シリア 宗教。 シリアとイランの宗教的背景

シリア内戦の原因と宗教

シリア 宗教

シリア内戦とは?きっかけや背景 シリアの内戦は後述する アラブの春を契機とし、 独裁政権から脱し民主化を訴える運動を起こしたことがそもそもの始まりだとされています。 シリアではアサド大統領による独裁政権が40年にも渡って続いていました。 国民の不満は既にかなり溜まっており、中東に広がっていたアラブの春の動きを受け、民主化運動への契機が高まっていきます。 アラブの春とは アラブの春とは2010年にチュニジアで起こったジャスミン革命が発端と言われています。 当事のチュニジアでは長年に渡る独裁政権に不信感を抱いており、この抵抗を示すため一人の青年が焼身自殺を行いました。 イスラム圏内では自殺を禁じており、この焼身自殺は波紋と大きな影響を及ぼすこととなったのです。 この後、2010年10月に制憲国民議会選挙が実施され、イスラム主義政党アンナハダが第一党となり、12月には大統領と首相が選出されて民主化へ移行する新政権が始まったのです。 こうした民主化運動が中東へと広がったことがアラブの春へと発展することとなりました。 エジプトでは大統領を退陣させ、リビアでは 反政府勢力が武力衝突を経て政権交代を行うなど、政治変動としてはかつてないほど大規模なものとなりました。 これまでも限定的な政治参加しかできなかった民衆が変革の原動力となり、大きな革命運動が各地で起こったことにより、アラブ諸国の情勢を変革させた動きが「アラブの春 」と呼ばれています。 大きな民主化運動は独裁政権で苦しめられた各国の国民へと広がっていきましたが、その中には今も内戦が続いているシリアにも波及しています。 21世紀最大の人道危機とも言われているシリア内戦のきっかけもこのアラブの春にほかなりません。 それまでアサド政権に弾圧されていた スンニ派の人々がアラブの春に呼応し、行動を起こしたことがきっかけで、ここまで続く内戦へと発展していったのです。 シリアの内戦はアラブの春を契機とし、独裁政権から脱し民主化を訴える運動を起こしたことが始まりといわれる• 21世紀最大の人道危機とも言われているシリア内戦のきっかけもアラブの春とされている• アサド政権に弾圧されていたスンニ派の人々がアラブの春に呼応し、行動を起こしたことがきっかけで長く続く内戦へと発展した (出典:「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢」) シリア内戦により多くの難民が海外へ この内戦により多くの難民を生むこととなりました。 2017年には 国内避難民だけでも660万人にものぼっています。 また国外に逃亡した人々も多く、最も多く難民を受け入れているトルコでは約350万人とも言われており、2011年以降増加の一途をたどっています。 他にもウガンダやパキスタンで約140万人、レバノンで約100万人の難民が流入しています。 最も多いトルコからはその国の位置から、ヨーロッパへ逃れる人もいますが、2015年時点で約80万人の人がギリシャへ渡り、その後もヨーロッパへと避難生活場所を求める人も増加していきました。 内戦により多くの難民を生むこととなり、2017年には国内避難民だけでも660万人にものぼる• 国外に逃亡した人々も多く、最も多く難民を受け入れているトルコでは約370万人、ウガンダで120万人やパキスタンで約140万人とされている• 最も多いトルコからはヨーロッパへ逃れる人もいるが、2015年時点で約80万人の人がギリシャへ渡り、その後もヨーロッパへと避難生活場所を求める人も増加 (出典:「数字で見る難民情勢(2018年)」,2018) シリア難民たちの暮らしとは シリア内戦が起こったことで国内は疲弊し経済は低迷、物資がそこをつく中で物価が高騰していく一方となりました。 さらに戦闘や空爆で家を追われた人々は行く当てもなく、また元の生活に戻ることもできないまま国内を避難することしかできません。 病気や障害で身動きが取れないなどの理由で、 国内避難民となって避難民用のキャンプなどで生活を送っています。 国外へと避難した人の多くは、難民としてトルコなどに押し寄せ、2017年にはトルコに避難した人数は約350万人とも言われています。 トルコは隣国より経済的にも強く、またヨーロッパの玄関口でもあるため、 戦闘から逃れてくる難民が短期間で一気に押し寄せてくる結果となりました。 難民キャンプに流れてきた人々は、 提供される最低限の食事で飢えを凌ぐ日々が続きます。 自由度が少なくプライバシーが確保しにくいなど、ストレスが溜まる生活を余儀なくされるのです。 キャンプ外で賃貸住宅を借りるにしてもその負担は大きく、避難先の国で働くにしても 難民認定を受け、就労許可を取得しなければいけません。 そのため大抵は非合法で働くしかなく、仮に就労できたとしても低賃金の単純労働しか仕事が見つからないため、大した収入にはならないのです。 その後、トルコの情勢の悪化などもあり、2015年にはトルコから危険を冒して地中海を渡り、難民たちはギリシャへと押し寄せ ヨーロッパ各地へと広がっていきました。 これがヨーロッパ難民危機になります。 しかしここでもドイツやスウェーデンでは受け入れられるもののなかなか難民認定をもらえず、トルコとそれほど変わらない生活を送る難民や、 ギリシャやマケドニアでは国境を閉ざされ先に進めなくなってしまう人々もいたのです。 このような状況では生きていくことも難しいため、危険なシリアへと戻っていく人もいるほど過酷な生活を送っています。 この無料支援は、「 すべての生命が安心して生活できる社会の実現」を目的とする「 認定NPO法人テラ・ルネッサンス」に10円の支援金として贈られます。 シリア難民たちに行われている支援とは シリア難民の人々は内戦の影響で、毎日を生きていくのも困難な状況に立たされています。 そこで、国連機関や非営利団体は難民のための支援活動を続けています。 彼らの支援活動には以下のようなものが挙がります。 食糧支援• 教育支援• 医療支援• 子どもの保護 今を生きていく上で必要な支援、そして未来を生きていくために必要な支援が行われており、即物的なものだけでなく 将来を見据えた支援などあらゆる支援が行われているのです。 それぞれの支援でどのようなことが行われているのか、見ていきましょう。 食糧支援 難民となってしまった人々にとって生きるために必要なのが、水や食料です。 食料の不足は栄養不良や栄養失調を起こし、抵抗力を奪うだけなく、重篤な病気にかかるリスクを高め、死に至らしめてしまうこともあります。 特にこの食料不足による 栄養不良や栄養失調は子どもたちの成長に大きな影響を与え、5歳未満で亡くなる子どもが後をたたない状態です。 出産をした母親も栄養が不足していた場合、死に至ってしまうこともあり、食糧不足の問題は非常に深刻なのです。 また生きていく上では水の確保も必要です。 キャンプでは衛生的な水が飲めるよう様々な活動が行われていますが、 水の量が制限されるために不衛生な環境に身を置かなければならない状況もあり、病気のリスクがさらに高まります。 食糧支援や水の支援は難民となった人々の命に関わる問題です。 栄養強化ビスケットや調理器具などを継続的に支援し、水に関しては経口保水塩の配布や水を確保できる井戸などの建設をする活動が行われています。 教育支援 難民の中でも、成人していない人や子どもたちが将来的に生きていくためには、 教育が重要な役割を果たします。 難民の子どもたちの多くは、 兄弟の世話や家事などに追われ教育を受けたくても学校に通う時間がなかったり、また 教育を受ける環境が整っていない、あるいは紛争によって奪われてしまっているため教育を受けられないなどの問題があります。 支援団体では教育環境を整えるべく、 学校の新規開設や、壊れてしまった校舎の修繕を行い、子どもたちが教育を受けられる状況を作り出しています。 そのほかにも教科書などの支給や、教員の育成なども行う支援団体があり、 子どもたちが教育を受けられる環境整備を支援しているのです。 医療支援 難民が暮らす場所やキャンプの環境は劣悪であることが多く、不衛生な環境で生活するケースがほとんどです。 そのため抵抗力がない 子どもたちは病気になるリスクが高まり、病気になっても医療施設も不足しているため 満足な医療を受けられない場合も多く見られます。 ワクチンの摂取などもできないので予防もできず、栄養不良や下痢になった子どもの治療もままならないこともあります。 支援団体はこのような状況を解消するため、 トイレなどの衛生施設の整備や管理を行っています。 同時にワクチンを持ち込み、子どもたちへの接種も行っています。 さらに栄養不良などの検査も行い、必要であればその治療を行う、あるいは母親と保護者に乳幼児の食生活について研修を受けてもらうなど、 病気の予防につながる支援も行っています。 子どもの保護 難民となる子どもたちは、親とはぐれてしまった、あるいは移動途中に親が亡くなってしまった場合が多くみられます。 このような子どもたちを保護する支援も行われています。 親とはぐれてしまった子どもの場合は、1日でも早く再開できるよう捜索などを行います。 また保護者と一緒であっても難民キャンプでの生活を保護するための活動もあります。 難民キャンプとなると子どもたちが安心できる空間は少ないです。 そこで 保護者が子どもと過ごせる空間を作る支援や、難民となったことで受けた 心の傷などをケアする心理カウンセリングも行われています。 他にも爆発性戦争残存物の危険や身の守り方についての教育、ライフスキル研修、衣類や毛布、防水シート、テントの配布などの提供など、子どもたちへの支援は幅広く行われています。 栄養強化ビスケットや調理器具などを継続的に支援し、経口補水塩の配布や井戸などの建設をする活動が行われている• NPO・NGOでは、学校の新規開設や壊れた校舎の修繕を行い、教育環境の整備を支援している• NPO・NGOは衛生管理を行い、ワクチン接種や栄養不良などの検査、病気の予防につながる支援を行っている シリア内戦の現状や情勢とは 2011年に始まったシリア内戦ですが、現在の情勢はどのようになっているのでしょうか。 これまでのシリア内戦の経緯とともにまとめ説明します。 シリア内戦の現状は 出口の見えない泥沼化した武力衝突となっていますが、これは複雑化した情勢が原因です。 宗教的、政治的な思惑が絡み合い、落としどころがわからない内戦へと発展してしまいました。 これは内戦が起こった当初から現在に至るまでの経緯が問題にあります。 宗教的な対立から三つ巴の戦いへ シリア内戦は、最初は紛争ではなく 民主化を求めるデモ運動に過ぎませんでした。 これが激化してしまったのは反政府軍が近隣国から 様々な支援を受けることで武装蜂起を行い、 自由シリア軍を結成したことが要因とされています。 そして、拡大を続けた自由シリア軍はやがて内部でも意見がわかれ、 ヌスラ戦線という過激派組織が独立したのです。 これに対しアサド政権も ロシアやイランの後ろ盾を受け、反撃を行います。 さらに 政府軍側のシーア派過激組織ヒズボラも参戦することとなりました。 ここにイスラム国が勢力を拡大する目的で介入し、 アサド政権政府軍、反政府軍、イスラム国という三つ巴の戦いが内戦を泥沼化させることとなりました。 やがてイスラム国は欧米諸国やロシアを敵に回したことで集中砲火を受け崩壊し、 再び政府軍と反政府軍の戦いとなりましたが、同時に 政府軍を支持するロシアと反政府軍を支持するアメリカとの対立構図へとシフトしてしまったのです。 化学兵器の使用と代理戦争 2017年に入り、アサド政権は内戦において、爆撃の際に サリンなどの化学兵器を使用するという凶悪な攻撃を行いました。 多くの女性や子どもが狙われ、凄惨な被害をもたらしたのです。 これによりアメリカ軍がシリアの空軍基地に空爆を仕掛けますが、ロシアの影響もありアサド政権への攻撃は限定的なものとなりました。 アメリカではトランプ大統領就任後、 在シリア米軍の撤退を示唆していましたが、アメリカ軍の撤退は ロシアの実質的なシリア支配へと繋がるとの懸念があり、アメリカ国家安全保障チームがトランプ大統領を説得し、何とか駐留しています。 しかし2018年の暮れにはイスラム国の掃討が完了したとして、 トランプ大統領がアメリカ軍を撤退させることとなりました。 これはシリアの北部から北東部にかけて広がる事実上の自治区であるロジャヴァを叩きたいトルコ政府への配慮もあり、シリアへの直接介入はこれで終わりを迎えます。 ただし反政府軍とその勢力への支援は変わらず行われているため、 代理戦争の様相は続いている状態です。 これらにクルド人勢力やトルコ支援勢力も加わり、 宗教的そして政治的思惑が複雑に絡み合い、混乱を極めたシリア情勢のさなか、未だに内戦は続いている状態です。 こうした経緯により、多くのシリア難民が各国へ流入する事態となりました。 シリア内戦は、最初は民主化を求めるデモ運動であったが、反政府軍が武装蜂起を行い、自由シリア軍を結成したことが要因とされる• 自由シリア軍はやがて内部でも意見がわかれ、アサド政権政府軍、反政府軍、イスラム国という三つ巴の戦いが内戦を泥沼化させることとなった• 2017年に入り、アサド政権は内戦において、爆撃の際にサリンなどの化学兵器を使用するという凶悪な攻撃を行い、悲惨な被害をもたらした (出典:「シリアにおける脆弱な人々の保護活動強化のための無償資金協力に関する書簡の交換」) (出典:「わかる!国際情勢 最近の化学兵器の使用と国際社会の取り組み」,2017) シリア難民のために私たちができること 内戦により多くの被害を被るシリア難民の人々に対して、私たちができることはなんでしょうか。 難民キャンプや被災地への人々に対して、国際機関やNPO・NGOが人道支援を行っています。 そして団体の多くは私たちの寄付で活動資金や必要物資の調達を賄っています。 私たちはNPO・NGO に寄付したり活動のサポートを通じて、難民の人々の支援をすることが可能です。 以下にそれぞれの方法について詳しく説明します。 寄付 国連の機関や非営利団体への寄付は、数百円から1,000円などの 少額でも行うことができ、難民に必要な物資や支援を届けることができます。 寄付には 毎月定額を継続的に寄付する「継続寄付」と、 金額やタイミングを任意に指定できる「都度の寄付」に分けられていることが多く、自分に合った寄付方法を選ぶことができます。 いずれもクレジットカードや銀行振り込みなど、ウェブ上で簡単に行えるので思い立ったときにすぐに実行できます。 ボランティア 現地で支援活動を行っている団体のボランティア・サポートスタッフとして協力できます。 支援団体では 世界の現状や支援活動の内容を知ってもらうためのイベントを開くことがあります。 平時のサポートだけでなく、このようなイベントにも協力することで、シリアをはじめとした難民の現状を知ってもらえれば、支援の輪も広がっていきます。 またボランティアとして支援団体の活動に参加することで、 自分の理解もより深めることができます。 難民や内戦についての理解を深め情報を拡散 難民や内戦に現状を知り、情報を拡散していくことも支援につながります。 内戦や紛争により悲惨な状況があるということを多くの人が知るほど、寄付も集まりやすくなります。 まずはSNSやブログなどで情報を拡散・発信することで身近な人に知ってもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。 私たちはNGO・NPOに寄付したり活動のサポートを通じて、難民の人々の支援をすることが可能• 寄付には毎月定額を継続的に寄付する「継続寄付」と、金額やタイミングを任意に指定できる「都度の寄付」がある• 現地で支援活動を行っているNGO・NPOのボランティア・サポートスタッフとして協力できる シリア内戦や難民について理解を深め、できる支援をしよう! 長年続いているシリア内戦は多くの難民を生み出し、現在も深刻な状況が続いています。 複雑な要因が絡み合っているため、解決するには国や政府、国際機関が動く必要があります。 しかし、既にシリア内戦により多くの人が苦しい状況にあるため、一人でも多くの難民を救うために私たちにできる支援を行ってみてはいかがでしょうか。

次の

シリア基礎データ|外務省

シリア 宗教

2011年3月から始まった「シリア内戦」。 きっかけは、2010年末から2011年のはじめにチュニジアで約1ヶ月間続いた「ジャスミン革命」と呼ばれるものです。 26歳の青年モハメド・ブアジジが、政府への抗議を表すために焼身自殺を図り、20年以上大統領を務めていたベン・アリーが亡命、政権は事実上崩壊しました。 抑圧的な独裁者が長期政権を敷くアラブ諸国に、大きな影響を与えます。 エジプトではその数日後から反政府デモが発生。 翌2月には30年以上続いたムバラク大統領の独裁政権が倒れ、リビアでも40年以上続いたカダフィ政権に終止符が打たれました。 これら国境を超えた大規模な反政府運動を、「アラブの春」と呼びます。 アラブの春の波は、もれなくシリアにも届きました。 初期はデモ行進やハンガーストライキなど市民による抵抗運動でしたが、毎週金曜日におこなわれる礼拝のたびにインターネット上でデモが呼び掛けられ、運動は過激化していきます。 2011年3月15日、シリア各地の都市で一斉にデモがおこなわれ、抗議者と治安部隊が衝突。 この日がシリア内戦の始まった日だとされています。 反政府側の要求は、すべての政治犯の釈放と、抗議者を殺害した者への裁判の実施、令状なしで容疑者を拘束できる「非常事態法」の撤廃、汚職の根絶、さらなる自由です。 政府側は、政治犯の釈放や非常事態法の撤廃、内閣の辞職など要求の一部を受け入れて譲歩を示しましたが、市民の行動は収まりません。 政府側が軍を投入して鎮圧を図ると、市民も武装して対抗するようになりました。 さらに、政府軍の大佐だったリヤード・アスアドが離反し、「自由シリア軍」という反政府武装勢力を結成。 兵士たちも次々に合流しました。 「政府」対「市民」という構図から、「政府軍」対「反政府軍」という構図へ発展し、シリア内戦が深刻化していったのです。 内戦が始まってから8年が経った、2019年3月15日に発表されたイギリスの監視団体の報告によると、シリア内戦による死者は約37万人、難民は約1300万人にのぼると考えられています。 内戦前の人口が約2250万人だったので、実に約6割の人が難民になっている計算。 その後も犠牲者の数は刻々と増加しているのが現実です。 シリアの正式名は、「シリア・アラブ共和国」。 1946年にフランスから独立する形で建国されました。 北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、西にレバノン、南西にイスラエルがあり、国境を接しています。 国民の90%はアラブ人が占め、クルド人が8%、その他はアルメニア人やギリシア人、アッシリア人、北コーカサス系民族、南トルコ系民族などで構成される多民族国家です。 イスラム教スンニ派がもっとも多く人口の約70%を占め、その他はアラウィー派などイスラム教他宗派が約20%、キリスト教系のシリア正教会などが約10%、その他少数ながらヤジディ教などの信者がいます。 シリアは1963年からバアス党の独裁政権が統治してきた国です。 前年の1962年に出された非常事態宣言の効力が継続しています。 1970年以降はハーフィズ・アル=アサド、バッシャール・アル=アサドという親子2代が大統領となり、表現・結社・集会などの自由が制限され、人権に関して「世界最悪の部類」といわれる状況でした。 ハーフィズは、シリアにおいて少数派であるアラウィー派。 貧困家庭の9番目の子どもとして生まれ、16歳でバアス党に入党しました。 ソビエト連邦で訓練を受け、シリア空軍の軍人となります。 国防相や空軍司令官を歴任し、1970年のクーデターで政権を掌握。 大統領となった人物です。 息子のバッシャールは、ダマスカス大学の医学部を卒業し、軍医として働いた後、ロンドンに留学。 この時に、後に妻となるアスマーと出会いました。 アスマーはイギリスで育ったスンニ派シリア人です。 もともとはバッシャールの兄で軍人だったバースィルが後継者になると予想されていました。 バッシャール自身はさほど政治に興味がなかったそうです。 しかしバースィルが交通事故で亡くなったため、急遽帰国。 軍に入隊して立て続けに昇進し、2000年に父のハーフィズが亡くなると大統領に就任しました。 少数派であるアラウィー派のアサド家は、多数派であるスンニ派の反乱を抑えるため、バッシャールの弟のマーヘルを、大統領の身辺を守る「共和国防衛隊」や、陸軍の精鋭部隊「第四機甲師団」の指揮官に任命。 さらに義兄のアースィフ・シャウカトを陸軍参謀副長にするなど、治安部隊や軍を身内で固めました。 アサド家が少数派出身であること、バッシャールが父や兄と異なり軍歴や政治経験がなかったことは、シリア内戦が激化した大きな要因だと考えられています。 彼の政治基盤は決して盤石なものとはいえず、政権を維持するために、弱腰と見られないようあえて毅然とした態度をとる必要があったのでしょう。 シリア内戦は代理戦争に。 参加国の構図は? 「政府」対「市民」から、「政府軍」対「反政府軍」に形を変えていったシリア内戦。 しかし現在は、そこに大国の思惑が絡みあう複雑な代理戦争にまで発展しています。 では、シリア内戦に関わっている主な勢力と、その背後にいる国を確認していきましょう。 政府軍 バッシャール大統領が率いる政府軍を主に支援しているのはロシアです。 両国はソ連時代から友好関係を築いていて、ソ連が崩壊した後も、地中海沿岸のタルトゥース港をロシア海軍が補給拠点とし、駐留してきました。 シリア内戦が開戦してからも、ロシアは一貫して政府側を支援し、2015年9月以降は直接的な軍事介入もしています。 これによって中東における主導権をアメリカから奪い、影響力の増大を目論んでいると考えられています。 政府軍側にはそのほか、パレスチナの「パレスチナ解放人民戦線総司令部」、イラクの「マフディー軍」、イエメンの「フーシ派」、レバノンの「ヒズボラ」など中東各国を拠点とする武装勢力が参戦。 これらの組織はいずれも、イランの影響下にあると考えられる武装組織です。 イランはイスラム教シーア派の盟主であり、反米・反イスラエル・反スンニ派などシリアと共通点も多いです。 1980年代に起きた「イラン・イラク戦争」では、中東諸国の中で唯一シリアだけがイランを支援したという歴史もあります。 イランはシリア内戦に、影響下の武装組織だけでなく、イランの正規軍である「イスラム革命防衛隊」や民兵組織「バスィージ」も投入し、政府軍を支援しているそうです。 政府軍がこれだけの長期戦を持ちこたえている理由は、このようにロシアやイランから援助を受けているからだといえるでしょう。 また政府軍は、北朝鮮、イラク、ベラルーシ、エジプトなどから武器援助を受け、ベネズエラ、アンゴラ、中国からも間接的な支援を受けています。 反政府軍 代表的な勢力と考えられているのが、先述した「自由シリア軍」です。 政府軍から離反した兵士を中心に組織されていて、アメリカ、サウジアラビア、トルコなどから支援を受けています。 しかしアメリカは、シリア国民の多くにとって敵であるイスラエルの友好国。 憎悪の対象であることに変わりはなく、アメリカの支援を受ける自由シリア軍の人気は、決して高くはありません。 また自由シリア軍が、アルカイダ系のアル=ヌスラ戦線や、ムスリム同胞団などのイスラム過激派組織とも同盟を結んでいるので、アメリカとしても武器の流出を懸念して支援がしづらい状況にあり、徐々に弱体化が進んでいます。 ISIL(イスラム国) 小さな勢力まで含めると際限がないといわれるほど乱立しているイスラム教スンニ派。 そんななか、アブー・バクル・アル=バグダーディーのもとでイスラム国家の樹立を求め、台頭したのがISILです。 シリア領内の都市ラッカを制圧し、最盛期の2014年には、シリアとイラクにまたがって日本の国土面積にも近い約30万平方キロメートルを支配していました。 彼らが台頭したことによって、シリア内戦はISILの打倒が中心的な課題となる新局面を迎えます。 この戦いでは、アメリカがクルド人系の組織を支援しました。 シリアでは自治政府の軍事部門であるクルド人民防衛隊を援助。 またイラクでは自治政府の軍事組織を援助しています。 しかしクルド系の組織が支援されたことは、その影響が国内の独立派に波及することを警戒するトルコを刺激。 トルコの軍事介入を招いてしまうのです。 2018年12月にアメリカがシリアからの撤退を発表すると、クルド人民防衛隊はトルコに対抗するために、敵だったシリア政府軍との関係を親密化させています。 このように、アメリカやロシアなどの超大国だけでなく、イランやサウジアラビア、トルコなど中東地域の思惑が絡むシリア内戦。 同盟関係も頻繁に入れ替わり、文字通り「昨日の友は今日の敵」の状態に陥っているといえるでしょう。 シリア内戦と難民問題 2019年3月時点で、約1300万人の難民が出たシリア内戦。 そのうち約560万人が国外に脱出したと考えられています。 しかし国外に逃れるための安全なルートがあるわけではなく、粗末な船にすし詰め状態になって海を渡らざるを得ないのが現状です。 船が転覆し、大勢の犠牲者が出ることも頻繁にあります。 難民の多くは周辺国に逃れ、トルコは約350万人、レバノンは約100万人、ヨルダンは約67万人、イラクは約25万人、エジプトは約13万人を受け入れています。 しかしこれら受け入れ国も決して豊かではなく、難民を抱えることが大きな経済負担になっているのです。 その一方で先進国では、失業率の増加や治安の悪化を理由に、難民の受け入れに難色を示す世論が強くなっています。 受け入れを示した政権が倒れたり、極右政党が台頭したりする例も増えているのです。 しかしそれでもドイツを中心とする各国が、これまでに100万人以上の難民を受け入れてきました。 ドイツは約53万人、アメリカは約1万8000人を受け入れています。 しかし世界第3位の経済大国であるはずの日本は、わずか十数人にとどまっているのです。 日本国内では、独裁者は「悪」、民衆は「善」という構図で報道されることが多く、なぜ政府軍に協力する国があるのかわかりづらくなっています。 しかし実際には、複雑な国際関係や民族、宗教などが絡みあい、単純な善悪論で語れるようなものではありません。 だからこそ、解決がより困難になっているのです。 2019年にISILがほぼ打倒されたことで、シリア内戦そのものが終わったかのような印象も見受けられますが、あくまでも無数にある糸のうちの1本を切ったに過ぎません。 本書はそんな複雑なシリア内戦について、建国や開戦前の歴史にも触れつつ、わかりやすく推移を解説した作品です。 流れを知るだけでなく、解決するためにはどのような道筋があるのか、それがどれだけ難しいことなのかを考えるきっかけになるでしょう。 シリア内戦中に人々を救った秘密の図書館 ダマスカス近郊のダラヤは、シリア内戦のきっかけとなった暴動が起きた町のひとつです。 内戦が激化する2015年には、政府軍に包囲され、爆弾が降り注いでいました。 本書は、死の恐怖や飢餓に直面しながらも、瓦礫の下から本を集め、秘密の図書館を作りあげた人々のノンフィクションです。 この活動に携わった若者たちは、内戦が終わったら返却できるようにと、集めた本の1ページ目に持ち主の名前を書いていました。 本を読むという行為は、絶望的な状況下での希望となり、癒しとなり、多くの人々を救ったでしょう。 残念ながら政府軍によって破壊されてしまいますが、その後は巡回図書館という形で志が引き継がれているそうです。 生まれ育った町が壊され、愛する人が爆撃で吹き飛ばされる日々のなかに、一筋の光を見出させてくれる話です。

次の

パレスチナ

シリア 宗教

Contents• シリアの空爆の声明 シリアで起きている内戦は、先日、アメリカ・イギリス・フランス共同による爆撃が起きました。 この、爆撃の原因とされるのは、シリア政府による化学兵器使用(状況証拠による)に対する、牽制を含めたものです。 アメリカは、この空爆でシリアの化学兵器の施設の破壊できたと声明を出しました。 これに対して、アサド政権は、空爆されたのは「がん研究所施設だ」と反論の声明を出しています。 スポンサーリンク アサド政権の内戦の理由 めちゃくちゃ簡単に言うと、 宗教戦争です。 シーア派vs スンニ派の対立 が始まりです。 アサド政権はのシーア派は約1割(政府軍) VS シリア国民のスンニ派は7割(国民派) の対立でした。 ですが、ここに上の図の様に、様々な国が関わっています。 アサド政権は独裁制です。 前大統領もアサドです。 同じ家系ですから「アサド」でもおかしくはありませんが・・・。 この前大統領が、軍事による国内の内戦を抑えていました。 これが、シリア内戦の理由です。 今の大統領は、前大統領の次男です。 本来、大統領となるはずだった、長男が死亡した為に、 次男である バッシャールが、継ぎました。 バッシャール は、温厚な性格であったと言われていますが、先代のアサド政権で多くの敵を作ってしまった為に、結果と都と同じ道を歩んでしまいます。 更に、ここに、イスラム国が加わりややこしくしています。 シリアは代理戦争の形をとってしまった 残念なことに、シリア戦争は、 代理戦争という形になってしまいました。 アサド政権の後ろに、ロシア・イランが付き、国民の反勢力には欧米が付いてしまい、国内だけでの問題で済まなくなってしまったのです。 このままでは、内戦が長引くだけでしょう。 シーア派(宗教)とスンニ派(宗教) イスラームの基本信仰箇条である「アッラーの他に神は無し」「ムハンマドはアッラーの使徒なり」については同じです。 簡単に言うと、預言者の後継者(=後世の指導者)の資格についての考えの違いから、イスラーム史の比較的初期のうちに分かれました。 スンニー派は血統による世襲にこだわらなかった主流 シーハ派は預言者(ムハンマド)の血を引く子孫に特別の資格があると考えた少数派 という、宗教観の違いが千年も続いてきています。 この間に、両者の戒律や慣行などにも違いが出てきています。 この違いが、宗教戦争が始まっています。 根本的な違いがある為に両者の歩み寄りは難しいと、言わざると言えません。 更に拍車をかける様に、利害関係が絡んだ国家が後ろ盾していますから、余計に悪くしています。 最後のまとめとして 過去にも宗教戦争は、たくさんありました。 同じ、宗教でも根本的なものの中で、些細な事が時間が経つことで大きくなり戦争になってしまっています。 乱暴な言い方をすると、両者とも自分が正しいと思っているからのケンカが、個人でなく組織になってしまっている為、戦争という形になっています。 日本は、不思議な国で宗教戦争とは無縁です。 なんでも受け入れ、自分たちの物として取り入れる土壌があったからかも知れません。 スポンサーリンク.

次の