2ストエンジンよりも精密な4ストエンジンは、排気バルブと吸気バルブを備えているのがポイント。 今回はバルブ回りを分解・組み付けするための専用工具「バルブスプリングコンプレッサー」、バルブの擦り合わせを行う「タコ棒」を使い、モンキー・ゴリラのシリンダーヘッドを徹底的にメンテナンスしてみます。 バルブスプリングコンプレッサーって何? 「バルブスプリングコンプレッサー」とは、バルブスプリングを縮めて吸排気バルブ回りを分解・組み付けするための専用工具。 物を挟み込むための工具「万力」によく似た構造&形状が特徴です。 収納ケース、バルブスプリングコンプレッサー本体、プッシュバー2種類(90mm、50mm)、アタッチメント5種類(内径14mm、16. 5mm、21. 5mm、23. 5mm、28. 5mm)が1セット。 バルブスプリングコンプレッサーは、吸排気バルブ回りのメンテナンスやチューニングには欠かせないアイテム。 「吸気ポートと吸気バルブは、こうやってつながっていたんだ」等々、バルブ回りの分解は、エンジンの構造がよく理解できるのもポイントです。 モンキー用シリンダーヘッド、バルブ回りの分解作業 今回作業するのは、12Vモンキー・ゴリラの腰上にあるシリンダーヘッド(純正)。 腰上とはシリンダーヘッドとシリンダー、またその中に組み込まれているピストンなどの総称。 ちなみに腰下とはクランクケース部分の呼び名。 人間の体に例えた呼び方です。 吸排気バルブ回りを分解するには、ロッカーアームを取り外す必要があります。 取り外しには12mmボルトを使用します。 まずはロッカーアームシャフトが収まっている孔に12mmボルトを挿入し、軽く締めます。 そのまま12mmボルトを引き抜けば、ボルトに接続されたロッカーアームシャフトが姿を現し、ロッカーアーム本体が外れます。 バルブスプリングコンプレッサーの使い方 バルブスプリングコンプレッサーの両端にあるプッシュバーに、適切なサイズのアタッチメントを取り付けます。 下記のように吸気バルブのバルブフェイス(燃焼室側)とバルブスプリングリテーナー(スプリング側)にアタッチメントを固定し、バルブスプリングコンプレッサーをセットします。 バルブスプリングコンプレッサーで縮められたバルブスプリング 写真上はどちらもバルブスプリング部分。 バルブスプリングコンプレッサーのハンドルを締め込むと、バルブを開閉させるためのバルブスプリングがギュ~っと縮まります。 このスプリングが縮まるとバルブが開く、スプリングが戻るとバルブが閉じるというしくみです。 バルブコッターの取り外し バルブスプリングが縮まると、バルブ回りを固定している2個のバルブコッターがポロリと外れます。 再度組み付ける場合は、バルブスプリングを締め過ぎず、ラジオペンチ等を使い、2個のバルブコッターを均等に配置するのがポイントです。 写真下はシリンダーヘッドから取り外したバルブスプリングとバルブコッター。 吸気バルブと排気バルブのメンテナンス そこで今回は、電動リューターのチャックにバルブステムを固定して回転。 バルブに傷を付けないよう、ワイヤーブラシを軽く当てながらカーボンを削ぎ落としました。 バルブに付着したカーボンを除去することで、バルブ開閉時のフリクション(抵抗)を軽減することができます。 タコ棒でバルブを擦り合わせ バルブスプリングコンプレッサーを使ってバルブ回りを分解し、バルブに付着したカーボンを除去した後は、「タコ棒」という工具でバルブの擦り合せ&当たりの確認作業を行います。 4ストエンジンは吸気・圧縮・爆発・排気の4工程を反復し、幾度となくバルブの開閉を繰り返します。 その結果、特に走行距離の伸びたエンジンは、バルブフェイスやバルブシートが痛み、微妙なすき間から圧縮が漏れてしまう場合があります。 今回実施する「バルブの擦り合せ」「バルブの当たりの確認」とは、吸排気バルブのフェイス(傘の部分)と燃焼室側のバルブシート(フェイスが密着する部分)の圧縮漏れを正す作業。 ビギナーの場合、タコ棒の叩き付け&回転の力の入れ具合、バルブフェイスとバルブシートの当たりの確認等々、コツをつかむまでに時間を要します。 まずは吸盤をバルブフェイスに密着。 次にバルブフェイス(燃焼室側にあるバルブシートとの密着部)にバルブコンパウンドを薄く塗布します。 タコ棒に吸い付かれたバルブをバルブシートに「カンカン」と叩き付けつつ、クルリと回転させます。 熟練したチューナーは、片手でリズミカルに「カン(叩き付け)、クルッ(回転)、カン(叩き付け)、クルッ(回転)」と作業していましたが、実際にやってみるとなかなか難しいです。 時間はかかりますが、両手で確実に擦り合わせをします。 バルブフェイスとバルブシートの接触面に凹凸がなくなったら、パーツクリーナー&ウエスを使い、各部に残ったバルブコンパウンドを完璧に除去。 ちなみにプロは最終チェックとして「光明丹」という赤色塗料をバルブフェイスに塗ってバルブシートに押し付け、当たり具合をチェック。 光明丹の付着具合により、肉眼では見えない接触面の凹凸の有無を確認します。 チューナーによっては光明丹を使わず、まずはシリンダーヘッドにバルブとプラグをセット。 次に燃焼室へ灯油を注ぎ、吸排気ポートに灯油が滲んでいないかを確認する人もいます。
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2ストエンジンよりも精密な4ストエンジンは、排気バルブと吸気バルブを備えているのがポイント。 今回はバルブ回りを分解・組み付けするための専用工具「バルブスプリングコンプレッサー」、バルブの擦り合わせを行う「タコ棒」を使い、モンキー・ゴリラのシリンダーヘッドを徹底的にメンテナンスしてみます。 バルブスプリングコンプレッサーって何? 「バルブスプリングコンプレッサー」とは、バルブスプリングを縮めて吸排気バルブ回りを分解・組み付けするための専用工具。 物を挟み込むための工具「万力」によく似た構造&形状が特徴です。 収納ケース、バルブスプリングコンプレッサー本体、プッシュバー2種類(90mm、50mm)、アタッチメント5種類(内径14mm、16. 5mm、21. 5mm、23. 5mm、28. 5mm)が1セット。 バルブスプリングコンプレッサーは、吸排気バルブ回りのメンテナンスやチューニングには欠かせないアイテム。 「吸気ポートと吸気バルブは、こうやってつながっていたんだ」等々、バルブ回りの分解は、エンジンの構造がよく理解できるのもポイントです。 モンキー用シリンダーヘッド、バルブ回りの分解作業 今回作業するのは、12Vモンキー・ゴリラの腰上にあるシリンダーヘッド(純正)。 腰上とはシリンダーヘッドとシリンダー、またその中に組み込まれているピストンなどの総称。 ちなみに腰下とはクランクケース部分の呼び名。 人間の体に例えた呼び方です。 吸排気バルブ回りを分解するには、ロッカーアームを取り外す必要があります。 取り外しには12mmボルトを使用します。 まずはロッカーアームシャフトが収まっている孔に12mmボルトを挿入し、軽く締めます。 そのまま12mmボルトを引き抜けば、ボルトに接続されたロッカーアームシャフトが姿を現し、ロッカーアーム本体が外れます。 バルブスプリングコンプレッサーの使い方 バルブスプリングコンプレッサーの両端にあるプッシュバーに、適切なサイズのアタッチメントを取り付けます。 下記のように吸気バルブのバルブフェイス(燃焼室側)とバルブスプリングリテーナー(スプリング側)にアタッチメントを固定し、バルブスプリングコンプレッサーをセットします。 バルブスプリングコンプレッサーで縮められたバルブスプリング 写真上はどちらもバルブスプリング部分。 バルブスプリングコンプレッサーのハンドルを締め込むと、バルブを開閉させるためのバルブスプリングがギュ~っと縮まります。 このスプリングが縮まるとバルブが開く、スプリングが戻るとバルブが閉じるというしくみです。 バルブコッターの取り外し バルブスプリングが縮まると、バルブ回りを固定している2個のバルブコッターがポロリと外れます。 再度組み付ける場合は、バルブスプリングを締め過ぎず、ラジオペンチ等を使い、2個のバルブコッターを均等に配置するのがポイントです。 写真下はシリンダーヘッドから取り外したバルブスプリングとバルブコッター。 吸気バルブと排気バルブのメンテナンス そこで今回は、電動リューターのチャックにバルブステムを固定して回転。 バルブに傷を付けないよう、ワイヤーブラシを軽く当てながらカーボンを削ぎ落としました。 バルブに付着したカーボンを除去することで、バルブ開閉時のフリクション(抵抗)を軽減することができます。 タコ棒でバルブを擦り合わせ バルブスプリングコンプレッサーを使ってバルブ回りを分解し、バルブに付着したカーボンを除去した後は、「タコ棒」という工具でバルブの擦り合せ&当たりの確認作業を行います。 4ストエンジンは吸気・圧縮・爆発・排気の4工程を反復し、幾度となくバルブの開閉を繰り返します。 その結果、特に走行距離の伸びたエンジンは、バルブフェイスやバルブシートが痛み、微妙なすき間から圧縮が漏れてしまう場合があります。 今回実施する「バルブの擦り合せ」「バルブの当たりの確認」とは、吸排気バルブのフェイス(傘の部分)と燃焼室側のバルブシート(フェイスが密着する部分)の圧縮漏れを正す作業。 ビギナーの場合、タコ棒の叩き付け&回転の力の入れ具合、バルブフェイスとバルブシートの当たりの確認等々、コツをつかむまでに時間を要します。 まずは吸盤をバルブフェイスに密着。 次にバルブフェイス(燃焼室側にあるバルブシートとの密着部)にバルブコンパウンドを薄く塗布します。 タコ棒に吸い付かれたバルブをバルブシートに「カンカン」と叩き付けつつ、クルリと回転させます。 熟練したチューナーは、片手でリズミカルに「カン(叩き付け)、クルッ(回転)、カン(叩き付け)、クルッ(回転)」と作業していましたが、実際にやってみるとなかなか難しいです。 時間はかかりますが、両手で確実に擦り合わせをします。 バルブフェイスとバルブシートの接触面に凹凸がなくなったら、パーツクリーナー&ウエスを使い、各部に残ったバルブコンパウンドを完璧に除去。 ちなみにプロは最終チェックとして「光明丹」という赤色塗料をバルブフェイスに塗ってバルブシートに押し付け、当たり具合をチェック。 光明丹の付着具合により、肉眼では見えない接触面の凹凸の有無を確認します。 チューナーによっては光明丹を使わず、まずはシリンダーヘッドにバルブとプラグをセット。 次に燃焼室へ灯油を注ぎ、吸排気ポートに灯油が滲んでいないかを確認する人もいます。
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13 3. 12 3. 13 3. 14 3. 13 3. 15 3. 12 3. 13 排気 3. 01 3. 01 3. 03 3. 03 3. 03 3. 03 3. 04 3.
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