契約書の署名欄に記載する会社の住所(所在地)について解説します。 一例を示すと以下のとおりです。 契約書には会社の本店所在地を記載する 上記のとおり署名欄には会社の住所(所在地)を記載します。 この住所(所在地)は法務局に登記されている本店所在地を記載します。 契約書に記載する会社の住所(本店所在地)は契約の当事者となる会社がどの会社であるかを特定するために必要な情報です。 そのため、会社の実態にかかわらず、登記上の本店所在地としておく必要があります。 登記上の本店所在地と実際の会社の場所が異なる場合 会社の移転によって登記上の本店所在地と実際の会社の場所が一致しなくなっている場合があります。 その場合であっても契約書にはやはり本店所在地を記載するのが原則です。 契約当事者たる会社を公的な記録をもって特定するためには登記上の本店所在地を用いざるを得ないからです。 もっとも、契約書に事業実態のない本店所在地のみが記載されているとなると契約書の文面からは相手方の実際の会社の場所が分からなくなってしまいます。 そのため、例えば相手方の会社について実際の会社の場所しか知らない社員が自社にいると、そのような社員にとって契約相手がどの会社であるかがすぐに分からないおそれもあります。 そこで、登記上の本店所在地と実際の本社の場所が一致しない場合、契約書の署名欄に本店所在地を記載することに加え、実際の本社の場所も付記するなどしておくのが良いように思います。 本店所在地ではない住所を記載した契約の有効性 契約書の署名欄に本店所在地ではない住所(所在地)を記載したまま契約を締結してしまった場合、その契約が有効であるかが問題となるおそれがあります。 具体的には、契約の相手方がどの会社であるか、自社が契約の相手方と考えていた会社に対して契約の効力が及ぶかという点に疑義が生じます。 その場合であっても、直ちに契約が無効とされたり、相手方に契約の効力が及ばなくなるわけではありません。 相手方が契約の効力を争わなければ問題にならないからです。 相手方が契約の効力を争った場合であっても、契約書に記載された会社名、住所(所在地)、契約の締結者、契約締結時のやりとりの記録などから相手方たる会社が特定できるのであれば、最終的には自社が契約の相手方と考えていた会社に対して契約の効力を主張することができるはずです。 もっとも、上記のような問題を避けるためにも、契約書には最初から登記上の本店所在地を記載しておくべきということになります。 【次にお読みいただきたい記事】 契約書に関して他にもお役に立つ記事を掲載しています。 【記事カテゴリー】 契約書や取引について弁護士に相談することができます。 【業務案内】 【業務案内】.
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契約書の署名欄に記載する会社の住所(所在地)について解説します。 一例を示すと以下のとおりです。 契約書には会社の本店所在地を記載する 上記のとおり署名欄には会社の住所(所在地)を記載します。 この住所(所在地)は法務局に登記されている本店所在地を記載します。 契約書に記載する会社の住所(本店所在地)は契約の当事者となる会社がどの会社であるかを特定するために必要な情報です。 そのため、会社の実態にかかわらず、登記上の本店所在地としておく必要があります。 登記上の本店所在地と実際の会社の場所が異なる場合 会社の移転によって登記上の本店所在地と実際の会社の場所が一致しなくなっている場合があります。 その場合であっても契約書にはやはり本店所在地を記載するのが原則です。 契約当事者たる会社を公的な記録をもって特定するためには登記上の本店所在地を用いざるを得ないからです。 もっとも、契約書に事業実態のない本店所在地のみが記載されているとなると契約書の文面からは相手方の実際の会社の場所が分からなくなってしまいます。 そのため、例えば相手方の会社について実際の会社の場所しか知らない社員が自社にいると、そのような社員にとって契約相手がどの会社であるかがすぐに分からないおそれもあります。 そこで、登記上の本店所在地と実際の本社の場所が一致しない場合、契約書の署名欄に本店所在地を記載することに加え、実際の本社の場所も付記するなどしておくのが良いように思います。 本店所在地ではない住所を記載した契約の有効性 契約書の署名欄に本店所在地ではない住所(所在地)を記載したまま契約を締結してしまった場合、その契約が有効であるかが問題となるおそれがあります。 具体的には、契約の相手方がどの会社であるか、自社が契約の相手方と考えていた会社に対して契約の効力が及ぶかという点に疑義が生じます。 その場合であっても、直ちに契約が無効とされたり、相手方に契約の効力が及ばなくなるわけではありません。 相手方が契約の効力を争わなければ問題にならないからです。 相手方が契約の効力を争った場合であっても、契約書に記載された会社名、住所(所在地)、契約の締結者、契約締結時のやりとりの記録などから相手方たる会社が特定できるのであれば、最終的には自社が契約の相手方と考えていた会社に対して契約の効力を主張することができるはずです。 もっとも、上記のような問題を避けるためにも、契約書には最初から登記上の本店所在地を記載しておくべきということになります。 【次にお読みいただきたい記事】 契約書に関して他にもお役に立つ記事を掲載しています。 【記事カテゴリー】 契約書や取引について弁護士に相談することができます。 【業務案内】 【業務案内】.
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「覚書」とは 「覚書」の読み方と意味 「覚書」とは「おぼえがき」と読み、「当事者双方が合意した契約内容を文書化してまとめた書類」のことです。 「覚書」という言葉からメモや忘備録のような軽い印象がありますが、実際には、契約内容を把握または変更・補助するためにも必要となる書類であり、法的効力を持つこともある書類です。 「覚書」の法的効力 「覚書」はその内容次第で、法的効力のある公的な書類です。 公的効力を持つとみなされた覚書の場合、その法的効力の位置づけとしては契約書の下に続く効力を持ちます。 また覚書とあってもその実態が契約書と同等だとみなされた場合、契約書として効力を発揮する場合もあります。 「覚書」の使い方 覚書が活用されるのは、当事者双方が合意をして契約を結ぶ際の内容事項の確認、修正、変更をするときに覚書が作成されます。 また契約締結の意思確認としても覚書が作成されることがあります。 「覚書」の書き方と文例 覚書の構成 覚書の基本的な構成は次のようになります。 前文: 契約内容の要約と、当事者のどちらが略語である「甲乙」を名乗るのかが記されます。 本文: 具体的な合意内容が記載されます。 後文: 作成した覚書の部数や誰がそれを所持しているのか、また当事者同士が合意したことを確認する宣誓文など、後付け内容が記載されます。 覚書の作成日: 覚書を作成した日付です。 当事者名: 当事者両名の署名と捺印がされます。 当事者名は当事者本人による自著の場合と、当事者に代わる代理人による記名の場合もあります。 捺印があることで正式書類として認められる証です。 甲乙の置き換えに注意 覚書では当事者のことを「甲」または「乙」と言い換えますが、この置き換えには注意が必要です。 一般的には力関係の強さが基準で甲乙が決められます。 力関係が強い方が「甲」となり、力関係が弱い方が「乙」となります。 とはいえ、どちらの力関係が強いのか判断しにくいこともあり、当事者のどちらを「甲」にするのか難しい場合があります。 そうした場合ビジネスでは、契約上で顧客となる相手を立てるために「甲」を顧客側、「乙」を自社にするケースがよく見られます。 印紙がいるかどうかの判断は契約内容の金額次第 覚書によっては印紙が必要となる場合があります。 それは覚書の内容が請負契約や売買契約などで金銭が伴う覚書で、その金額が1万円以上の場合です。 もしもその金額が一万円以下か金銭が絡まない契約、委託契約に関する覚書であれば課税対象にはならないので、印紙は必要ありません。 なお、印紙の貼り忘れは罰金対象にもなりますので、印紙が必要かどうかの判断が難しい場合には事前に法務局に問い合わせましょう。 「覚書」の変更・修正の仕方 すでに書かれた当事者双方で取り交わされた覚書の内容を変更または修正したい場合には、改めて変更・修正するための覚書が作成されます。 その際には、本文に変更される内容が記された覚書の作成日と内容を記載し、どのように契約内容を変更するのかを明記します。 (合意内容の詳細を記述) 1. 2. 3.など 以上を合意した証しとして、本書を二通作成し、甲乙署名捺印の上、各々一通を所持する。 一方「念書」とは、契約を交わす当事者の一方が相手に対して提出する書類で、双方の合意があるわけではありません。 念書を提出する側が相手に対して求める契約内容を提示する役割があります。 覚書との違い 契約書と覚書との違いは、どちらの書類も契約内容の確認をするための書類なので、その記載のされ方によっては覚書は契約書と変わらないため、覚書が契約書として取り扱われることもあります。 しかし本来の覚書の役割は当事者間で契約内容の確認までですから、法的効力としては覚書は契約書の次の書類となります。 一方、念書は当事者双方の確認がされていない内容になりますので、その点において覚書とは異なります。 また法的効力があることもケースによっては考えられ、その場合の法的効力は覚書よりも下に位置付けられます。 まとめ 「覚書」とは「契約内容を確認したり修正・変更するために作成される書類」です。 公的効力を持つこともあり、覚書の内容によっては契約書として扱われることもあります。 そのため覚書も契約書と同等に契約内容は十分に吟味して、本当にその内容で納得がいくのかどうかを判断したうえで署名・捺印することをお勧めします。
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