概要 [ ] 他社用の木製部品の製造から業界に関わり、東京CMC社の廃業時に同社の金属製モデルガンを受け継ぐ形で本格的なトイガン製造販売を開始した。 の様なリアルな構造や形状の再現が特徴。 他社がモデルアップしない独特のモデルや機構を製品化する傾向が強く、革新的なガスリボルバーシステム「ペガサス」で確固たる地位を築いた。 の黎明期に、を実現した最初のメーカーである。 ブローバックシステムの主流がアフターシュートからプレシュートに移行した後は、との提携でマグナブローバックが主流になった。 しかし現在ではペガサスシステム搭載の、が主流になりつつある。 かつてはハイパワー傾向が強く、長物の主力であるガスボルトアクションライフルシリーズなど無改造状態でも、0. しかし、この問題は2006年の銃刀法改正により解決されている。 2008年現在の社長は田中祥元。 製品の特徴 [ ] 古くは田中木工として、実銃・モデルガン用の木製ストックの製造を手がけていた事が知られている。 その為、木製部品を使用した製品や、純正の木製グリップが用意されている事が多い。 モデルガンの試作・製造・販売で知られるの氏との関係が古く、近年氏が没するまで製品試作の多くを依頼していた。 初期のガスオペレーションモデル、 ペガサスシステム、ガス式ボルトアクションライフル、 カシオペアシステムも氏の試作による。 モデルガン [ ] グロック17 1994年製ヘビーウエイトスライドモデル。 カートリッジは当時画期的な簡易プラスチック製を採用した。 外観や内部構造のリアリティと発火性能を高次元で両立させているが、発売初期の頃は銃身の耐久性に難があり一度も発火させていなくてもヒビが入ることすらあった。 発火を楽しみたいファンの中には、予備の銃身をあらかじめ何本か注文して破損に備えるユーザーもいたが、現在は材質や設計の見直しをされており以前よりは耐久性を向上させているものの、グロック17など一部モデルでは未だ解決されていない脆弱な部分もあり、ユーザーが独自に強度の向上を施している例も多く見られる。 リボルバーではペガサスシステムのガスガン製品をベースにモデルガンとして転用開発した製品を発売している。 これらの製品が登場した背景にはペガサスシステムがシリンダー以外の部品構成が実銃に近いモデルガン然としたリアルなものであったため、転用開発とする事でガスガンに比べ販売数が少ないモデルガンでも開発コストを抑えられるメリットがあった事が大きい。 長物では1980年代に名義で発売したを始め、旧日本軍の小銃(三八式、二式など)、機関銃(百式など)を発売し、現在でも少数ながら生産を続けている。 また、不定期にから金型を引き継いだ製品(M1カービン、モーゼル98Kなど)も発売する事がある。 ガス [ ] 画期的な機構である ペガサスシステムの成功により、商業的に困難といわれていたリボルバー型製品の新規開発を続々と行った。 、、などの知名度の高いメーカー・モデルを意欲的に製品化し、バレル長・素材・表面仕上げの違いで数多くのバリエーションを生み出している。 前述のペガサスシステムとは、カート式と比べ2倍以上の装弾数と連発時の初速の安定さを誇る。 [ ] 概要で述べている通り、「ガスの圧力でスライドが後退する」ブローバックガスガンを実現した最初のメーカーである。 現行モデルではの マグナブローバックの旧型を使用している。 しかし、構造、部品精度などの問題からガス漏れをおこしやすい傾向があり、技術的上級者向きであった。 現在ではガス漏れしにくい Rタイプマガジンや Vタイプマガジンを採用している。 事件 [ ] に カシオペアシステムなる独特な機構のを開発・販売したところ、これが警察によって「実銃」として認定され、同社が捜索、社長が逮捕されるという事件が発生した。 これは同社が開発した"ペガサスシステム"(シリンダー内にガスタンク・放出バルブを内蔵)を発展・改良したものである。 カシオペアタイプはカートリッジの中に、ガスタンク・放出バルブを内蔵した発射機構をもったものであり、 銃口側から撃鉄の(非常に弱い)力を加えることによって発射する機構であった。 設計者は実弾を発射する機能や高圧炭酸ガス充填による高発射速度化性能(場合により違法)を持たせないため、• ガスバルブの動作は銃口側から力を加えることによって行う。 さらに力の伝達効率を複数の部品を介させることによって弱める• (液化)ガスの充填容積を大きくしない• 撃鉄動作のもつ物理エネルギーを小さくする といった対策を行った上で ASGK に対し、新規カテゴリとしての検討を依頼した。 しかしASGKでは、過去にも日本で問題となった密造薬莢に対する懸念が払拭できず、バルブ開放の打撃力を可能な限り弱めて欲しいといった提案は行ったものの、認可は見送られた。 そのためタナカは提案を取り入れた上で、業界団体の未認可の状態でカシオペアシステムを搭載したガスガンを発売した。 製品を入手した科学捜査研究所は、この機構でも発射できるよう極めて特殊な構造である銃弾を試作し、カシオペアシステムを搭載したガスガンでの発射ができることを確認。 実銃と同等の殺傷能力(厚さ4ミリのベニア板を6枚貫通ができる程)を有しているとしてが違反容疑で同社をし、在庫分(約810丁)を押収した。 当該製品の販売は中止となり、既に出荷されていた約1000丁も回収に追い込まれた。 カシオペアシリーズの所持は銃刀法違反となるので、警察でも所有者に対して提出を呼びかけている。 この事態にタナカ側は大幅に反発。 社長はマスコミの取材に対して「(常識的に考えて、実弾を発射できるほどの耐久性を有していない)プラスチックの銃が実銃であるというのはおかしい」「お客さんに夢を与える玩具を作っただけ」「業界団体の認証を受けていないが、他社でも認証を受けずに発売している例があり、認証を受けていないことを以って咎め立てされるのはおかしい」「(このエアガンで発射できるような、常識でありえない機構の)実弾を作る方が悪い」「玩具以外のものを作った覚えは無い」との趣旨の発言を行った。 しかし、に同社社長は警視庁組織犯罪対策五課によって当社が業界団体により自主検査を受けないままエアガンの販売を行ったのは悪質と判断され、銃刀法違反(拳銃所持)の疑いにより逮捕された。 なお、改造を受けていないエアガンが拳銃と認定され、製造業者が逮捕されるケースは今回が初めてである。 2008年12月22日、東京地検は同社社長を釈放したと発表した。 参考・注釈 [ ]• なお、同社代表者が、業界団体であるASGKの理事長を務めていた時期に自主規制値の上限の引き上げ改定が行われており、自社製品を優遇する措置だったのではないかとの疑念が持たれている。 具体的には、前方から押すと内蔵の撃発機構が作動するという構造を有するカートリッジ(このカートリッジ単体そのものが銃であるともいえる)を製作し、これに22口径のを装填し発射させる事が出来たとされる。 『静岡新聞(夕刊)』 社刊、発行(3ページ)• 『静岡新聞(夕刊)』 社刊、2008年発行(3ページ)• 関連項目 [ ]• - カシオペア事件• - SAAなど金型引継ぎ• - M9など金型引継ぎ 外部リンク [ ]• この項目は、に関連した です。 などしてくださる()。
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この製品は蓄圧式カートリッジを使用するABS樹脂製のリボルバー型エアソフトガンである。 M29やM40の前例を踏まえてメーカーとして徹底的に安全対策を施した上で発売された。 しかし警視庁は「厚さ4ミリのベニア板を6枚貫通」する程の殺傷能力があるとして実銃と認定、製品の発売禁止および回収を命じた上で2008年に同社社長を逮捕した(同月中に保釈されている)。 その後タナカはカシオペアシリーズの製造販売を全面的に取り止めた。 なお、この事件に関しては、この機構で発射できるよう製作した極めて特殊な構造の銃弾を使用して実験を行うなどといった警察の捜査方法や、マスコミの報道内容に対する疑問の声が多く出ている。 詳細は「」を参照 警察官改造モデルガン所持事件 2010年4月21日、警視庁組織犯罪対策5課は銃刀法違反の疑いで福岡県警捜査第一課のB警部補 逮捕当時46歳 を逮捕、起訴した。 Bは警察官という立場でありながら違法に改造した回転式モデルガンを所持していた上、改造拳銃の写真を「自慢したい」と、2010年2月ごろからブログに掲載していたために犯行が発覚した。 ブログに掲載していた改造拳銃は真鍮製高級モデルガン、ミリタリーポリスとみられている。 警視庁はB宅を家宅捜索し、さらに12丁のモデルガンを発見、警視庁科学捜査研究所が鑑定したところ、うち11丁は殺傷能力がある改造拳銃と判明した。 そのうちの6丁はBが自身で改造したという。 ただし実弾は所持していなかった。 警視庁は11丁の鑑定を受けBを銃刀法違反で追起訴した。 福岡県警監察官室の発表によるとBは事件発覚前から違法性は認識していたという。 福岡県警はBを懲戒免職処分とし、監督責任として捜査第一課長を本部長注意処分とした。 起訴後の初公判で「平成11年ごろに雑誌を通じて知り合った知人から30万円で購入し、当初は銃腔が塞がれていたが、さらに別の知人に依頼し、30万円で銃腔の貫通した銃身に交換した」という起訴内容に対し、Bはその事実を全面的に認めた。 福岡の事案を東京で立件するというインターネット時代の象徴的事件ともなった。 2010年8月27日、東京地裁の本間敏広裁判長は被告のBに懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。 裁判ではBが福岡県宗像市の自宅で改造拳銃など12丁を違法に所持した事を認定。 判決理由では「人を殺傷する十分な威力があり危険。 現職警察官にもかかわらず犯行に及んでおり、刑事責任は軽視できない」と指摘。 一方で鑑賞目的だったことや、懲戒免職処分を受けていることなどから執行猶予を付けたとしている。 老舗食品メーカー社長改造モデルガン所持事件 2013年5月11日、警視庁組織犯罪対策5課と熊本県警は自宅に多数の改造拳銃などを隠し持っていたとして、銃刀法違反容疑(加重所持)で熊本市の老舗納豆メーカー会長兼社長C 逮捕当時73歳 を逮捕した。 Cは自室や倉庫などに回転弾倉式けん銃1丁 タナカ・カシオペアモデル と改造けん銃85丁、実弾62発 22LR弾 などを保管しており、警視庁の鑑定で1. 2メートルの距離から厚さ4ミリのベニヤ板を3枚から6枚程度貫通する威力があり、いずれも殺傷能力があることが確認された。 押収されたけん銃は16口径から45口径で、購入時は1丁14万円から15万円で購入したものもあった。 これらの改造けん銃は金属製あるいはプラスチック製の本来発射機能がないモデルガンを基に内径6ミリ程度の金属パイプを取り付け実弾 22LR弾 を発射できるようにC自身が加工したものであった。 Cは芝浦工業大機械科出身で改造の技術を持ちえたとしている。 調べに対し、Cは「西部劇を見て銃に興味を持ち、20歳代の頃からモデルガンを集めて改造していた。 実弾は専門雑誌で情報を集め、20年ほど前に買った」と供述し、自宅倉庫で弾速を測りながらスチール缶などを標的にして撃っていたとしている。 捜査関係者によるとCはマニア向け雑誌の投稿欄を通し、改造用の拳銃の部品を入手。 実包も雑誌に「売ります」と掲載されていたものだったという。 警視庁でこの時押収した改造けん銃85丁は前年1年間の改造けん銃の押収数64丁を上回り、過去最大級の押収量となった。 また、Cは熊本経済同友会の顧問や熊本商工会議所の副会頭も務めており、関係者に衝撃を与えた。 おもちゃ狩り訴訟の位置づけに関して指摘する記事(2018年1月22日発行「HOBBY JAPAN MOOK No. 京都府警は、昭和53年5月26日、神保勉を銃刀法違反(販売目的での所持)の容疑で逮捕したが、京都地方裁判所は勾留請求を却下し、また検察による勾留請求却下に対する準抗告も棄却した。 神保は起訴猶予処分とされ、同人はこれらの一連の警察の捜査が不当逮捕・不当捜査であると主張し、損害賠償を求める民事訴訟の提起も行った。
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・ ・タナカ カシオペア製品について ASGKからのお知らせ 2008年 10月 31日 ASGK 日本遊戯銃協同組合 理事長 永吉 勝美 (株)タナカ カシオペア製品について 2008年10月8日、ASGK組合員である(株)タナカがお得意様各位として流通業者様宛に1通の文書を配布いたしました。 文書には、「銃刀法違反の疑いがあるとの理由で警察の捜査を受けました。 」とあり、同社製カシオペアタイプ製品の出荷停止と流通在庫品回収のお願いをいたしております。 文書は同社のホームページにも掲載されました。 流通在庫の回収はすでに完了しており、現在はホームページ上の文書はありません。 10月22日当組合事務所におきまして警察の担当の方から、捜査などに関する状況を伺いましたのでご報告いたします。 ( 経緯 ) 10月7日(火) (株)タナカのカシオペアタイプ製品などが押収されました。 10月8日(水) (株)タナカがカシオペアタイプ製品の出荷停止と流通在庫品回収のお願い文書を出しました。 10月22日(水)当組合事務所におきまして、警察の担当の方から、捜査などに関する状況を伺いました。 ( 現在の状況 ) カシオペアタイプ製品は、火薬を使用できるようにした薬莢をセットすると発火する可能性がある、という問題点につき警察の研究所で検査をおこなっているようです。 (株)タナカの社長や従業員は捜査当日に事情聴取を受けましたが、その聴取状況から、7月の発売直後から警察当局はM500タイプの検査をおこなっていたと推測されます。 ( カシオペアタイプ製品が発売されるまでの流れ ) 本年3月下旬に、(株)タナカ(以下、タナカと略します。 )から、組合宛に自主規約の変更を検討してほしいという内容の文書が寄せられ、続いて基本構造図や分解構造図、シリンダー周辺の模型などが送られてきました。 通常は、各社が開発を進めている段階において、競争相手でもある他の組合員に対して新製品の特徴や構造を開示することはありません。 タナカの新製品の構造は現行の組合自主規約にはない新規のカテゴリーに属するものであって、検査の申請が出来ない状況にありました。 検査の申請が出来なければ合格することはなく、したがってASGK証紙も発給することができません。 その場合には今回のタナカのように、組合に対して検査規約の変更や新設を申請することが必要となります。 しかし規約の変更や新設は総会の決議事項であって、半年単位の時間を要することが多く、実際のビジネスサイクルには追いつかないのが実情です。 そのような時は、組合で規約の検討が行われている間、各社は自己の責任においてASGK証紙なしで商品を販売することになります。 組合は自主規約にない商品だからといってその発売を止める権限を持っていません。 過去に例もなく規約にも想定されていない全く新しいカテゴリーに属する新製品が誕生するときには、このような中間的な状況が発生します。 今回のタナカ新製品はその一例であって、当然のことながらASGK証紙は貼ってありません。 またASGKというマークは組合の登録商標であって、検査に合格しない商品にASGKの刻印などを付すことは許されません。 タナカは金型に彫ってあったASGKの刻印をすべてはずして新製品を発売したと聞いています。 それは組合の権利を尊重した正しい行動です。 組合員から、規約に載っていない新しい製品の検査規約を制定してほしいという要望があった場合には、ASGKはその新製品が一般消費者の安全を脅かす恐れがないかを検討し、組合員の合意が得られれば新規に検査規約を制定して検査をおこなえるようにします。 そして検査合格後にASGK証紙を発給します。 法的に問題があることが明らかである製品でない限り、現行の規約にない、という理由だけで新製品の出現を妨げることは許されません。 できるかぎり新製品が世に出られるように、ASGKは新規約制定を含め最大限の努力をし、協力をします。 安全対策の確立に努めると共に、組合員の自主的な経済活動を促進することが組合の目的です。 3月下旬に規約変更の要請があり、次いで模型や図面が送られてきましたので、4月上旬に理事全員が組合事務所に集まりタナカの新製品に関する検討会を開きました。 その結果は、現状では自主規約を変更することは難しいのではないか、組合員の合意を得ることは難しいのではないかというものでした。 ( カシオペアタイプ製品の特徴 ) カシオペアタイプ製品の特徴は、薬莢型の小型タンクにガスを注入し、外部から力を加えてガスバルブを開放する、蓄圧式カートリッジを使用する拳銃型玩具銃であって、現行のASGK検査規約には載っていない新規のカテゴリーに属する製品である、という点にありました。 従いまして検査をおこなうには新規約の制定が必要となります。 ASGKは「エアソフトガン」という商標権を持っている団体であり、文字通りエア(あるいは低圧ガス)の力を使って球状弾を飛ばす玩具銃、遊戯銃、競技銃などを製造する業者が加入している団体です。 火薬を使って弾丸を発射する銃は本来的に想定していません。 タナカから送られてきた模型や図面を検討したところ、玩具銃としては新規でとても興味深く、エアガンとしての危険性は感じられませんでした。 発想も素晴らしく、基本構造もとても良く研究されていました。 蓄圧式カートリッジを使用する玩具銃で注意しなければならないのは、炭酸ガスを注入された場合に危険性はないか、という点です。 消費者の安全を考えるときに市場で簡単に入手することができる炭酸ガスは最も注意を払わなければならない相手です。 タナカの新規方式はハンマーに係るバネAの力が、本体側に内蔵された部材1に伝わり、次にシリンダーに内蔵された部材2に伝わり、最後にシーソーのような部材3に伝わって力の方向が逆転し、蓄圧式カートリッジの内側のパイプに伝わってバルブを前方から開放する、という構造でした。 いくつもの部材を介して力が伝達されるので伝達効率はあまり高くなく、シーソーのような部材3の実質ストロークも3ミリ程度であって、仮に炭酸ガスが注入されたとすると直径6ミリの断面積にかかる力は10kg以上となり、バネAの力だけではバルブの開放ができないことは明らかでした。 またカートリッジの容量は小さく、現在流通している134Aガスを使用するとしても準空気銃に該当する危険性はないと感じました。 このままでもエアガンとして十分に安全ではないか、という意見を持つ理事もいました。 しかし、蓄圧式カートリッジを用いることには言いようのない不安がありました。 ( 蓄圧式カートリッジに関する過去の記憶 ) エアガン業界にはコクサイM29事件(昭和61年・1986年)とアサヒM40A1事件(平成6年・1994年)というふたつの苦い記憶が残っています。 両方とも蓄圧式カートリッジを用いるものでした。 コクサイM29は拳銃型玩具銃で、シリンダーに入れた蓄圧式カートリッジを後方から直接打撃してバルブを開放する方式でした。 何の工夫も安全性への配慮もなく、実銃の構造と全く同じで、撃針がカートリッジの後方中心部を直接打撃する銃でした。 20年以上前のことです。 アサヒM40A1は大型のライフル銃で、鉄製の薬室に入れた蓄圧式カートリッジを前方から打撃してバルブを開放する方式でした。 カートリッジを打撃するための太くて長い銃身は可動式でとても重く十分な慣性があり、その銃身を動かすための撃発用スプリングもとても強力でした。 カートリッジに炭酸ガスを注入するための別売パーツなども出現してしまい、またその炭酸ガスの圧力に負けずにバルブを開放できるだけの力と構造とを有していたので、エアガンとしても危険なものでした。 またその打撃力は22口径の実弾を発射できることが実証されたほどに強力であって、鉄製の薬室は22口径の実弾発射を繰り返しても十分に耐えられるほど丈夫なことが実証されテレビで報道されました。 製造者であるアサヒファイヤーアームスは当時ASGKの要職にあり、M40A1を危険と指摘した組合員の反対を押し切って勝手な規約を自ら作り、無理矢理にASGK合格として証紙を貼り、販売してしまった経緯があります。 大変残念なことですが、これはASGKの汚点です。 しかし現在のASGKには、M40A1の合格強行突破に関わった者はひとりもいません。 M40A1関係者はすべてASGKを脱会しています。 M40A1が発売されてから1年以上が経過して、ある小売店が火薬を入れたM40A1用のカートリッジを密造し、売り出すという事件が起きました。 これがきっかけとなってM40A1は実銃と認定され回収となりました。 ( タナカ カシオペア製品と、アサヒM40A1との比較 ) コクサイM29と比較することに意味はありません。 タナカ方式は撃針部分が本体を貫通する構造ではないので、撃針が薬莢に直接接触することはないからです。 蓄圧式カートリッジに前方から力を加えてバルブを開放する方式、と考えると方式的にはアサヒM40A1と似ています。 しかし、アサヒM40A1は十分な慣性を有する重い銃身を強力なスプリングで移動させてカートリッジの前方から激突させていますが、タナカ方式では大きな慣性を有する重い部品は存在せず、スプリングの力もM40A1とは比較できないくらいに弱いものです。 しかも後方からの力を複数の部品を介して伝達し、最終的にはシーソーのような小さな部材で力の方向を逆転させていますので伝達効率は悪く、とても22口径のような実弾を発火させる力はありません。 その点では全く異なります。 勿論、タナカ方式は炭酸ガスの圧力を開放する力もありません。 では、なぜASGKとして公認することに不安があったのでしょうか? ( 当初のタナカ・カシオペア方式に見られた不安点 ) 蓄圧式カートリッジに前方から力を加えてバルブを開放する方式においては、加える力の性質に注意しなければなりません。 大きな打撃力は危険です。 M40A1には大きな打撃力がありました。 22口径の実弾を発火させ、炭酸ガスの高圧力を開放し、火薬入り密造薬莢を発火させてしまう打撃力です。 タナカ方式には22口径の実弾を発火させたり、炭酸ガスの高圧力を開放してしまうような大きな打撃力がないことは明らかでした。 しかし、もしかすると、火薬入り密造薬莢ならば発火させてしまう打撃力があるのかもしれない、という漠然とした言いようのない不安が残りました。 火薬入り密造薬莢、というものを見た者はASGKにはいないので、それがどれくらいの力で発火するのかがまったく分かりません。 火薬入り薬莢というものを作って実験することは法律で禁止されていますから実験してデータを収集したり分析したりすることも許されません。 とにかく数値による確認が取れないのです。 組合規約の大半は重さや硬さ、速さ、強さなどの数値で決められています。 数値の分からないものを勝手に想像して何らかの判断をして、それに対して良いとか悪いとかを適当に言うことは組合としてはできません。 分からないけど、なんとなく不安だからその製品を売るのをやめてください、これも無責任すぎて言えません。 企業が数千万円をかけて真剣に研究開発し製造する商品に対して、なんとなく不安だから、は数千万円を廃棄させる理由にはなりません。 しかし火薬入り密造薬莢というものが過去に存在したことも事実です。 発火性能が数値化できず、構造も想像する以外に理解できない火薬入り密造薬莢を想定して組合の規約を作ることはできません。 法的に許可されていない火薬入り薬莢を組合やタナカが作って実験することもできません。 どのような力で発火するのか全く分からない、火薬入り密造薬莢というものを相手にタナカはどう立ち向かえば良いのか、組合として公式なアドバイスをタナカに伝えることは不可能でした。 ( タナカに対する提案 ) 組合としては、タナカの新製品を肯定することも否定することもできません。 しかし何もしない、という選択肢もありませんので、検討会に集まった理事の抱いた言いようのない不安感を含め、私が個人的な意見を加えてタナカに幾つかの提案をいたしました。 具体的な提案を幾つか示し、それらの提案を参考に、でき得る限り打撃力を弱める努力をしてもらえないか、というのがその内容です。 その提案に数値の裏付けはありません。 何らかの対策をしておかなければ不安。 火薬入り密造薬莢、という数値で捕らえることができないものに対して、とにかく何かしておかなければ不安、それしか伝えようがありませんでした。 ( タナカが当初案に比べて改良を加えた部分 ) 私の個人的な意見を多く含む提案に対して、タナカは真剣に社内会議を開いて対策を考えてくれました。 私の提案のほとんどは力の伝達経路に幾つかのクッションを持たせるという、打撃力の低減案に関するものが主でしたが、それらに加えタナカはバルブ開放のストロークが3ミリ以上あったものを限界まで追い込み、実質ストロークを1ミリ近くまで縮めるという改良をした、ということを発売後に聞きました。 とても大きな低減効果があったと考えられます。 生産直前の時期にあったにも関わらず、タナカはできる限りの努力をしてくれました。 ( ASGK公認は可能か ) しかし、だからといってASGK公認となれるわけではありません。 残念ながら、なんとなく不安、という部分が残るからです。 ( なんとなく不安、の正体は何か ) 不安の正体は、火薬入り密造薬莢、というものです。 それは自然と生まれてくる訳ではありません。 それを作り出す過激な者がどこかにいるのかもしれないのです。 M40A1のときに出現した火薬入り密造薬莢は、ある小売店が営利目的で作ったものでした。 数百発を販売していたと当時聞いた記憶があります。 悪意のある者は、そのようなものを作って販売すれば社会的な安全が脅かされることを承知で行動してきます。 そして彼らは、悪意と共に知識と技術を持っています。 ( タナカはなぜ家宅捜索を受けたのか ) M40A1で発火する火薬入り薬莢を作ることは、実はあまり難しくないのかもしれません。 とにかく22口径の実弾を発火させることができたほどの、強力な打撃力を有していたのですから、かなりラフな構造でもよかったのでしょう。 しかし、タナカのカシオペアタイプ製品で発火する火薬入り薬莢を作ることは、かなり難しいのではないでしょうか。 もともとM40A1とは比較にならないほど弱い打撃力しかない上に、当初の設計からかなりの改良が加えられ、打撃力は相当低減しているはずです。 力の伝達経路にふたつのクッションが加えられ、最終ストロークも3ミリから1ミリ程度へと極めて短くなっています。 その厳しい条件下で火薬を発火させることはそれほど容易なことではないように思えます。 火薬を発火させることを目的として作られたモデルガンでさえ不発があります。 ましてや火薬を発火させないように努力して作られたタナカのエアガンで発火させるのは極めて難しいことなのではないでしょうか。 しかし、警察の担当の方から説明を受けましたが、それでも発火する可能性があるとのことです。 警察がわざわざそのような発火しやすい薬莢を製作して玩具銃を実銃に仕立て上げるとは考えられません。 でも現実にはそのような発火しやすい火薬入り薬莢が警察の手元にはあるようです。 M40A1の発売後、1年余りが経過してから火薬入り密造薬莢が登場したのですが、それにははっきりとした営利目的がありました。 今回は違います。 タナカのカシオペアタイプ製品で発火する火薬入り密造薬莢がどこかで売られたとか、インターネットで売られたとか、あるいは誰かがどこかで見たとか、そのような情報はいっさいありません。 つまり、今回の事件は営利目的ではないような気がします。 ( 警察の捜索について ) タナカに対しておこなわれた捜索は正しいものだったと思います。 しかし安全な玩具銃を作ろうと努力したタナカが罪に問われるかもしれないと考えると、やりきれない気持ちです。 今回の件はとても残念なことであり、とても悲しいことです。 新しい可能性を持った玩具銃がひとつなくなりました。 火薬入りの密造薬莢を入れられても発火できないようにとタナカが企業努力したにもかかわらず、過激な者はその上を行く技術で発火できる薬莢を密造したのでしょうか。 前述したような理由でASGK公認は難しかったのですが、業界の方もファンの方も、タナカの新製品を歓迎してくれていました。 本当に残念です。 ( 薬莢式のエアガンはすべて危険なのか ) 薬莢がストローのように貫通したパイプ状であって、球状弾をパイプ内部に保持するだけのようなタイプは20年以上の歴史がありますし、世間的にも十分に認知されている玩具銃だと思います。 大きな事件を起こしたという記憶もありませんので特に問題はないと考えています。 しかし、薬莢に対して何らかの力が外部から加えられて、薬莢の一部が動くようなタイプのものは、十分に気を付ける必要があると思います。 今のような状況では、ASGKがそのようなエアガンに対して新たな検査規約を制定して検査をおこない、それを合格と認定することはないでしょう。 以上で報告を終わります。 とても長い文章になってしまいましたが、今回の事件は業界にとって悪夢のような事件であって、簡単な報告書だけでは表しきれないものでした。 ASGKは法律を遵守し、常識の範囲において活動をしています。 今後新しいコンセプトで遊戯銃を開発するときには、今まで以上に細心の注意と配慮をして対応していかなければならない事をあらためて認識しているところです。 この報告書をご覧になって、ご意見などがございましたら、ハガキや封書で組合宛にお送りください。 寄せられたご意見に対して返事を差し上げることはできませんが、皆様からのご意見を大切にし、今後の組合活動につなげてゆきたいと考えます。 なお組合常勤の事務員は1名しかおりませんので、電話やFAXでのご質問などには十分な対応をとることができません。 なるべくハガキや封書をご利用ください。 今後ともASGK日本遊戯銃協同組合を応援してくださいますようお願い申し上げます。 Copyright 2006-2014 ASGK.
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