日本国内ではエレキギター/ベースのブランドとして認知されていますが、本国ではアコースティックギターも取り扱っています。 ひと目でリッケンバッカーだとわかる風格あるルックスと個性的な設計は、古くから続いてきたメーカーだからこその特徴です。 また硬質で芯のあるサウンドは特に「歌もの」のバンドで使いやすく、1960年代のロック黎明期から1970年代のハードロック全盛期、1980年代のニュー・ウェイブ、近年のオルタナティブに至るまで、長きにわたって今なおロック系のアーティストに愛され続けています。 今回は、このリッケンバッカーに注目してみましょう。 MENU The Jam — Going Underground パンクバンド「The Jam」で1977年にデビュー、1983年にはソウル・ポップスユニット「The Style Council」として、そして1989年からソロ活動を始めて現在に至るまで、ポール・ウェラー氏は今なお強い影響力を持ったアーティストとして活躍しています。 熱狂的なビートルズファンだったということもあって、The Jam時代にはリッケンバッカーをメインに使用、ソロになった現在ではエピフォン・カジノを多く使用しているようです。 この動画ではリッケンバッカー330を使用しているようですね。 リッケンバッカーの歴史 世界初のエレキギター「フライングパン」を発明したという業績が示すように、リッケンバッカーは新しいものや個性的なものを作っていく力のあるブランドでした。 エレキベースやエレキバイオリン、12弦ギターといった楽器も世界初と伝えられています。 ここで、リッケンバッカーの歴史をちょっとかいつまんでみましょう。 世界初のエレキギター:フライングパン その歴史は1925年、スイスからアメリカに移住したアドルフ・リッケンバッカー氏が、ロサンゼルスに金属パーツ製造会社「リッケンバッカー・マニュファクチュアリング・カンパニー」を設立したことから始まります。 「フライングパン(Flying Pan)」の名前は、その姿が調理器具の「フライパン(Flying Pan)」に似ていることに由来します。 リッケンバッカー氏の会社が金属加工の工場だったこともあって、フライングパンのボディ/ネックはアルミニウムでできていましたから、まさに「言い得て妙」なネーミングでした。 これは抱えて演奏する楽器ではなく、膝の上や机の上に寝かせて弾く「スチールギター」です。 当初のセールスには苦労したようですが徐々に受け入れられていき、1939年の製造終了までに約2,700本が作られたと言われています。 しかしこの「エレキギター」の特許を取得するのに時間がかかってしまったことで、この分野に他社の参入を許してしまったのは大きな痛手でした。 大戦中に中断されていた楽器製造を1946年に再開しますが、1953年にはの販売代理店に買収されてしまいます。 この頃の社員にセミー・モズレー氏がいました。 氏はリッケンバッカーの工場で自分のギターを作ったのが知れてクビになりましたが、その後に立ちあげたのが「」です。 またこの頃入社したギター職人ロジャー・ロスマイズル氏の手により、300シリーズや600シリーズなど今なお愛されている主要モデルの原型が登場し、1958年には現代のデザインが確立しています。 このロスマイズル氏はのちにフェンダー社に移り、氏が愛用した「オールローズのテレキャスター」を製作しています。 知名度でフェンダーやに押されていたリッケンバッカーでしたが、リッケンバッカーを携えてステージに臨んでいたビートルズが大成功したおかげで、一気にイメージを上げました。 今なお英国アーティストが多く愛用するイメージは、まさにここから始まっています。 しかしビートルズは本来、「ジョンとポールで売る」というコンセプトのバンドでした。 1970年代にはこれまでの主力ピックアップであった「トースタートップ」に代わって、出力を上げた「ハイゲインピックアップ」が誕生します。 トースタートップは復刻モデルなどで現在も使われていますが、現行モデルのピックアップは全てハイゲインピックアップになっています。 リッケンバッカーの特徴 「R」のロゴ入りテールピース リッケンバッカーのギターはとっても個性的で、他のメーカーにはない特徴をいくつも持っています。 そのなかでも数字で分かりやすいのがネック寸法です。 「330」、「360」、「620」といった主力モデルでは、• 弦長24. 75インチ(ミディアムスケール)• ナット幅1. 63インチ(41. 4mm。 ミディアムスケールは「ギブソンスケール」とも呼ばれますが、そのイメージのためかネックは幅広く指板は扁平になるのがほとんどです。 リッケンバッカーのようにミディアムスケールでスリムかつ丸いネックを主軸に据えているブランドは、現在ではかなり珍しい部類に入ります。 また、さまざまな仕様が独特で、まさに「個性の塊」だと言えるでしょう。 その最たるものは、ローズ指板に対して塗装が施されることです。 ローズウッドの指板には塗装しないのが一般的ですから誰しも首をかしげるところですが、そのぶんオイルメンテ(=レモンオイルなどを塗り込み木部の保湿をする)する必要がありません。 ほかにもリッケンの頭文字「R」が刻まれたテールピース、高級モデルに採用される三角形の指板インレイ、サウンドホールの形状に合わせた大きなロッドカバーなど、ルックス上のポイントにあふれています。 大きなロッドカバーを外すと、トラスロッドが2本並んでいるのを見つける事が出来ます。 これには• 1 補強:リッケンバッカー独特の細いネックで12弦の張力に耐えるため• 2 機能:ネックのねじれにまで対応する細かな調整を可能とするため という狙いがありますが、調整には非常に繊細な作業を必要とします。 ネック調整は自力でトライしようとはせず、プロのリペアマンに依頼するのがいいでしょう。 ヘッド部分 ピックガードが二重になっていますが、これも他では見ることのできない独特なポイントです。 ベースとなっている一枚目のピックガードにはスイッチやジャック、ポットなどのアッセンブリ(=回路)が配置され、一段高くした二枚目のピックガードが指置きの役割を果たします。 これによりボディに指を置いて演奏するスタイルのギタリストにとっては非常に弾きやすく、またつまみやスイッチが演奏の邪魔になりにくくなっているというわけです。 The Smiths — This Charming Man Official Music Video 「ザ・スミス」は、1980年代の英国ロックシーンで最も重要なバンドのひとつと言われ、国内で絶大な支持を集めていました。 1980年代と言えばシンセサイザーの派手なサウンドがが隆盛を極めていましたが、逆にそれに頼らずギターサウンドで工夫するところがサウンドの個性となっています。 また1990年代のブリットポップバンドや、世界の多くのオルタナティヴ・ロックバンドらに影響を及ぼしたと言われています。 この動画で氏が弾いているのは330と思われますが、このほかにもザ・スミス時代は「箱もの」を多く使用していました。 現代では「検索しやすいこと」が求められることから個性的なバンド名が多いですが、この時代ではこの「Smiths(スミス一家)」のように、あえてありふれた名前を採用するバンドが多くいました。 フィフス・コントロール コントロール系は、ピックアップセレクタに2ボリューム、2トーン、そしてフィフス・コントロールという構成が基本です。 「2ボリューム2トーン」はギブソン系に似ていますが、ボリュームとトーンの配置が違っています。 またこのボリュームは「ミックス回路」になっており、セレクタがセンターポジションのとき、フロントとリアのブレンド加減を操作できるようになっています。 これはフェンダーのジャズベースと同じ配線で、かつギブソン系とは異なる配線です。 アッセンブリ最大の特徴は「フィフス・コントロール」という5つ目のつまみです。 つまみが全快のときはブースト「0」で、非常に出力の弱いアコギ風のオープンコード弾きに適したサウンドですが、このつまみを絞っていくと中低音とともに音量が上がっていきます。 ピックアップが2つのモデルも3つのモデルもありますが、どちらもピックアップセレクタには「トグルスイッチ」が採用されています。 トグルスイッチでは「AとBとミックス」の3つしか選択できないのですが、リッケンの3ピックアップモデルは、フロントとセンターが並列に配線されています。 個性的だが使用するハードルは高い「ステレオアウトプット」 「360」や「620」などのモデルには、通常のアウトプットジャックの隣に「ステレオアウトプット」が備えられています。 これはリッケンバッカー特有の「リックオー・サウンド(Rick O Sound)」と呼ばれるもので、ステレオケーブルを使用してフロントとリアそれぞれのピックアップの音を別々にアウトプットするものです。 フロントの音をアンプAに、リアの音をアンプBに送り、フットスイッチで切り替える、といった使い方をします。 しかし現在では残念ながら専用キットの生産が終了していますから、電気工作でスイッチを作る必要があります。 12弦ギターは弦の本数が倍になることから、通常の6弦モデルと比較すると• ネックの幅が広くなる• ペグを12個搭載するため、ヘッドが大型化する という違いが必ず現れるものです。 ところがリッケンバッカーの12弦は、細身のネックはそのままでナット幅1. 63インチに変更なく、ヘッドのサイズもそのままです。 あたかも12弦仕様を前提に設計されたかと思えるほどの収まりの良さですが、楽器本体の寸法を変更せずに6弦と12弦が作られるのは、世界でも他に例を見ません。 12弦仕様のヘッドは、6弦仕様のヘッドに溝を掘ることで、クラシックギターのような「スロットヘッド」にしています。 通常のペグに通常のギター弦、スロットヘッド部に複弦(1オクターブ高い細い弦)を張って使います。 そのせいか複弦が高音弦側に配置され、一般的な12弦の張り方と逆になっています。 こうしたところもリッケンバッカーの個性となっています。 サウンド ホロウボディ、ソリッドボディともに、ネックもボディもメイプルをセレクトしているのが基本です。 木材の特性が出たコリコリ感のある輪郭のはっきりしたサウンドは、人によっては硬い印象を持つかもしれません。 しかしアタックの立つリッケンサウンドは多少歪ませてもコード感を失う事がなく、特にロックバンドでのバッキングでは頼もしく響きます。 やはりビートルズのイメージが強いためか使用ミュージシャンには歌もののアーティストが多く、そのためバッキングに特化したギターのようなイメージを持たれる事もあります。 ギターボーカルが持つ楽器、というイメージを持っている方も多い事でしょう。 ネック/フレット共に薄く細く、弾きやすいギターです。 リッケンバッカーのラインナップ ではここから、リッケンバッカーのラインナップをチェックしていきましょう。 リッケンバッカーのギターは• 300系:セミホロウボディでミディアムスケールセットネック• 600系:ソリッドボディでショートスケールスルーネック 以上の二つが主軸となっています。 ヴィンテージスタイルの特別モデルもありますが、現行モデルでも伝統的な設計を守っており、全モデルにブリッジカバーが付けられています。 このままではブリッジミュートができませんから、特にロック系のプレイヤーはこれを外して使うのが一般的です。
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ジョンのリッケンバッカー。 なぜ愛用していたの? ジョン・レノンはビートルズの初期、リッケンバッカー325を愛用してましたが、 なぜ愛用していたのですか。 音が良かったから? 小さいし、ショートスケールで、手の大きいジョンにしたら弾きにくいと思うのですが。 また、チューニングもよく狂うらしい。 あのギターはリズムギター用で、ソロ用ではないのでしょうか? ショートだからテンションが高くリズムギターに合っているのでしょうか? (根本的な疑問)なぜ あのギターはショートスケールなのでしょうか? 当時、リッケンはあまり有名でなかったから、メンバーはあえて そういう楽器を使っていた とも聞きましたが本当でしょうか? しかし、そういう理由なら 楽器の音質など二の次ってことでしょうか? 音が良かったから使っていたのではないのでしょうか? もしかしたら、目立つために わざと変ったリッケンを使っていたのですか? まず、ジョンがリッケンバッカーを選んだ理由は彼のアイドルだった イギリス出身のジャズ・ピアニスト、ジョージ・シアリングのクインテットの ギタリストで、現在ではハーモニカ・プレイヤーとして良く知られている あまり知られていないがプロの口笛奏者でもある トゥーツ・シールマンス Toots Thielemans …彼自身はベルギー出身…がリッケンバッカーの ソリッドギターを使っていたからそれにあこがれてのこと。 このサイトに引用されているジャケ写のギターはコンボ450。 今となっては325とジョンの出会いは運命としか言いようがない。 最初の325はリッケンバッカーで3本試作されたうちの1本で 1958年にNAMM Showに展示された後、それがサンプルとして ヨーロッパに渡り、巡り巡ってハンブルグのスタインウェイ・ミュージックの 店頭に並び、たまたま立ち寄ったジョンが見初めて彼の愛器となった。 「何故ショートスケールか」というのが楽器としてのアイデンティティのことなら そういう市場 エクストラショートスケールのエレクトリックギター があり リッケンバッカーもそれに参入したということ。 ジョンとの関係で「何故わざわざショートスケールを選んだか」と いうことであれば本当のところはジョンにしか分からないかもしれませんが、 ジョンがリッケンバッカーのギターを買いたいと思ったときにその楽器店では 他に選択肢がなかった、ジョンも細かいところは頓着しなかった ということかもしれないですね。 まあ「運命」 笑 でしょう。 画像の上は1958年のNAMM Showのリッケンバッカーのブースでの トゥーツ・シールマンス。 手にしているのは330F。 彼の左肘の後ろの メイプル・グローの楽器がジョンに渡ったその物ではないかとの噂が… 下はそのエスカッションが見える別の写真。 ジョンとリッケンバッカーとの出会いはデビュー前に巡業に行っていたドイツのハンブルグです。 当時のイギリスでは保護貿易政策でアメリカ製品が国内に入ってくるのを制限していました。 つまりギターもアメリカのギブソンやフェンダーはイギリス内では買えなかったのです。 しかしながらリバプールは貿易港であったため、船員を通してアメリカの製品が手に入っていました。 ジョージのグレッチ(アメリカ製)も船員が手放した中古品を買ったものです。 ポールのトレードマーク、へフナ-社のバイオリンベースはドイツの楽器メーカーです。 このへフナ-社のものはイギリスでも買えたようで、ジョンやジョージもへフナ-社のギターを使ったりしていました。 音質的なものはわかりませんが、少なくとも見た目はけっして格好のいいものではありません。 彼らもやはりアメリカ製品には強いあこがれをもっていました。 そこでジョンがハンブルグの楽器店で見つけたのが、リッケンバッカー325です。 これを選んだというより彼が買うことができたアメリカ製のギターはこれだけだったといった方が正しいかもしれません。 ただ当時ジョンが好きだったミュージシャン(誰かは忘れた)が使っていたのは確かで、また決して2級品でもないし高価なものです。 買った当時は木目の見えるナチュラルだったものを後日、黒に塗り替えたことはご存知ですよねえ。 気に入っていたことは確かで、リバプールに持ち帰ってからも自慢だったそうです。 さて、なぜショートなのかは理由が見つかりません。 しいて言えば体や手の小さい人向きとしか言いようがありません。 私も使っていますがローコードやロックンロールのリフを弾く時にはまあいいかなというくらいで、ハイポジションはフレットがつまってくるので弾きにくくおおよそリードギターとして使う人はいないでしょう。 最初持ったときはおもちゃのギターのようでした。 音はサスティーンの少ない(のびのない)乾いた感じ、低音をカットする装置が付いているため低音域に迫力がありません。 また325の所有者の共通の悩みが、フレット音痴と言わざるを得ないほど場所によってチューニングが合わないことです。 こんな実用性のないギターが新品で4~50万円、中古でも2~30万円はするんですからこんなところからもジョンの偉大さがわかります。
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日本国内ではエレキギター/ベースのブランドとして認知されていますが、本国ではアコースティックギターも取り扱っています。 ひと目でリッケンバッカーだとわかる風格あるルックスと個性的な設計は、古くから続いてきたメーカーだからこその特徴です。 また硬質で芯のあるサウンドは特に「歌もの」のバンドで使いやすく、1960年代のロック黎明期から1970年代のハードロック全盛期、1980年代のニュー・ウェイブ、近年のオルタナティブに至るまで、長きにわたって今なおロック系のアーティストに愛され続けています。 今回は、このリッケンバッカーに注目してみましょう。 MENU The Jam — Going Underground パンクバンド「The Jam」で1977年にデビュー、1983年にはソウル・ポップスユニット「The Style Council」として、そして1989年からソロ活動を始めて現在に至るまで、ポール・ウェラー氏は今なお強い影響力を持ったアーティストとして活躍しています。 熱狂的なビートルズファンだったということもあって、The Jam時代にはリッケンバッカーをメインに使用、ソロになった現在ではエピフォン・カジノを多く使用しているようです。 この動画ではリッケンバッカー330を使用しているようですね。 リッケンバッカーの歴史 世界初のエレキギター「フライングパン」を発明したという業績が示すように、リッケンバッカーは新しいものや個性的なものを作っていく力のあるブランドでした。 エレキベースやエレキバイオリン、12弦ギターといった楽器も世界初と伝えられています。 ここで、リッケンバッカーの歴史をちょっとかいつまんでみましょう。 世界初のエレキギター:フライングパン その歴史は1925年、スイスからアメリカに移住したアドルフ・リッケンバッカー氏が、ロサンゼルスに金属パーツ製造会社「リッケンバッカー・マニュファクチュアリング・カンパニー」を設立したことから始まります。 「フライングパン(Flying Pan)」の名前は、その姿が調理器具の「フライパン(Flying Pan)」に似ていることに由来します。 リッケンバッカー氏の会社が金属加工の工場だったこともあって、フライングパンのボディ/ネックはアルミニウムでできていましたから、まさに「言い得て妙」なネーミングでした。 これは抱えて演奏する楽器ではなく、膝の上や机の上に寝かせて弾く「スチールギター」です。 当初のセールスには苦労したようですが徐々に受け入れられていき、1939年の製造終了までに約2,700本が作られたと言われています。 しかしこの「エレキギター」の特許を取得するのに時間がかかってしまったことで、この分野に他社の参入を許してしまったのは大きな痛手でした。 大戦中に中断されていた楽器製造を1946年に再開しますが、1953年にはの販売代理店に買収されてしまいます。 この頃の社員にセミー・モズレー氏がいました。 氏はリッケンバッカーの工場で自分のギターを作ったのが知れてクビになりましたが、その後に立ちあげたのが「」です。 またこの頃入社したギター職人ロジャー・ロスマイズル氏の手により、300シリーズや600シリーズなど今なお愛されている主要モデルの原型が登場し、1958年には現代のデザインが確立しています。 このロスマイズル氏はのちにフェンダー社に移り、氏が愛用した「オールローズのテレキャスター」を製作しています。 知名度でフェンダーやに押されていたリッケンバッカーでしたが、リッケンバッカーを携えてステージに臨んでいたビートルズが大成功したおかげで、一気にイメージを上げました。 今なお英国アーティストが多く愛用するイメージは、まさにここから始まっています。 しかしビートルズは本来、「ジョンとポールで売る」というコンセプトのバンドでした。 1970年代にはこれまでの主力ピックアップであった「トースタートップ」に代わって、出力を上げた「ハイゲインピックアップ」が誕生します。 トースタートップは復刻モデルなどで現在も使われていますが、現行モデルのピックアップは全てハイゲインピックアップになっています。 リッケンバッカーの特徴 「R」のロゴ入りテールピース リッケンバッカーのギターはとっても個性的で、他のメーカーにはない特徴をいくつも持っています。 そのなかでも数字で分かりやすいのがネック寸法です。 「330」、「360」、「620」といった主力モデルでは、• 弦長24. 75インチ(ミディアムスケール)• ナット幅1. 63インチ(41. 4mm。 ミディアムスケールは「ギブソンスケール」とも呼ばれますが、そのイメージのためかネックは幅広く指板は扁平になるのがほとんどです。 リッケンバッカーのようにミディアムスケールでスリムかつ丸いネックを主軸に据えているブランドは、現在ではかなり珍しい部類に入ります。 また、さまざまな仕様が独特で、まさに「個性の塊」だと言えるでしょう。 その最たるものは、ローズ指板に対して塗装が施されることです。 ローズウッドの指板には塗装しないのが一般的ですから誰しも首をかしげるところですが、そのぶんオイルメンテ(=レモンオイルなどを塗り込み木部の保湿をする)する必要がありません。 ほかにもリッケンの頭文字「R」が刻まれたテールピース、高級モデルに採用される三角形の指板インレイ、サウンドホールの形状に合わせた大きなロッドカバーなど、ルックス上のポイントにあふれています。 大きなロッドカバーを外すと、トラスロッドが2本並んでいるのを見つける事が出来ます。 これには• 1 補強:リッケンバッカー独特の細いネックで12弦の張力に耐えるため• 2 機能:ネックのねじれにまで対応する細かな調整を可能とするため という狙いがありますが、調整には非常に繊細な作業を必要とします。 ネック調整は自力でトライしようとはせず、プロのリペアマンに依頼するのがいいでしょう。 ヘッド部分 ピックガードが二重になっていますが、これも他では見ることのできない独特なポイントです。 ベースとなっている一枚目のピックガードにはスイッチやジャック、ポットなどのアッセンブリ(=回路)が配置され、一段高くした二枚目のピックガードが指置きの役割を果たします。 これによりボディに指を置いて演奏するスタイルのギタリストにとっては非常に弾きやすく、またつまみやスイッチが演奏の邪魔になりにくくなっているというわけです。 The Smiths — This Charming Man Official Music Video 「ザ・スミス」は、1980年代の英国ロックシーンで最も重要なバンドのひとつと言われ、国内で絶大な支持を集めていました。 1980年代と言えばシンセサイザーの派手なサウンドがが隆盛を極めていましたが、逆にそれに頼らずギターサウンドで工夫するところがサウンドの個性となっています。 また1990年代のブリットポップバンドや、世界の多くのオルタナティヴ・ロックバンドらに影響を及ぼしたと言われています。 この動画で氏が弾いているのは330と思われますが、このほかにもザ・スミス時代は「箱もの」を多く使用していました。 現代では「検索しやすいこと」が求められることから個性的なバンド名が多いですが、この時代ではこの「Smiths(スミス一家)」のように、あえてありふれた名前を採用するバンドが多くいました。 フィフス・コントロール コントロール系は、ピックアップセレクタに2ボリューム、2トーン、そしてフィフス・コントロールという構成が基本です。 「2ボリューム2トーン」はギブソン系に似ていますが、ボリュームとトーンの配置が違っています。 またこのボリュームは「ミックス回路」になっており、セレクタがセンターポジションのとき、フロントとリアのブレンド加減を操作できるようになっています。 これはフェンダーのジャズベースと同じ配線で、かつギブソン系とは異なる配線です。 アッセンブリ最大の特徴は「フィフス・コントロール」という5つ目のつまみです。 つまみが全快のときはブースト「0」で、非常に出力の弱いアコギ風のオープンコード弾きに適したサウンドですが、このつまみを絞っていくと中低音とともに音量が上がっていきます。 ピックアップが2つのモデルも3つのモデルもありますが、どちらもピックアップセレクタには「トグルスイッチ」が採用されています。 トグルスイッチでは「AとBとミックス」の3つしか選択できないのですが、リッケンの3ピックアップモデルは、フロントとセンターが並列に配線されています。 個性的だが使用するハードルは高い「ステレオアウトプット」 「360」や「620」などのモデルには、通常のアウトプットジャックの隣に「ステレオアウトプット」が備えられています。 これはリッケンバッカー特有の「リックオー・サウンド(Rick O Sound)」と呼ばれるもので、ステレオケーブルを使用してフロントとリアそれぞれのピックアップの音を別々にアウトプットするものです。 フロントの音をアンプAに、リアの音をアンプBに送り、フットスイッチで切り替える、といった使い方をします。 しかし現在では残念ながら専用キットの生産が終了していますから、電気工作でスイッチを作る必要があります。 12弦ギターは弦の本数が倍になることから、通常の6弦モデルと比較すると• ネックの幅が広くなる• ペグを12個搭載するため、ヘッドが大型化する という違いが必ず現れるものです。 ところがリッケンバッカーの12弦は、細身のネックはそのままでナット幅1. 63インチに変更なく、ヘッドのサイズもそのままです。 あたかも12弦仕様を前提に設計されたかと思えるほどの収まりの良さですが、楽器本体の寸法を変更せずに6弦と12弦が作られるのは、世界でも他に例を見ません。 12弦仕様のヘッドは、6弦仕様のヘッドに溝を掘ることで、クラシックギターのような「スロットヘッド」にしています。 通常のペグに通常のギター弦、スロットヘッド部に複弦(1オクターブ高い細い弦)を張って使います。 そのせいか複弦が高音弦側に配置され、一般的な12弦の張り方と逆になっています。 こうしたところもリッケンバッカーの個性となっています。 サウンド ホロウボディ、ソリッドボディともに、ネックもボディもメイプルをセレクトしているのが基本です。 木材の特性が出たコリコリ感のある輪郭のはっきりしたサウンドは、人によっては硬い印象を持つかもしれません。 しかしアタックの立つリッケンサウンドは多少歪ませてもコード感を失う事がなく、特にロックバンドでのバッキングでは頼もしく響きます。 やはりビートルズのイメージが強いためか使用ミュージシャンには歌もののアーティストが多く、そのためバッキングに特化したギターのようなイメージを持たれる事もあります。 ギターボーカルが持つ楽器、というイメージを持っている方も多い事でしょう。 ネック/フレット共に薄く細く、弾きやすいギターです。 リッケンバッカーのラインナップ ではここから、リッケンバッカーのラインナップをチェックしていきましょう。 リッケンバッカーのギターは• 300系:セミホロウボディでミディアムスケールセットネック• 600系:ソリッドボディでショートスケールスルーネック 以上の二つが主軸となっています。 ヴィンテージスタイルの特別モデルもありますが、現行モデルでも伝統的な設計を守っており、全モデルにブリッジカバーが付けられています。 このままではブリッジミュートができませんから、特にロック系のプレイヤーはこれを外して使うのが一般的です。
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