物語の舞台は、第二次世界大戦下のドイツ。 恐る恐る扉を開けると、中にはユダヤ人の少女が隠れていました。 ロージーは反ナチスの活動をしていますが、ジョジョに直接伝えることはせず、どうしたら人間の本来あるべき正義を伝えられるか奮闘していました。 生粋のナチス信者であるジョジョは、ゲシュタポに通報するとエルサを脅します。 しかしエルサは、ロージーとジョジョが自分を匿っていたと嘘をつけば、おまえたちも死刑になるとジョジョを言い負かします。 C 2019 Twentieth Century Fox 空想の友人アドルフと相談し、ユダヤ人の秘密を全部話せばこの家に住んでもよいと条件を突きつけるジョジョ。 ユダヤ人の生態を調べ上げ、壊滅させるための本を書き上げようと思ったのです。 エルサはこれに本気で相手にすることはなく、ありもしないユダヤ人のとんでもパワーをジョジョにうそぶきます。 ジョジョはエルサの話に夢中になると同時にエルサ本人にもひかれ始めます。 エルサと話すうちに、エルサにはネイサンという離れ離れになってしまった恋人がいることがわかります。 嫉妬したジョジョはネイサンから手紙が来たと嘘をつき、ネイサンは君と別れたがっていると告げます。 エルサはこれに泣き出してしまい、焦ったジョジョはネイサンから前言撤回の手紙が来たとまた嘘を繰り返します。 そんなある日、ゲシュタポのディエルツ大尉がジョジョの家の抜き打ち検査にやってきます。 ロージーは不在にしており、必死にエルサを匿おうとするジョジョでしたが、エルサはゲシュタポの前に現れ、死んだインゲのふりをします。 ゲシュタポがジョジョの家に入っていくのを見ていたクレンツェンドルフもジョジョの家を訪れます。 エルサはディエルツに身分証を見せるように指示され、引き出しにしまっていたインゲの身分証を差し出します。 生年月日を尋ねられますが、クレンツェンドルフが間違いないことを確認します。 翌日、公園ではロージーが処刑されて首をつっていました。 インゲの身分証の生年月日とエルサの答えた生年月日は間違っており、クレンツェンドルフがごまかそうとしたものの、ゲシュタポは見逃していなかったのです。 ジョジョはエルサのせいで母親が殺されてしまったとエルサの肩にナイフを突き刺します。 しかしエルサを好きな気持ちが入り乱れ、傷は浅くその場で泣き崩れてしまいます。 街にでたジョジョは兵士として頑張るヨーキーと久しぶりの再会を果たします。 ヨーキーからヒトラーはすでに死んでいて、連合国が間もなくドイツを占領すると聞かされます。 早速やってきた連合軍を前に、ミス・ラームは子供たちに銃を持たせ突撃を命じます。 ジョジョもナチスの制服を着せられますが、その場から逃げ出し、連行されたクレンツェンドルフを見つけます。 しかし、クレンツェンドルフはジョジョを見るや 『ユダヤ人のくそ野郎』とののしりジョジョを追い払います。 アメリカの軍人はジョジョのことをユダヤ人だと勘違いし見逃しますが、クレンツェンドルフは殺されてしまいます。 家に帰ったジョジョはエルサからどっちが戦争に勝ったのか尋ねられます。 ドイツ軍が負けたことを告げればエルサは隠し部屋から出て行ってしまうと恐れたジョジョは、ドイツ軍が勝ったと嘘をつきます。 しかし、その嘘はすぐにばれエルサは激怒。 ジョジョはダンスを踊りごまかすのでした。 『ジョジョ・ラビット』大事なポイント クレンツェンドルフ大尉はなぜエルサやジョジョを守ってくれたのか? 映画の中で明確な表現はないですが、クレンツェンドルフはある秘密を抱えています。 それは彼がゲイであるということです。 クレンツェンドルフは片目でゲイのドイツ人だけど、そんなことよりも『がんばれ!ベアーズ』のマッソーにとても似ていることに気が付いたんだ 笑。 クレンツェンドルフの単純な人間だと割り切れないところが気に入った。 彼は秘密を抱えている。 一つにはゲイのナチス党員という点で、いままでそんな存在を描いたことはなかったんじゃないかな。 いくつかの人格が同居するこの役を演じてみたいと思ったんだ。 ナチスは同性愛者を迫害しており、クレッツェンドルフはそのことにとても失望しています。 そのためゲシュタポがエルサのもとを訪れたときには匿おうとしてくれ、連合軍に包囲されたときには自らが犠牲となりジョジョを守ったのです。 登場こそ強烈でしたが、彼はただファッションデザイナーになりたかった、やさしい人間なのです。
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映画『ジョジョ・ラビット』ネタバレ感想。 少年よ、踊るのだ。 映画『ジョジョ・ラビット』ネタバレ感想。 少年よ、踊るのだ。 2020. 少年ジョジョの空想の友人はヒトラー総統、というとんでもな設定を引っ提げた本作。 映画館で一度予告編を見たのみ、という前知識で鑑賞して参りました。 ヒトラー役には監督も務めるタイカ・ワイティティ氏。 『マイティ・ソー:バトルロイヤル』を撮ったお方だそうですね。 そして主人公ジョジョの母親役に、『ブラック・ウィドウ』のスカーレット・ヨハンソンさん。 ジョジョを鍛えるコーチ役に、『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェル氏という豪華キャストが勢ぞろい。 贅沢至極な108分でございます。 あらすじ 十歳の ジョジョは、ナチスの親衛隊に入ることを夢見る少年だった。 空想の友人はヒトラー総統。 寝室には親衛隊のロゴと総統の写真が飾ってある。 そんなある日、ジョジョは二階で不審な物音を耳にする。 出所は亡くなった姉 インガの部屋で、 もしや幽霊? と緊張するジョジョ。 しかしそこにいたのは、彼が憎むべき敵であるユダヤ人の少女 エルサだった……。 未見の方注意。 感想 インパクト大な空想の友人に始まり、ビートルズやデヴィッド・ボウイの曲に乗せて、軽快に物語を紡いでいく『ジョジョ・ラビット』。 幼い少年たちが訓練場で熱心に戦争の真似ごとをしてみたり、本物の爆弾を投げる練習をしてみたり、他民族への憎悪を口をそろえて肯定してみたり。 ほとんど全編をコメディタッチで描いてはいるものの、 正直言って笑えない。 もちろん製作側の意図としては、わざと振り切った演出で描いているし、観客は次々と繰り出されるありえない絵面を笑い飛ばすのが正しいのでしょう。 でもなあ……って、身構えちゃうんですよね。 この後には、必ず笑うことのできない出来事が起こるんだって。 そして当然のように予感は現実となり、ジョジョの母ロージーが死んでしまう。 このシーンは、本当に上手な監督さんなんだなあと感心しました。 事前にダンスのステップを踏むロージーの足だけが何度も映るようにし、彼女の靴の形や色を観客に教え込む。 そして秘密警察の追撃を見事機転で交わした……と思わせた後で、町に出たジョジョの横にぶら下がる母の靴。 序盤でロージーがジョジョと二人、街中の絞首台を遠くから眺めるシーンが映るんですが、やっぱりなあ……やっぱりこうなったか……と、ただただ悲しくて仕方がなかった。 ピンクの象と同じように、人の死なない戦争映画は存在しない。 例えば2017年の『ウィンストン・チャーチル:ヒトラーから世界を救った男』のように、ナチスと闘う側の映画であれば、これほどの悲壮感は前面に出ない。 むしろ暴虐に屈せず奮起するという人間の肯定的な面が強調されるため、最後は幾分かは明るい気持ちで終わることができる。 けれど本作や『戦場のピアニスト』、『シンドラーのリスト』のように東側を舞台にした作品になると、途端に降りかかる悲劇は約束されたものとなり、ただただ積み上げられる人の死に声もないほど打ちのめされてしまう。 愚か、と言い切るにはむご過ぎる行為の数々を前にし、彼らと同じ人間であるという罪の意識が、恥となって心のどこかを責め苛むからかもしれない。 母を処刑によって失ったジョジョは、長い間彼女の亡骸の前に座り込み、動かなかった。 十歳という年齢を考えると、少し大人びたというか落ち着きすぎた行動ではないかと感じるところもあった。 あまりに静かに涙を流し、泣きわめいたり、誰かを責めたりといった言動が一切ない。 つまりは受け止めた証なのかと、胸を突かれたような気持ちになった。 なんだこりゃ、悲しすぎるじゃないか……と思える物語の中に、救いの光は確かにある。 一つはエルサ。 母ロージーが家に匿い、ジョジョが彼女を見つけたことにより、次第に絆を深めていくユダヤ人の少女だ。 互いの親を亡くした後で、それでも終戦を迎えた町にて、思うままにステップを踏み始める姿は力強い。 もしかすると、収容所に連れていかれたエルサの両親は生き残っているかもしれないが……。 奇妙な縁で出会った二人が、家族として終戦の世を生き抜き、最後には愛する人々に囲まれて笑っていられればなと思う。 そしてもう一つはクレンツェンドルフ大尉だ。 初っ端のキャンプにて教官として登場し、最高にイっちゃった姿で全編を駆け抜けた男。 一見すると狂信的ナチスの一員のように見えるが、実はこの戦争自体を馬鹿馬鹿しい喜劇と捉えているのではないかと思える節が多々ある。 何より副官のフィンケルとの間には特別なものがあるようにも見受けられ、同性愛者を否定している国家側の意志とは、はなから反りが合わなかったのだろう。 彼はジョジョの母ロージーを善人と認め、亡くなった姉インガに成りすまそうとしたエルサのミスを見逃している。 そして最後の市街地での戦いにおいては、自身がデザインした非常に馬鹿馬鹿しい軍服に身を包むという、冗談のような行為に出る。 おそらく、大尉はごく普通の人だった。 ロージーのように国家に反抗する勇気もないが、彼らの主義主張を妄信するわけでもない。 だから大抵は酒で自分をごまかしている。 本当に普通の、どこにでもいる人だった。 最後に彼はアメリカ軍の兵からジョジョを救い、自身は処刑されてしまうのだが、ここで敵方であるアメリカ側を特にヒーローとして描かなかったのは素晴らしい。 勝利を確実にし、本来ならば捕虜として扱うべき敗軍の兵を、彼らは一か所に集めて銃殺してしまう。 しかも大尉が助けなければ、ただ敵側の軍服を着ていたという理由だけで、わずか十歳のジョジョすら撃ち殺そうとした。 戦争には善も悪もない。 そんな言葉を噛みしめるシーンだと思う。 『ジョジョ・ラビット』は間違いなく名作だと言っていい映画でした。 何より、スカーレット・ヨハンソンさんは最高だ! 面白かったです。 十歳の少年。 ヒトラー総統を空想の友達とするナイスボーイ。 訓練先のキャンプにて、かわゆいうさぎの命を守ろうとしたことから、『ジョジョ・ラビット』=臆病者というあだ名をつけられる。 ウサギを守ろうとしたのは最高だが、逃がすなら足元に置くのではなく、遠くに放り投げたら助かったんじゃ……と地団太踏みたくなるのが最高に子ども。 うさぎはかわいがるべきなのだ、馬鹿共め! 投げた爆弾が跳ね返って大怪我を負い、そのため学校も休学。 他の少年たちのように戦役に就かずにすんでいる。 空想の友人を見ればわかる通り、頭の中はナチス一色。 綺麗に洗脳されていたのだが、母が二階に匿っていたユダヤ人の少女エルサと出会ったことで、徐々に認識を改めていく。 エルサから『リルケ』について聞けばいそいそと図書館に出向いて調べもの。 バレバレの代筆を「えっへん」とばかりに読み上げたり、お腹の中の蝶にびっくりしたりと、 めちゃんこかわゆいボーイ。 そのため、後半に襲った悲劇の落差がひどい。 母親を処刑したのに息子を放置していたのは、エルサが姉のインガを演じたからだろうか……? おそらく子どもたちは危険なし、と判断されたのだと思うが、配給とかそういうのはどうなっていたのでしょうか。 ゴミ箱から拾ったにんじんは確実にまずそうだし、エルサがいなかったら生きられなかっただろう。 終戦直後は、エルサと離れたくないがために「ドイツが勝ったよ」とうそをつき、その報復にビンタを受けた。 でも結局は彼女のために、恋心を抑えて外へ連れ出す姿勢が 男前。 さすがロージーの教育が生きている。 どうぞ二人で強く生き抜いてほしい。 麗しのヨハンソンさんがその魅力を余すところなく発揮し、強さと弱さを兼ね備えた非常にチャーミングな女性となっている。 従軍で留守にしている父親に代わり、女手一つで息子をたくましく温かく育てている。 だがその裏で、ドイツ解放を謳うビラをまいたりと反戦行動を続け、エルサを死んだ娘の部屋に匿っていた。 秘密警察が自宅に来た時点では死亡していなかった……と思うので、おそらく決め手はジョジョの「母さんは毎日帰りが遅い」だったのかな……と思うとなんかもう目がうばぁーーってことになる。 男装する際の、 潔すぎる灰塗りたくりが非常にかっけー。 少女特有の可憐さが際立つ めちゃんこかわゆい女子。 絵は上手いし、頭の回転は速いし、そりゃジョジョも惚れるってなもんですよ。 ネイサンという婚約者がいたが、実は昨年病死していた。 なのにジョジョがいそいそと「ネイサンから手紙が届いたよ」と言うもんだから、初回は涙に暮れて引きこもってしまった。 ジョジョこの野郎。 だがその無邪気さと、後に見せる気遣いが救いになったのも事実。 ロージーが亡くなった後、部屋に入って来たジョジョにナイフで刺される。 刺した方、受けた方。 双方無言のやり取りの中に、悲しみと悔しさがにじむ。 その後、終戦によって無事自由の身となった。 「弟?」と尋ねるジョジョに、 「弟よ」と念を入れた声で返すのだが、ワンチャンくらいはあげてやって。 年の差七歳ならきっといける……でも当時は結婚早いだろうからな……がんばれ、ジョジョ。 ロージーとの会話の後、壁にかかった虎のタペストリーを見て、 「虎とにらめっこしてたじゃん」みたいな顔してるのが最高。 登場するほとんどのシーンで最高に弾けており、テンションの天井知らずっぷりに、何がしかの感情を抱く。 エルサとの交流が深まるに連れ、次第に出番が減っていき、ついにはヨーキーがさらりと「あの人自殺したよ」と言うので、ジョジョと一緒になって目を剥いてしまった。 マジカヨ。 受け止める側ってこんな気持ちだったんだな……という疑似体験ができたというか、本編に洗脳されてた自分を発見し、 この映画すげーってなりました。 最後は怒りのジョジョキックにより、 盛大にガラスを割って退場した。 さよならだ、総統。 ジョジョが参加したキャンプの教官。 ドイヒ。 素敵なスイムスーツを披露したり、舞台役者並のひらひら軍服を披露したり、 かっちょよく銃を撃つ俺を披露したりと忙しい。 決して善人というわけではないが、何度もジョジョを守ったのは事実。 最後はうすら笑いを浮かべたまま死んだのでは……と個人的には想像している。 キャンプにも同行していた。 豚しゃんを連れてこいと言われたのに、養豚家を連れて来ちゃったりとうっかりミスをかます。 でもそこが魅力。 大尉との間には通い合うものがあるらしく、最後はド派手な軍服に身を包み、共に市街地を駆け抜けていった。 だが米軍に捕縛された際は大尉一人だったので、おそらくは……。 年は一個上。 眼鏡をかけたまるぽちゃの少年。 ジョジョに『二番手の親友』扱いされて悲しい顔をする。 ドイヒ。 でも総統を蹴り飛ばしたあとは、再び一位に返り咲いたと信じている。 怪我を負って自宅療養中のジョジョと一時疎遠になるものの、時折町中で再会すると、いつも何がしかの軍の仕事に従事している。 そして市街地が戦地と化したときには、前線の兵士のためにいそいそと武器を運ぶ真っ最中……と思ったら手が滑って町中でランチャーをぶっ放すという凶行に及ぶ。 でもって、ぽろりと「総統は死んだよ」という別の意味での爆弾も落としていく。 嘘やろ。 しかもその時は服の後ろが大きく破れて背中が大きく露出しており、 君は一体どんな目に遭ったんだ……とかなり心配になった。 街はひでーことになったが、彼の母親は生きているらしく、ジョジョと別れて意気揚々と母の元へと戻っていった。 よかったよかった。 愛国心に溢れており、大尉に続いて言動がイってる。 ラストの市街地戦では、おまけのお菓子を配るかのごとく、少年たちに爆弾を持たせて「さあ行け!」と叫んでいた。 さあ行け、じゃあねえよ。 中の一人がものすごく背が高く、圧迫感もあってヒェッとなった。 終戦後はアメリカ兵に引っ張られ、大尉と同じ場所に連れられていった。 実に才能に溢れたお方。 大変素晴らしい映画でした。 次回作も楽しみにしております。 ありがとうございます。 ジャケットがイケとります。 ジョジョ・ラビットのファンアートという企画があったので描いた一枚。 時間があったら、ヨーキーや大尉を追加したいと思います。
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映画「ジョジョ・ラビット」を視聴してきました! 第2時世界対戦のドイツで10歳の男の子を主人公にしたストーリーで、ともすれば暗く重い命題になりそうな話をコミカルに描いており、とても楽しむ事ができました。 コミカルな作風であるがためか、主人公のジョジョやその母親のロージー、ユダヤ人少女のエルサなど、終戦間近のドイツであのような考えや行動を本当に行えていたのか、という疑いも感じないではありませんでしたが、そこは風刺映画ということを理解すれば、面白おかしく見ることができると思います。 いろんな小道具を使ってジョジョの成長や心の変化を見せているのが印象的でしたが、個人的には彼の親友のヨーキー少年がかなりいい味を出していて、お気に入りになりました。 映画ジョジョラビットの簡単なあらすじとキャストの紹介 「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ監督が第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を、ユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した人間ドラマ。 第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。 しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。 母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。 それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった。 主人公のジョジョ役をローマン・グリフィン・デイビス、母親役をスカーレット・ヨハンソン、教官のクレツェンドルフ大尉役をサム・ロックウェルがそれぞれ演じ、俳優でもあるワイティティ監督が、ジョジョの空想の友だちであるアドルフ・ヒトラーに扮した。 ジョジョ: ローマン・グリフィン・デイビス エルサ: トーマシン・マッケンジー アドルフ: タイカ・ワイティティ ロージー: スカーレット・ヨハンソン クレンツェンドルフ大尉: サム・ロックウェル 引用「」 映画ジョジョ・ラビットの感想 — 自分自身で知り、感じることの大切さ 今、世界で広がりつつあると言われているナショナリズム。 それはとても危険なことで、その証明としてよく使われるのが第二次世界大戦を引き起こしたドイツ・ナチスとその党首ヒトラー。 人々の不満をたきつけ、ユダヤ人という敵を作り出して迫害し、ついには国を挙げて泥沼の戦争でヨーロッパ全土をはじめとする世界中を巻き込んでいった人物です。 そんなドイツの大戦末期、10歳になるドイツ人少年のジョジョは、何の疑いもなく、周りの人々同様、ヒトラーを盲信し、その当時ドイツ内で信じられていた良いドイツ人男子になるべく、兵士になる訓練に参加します。 ところが訓練ではうまく行かず、それが原因で周りの少年たちからバカにされてしまう。 しかも母親が自宅にユダヤ人少女を匿っていることを知ってしまい、それを誰にも言えないという状況になってしまってとても苦悩します。 こうやって文字で書いていくと、とても重くて暗い、しかも視聴後に救いようのない気持ちになるような内容に見えてきますが、映画は信じられないくらい明るく、コミカルな作りとなっていて、最後まで一気に見ることができました。 内気な少年を主人公にし、そういうタイプの少年によくありがちな空想上の友人を持っているという設定が秀逸なのですが、さらにその当時らしく友人はアドルフ・ヒトラー。 もちろん10歳の子供の空想で作られた彼ですから、子供っぽい上にかなりユーモラスに描かれています。 映画公開前からすでに話題になっていますが、このアドルフ・ヒトラーを演じたのはこの作品の監督でもあるタイカ・ワイティティ。 ニュージーランド出身の俳優兼コメディアンであり、監督や脚本家としても有名です。 コメディアン出身ということで、このようなテイストになったのでしょうが、こんなに暗くなりそうな題材を、明るい作品に仕上げたのはさすがとしか言いようがありません。 映画内でいくつか使われていたメタファーも気になりました。 ジョジョが10歳であるにも関わらず、まだ靴紐を自分で結べないという設定は、それが登場した時点で、後半、ジョジョが成長したときには結べるようになるんだろうな、と察しが付きました。 が、映画の題名にもなっている「ジョジョ・ラビット」のラビット、これがどういう意味なのか、映画の最後、ドイツが負けて大戦が終わったシーンになるまで、はっきりとはわかりませんでした。 が、ドイツが負けたあとでも、ジョジョが生き残っているという事実を認識したとき、映画の初めでウサギを殺せず、一人で落ち込んでいるジョジョを慰めたアドルフのセリフを思い出したのです。 ウサギは外敵からの捕食対象という弱い立場ながら強く立派に生きており、自分だけでなく家族も守ろうと毎日戦っている。 つまりウサギにとって生きていることそのものが戦いであり、生き残っているということがウサギにとっての勝利なのだ、と。 このウサギは、ジョジョそのものだったのではないでしょうか。 10歳という幼い彼が生きる過酷な第2次大戦という状況。 国や世論は敵を倒すことこそが勝利なのだ、と喚き散らしていますが、彼にとってはそれは至難の業でしかありません。 年齢もさることながら、ひ弱な体格、優しい性格はおおよそ兵士向きではないからです。 そんな彼にとって生き残ることだけが精一杯であり、そして見事に戦争を生き抜くことができた。 そんなジョジョは、ウサギとしての勝ち組である、と言いたかったのではないか、と思ったのです。 話は戻りますが、冒頭の古いナチスの映像。 あれはとても気持ち悪いものでしたね。 おそらく政治宣伝用のプロパガンダ映像で演出が加えられていると思いますが、当時ドイツの子どもたちのヒトラーに対する憧れる様子は、気持ち悪いとしか言いようのない不快感を感じてしまいました。 いまだと北朝鮮関連の映像で似たようなものを見たりしますが、その異様さは比ではないですね。 個人崇拝をあそこまで大々的に推し進め、きちんとした判断基準をまだ持ち合わせていない子どもたちを洗脳教育を施した結果なのでしょうが、ドイツで起こり、ソ連でもスターリンに対して、中国でも毛沢東に対して、そして現代では北朝鮮の将軍様に対して行われているわけで、もしかするとアフリカなどに存在する独裁国家でも同じような事が行われているのかもしれません。 なににしても、凄まじい恐怖と嫌悪感を感じたシーンでした。 映画ジョジョ・ラビットのネタバレ — 母親ロージーの結末は予想外 映画「ジョジョ・ラビット」は、ナチスのためにその教えをよく理解して立派な兵士になって祖国を守ると信じて疑わない少年ジョジョが、母親ロージーが密かに匿ったユダヤ人少女エルサと知り合い、彼女を理解していくことで、ナチスの考え方が本当に正しいのか、疑問を持つようになるお話です。 最終的には年上のエルサに恋心を持ち、嘘をついてまで自分のものにしたい、と思うほど入れ込んでしまうのですが、その根底には与えられた情報を鵜呑みにしないで、自分自身で本当に正しいのかどうか、確認する行動がとても重要である、という監督の思いがあるのではないか、と思ってしまいました。 現代でもネットの発達のため、必要以上の情報が氾濫しています。 その中で生活している自分たちには、得られる情報が本当に正しいのかどうか、きちんと確認をするという行為がとても重要である時代になってきています。 与えられた情報を盲目的に信じてそれに踊らされる人々が増えると、それこそ第2次世界大戦前のドイツのようにナチス党やヒトラーのような人物や団体の誕生を手助けしてしまうことになるからです。 あの頃のドイツでユダヤ人であるということは、同じ人間ではない、と信じられていました。 またドイツ人は世界一優秀な民族で、その民族が世界を正しい方向に導くために、他の民族の上に立たなければいけない、という、今考えればトンデモな思想が、普遍の真理として盲目的に信じ込まれていました。 その信仰は純粋な幼い子供であればあるほど、狂信的に信じられていたと思います。 そんなドイツで生まれ育ったジョジョが、時間がかかったとはいえ、ユダヤ人少女に恋するまでに大きく変化していったのは、あの時代の歴史的背景を考えると果たして説得力があるのか、考えてしまいました。 映画で作り物のお話だから、という考えで不自然さを覆い隠そうとしている自分がいなくもないですが、ジョジョの母親、ロージーの発言を思い返してみると、案外ジョジョがあのような結末を迎えたのも、彼にとって自然な心の動きなのかもしれない、友思えてきたのです。 最初、ジョジョが訓練キャンプで怪我をして返ってきたあと、責任者のクレンツェンドルフ大尉をぶん殴っていたシーンを見たとき、彼女は実はナチス党の幹部という立場にいるからあのような行為も行えたのだ、と誤解してしまいました。 そしてそんな誤解をしたからこそ、そんなコテコテのナチス党幹部である彼女が、どうしてユダヤ人少女を屋根裏にかくまおうとしたのかが、理解不能だったのです。 映画が進むに連れ、ロージーは民主主義者でナチス党と反対の考えを持っており、エルサを匿ったのも、本心からの行動だったことがわかります。 そんな母親を持つジョジョだったからこそ、ナチスの呪縛から早く抜け出せたのかもしれません。 そう考えると、ストーリー的に矛盾はなく、違和感を感じることのない説得力があると思い直しました。 ただ、ストーリー上、ことが露見し、ロージーが処刑されたことはまったくもっての驚きでしたが。 ただ、自分は映画の中で確認できませんでしたが、エルサは亡くなったジョジョの姉の同級生という設定で、そのこともロージーがエルサを匿った理由の一つだとなっていたそうです。 が、実際のところ、ナチスがドイツで勢力を拡大していくと、戦争の起きる以前の1933年頃から政策としてユダヤ人迫害を始めています。 1933年にナチ党員がユダヤ人の経営する会社や商店を襲撃し始め、国家はこの暴挙を見て見ぬ振りをします。 1935年にはドイツ国民であったユダヤ人が帝国市民ではない、という存在であると法律で定められ、結婚などが禁じられるなどの規制が始まります。 1937年にはユダヤ人資本の企業や会社が解散や譲渡を矯正され、1939年には会社の経営や責任者になることが禁じられました。 1938年には名前をひと目でユダヤ人だと分かるようなものに改名することを強要し、1939年にはパスポートにユダヤ人であることを示す「J」という刻印が押されることになります。 その後も ドイツ人学校からのユダヤ人生徒の排除 運転免許の剥奪 毛皮・宝石類・伝書鳩・自動車の保持禁止 第一次世界大戦の恩給停止 ベルリン市内の大規模なユダヤ人立ち入り禁止区域の設定 寝台車や食堂車の使用禁止 などの措置が矢継ぎ早に行われることになるのですが、そうなるとエルサがジョジョの姉インガの同級生であったという設定は、5年ほど前ということになり、少し時代背景に合わない気がしないでもありません。 幼馴染、という設定であれば分からなくもないですが、それだとジョジョの家族はエルサの家族とある程度付き合いがあった、ということになりえます。 少なくとも姉の友達を弟のジョジョが全く知らない、というのは少しおかしいのではないでしょうか。 そこまで時代考証に正確に設定をしていく必要はないでしょうから、映画としてエンターテインメントを楽しむには、重要ではない、細かいところなのでしょうけどね。 ジョジョ役とエルサ役の子役俳優の紹介 それではこの映画で登場した子役の二人の紹介をしていきたいと思います。 ジョジョ役 ローマン・グリフィン・デイビス 今回ジョジョ役を務めたのはイギリスの子役俳優「ローマン・グリフィン・デイビス」です。 今回の「ジョジョ・ラビット」が初の映画出演のようで、いきなり大役をものの見事にこなした、という印象を受けました。 が、そんな無名の子役をどうやって見つけ出してきたのかのほうが気になったのですが、実はこのローマン・グリフィン・デイビス、両親も映画関係者という家庭環境に育っていたのです。 しかも父親は撮影監督のベン・デイヴィス。 他の家族構成として、母親と双子の兄弟がいます。 母親キャミリー・グリフィンもライター兼監督として芸能界に関係を持つ人物で、双子の弟ギルビーとハーディーがいます。 こちらがその兄弟の写真。 ふたりともぽっちゃりしていてローマンとはあまり似ていないように見えるのは僕だけでしょか? A post shared by romangriffindavisofficial on Aug 12, 2019 at 4:12am PDT ちなみにギルビーとハーディーは兵士訓練キャンプに参加した子供役として、エキストラ参加をしていました。 エルサ役トーマシン・マッケンジー エルサ役の子役トーマシン・マッケンジーはニュージーランド出身です。 こちらも両親が芸能関係者で、父親は映画監督のスチュワート・マッケンジー、母親が女優のミランダ・ハーコートです。 ニュージーランド出身ということで監督のタイカ・ワイティティと一緒。 両親が芸能関係者ということで、そのつながりが映画出演に結びついたのではないでしょうか。 2012年より芸能活動をしており、2018年の映画「足跡はかき消して」に主人公の娘役で出演しています。 この映画、日本ではあまり評判にならなかったようですが、彼女の演技は批評家から絶賛され、数多くの賞にノミネートされました。 そして米国映画批評会議賞(ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞)のブレイクスルー演技賞を受賞したのです。 この「足跡はかき消して」という映画は、イラク戦争の従軍経験が原因でPTSDに苦しんでいる元兵士が、娘と一緒にオレゴン州の森の中で人目を避けるような生活を送っていたものの、とあることから二人は他の人達と関わって暮らす生活を送ることとなり、そのストレスに耐えきれなくなった父親と他人と関わって暮らすことの素晴らしさを知った娘が、最後に別れて暮らす決意をする、というお話です。 まとめ 映画「ジョジョ・ラビット」はともすると重苦しくなってしまう題材をとてもコミカルに描きながら、現代にも通じる問題を提起し、その解決策の一つを提示している作品だと思います。 楽しい映画ですので、家族で、友人と、または恋人と一緒に見ることができるでしょう。 そしてお腹を抱えて笑った後に、映画を通してのジョジョの成長に思いを寄せてみてほしい作品です。
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