者。 2019年モデルのブラッシュアップ版で、9V型ディスプレイを採用するのが「MDV-M907HDF」「MDV-M907HDL」の2機種、7V型ディスプレイ採用となるのがワイド2DIN対応の「MDV-M807HDW」と2DIN対応の「MDV-M807HD」の2機種。 すべての機種がHD液晶を搭載している。 価格はオープン価格となっており、店頭予想価格は順に税別13万5000円前後、税別12万5000円前後、税別8万5000円前後、税別8万5000円前後となる。 MDV-M907HDF。 装着車両は本田技研工業「ヴェゼル」 フローティング機構とはなんぞやと言うと、ディスプレイを本体から離してマウントする構造のこと。 フローティング機構を使わず9V型ディスプレイを搭載するMDV-M907HDLもラインアップされているが、こちらはクルマがそれに対応している必要がある。 売れ筋車種だけに台数ベースでは少なくないとはいえ、やはり車種が限定されてしまうのが難点。 だが、このフローティング機構を使えば、クルマ側の制約はほとんどなく、同社によれば6月現在の装着可能車種は230。 適合が確認され次第順次更新されるため、まだまだ車種は増加予定とのこと。 カーナビが純正装着されているモデルなど、一部を除き多くの車両に装着でき、しかも車種専用フィッティングを使わないのでコストがかからず、クルマを買い換えた時には付け替えができる場合も多い。 手軽に大型ディスプレイの装着を可能とするのが、このフローティング機構ってワケだ。 加えて、もう1つメリットがある。 それはディスプレイがドライバー側に近くなることで、見た目の表示サイズが大きくなること。 わずか数cmではあるものの、それほど広くない車内では無視できない違いになる。 また、ドライバーに近くなることでタッチパネルの操作性がアップ。 まぁ、これはクルマやドライバーの体格によって異なるけれど、遠いより近い方が操作しやすいのは間違いない。 表示品質も彩速ナビならでは。 4倍もの解像度を実現するとともに、上下左右170度の広視野角パネル、高輝度カスタムLEDなど、ハードウエア面の進化は言うに及ばず、そこに表示する地図データも当然ながらHD対応。 道路や建物に加え、細かな文字情報など複数の情報を一画面に表示する「HOME画面」においても、多くの情報を漏らさず読み取ることが可能となっている。 解像度のアップと比例するところで、ワイドVGAと比べると表示する情報量が増えることで、どうしても全体的な処理は「重く」なってしまう。 だが、心配無用。 と、言うのは2019年モデルの時にも書いたけれど、今回改めて触ってみるとレスポンスが向上したような印象を受けた。 あくまで体感でしかないけれど、担当者によれば「チューニングを加えている」とのことなので、そういったことの積み重ねが影響しているのかもしれない。 このあたりは文字で書いても伝わりにくいと思うので、ぜひ店頭などでチェックして欲しいところだ。 ストレスなくカーナビ操作が可能 ひたすら画面に文字を費やしてしまったので、そのほかのスペックは簡潔に。 外部メディアとしてはBluetooth接続のほか、2系統のUSB端子とHDMI端子を用意。 SDメモリーカードを使った映像や音楽再生にも対応する。 Bluetooth接続では音楽再生のほか、スマートフォンなどを利用したテザリングによるネットワーク接続、HDMI端子は従来からの出力に加え新たに入力にも対応。 スマホと接続して動画を大画面で! なんてことも可能になった。 また、昨今何かと話題のドライブレコーダー接続にも対応。 前後録画に対応した2カメラドライブレコーダー「DRV-MN940」は、彩速ナビHDモデル専用のフルHD録画対応モデル。 輝度差の大きい状況に対応する「HDR」に対応(フロントカメラのみ)するほか、録画はもちろん走行中の映像をナビ画面上にHDで表示することが可能。 さらに「バーチャルルームミラー」機能を使うことで、荷物や人を満載していても後方確認が行なえるスグレモノ。 そのほか、リアビューカメラもHD対応モデルが用意されているなど、地図表示だけに留まらずHDディスプレイならではの高画質を十二分に活用できるようになっているのだ。 フローティング機構をチェック さて、いつものレビューならここからは実走チェックとなるワケだけれど、今回はちょっと趣向を変えてフローティング機構に迫ってみたい。 構造としては本体とその下部に用意されたマウント機構によりディスプレイを装着と、先発の他メーカーと大きく変わらない。 ただし、可動部分は前後と上下、それに角度のみとなっている。 前後方向は2段階2cmの調節が可能で、クルマに装着する前に設定しておく方式。 上下方向は4段階3cmの調節が可能となっているものの、ネジを使って固定するため頻繁に調節するのは難しいイメージ。 こういった機構になっているため、装着時はまず本体に前後調節用のマウントを取り付けてからクルマに装着。 その後、ディスプレイ装着時に上下方向を設定するといった流れになる。 「え? じゃあ、取り付けてからやっぱりもっと前に出したいなんてことになったら面倒じゃん!」と思うかもしれないけれど、同社では装着時の推奨位置を車種ごとに公開している。 これに従っておけば、装着したのはいいけれどワイパレバーに干渉してしまって装着やり直し、なんて面倒なことにはならないので安心だ。 装着後に細かな調節はできないが、その半面、ディスプレイは普通の2DINモデルのようにガッチリ固定されており、走行時にディスプレイが揺れて不快な思いをするようなことは一切なかった。 さすがに微動だにしないってほどではないのだけれど、走行中に助手席からずっと眺めていてもまったく気になるレベルではなかった。 このガッチリ感はタッチパネルでの操作時にも有効で、彩速ナビならではのレスポンスと相まって気持ちよくナビを操作できる。 このあたりは、上で紹介した動画を見て貰えば確認できるハズだ。 レスポンスのよさと相まって気持ちよく使えるのが嬉しい ナビ機能そのものに関しては2019年モデルと大きくは変わらない。 また、チェックルートがいつもと異なることもあり、今回のレビューではさわり程度にとどめておきたい。 まず、ナビ画面に関してはHDディスプレイならではの美しさ。 地図とともにさまざまな情報を表示する「HOME」画面は、その真骨頂だ。 左上のウインドウにリアルタイムな走行情報や注意喚起などを表示するほか、左下のウインドウにはAVソースを同時に描く。 9V型の大画面と相まってドライブが楽しくなること請け合い。 地図画面においては道幅や建物の表現、建物などの文字情報、一方通行といった図形情報など、とても見やすく分かりやすい仕上がり。 不必要なら折り畳みできるショートカットも便利だ。 据え置き型ナビのアキレス腱と言える地図更新に関しては、有料サービス「KENWOOD MapFan Club」に入会することで年額3600円(税別)でダウンロードすることが可能。 1年分の無料優待券が付属しているので、まずはこれで試してみるとイイだろう。 そのほか、「ナビ地図定期便」でSDメモリーカードを送付してもらうパターン、カー用品店などでバージョンアップ用SDメモリーカードを購入するパターンも用意されている。 新たに「ゾーン30」表示を採用し安全運転をサポート 目的地検索は「名称」「ジャンル」「住所」「電話番号」「登録地点」「履歴」といった、カーナビに収録されているデータを利用するほか、スマホアプリ「NaviCon」を使うことで鮮度の高い地点情報を利用することも可能。 スマホ接続を利用することで「MapFanAssist」を使ったプランや目的地の送信やスマホからのマイカー位置表示、「VOIPUT」を使った音声入力、「KENWOOD Drive Info」を使ったリアルタイム情報の取得などが可能になる。 さらに有償サービスを利用すれば「スマートループ渋滞情報」など、便利な情報も手に入れることができる。 彩速ナビをより便利に使うなら加入することを考えておきたい。 大画面&HDを楽しめるハイコスパモデル 2019年モデルをベースに、フローティング機構を採用するなど積極的に進化を遂げる彩速ナビ。 この原稿を書くにあたって2019年モデルのレビューを見返してみたところ、「(9V型を)幅広い車種に対応してほしい」「7V型にもHDディスプレイを」なんて締めくくりをしていた。 この2020年モデルではそれにキッチリと応えてくれたわけだ(7V型のHDモデルは2019年中に発売済み)。 もちろん、開発期間を考えればそんなことを書くまでもなく製品化が進められていたはずで、ユーザーの要望を先取りしていく進化の速さには驚くばかり。 MDV-M907HDFに話を戻してみると、ナビとしてのパフォーマンスは言うに及ばず、ドラレコやリアビューカメラなどとの連携が可能な拡張性、そしてハイレゾ再生に対応したAV機能などなど多彩な機能を備えていながら、価格はミドルクラスとコストパフォーマンスはすこぶる高い。 最近のモデルならGPSアンテナやTVアンテナはそのままで、本体のみ差し替えれば使えるとのことで、今まで大画面が欲しくても装着できなかった彩速ナビユーザーには、文句ナシにオススメできるモデルだ。 もちろん、単純に大画面ナビが欲しいなんて人にもピッタリ。 その良さは文章では伝えにくいので、まずは店頭で実機を触ってみてほしい。
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乗り込んだ瞬間からジムニーワールドへ 単に本格的なオフロード志向のモデルというだけではなく、いろんな意味でこのスズキジムニー、実はそうとう只者ではない。 搭載されるのは専用チューンの直3DOHCターボで、軽自動車としては自主規制ギリギリの最高出力を発生。 5速とはいえ、マニュアルトランスミッションを組み合わせている。 しかも2ドアモデルで4WD……とくれば、スポーツ軽カーファンとしては「、おお、まるでアルトワークス!」などと思わず勘違いしてしまいそうなスペックの持ち主である。 もちろん、実際はご覧のとおりの背高スクエアボディ。 なので、めくるめくような速さの世界を追求するクルマではないことは一目瞭然。 だが5速MTとの組み合わせは、しっかりスポーツする楽しさを味わわせてくれたのだった。 運転席に乗り込んだ瞬間の印象は、すこぶる満足感の高いものだった。 サイドウインドウからAピラー、フロントウインドウまで、視界に入る世界は気持ちいいくらいスクエアだが、それが視覚的な守られ感と安心感を生んでいる。 インストルメントパネルまわりのデザインは適度に無骨だけれど、キューブ状のメーターナセルや丸いエアの吹き出し口など、デザイン的なウイットが心地良い。 スマートキーなので、エンジン始動はスイッチひと押し。 アイドリング時のノイズはさすがに現代っ子らしく耳障りなものではない。 シフトレバー部分の躾の良さにも驚かされた。 フルフルと軽トラック感を伴うような振動はごくわずか。 かすかに伝わる脈動感がスパルタンな魅力の一片を強調してくれる。 ユニットの取り付け方法を改良した効果は、明らかだ。 背高スクエアボディながら、5速MTとの組合せでスポーティな走りを楽しむことができた。 気の抜けたドライビングでは本来の魅力は味わえないかも 静止状態でのシフトストロークは、前後はそれなりに大きいものの、左右方向は適度にタイト。 シフトフィールは剛性感があり、積極的に操るのが楽しそうだ。 クラッチペダルも軽すぎず重すぎず、スムーズにスタートできた。 オフロード志向ということで、ごく低い回転域から突き上げるようなトルクを予想していたのだけれど、エアコンをオートにしていると2000rpmまではあまり力強さを感じない。 アクセルペダルの踏み込みに対して期待値なりのトルクが生み出されるのは、2500rpmを過ぎたあたりから。 吹け上がりそのものはスムーズで素早いので、リミットの7000rpmまで回してからシフトしてもいい。 けれど、普通に流れに乗るなら4000rpmくらいまで回してシフトチェンジすれば、加減速Gに伴う前後方向の姿勢変化も落ち着いていて、滑らかに走らせることができる。 ちょっとスポーティに行きたいなら、4500rpmから上をキープするのがオススメ。 もう1段トルクが厚めで、アクセルペダルの踏み込みに対してリニアでゆとりある加速感が味わえる。 吹け上がりの良さとあいまってこのシフトチェンジがなかなか忙しい。 だが、限りあるパワートルクを効率よく操る感覚はやはり格別だ。 それはまるでクルマの方が、「せっかくの5速MTなんだから、気合いを入れて運転しなけりゃもったいないでしょ」と語りかけているかのよう。 大げさではなく、「アルトワークス」にも似たスポーツ軽カーの「操る醍醐味」に満ちた世界を垣間見せてくれる。 2WDモードならコーナリングでのハンドリングも、ダイレクト感があってかなり楽しめる。 高速道路などでは路面のうねりにやや落ち着きを欠く挙動を見せることもあったが、基本的には万能と言っていい仕上がりだと思う。 類まれな走破性、機動性の高さをフルに使いこなしたいのなら、マニュアルトランスミッションという選択肢は、きっとアリだ。 (文:神原 久).
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